提供:Sitakke
小樽の旬・ディープな情報を「”市民目線”でおもしろおかしく、真面目にお届け」しているウェブマガジン「小樽自身」から、選りすぐりの記事をお届けしています。
***
2月はニシンが旬な季節。小樽とニシンについては、歴史的にも切っても切れない関係にあります。
今回は、ニシン漁で栄えた漁村集落の面影を今も残す「祝津(しゅくつ)エリア」をニシンに絞ってご紹介!
見て食べて楽しんで、さまざまな角度からニシンを満喫してくださいね♪
祝津エリアとは?
明治時代に最盛期を迎え、小樽に好景気をもたらしたニシン漁。
漁夫たちが暮らし、作業をしていたのが番屋と呼ばれる建物です。
祝津には今でもその番屋がいくつか残っており、ニシン漁で栄華を誇った網元の、贅沢な御殿や暮らしも垣間見ることができます。
祝津は車やバスで、小樽駅から15~20分程度で行ける好立地。
ニシンを楽しむにはうってつけの場所となりますので、これからご紹介していきます!
にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)
まずご紹介するのが、「にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)」
青山家は明治・大正を通じ、ニシン漁で巨万の富を築き上げました。
その三代目の政恵が17歳の時、山形県酒田市にある本間邸に魅せられ大正6年から6年半余りの歳月をかけ、お客様をお招きするために建てられたのが旧青山別邸です。
旧青山別邸は平成22年、国より登録有形文化財に指定されました。
約1,500坪の敷地内に木造2階建てで建坪は190坪。家屋の中は6畳~15畳の部屋が18室、それぞれに趣が異なり、金に糸目をつけず建てられた創建101年目を迎えた豪邸です。
北海道屈指の美術豪邸を見て、ニシンで栄えた当時のことに思いを馳せてはいかがでしょうか?
また、小樽貴賓館ではお食事処もあり、旬のおすすめメニューはニシン料理です。
脂の乗った一夜干身欠きニシンを厳選し、化学調味料は一切使わずに大釜でじっくり炊き上げます。料理長の熟達の技が引き出したニシン本来のうまさを、お重やおそばでお楽しみください(貴賓館売店ではニシンを購入することもできます)。
にしんお重
ニシンの甘露煮は口に入れるとほろりとくずれるやわらかさ。カニサラダと蓋物、香の物、味噌汁がついています。
にしんそば
北海道産そばとニシンの甘露煮の好相性が味わえます。
にしん御殿 小樽貴賓館(旧青山別邸)
小樽市 鰊御殿(※災害復旧工事のため現在休館中)
小樽市鰊御殿(にしんごてん)は、明治30年に積丹(しゃこたん)の泊村(とまりむら)に建てられ、昭和33年に現在地へ移築復元したものです。移築後の昭和35年には「北海道有形文化財ニシン漁場建築」として、文化財に指定されました。
明治時代の原型をとどめており、華やかな往時を偲ぶ貴重な鰊漁場建築です。
屋内には、ニシン漁やニシン加工に使われた道具類をはじめ、ニシン番屋で生活していた人々の生活用具や記録VTR、写真など貴重な資料を多数展示しております。
小樽市鰊御殿
- 住所
- 北海道小樽市祝津3-228
※2023年9月12日の大雨による土砂崩れにより、現在休館中となっております。最新の情報はこちらのホームページからご確認願います
おたる水族館
豊かな自然に囲まれ、常時約250種以上の動物や魚の生態を間近で感じられる「おたる水族館」。
イルカショーやトドショー、冬は雪の中を歩くペンギンウォークなどが人気となっておりますが、実はおたる水族館ではニシンの展示をしています。
約300匹もいるというニシン。食べることはあれど、泳いでいる姿を見るというのはなかなかないのではないでしょうか?
群れで泳ぐニシンが、水槽に差し込む光によって輝く姿は必見です!
イルカやペンギンも良いですが、ぜひこの機会にニシンも見に行ってくださいね♪
おたる水族館
豊井浜海岸(群来を見る)
小樽の沿岸では、ニシンが産卵のため大群で押し寄せ、産卵・放精によって海の色が乳白色になる群来(くき)が確認されています。
祝津の豊井浜海岸も群来スポットの一つ。運が良ければ、2~3月の時期に見ることができます。(レアな光景なので、もし出会えたらラッキーです!)
豊井浜海岸
- 住所
- 北海道小樽市祝津1
※過去の群来の情報はこちらで発信されています。
祝津パノラマ展望台(※フォトフレームは冬季ご利用できません)
祝津の海景色を楽しみたいなら、おすすめなのは「祝津パノラマ展望台」
目の前には一面の日本海が広がり、展望台から望む風景は正に絶景です。
その展望台に設置されているフォトフレームには、天使の羽が描かれており、実は、この羽の1枚1枚はニシンの形をしており、鰊漁で栄えた祝津地区にちなんだスポットになっています。
残念ながら冬季は見ることができないものの、祝津×ニシンを楽しむにはご紹介したい場所です。
展望台からの絶景。ニシンいるかな?
祝津パノラマ展望台
- 住所
- 北海道小樽市祝津3
- 冬期
- 展望台は積雪状況により立ち入り可能ですが、フォトフレームは利用できません。
- 詳細
- ホームページ
民宿 青塚食堂
祝津の前浜で獲れた新鮮な地元食材を楽しむことができる「青塚食堂」。
何十年も守ってきた漁師の家庭的な味と鮮度が魅力です。
青塚食堂では海の幸をふんだんに使ったメニューを数多く取りそろえていますが、こちらのお店の看板メニューとして、特大ニシン焼きがあります。
豪快に焼いているところを目の前で見られるので、見て楽しい、食べておいしいのは間違いなし!
特大ニシン焼きは、定食のほか、単品でも提供されていますので、他の料理とあわせていただくのもオススメです。
お、大きい!
民宿 青塚食堂
- 住所
- 北海道小樽市祝津3-210
- TEL
- 0134-22-8034
- 詳細
- ホームページ
KIM GLASS DESIGN
祝津エリアにガラス工房を構える「KIM GLASS DESIGN(キムグラスデザイン)」。
海岸沿いの最高のロケーションで吹きガラス体験もできるこちらの工房では、小樽でかつて作られ、市民に愛された陶器「小樽焼」を、「新・小樽焼」としてガラスで復活させました。
こちらの色柄は、小樽に春を告げるニシンの産卵現象の「群来」をイメージしたターコイズが主体で、陶器にはない、半透明な質感がガラスらしい表情を見せてくれます。
ガラス作家が表現する「群来」もこの機会にご覧になられてはいかがでしょうか?
(こちらの作品はオンラインストアでも購入することができます)
KIM GLASS DESIGN
ご紹介した以外にも、祝津では6月におたる祝津にしん群来祭りが開催されるなど、ニシンを楽しむイベントも開催されています。
これから旬を迎えるニシン。小樽に来られる際には祝津エリアにもぜひ来てみてくださいね。
月刊小樽自身3月号の表紙
定番の観光スポットももちろん良いですが、小樽にはこんな楽しみ方もあったの!?という視点でお届けする3月号。レトロな小樽、斬新な屋内アクティビティが楽しめる小樽、意外にもひな祭りスポットが多い小樽。まだまだ知られていない小樽の魅力に触れてみてください♪
内容は掲載時点(2024年1月25日)の情報に基づきます。
内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各店舗・各施設にお問い合わせください。
※この記事は、2024年2月17日にHBC北海道放送のWEBマガジン「Sitakke」で公開された記事を転載したものです。