徳川家康公の史跡「駿府城」と「久能山東照宮」巡り!駿河湾の絶景を望む静岡市内観光日帰りモデルコース

静岡県静岡市は、徳川家康公が人生の3分の1という長い時間を過ごし、一時は政治の要所でもあった歴史ある街。市内には、家康公の幼少期から晩年までその生涯を感じられるスポットが多数あります。今回は、家康公が居城とした駿府城公園、公の遺言で創建された御廟・久能山東照宮を中心に、久能山の石垣いちごやお茶、シラスなど静岡グルメや駿河湾の絶景も楽しめる観光モデルコースをご紹介します。

 

 

静岡市へのアクセス

静岡

東海道新幹線を利用した場合、東京方面からは東海道新幹線で「東京」駅から「静岡」駅まで、ひかり利用で1時間4分、こだま利用で1時間22分。名古屋方面からは、「名古屋」駅から「静岡」駅まで、ひかり利用で58分、こだま利用で1時間15分。

車の場合、東京方面からは東名高速道路で「東京」ICから「静岡」ICまで約1時間50分。名古屋方面からは、東名高速道路で「名古屋」ICから「静岡」ICまで約1時間50分でアクセスできます。

また、札幌、出雲、福岡、熊本、鹿児島、那覇から「富士山静岡空港」に航空便が就航しています。空港から静岡市へはアクセスバスの利用が便利です。

 

 

駅前で徳川家康公にご挨拶

徳川家康公とゆかりの深い静岡市には、3体の家康像が設置されています。まずは市の玄関口「静岡」駅。その北口広場に、2つの家康像があります。1つは幼少時にまだ今川領だった駿府にいた頃の「竹千代君」の像。もう1つは、壮年の「家康公」の像。

 

駅前

北口を出てすぐ、バスロータリーとタクシー乗降場の間にいるのが「竹千代君」。子ども時代の姿なので、かわいらしい像です。後ろに控えているのは今川義元公。

 

駅前

竹千代君から少し歩いた先、東海道沿いにそびえ立つのが徳川家康公之像。五カ国大名の頃の姿というだけあって、威厳のある雰囲気です。

 

「駿府城公園」で往時を偲び、地元の味をいただく

安土桃山時代後期(1585年ごろ)、徳川家康公により築城された駿府城。家康公は、この城を江戸に移るまでの5年と、征夷大将軍となってから逝去までの10年程度を居城にしたそうです。

その城跡を整備した公園は、石垣など現存する遺構もあるため歴史的にも見どころが満載。JR「静岡」駅からは、街中散策しながら歩いても約15分の距離にあります。街中にありながら四季折々の緑にあふれ、のんびりとした静岡の空気を満喫するにもぴったりです。

 

東御門(ひがしごもん)・巽櫓(たつみやぐら)

東御門(ひがしごもん)

駿府城公園のランドマーク的存在である東御門は、二ノ丸の東に位置する主要な出入口であったそう。1996年に日本古来の伝統工法に則って復元されており、当時の風情を今に伝えています。門と櫓の内部は資料館として公開されています(有料)。お堀にかかる橋を渡り、大きな門をくぐれば、往時の雰囲気を味わえます。

 

巽櫓(たつみやぐら)

巽櫓(たつみやぐら)は、二ノ丸の東南角にあった二重三階の隅櫓です。当時は方角を十二支で表しており、巽(辰巳)の位置にあったことからそう呼ばれました。

 

門の前

門の前には駿府城の由来と構造についての案内板もあります。

 

 

石垣刻印

石垣刻印

家康公が駿府城を再築城した際、天下の大普請として各国の大名に協力を要請しました。現存する石垣には、当時の大名や石工が所有権などを表すために刻んだ家紋・家印が多数残されています。

平成21年の地震により石垣の一部が崩落したため、再利用できなかった一部を公園内に移設し、展示されています。石垣の構造もよくわかる貴重な史跡です。

 

石垣刻印

時を経た石垣の刻印は見つけにくいものですが、調査された結果では170種ほどもあるそうです。

 

 

天守台跡発掘調査現場

発掘情報館きゃっしる

駿府城天守台の発掘調査現場が公開されています。天守台跡としては日本一の大きさを誇るとのことで、当時の駿府城がいかに大きかったかがわかります。現在は、復元に向けての整備中ですが、見学は随時可能(整備工事などにより閉鎖期間がある場合もあります)。見学ルートは現場を取り囲むようになっており、天守台の石垣などをさまざまな角度から見ることができます。

 

発掘情報館きゃっしる

併設されている「発掘情報館きゃっしる」では、発掘された物品の一部や当時の地図と照らし合わせた天守台の構造など、さまざまなものが展示されています。

 

発掘情報館きゃっしる

開館時間
9:00~16:30(※入館は16時まで)
休館日
年末年始(12月29日~1月3日)
料金
入館無料

 

 

本丸跡のお手植えミカンと家康公像

本丸跡のお手植えミカンと家康公像

公園の中心部は本丸跡。家康公が居城していたことを思わせるスポットがあります。お手植えミカンは、家康公が駿府城に隠居した際に、紀州より献上された鉢植えを天守閣の本丸に家康公が自ら手植えしたとのいわれがあるそうです。400年を経た今もなお実をつけ、「静岡県のミカン」の起源を知る上でも貴重であるため、県指定天然記念物として認定されています。

 

本丸跡のお手植えミカンと家康公像

静岡市に3体ある家康像の3つ目はここに設置。駿府城で大御所として暮らしていた晩年のお姿で、鷹狩りを楽しんでいた様子が再現されています。

 

 

紅葉山庭園

紅葉山庭園

城郭の大名庭園に見られるような遊びと楽しさを基調として創られた「紅葉山庭園」。駿河の国の名勝を織り込んだ4つの庭を中心に、四季折々の花々を眺められます。入園はこちらの数寄屋風の門から(入園料150円)。

 

紅葉山庭園

順路を進み少し行くと、手前に駿河湾と松原、その奥には茶畑と富士山を模した小高い山が造成されています。駿河の名勝をひと目で楽しめる景観です。

 

紅葉山庭園

木洩れ陽が射す小路の途中には、左右2本の二段落ちの滝があります。

 

 

立礼席呈茶

立礼席呈茶

歩き疲れたら、園内の立礼席でひと休み。静岡の名産品であるお茶(お菓子付き550円)をいただきましょう。お茶席はテーブルなので、気軽に休憩できます。

喫茶は煎茶と抹茶があり、煎茶は2種類から選べます。産地や製法で味わいも違うため、飲み比べも楽しそう。一服のあとは、サービスでほうじ茶もいただけます(繁忙時はない場合があります)。茶葉、抹茶はすべて静岡市産で、煎茶は時期によって扱う種類が変わるとのこと。茶の湯の楽しみである器と主菓子は季節で変わります。

 

立礼席呈茶

煎茶は急須で呈され、自分で注ぎながらいただきます。

 

立礼席呈茶

庭園に溶け込むような建物も趣があります。奥には茶室があり、利用されていない時は見学も可能です。

 

有料施設(東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園、立礼席呈茶)

開館時間
9:00~16:30(入館は16時まで)
休館日
月曜日(祝日、休日にあたる場合は休館振替なしで営業)、年末年始(12月29日~1月3日)
料金
東御門・巽櫓200円、坤櫓100円、紅葉山庭園150円 ※小・中学生は3施設とも各50円
駿府城公園3施設共通券:大人360円、小・中学生120円

 

 

おでんやおばちゃん

おでんやおばちゃん

小腹が空いたら駿府城公園内の売店である「おでんやおばちゃん」へ。地元グルメの静岡おでんは、おやつとしても親しまれています。1本(120円)からオーダー可能。 昭和レトロな店舗は駄菓子やラムネなど懐かしい商品も揃い、屋外の席では緑を眺めながらくつろげます。

 

おでんやおばちゃん

静岡おでんの特徴は、この黒いスープ。具材は串に刺さり、必ず黒はんぺんが入ります。たっぷりのだし粉をかけていただくと、見た目に反してあっさりした味わいです。お持ち帰りのパックも用意。お得なセット商品(5本500円)もあります。

 

おでんやおばちゃん

また、お土産品として「静岡おでん缶」(470円)も販売しています。

 

おでんやおばちゃん

営業時間
10:00~17:00 ※季節により変更あり
定休日
年中無休 ※臨時休業の場合あり
公式サイト
駿府城公園 おでんやおばちゃん

 

駿府城公園

住所
静岡市葵区駿府城公園1-1
アクセス
JR「静岡」駅から徒歩約15分、または駅から路線バスで「県庁・静岡市役所葵区役所前」下車徒歩約5分・駿府浪漫バス「東御門」下車すぐ
公式サイト
駿府城公園

 

遊覧船「葵舟」でひと味違った景観を楽しむ

葵舟

遊覧船に乗って、普段見ることのできない角度から城跡を眺めるのもおすすめです。2021年春に運行を開始した「葵舟(あおいぶね)」は、公園を取り囲む二ノ丸堀をぐるりと一周します。歴史的価値の高い石垣や櫓を水辺から見上げ、お堀からしか見られない遺構を眺めるという貴重な体験ができます。

 

葵舟

乗船場所は、公園北御門の橋付近となり、一周約40分。船頭さんの口上を聞きながら、ゆっくりと進む舟からの景観も見応えがあります。

 

葵舟

着船直前、水面から1mの高さしかない北門橋をくぐります。葵舟の屋根をギリギリまで下げる必要があるため、想像以上に前かがみの姿勢になり驚いてしまうかもしれません。

 

葵舟

住所
静岡市葵区駿府城公園1-1
電話
0120-152-881 (TOKAIケーブルネットワーク)
運航日
土日祝の9:30より30分間隔で運行 ※最終出航は季節により変動
アクセス
JR「静岡」駅から徒歩約20分、または駅から路線バスで「県庁・静岡市役所葵区役所前」下車徒歩約10分、駿府浪漫バス「東御門」下車徒歩約5分
公式サイト
葵舟

 

「大河ドラマ館」で駿府の家康を見学

「どうする家康」大河ドラマ館

当館では、2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の展示紹介がされています。今川家で育ち元服などを経験した10代、五カ国大名となった40代、大御所として采配を振るった晩年と、人生の3分の1を過ごした静岡。その「駿府の家康」にスポットを当て、家康公とゆかりの深い静岡市ならではの展示で楽しめる内容となっています。

 

「どうする家康」大河ドラマ館
「どうする家康」大河ドラマ館

登場人物のパネルや使用衣装の展示やフォトスポットなどが設置されているほか、家康公が愛したまち・静岡市の見どころも紹介されています。家康公が元服をした「静岡浅間神社」内に立地しているため、ドラマ館のみならず神社の散策もおすすめです。

 

「どうする家康」大河ドラマ館

住所
静岡市葵区宮ケ崎町102(静岡浅間神社)
開館期間
1月27日〜2024年1月28日
開館時間
9:00~18:00(最終入場17:30)
休館日
なし(予定)
料金
大人400円、小人(小中高生)200円
アクセス
JR「静岡」駅から徒歩約20分、または路線バス「赤鳥居 浅間神社入口」下車徒歩約1分
公式サイト
家康公が愛したまち静岡「静岡市大河ドラマ館」

 

「ななや静岡店」で楽しむ濃厚抹茶スイーツ

ななや静岡店

駿府城公園からも歩いて5分ほどの呉服町名店街にある「ななや静岡店」は、お茶の栽培が盛んな静岡県の製茶店・丸七製茶株式会社が営んでいます。静岡県産で契約栽培の原料を使って製造するため、「世界でいちばん濃い抹茶ジェラート(R)」をはじめとした濃厚な抹茶スイーツが味わえます。

 

ななや静岡店

7種類の濃さから選べるジェラート(シングルカップ380円・一番濃いNo.7は580円)は、どれにするか迷ったらジェラート2種が選べるパフェ(580円・No.7入り780円)で2つ選択するのもおすすめです。

 

ななや静岡店

ガラス瓶に入ったお茶飲料や焼き菓子「ポルポローネ」(540円)など手軽なお土産にできる商品の品揃えも豊富。いずれも静岡産茶が使用されています。

 

ななや静岡店

住所
静岡県静岡市葵区呉服町2-5-12
営業時間
11:00~19:00
定休日
水曜日(祝日は営業)、1/1~2
アクセス
JR「静岡」駅から徒歩約10分、または駅から路線バスで「新静岡」下車徒歩約5分
公式サイト
ななや静岡店

 

ランチは地産地消の「ファーマーズピッツェリア DON FARM」で舌鼓

ファーマーズピッツェリア DON FARM

久能山へのドライブがてら、道中でランチをいただきましょう。大きなソテツの木が目を引く「ファーマーズピッツェリア DON FARM(ドン・ファーム)」は、ファーマーズレストランというだけあって、自家農園で朝採れの新鮮な野菜と、漁師でもあるオーナーが目の前の駿河湾で獲った魚介が使用されています。

 

ファーマーズピッツェリア DON FARM

Aランチ(1,925円)は本日のスープ、野菜の前菜、日替わりメニューから選ぶピザまたはパスタ、ソフトドリンクがセットで、どのメニューにも野菜がたっぷり。ピザとパスタに使われているシラスもお店前の浜で水揚げされたものです。

 

ファーマーズピッツェリア DON FARM

駿河湾の見える席もあり、海辺から差し込む光が料理を彩ります。

 

ファーマーズピッツェリア DON FARM

住所
静岡県静岡市駿河区西平松480-2
電話番号
054-238-7330
定休日
毎週月曜定休(月曜日が祝日の場合は翌日定休)
営業時間
平日11:30~14:00L.O./18:00~21:00L.O.
土日祝11:00~14:00L.O./18:00~21:00L.O.
アクセス
JR「静岡」駅から車で約15分、または駅から路線バスで「東大谷」下車徒歩約7分
公式サイト
ファーマーズ ピッツエリア DON FARM

 

「いちご狩りパーク久能屋」で久能山の石垣いちごを堪能

いちご狩りパーク久能屋

JR「静岡」駅から車で約20分。駿河湾に臨む久能山の山下一帯では1896年から全国で唯一、石垣を利用したいちごの栽培をしています。石垣で輻射(ふくしゃ)された太陽熱を利用するため、甘くて大きないちごになるそう。完熟してから収穫するのでなかなか市場には出回らない逸品です。

 

いちご狩りパーク久能屋

「いちご狩りパーク久能屋」は、1ハウス1グループで30分間、気兼ねなくいちご狩りを楽しめます。品種は静岡生まれの章姫(あきひめ)で、酸味が少なく甘みを強く感じるいちごです。12月半ばから5月初旬までと長い期間オープンしています。

 

いちご狩りパーク久能屋

店舗併設のカフェはいちごスイーツも楽しめます。16個分のいちごを使用した「スペシャルパフェ」(1,500円)はタイミングが合えば、稀少な白いちご入りがオーダーできます。お店で手包みしている「いちご大福」(330円)を自分で作る「いちご大福作り体験」(600円・要予約)も実施しています。

 

いちご狩りパーク久能屋 

住所
静岡県静岡市駿河区根古屋30
電話番号
054-237-0610
営業日
平日10:00~15:00、土日祝日9:00~16:00 ※雨天休業あり 
※オフシーズンは土日祝のみ9:00~16:00営業
いちご狩り料金
12月〜4月2日2,300円(小人1,200円)、4月3日〜23日1,600円(小人800円)、4月24日〜5月1,800円(小人1,000円)
アクセス
JR「静岡」駅から車で約20分、または駅から路線バスで「久能山下」下車徒歩約1分
公式サイト
いちご狩りパーク久能屋

 

空中参道で「久能山東照宮」へ参拝

日本平ロープウェイ

名勝・日本平の山頂にある「日本平」駅と「久能山東照宮」駅の間、高低差120m・約1kmの道程を約5分間かけて往くロープウェイで、久能山東照宮を参拝しましょう。

2020年3月に建て替えられた日本平駅は山の斜面に立っており、エントランスは2階にあります。お土産のショップやイートイン可能な軽食エリアを通り、1階のチケット売り場とロープウェイ乗り場へ向かいます。

 

日本平ロープウェイ
日本平ロープウェイ

47人乗りのゴンドラは、お殿様とお姫様の籠をイメージした2種類。青海波模様に葵の御紋がデザインされ、大きなガラス面からは眼下の景色が堪能できます。

 

日本平ロープウェイ

住所
静岡市清水区草薙597-8
アクセス
JR「静岡」駅から路線バス「日本平ロープウェイ行き」終点まで約50分
運行
日本平駅発9:10〜16:45/東照宮発最終17:00(10〜15分間隔で運行)
乗車料金
大人(中学生以上):往復1,250円、片道700円、小人(小学生以下)4~12才:往復630円、片道350円
※東照宮拝観とのセット券もあり
公式サイト
日本平ロープウェイ

 

家康公の遺骸が眠る天空の霊廟「久能山東照宮」

久能山東照宮

徳川家康公をご祭神とする全国東照宮の創祀である「久能山東照宮」。久能山の山頂で空に浮かぶように建つ社殿境内には、公の遺言により遺骸が埋葬されました。社殿を始め、建造物の大部分が国宝または重要文化財指定。大改修を終え、創建当時の荘厳な彩色が再現されています。

 

久能山東照宮

正式な表参道は山下から。石段が1,159段も続き、東照宮が山頂にあることを実感できます。社務所の少し下、山下からの石段を登り切ったところにある一の門は、駿河湾を見下ろす絶景スポット。きらきらと輝く海が、眼下に広がります。

 

久能山東照宮

朱塗りの楼門をくぐり御神域へと進むと、梅をこよなく愛した家康公自らお手植えをしたといわれのある「家康梅」と「実割梅」が参道左右に植樹されています。

 

 

御社殿

御社殿

少し進むと、唐門越しに拝殿の正面が見えてきます。1617年の創建で、江戸時代より現存する御社殿は国宝指定。名匠・中井大和守正清の代表的な遺構で、東照宮建築としては最古。御祭神徳川家康公をお祀りする本殿と参拝するための拝殿を石の間で連結した権現造(ごんげんづくり)と呼ばれる様式で、黒と朱の総漆塗、鮮やかで濃密な極彩色で仕上げられています。

 

御社殿
御社殿

絢爛豪華で荘厳な彫刻や絵画、錺(かざり)金具の数々も御社殿を彩り、その意匠は花鳥や故事にまつわるものなど、多岐にわたります。

 

 

神廟

神廟

御社殿の西側を通り、廟門(びょうもん)を抜けるといよいよ廟所です。ここより前は極彩色のきらびやかな世界ですが、廟所参道からは空気感が変わります。

 

神廟

家康公に仕えた武将たちが奉納した石灯籠が据えられており、厳かな雰囲気。

 

神廟

石段を登ると、御祭神徳川家康公の御遺骸を埋葬し奉ったとされる神廟です。創建当初は木造桧皮葺でしたが、三代将軍・徳川家光公により現在の石造宝塔に造替されました。

 

神廟

樹々に囲まれた神廟は家康公の御遺命により西向きに建てられています。静岡市街や公の生まれ故郷の岡崎方面を望み、家康公がゆかりある地を静かに見守っているようです。

 

 

東照宮博物館

東照宮博物館

境内には徳川家康公の日常品や徳川歴代将軍の武器・武具などが実物で拝観できる「東照宮博物館」もあります。徳川家関連の収蔵物は随一で、収蔵総数は2,000点を超えるとのこと。

家康公が実際に身につけていた甲冑や愛用品を常時拝観できるのはここだけだそうです。特に、関ヶ原の戦いに着用したという「歯朶具足(しだぐそく)」(重要文化財)などは家康公の実在を感じられ、胸が熱くなります。

 

久能山東照宮

拝観料
大人500円、小人200円
博物館
大人400円、小人150円(セット券あり)
参拝時間
9:00〜17:00
アクセス
【車】JR「静岡」駅より車で約30分、日本平山頂より日本平ロープウェイで約5分
【バス】JR「静岡」駅より路線バス「東大谷」行きの終点で「久能山下」行きに乗り換えて終点下車(約1時間)
公式サイト
久能山東照宮

 

駿河湾の絶景を望む「日本平夢テラス」

日本平夢テラス

ロープウェイ乗り場のすぐ近く、2018年にオープンした入館無料の展望施設が「日本平夢テラス」です。

隈研吾建築都市設計事務所が設計したこの建物は富士山のビュースポットとして知られる日本平の中心にあり、ヒノキやスギなど静岡産建材がふんだんに使われた回廊状の開放的な造りになっています。

 

日本平夢テラス

3階建てで、1階は日本平の歴史が学べる展示エリア。2階は喫茶ラウンジがあり、静岡ならではのドリンク・軽食とともに眺める雄大な景色に心が安らぎます。

 

日本平夢テラス

最上階の3階が展望フロア。360度の眺望を確保し、駿河湾越しに仰ぎ見る富士山、伊豆半島、南アルプスなどのパノラマビューは感動ものの美しさです。

 

日本平夢テラス

住所
静岡県静岡市清水区草薙600-1
開館時間
日~金曜日9:00~17:00、土曜日9:00~21:00
※展望回廊は終日入場可
休館日
毎月第2火曜日 (第2火曜日が休日の場合は翌平日が休館) 、年末(12/26~12/31)
アクセス
JR「静岡」駅から路線バス「日本平ロープウェイ」行きで「夢テラス入口」下車すぐ(約50分)
公式サイト
日本平夢テラス

 

 

家康公の生涯の中でも重要な場所である静岡。今回ご紹介したほかにも、ゆかりの史跡がまだまだたくさんあります。公が愛したこの風光明媚な地で足跡をたどり、その生涯に思いを馳せる旅をしてみてはいかがでしょうか。

取材・文/野秋 知子 撮影/窪野 晃子

 

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