【北海道】雄大な自然やグルメ、アートを満喫!夏の洞爺湖モデルコース

サイロ展望台

北海道南西部に位置する「支笏洞爺国立公園(しこつとうやこくりつこうえん)」。その中心に、洞爺湖(とうやこ)があります。

水の透明度の高さは国内でも有数で、晴れた日には湖面に周囲の自然が映った美しい光景を見られます。また、湖の中央には大小4つの無人島が浮いており、遊覧船に乗って渡り、島内を散策することも可能です。

そんな洞爺湖の魅力や、体験できるアクティビティを周辺の観光スポットを含めご紹介。ぜひ、旅行の参考に!

 

 

噴火活動が生み出した洞爺湖

洞爺湖

洞爺湖は、北海道千歳市西部にある支笏湖(しこつこ)に次いで、国内で3番目の大きさを誇るカルデラ湖です。カルデラ湖とは、火山活動によって形成された陥没地に水が溜まってできた湖のこと。

約11万年前の巨大な噴火により誕生した洞爺湖は、周囲約43キロメートル、水面標高84メートル、面積70.7平方キロメートル、平均深度117メートル。貯水量が多く、夏の間に吸収した熱を冬に放出するため、年間を通して凍ることがない不凍湖(ふとうこ)ですが、近年では一部で結氷が見られる箇所もあるそう。

 

洞爺湖

湖の中央にある4つの島(大島・弁天島・観音島・饅頭島)は、約5万年前の湖底の噴火活動で隆起した溶岩ドームが固まってできたと言われ、総称して「中島(なかじま)」と呼ばれています。

湖の北側には秀峰・羊蹄山(ようていざん)、南側には火山で知られる有珠山(うすざん)、昭和新山を望むことができ、四季を通じてさまざまな景観が見られるスポットです。

2008年には「北海道洞爺湖サミット(第34回主要国首脳会議)」が開催され、この地に世界8カ国の首脳が一堂に集まりました。さらに、洞爺湖および有珠山を中心としたエリアは、カルデラ湖の歴史や2000年に噴火した有珠山での地殻変動を目の当たりにできることが評価され、2009年に「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。

 

洞爺湖へのアクセス

新千歳空港

札幌中心部から車で洞爺湖へ向かう場合は、一般道を通って約2時間10分。新千歳空港から向かう際は、道央自動車道・千歳ICから虻田洞爺湖ICまで約1時間40分の道のりです。

電車の場合、最寄りはJR洞爺駅。札幌駅から洞爺駅までは約1時間55分。新千歳空港駅からは、快速エアポートに乗り、南千歳で下車(約3分)。そこで特急北斗に乗り換えて、約1時間30分で到着です。

洞爺駅からは道南バス「洞爺湖温泉行」に乗り換えて約23分、「洞爺湖温泉」停留所で下車してください。

札幌中心部からは直通バス(完全予約制)も走っています。札幌駅にある7番乗り場から道南バス・札幌洞爺湖線に乗車。そこからの所要時間は約2時間45分です。

 

サイロ展望台で景色とグルメを堪能

サイロ展望台

洞爺湖の西岸にあるのが、サイロ展望台。洞爺湖を一望できるポイントにあり、中島や有珠山などさまざまな景色を思う存分堪能できます。

 

サイロ展望台

展望台にはテラス席や「TOYA」のモニュメントも。毎年、行楽シーズンには撮影スポットとして多くの観光客が訪れています。

 

cafe balher
cafe balher

展望台の横にあるのは、赤いコンテナが特徴的な「cafe balher(バルハー)」。北海道産の生乳たっぷりのソフトクリームや地元産の果物、ハーブ、野菜を使ったドリンクやフード、本格的なプレスコーヒーなどが味わえるカフェです。

 

cafe balher

スイーツのおすすめは「ベリーサンデー」(780円)。洞爺湖近郊・伊達市の牧場「牧家(ぼっか)」の生乳を100%使ったソフトクリームに、地元で採れたブルーベリーのソースがたっぷりとかかっています。さらに、その上にレアチーズがトッピングされた大満足の逸品です。

 

cafe balher

「ハーブコーディアルソーダ」(450円)は夏にぴったりのドリンク。近所にある姉妹店「ハーバルランチ」で採れたハーブをシロップにし、ソーダと一緒に堪能できます。見た目も鮮やかで周囲の景色とも馴染むので、映える写真も狙えますよ。

 

cafe balher

フードのイチオシは「うまじゃがくんUST」(1,000円)。洞爺湖周辺で採れるキタアカリにチーズをたっぷりとのせ、さらに地元の精肉店「肉のたどころ」の自家製ソーセージが添えられています。ハーブソルトの味付けがしっかりと効いて、素材の旨みが引き立つ一品です。

 

cafe balher

ドリンクやフードメニューはコンテナ内で飲食できますが、湖畔を一望できるテラス席もあるので、天気が良い日はぜひこちらを利用してください。

 

cafe balher

住所
北海道虻田郡洞爺湖町成香3
営業時間
10:00〜15:30
定休日
不定休
アクセス
【電車】JR「洞爺」駅から道南バス「サイロ展望台」停留所下車、徒歩約1分
【車】道央自動車道「虻田洞爺湖」ICから約15分
公式サイト
cafe balher

 

サイロ展望台

お腹を満たしたあとは、ショッピングを満喫しましょう。展望台には、お土産コーナーもあります。

 

サイロ展望台
サイロ展望台

北海道の定番のお菓子や乳製品などに加え、サイロ展望台オリジナル商品も勢ぞろい。そのほか、アウトドアブランドのアパレルアイテムなどもそろっているので、チェックしてみてください。

 

サイロ展望台

住所
北海道虻田郡洞爺湖町成香3-5
営業時間
8:30~18:00
定休日
なし
入場料
無料
アクセス
【電車】JR「洞爺」駅から道南バス「サイロ展望台」停留所下車、徒歩約1分
【車】道央自動車道「虻田洞爺湖」ICから約15分
公式サイト
サイロ展望台

 

とうや湖ぐるっと彫刻公園でアート散策

とうや湖ぐるっと彫刻公園

洞爺湖の湖畔沿いには、湖を囲むように国内外のアーティストの彫刻作品が設置されています。

 

とうや湖ぐるっと彫刻公園
とうや湖ぐるっと彫刻公園

作品は大小合わせて全部で58。それらすべてを総称して「とうや湖ぐるっと彫刻公園」と言います。さまざまな角度から撮影したり、人の形をした彫刻と同じ表情やポーズで撮ったりするのも面白そうです。

 

とうや湖ぐるっと彫刻公園

住所
北海道虻田郡洞爺湖町・有珠郡壮瞥町
詳細
とうや湖ぐるっと彫刻公園

 

遊覧船に乗って、いざ中島へ

洞爺湖中島巡り遊覧

湖畔から景色を眺めるのも素敵ですが、せっかくなら遊覧船でのクルージングも楽しみましょう。

 

洞爺湖中島巡り遊覧
洞爺湖中島巡り遊覧

洞爺湖汽船が通年運行する遊覧船は数種類あり、取材時は2階建ての「エスポアール」に乗船しました。中世の古城をイメージした船体が特徴的で、広々としたテーブル席やカフェ、ギフトショップなどもあり、移動中もゆったりと過ごせます。

 

洞爺湖中島巡り遊覧
洞爺湖中島巡り遊覧

洞爺湖温泉街から出航すると、たくさんのカモメたちがお出迎えしてくれました。ここから船は洞爺湖の中心、4つの島から成り立つ中島を目指します。

 

洞爺湖中島巡り遊覧

クルージングは約20分。遊覧船は各島を巡りながら、終着点の大島へと向かいます。

 

洞爺湖中島巡り遊覧

夏季(4月下旬~10月末日)のみ、島への上陸もできるので、シーズンを合わせて散策もしてみてください。

 

洞爺湖中島巡り遊覧船

営業期間
夏季コース(大島下船あり)4月下旬~10月末、
冬季コース(大島下船なし)11月~4月初旬
運航時間
8:30~16:30(30分毎)
所要時間
大島に下船しない場合約50分、大島に下船した場合は約80分
定休日
なし
料金
大人1,600円、小学生以下800円
詳細
洞爺湖汽船

 

洞爺湖大島散策で楽しむアドベンチャーツーリズム

中島・湖の森博物館

大島内には散策路が整備されているため、大自然を眺めながらのトレッキングが可能です。まずは、船を降りて少し歩いた先の「中島・湖の森博物館」で受付をします。

 

中島・湖の森博物館
中島・湖の森博物館

館内には、洞爺湖や大島をはじめとした中島の歴史や自然、生息する動植物についての展示物が。ここで島への知識を深めてから出発すると、トレッキングをより楽しめそうです。受付で入山のための必要事項を記入したら、トレッキング開始です!

 

中島・湖の森博物館
中島・湖の森博物館

散策路はいくつかコースが設定されているので、体力や時間に合わせた距離を選ぶことができます。前日に雨が降っていた場合など、道がぬかるんでいることもあるので、動きやすい服装や靴でのぞむようにしてください。道中には自販機などもないため、飲み物を持参するのもお忘れなく。

島の魅力をとことん知りたい人は、全長7.6キロメートルの島1周コース(所要時間約3時間)がおすすめです。

 

中島・湖の森博物館

散策を終えても時間がある場合などは、桟橋付近にある神社にも立ち寄ってください。パワースポットとして知られており、大黒様、恵比寿様、菅原道真公が祀られています。

 

中島・湖の森博物館

住所
北海道洞爺湖大島
営業期間
4月下旬~10月末まで(2024年は4月27日~10月31日)
営業時間
9:00~16:00
定休日
なし
入場料
大人200円、小・中学生100円
詳細
中島・湖の森博物館

 

有珠山で噴火を学び、絶景を堪能

有珠山ロープウェイ
有珠山ロープウェイ

湖上や湖畔、それぞれの角度から洞爺湖を満喫したあとは、南側へ少し足を延ばして有珠山へ。洞爺湖から南へ車で約40分、標高737メートルから壮大な自然を感じることができるスポットです。

活火山のため、この100年間で4度噴火しています。直近の噴火は2000年で、今は落ち着いていますが、時折、噴煙が上がる様子も見られます。

 

有珠山ロープウェイ
有珠山ロープウェイ

山頂へはふもとの「山麓駅」からロープウェイに乗って向かいます。

 

有珠山ロープウェイ
有珠山ロープウェイ

山麓駅併設の「昭和新山火山村」には、お土産コーナーやレストランに加え、音や光で噴火を再現した「噴火体験室」(入場無料)もあるので、のぞいてみてください。

 

有珠山ロープウェイ
有珠山ロープウェイ

2020年にリニューアルしたロープウェイは、ガラス面が大きく、乗車中もゆっくり景色を眺めることができます。

 

有珠山ロープウェイ

眼下に見える昭和新山は、1943年の有珠山の噴火活動で一帯の麦畑が隆起してできた寄生火山。

 

有珠山ロープウェイ

「山頂駅」へは約6分で到着。こちらにも、有珠山の噴火の歴史や火山防災について学ぶことができる「山頂防災シアター」があるので、散策前後に立ち寄ってみてください。

 

有珠山ロープウェイ

駅を出て右へ進むと「Mt.USU(マウントウス)テラス」があります。

 

有珠山ロープウェイ

このテラスには、洞爺湖や昭和新山が見渡せる展望デッキが。天気が良い日には羊蹄山も望むことができます。ソファ90席やテーブルも用意されているので、くつろぎながら大自然を思う存分に感じましょう。

 

有珠山ロープウェイ

さらにぜいたくな時間を過ごしたい人には、3席限定のプライベートシートがおすすめ。ふかふかで大きなクッションの上に寝そべれば、時間を忘れてしまいそうです。

座席はいずれも無料で利用できます。プライベートシートは先着順で予約などは受け付けていないため、利用したい場合は早めに行くようにしましょう。

 

有珠山ロープウェイ
「おやまのホットサンド ピザ味」(800円)、「ジオの恵みスムージー」(700円)
有珠山ロープウェイ
うすもこオリジナル牛乳ソフト(450円)

テラス内にある「Cafe Mt.USU」では、チーズがとろける「おやまのホットサンド」(800円)や野菜やフルーツたっぷりの「ジオの恵みスムージー」(700円)、ミルクの味が濃厚な「うすもこオリジナル牛乳ソフト」(450円)などが楽しめます。

 

有珠山ロープウェイ

小腹を満たしたら、Mt.USUテラスの反対側にある「火口原展望台」と「外輪山遊歩道」へ。

 

有珠山ロープウェイ

「火口原展望台」は山頂駅から歩いて約10分の場所にあり、より高い位置から景色を眺めることができます。

 

有珠山ロープウェイ

中央付近に設置されているのは、火山活動の観測機。20〜30年に一度と言われる噴火周期に備えて、現在進行形で観測が続けられています。

 

有珠山ロープウェイ

奥へ進んだ先にあるのが、整備された「外輪山遊歩道」。全長約1.3キロメートル、「外輪山展望台」まで片道40分ほどの道のりを歩きます。噴煙の上がる活火山の様子を確認しながら、荒々しい大自然に触れられるコースです。

 

有珠山ロープウェイ

住所
北海道有珠郡壮瞥町字昭和新山184-5
営業時間
8:00~18:00
※季節により変動あり
定休日
不定休
料金
往復運賃/中学生以上1,800円、小学生以下900円
アクセス
有珠山ロープウェイ山麓駅まで
【電車】JR「洞爺」駅から道南バス洞爺湖温泉線に乗り、終点「洞爺湖温泉」停留所下車、そこから道南バス昭和新山線(冬季運休)に乗り換えて終点「昭和新山」停留所下車、徒歩すぐ
【車】道央自動車道「伊達」ICから約15分
公式サイト
有珠山ロープウェイ

 

洞爺湖温泉街の手湯・足湯でホッと一息

洞爺湖温泉街
洞爺湖温泉街

洞爺湖周辺は、北海道でも指折りの温泉街としても知られているエリア。ホテルや温泉宿のほか、お土産店やカフェなども軒を連ねています。

 

洞爺湖温泉街
洞爺湖温泉街

無料で気軽に利用できる手湯や足湯も各所に点在。泉質は主に、ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉で、肌の汚れや余分な皮脂を洗い流し、肌がスベスベになることから「美肌の湯」と呼ばれています。

手湯・足湯は、ホテルの前や公園、お土産店などに設置されているので、散策をしながら湯巡りするのも楽しそうです。

 

 

洞爺湖の夜を彩るロングラン花火大会

第43回洞爺湖ロングラン花火大会

洞爺湖では毎年4月末から10月末日まで、毎日花火大会が開催されています。湖水と夜空をバックに打ち上がる大輪の花火は圧巻の一言です。

 

第43回洞爺湖ロングラン花火大会

洞爺湖クルージングを運航する洞爺湖汽船では、毎年イベント開催時期に「洞爺ロングラン花火鑑賞船」も運航。花火が上がるポイントに合わせて船が動くため、湖上から正面に花火を眺めることができます。

期間中は毎日開催されているので、日を分けて陸と湖上、それぞれから花火に彩られた夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。

 

洞爺湖ロングラン花火大会

住所
北海道洞爺湖温泉湖畔
開催期間
毎年4月末〜10月末日
※2024年は4月28日~10月31日まで
開催日
期間中毎日
※雨天決行、風向・風速が不安定な場合中止の可能性あり
開催時間
20:45~21:05(約20分間)
詳細
第43回洞爺湖ロングラン花火大会

 

ユネスコ世界ジオパーク

「ユネスコ世界ジオパーク」にも認定されている洞爺湖。火山が生み出した美しい湖のほか、神秘的な島々の景色や豊富に湧き出す温泉、グルメ、アクティビティなど、さまざまな魅力が詰まったエリアです。

1日では回り切れないほど見どころ満載なので、ぜひ宿泊してゆっくり過ごしてみてください。

 

取材・文/柏崎 直人 撮影/加藤ミチロウ

 

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