群馬県・四万(しま)温泉は絶景「四万ブルー」で一躍脚光を浴びている温泉郷。神秘的なブルーの湖で女優さんがカヌーをこぐ姿も、テレビCMで話題になりましたね。湖でアクティビティ、四万ブルーがコンセプトカラーのレストランでランチ、現存する日本最古の旅館で日帰り温泉など、見どころ満載。そんな四万温泉の1泊2日のおすすめモデルコースをご紹介します。
国に初めて認められた源泉・保養地「四万温泉」のアクセス
四万温泉は群馬県の北西、吾妻郡中之条町にある小さな温泉郷。東京から電車で約2時間、車やバスでは約3時間でアクセスできる、静寂と自然の音に包まれる、大自然の中のオアシスです。
四万温泉は昭和29年に青森県の酸ヶ湯温泉、栃木県の日光湯元温泉とともに、国民保養温泉地の第一号に指定された、由緒ある温泉地でもあります。
「四万(よんまん)の病に効く」効能豊かな温泉として、昔から広く知られており、交通が発達していなかった時代にも江戸から多くの来訪者があったと古文書に残っています。
四万温泉は「草津の仕上げ湯」としても、古くから親しまれてきました。強酸性の草津の湯で湯治をした後、四万温泉の保湿・美肌効果の高いナトリウムとカルシウムを含む柔らかな塩化物・硫酸塩泉のこの地に滞在して、荒れた肌の手入れをしていたことから「仕上げの湯」と言われるように。
今でも、その泉質はしっとりつやつやな美肌にしてくれると多くの人々から愛されています。
四万川沿いに温泉街が5つの地区(日向見、ゆずりは、新湯、山口、温泉口地区)に分かれて点在しており、温泉宿はもちろん、日帰り入浴施設や足湯、無料で入浴できる共同浴場などがいくつもあります。源泉数はなんと42カ所、全体の湧出量は毎分約3,500リットルと、湯量も豊富な温泉郷です。
【DAY1】12:00 おしゃれなカフェ&ダイニング「シマノネ」でランチ
四万温泉へ到着したら、まずはグルメでお腹を満たしましょう!
おすすめはSPA GUEST HOUSE「LULUD」に併設されている、カフ&ダイニング「シマノネ」。
このおしゃれカフェ&ダイニングは「四万温泉バス停」より徒歩約10分、自然豊かなエリア「ゆずりは地区」に位置している、穴場的なレストラン。お昼時でも比較的待たずにランチをいただけます。
このゲストハウスは四万ブルーがコンセプトカラー。インスタ映えも狙える「LULUD」のエントランスは、青いライティングが幻想的です。
店内は木をふんだんに使用した北欧モダン系のスタイリッシュなインテリア。シンプルながらもおしゃれで落ち着く空間。客席には自由に読むことができる書籍も置かれており、ブックカフェ&ダイニングとしても利用できます。
このレストランでは群馬県内各地の和洋中人気店のメニューが味わえます。県内の食材を使った料理人をも魅了する店の味を、四万でも楽しめるのです。
例えば、群馬県高崎市内にある和食の名店「割烹 和人良」の特製ゴマダレを使った「ギンヒカリと特製ゴマダレの彩り丼」(1,628円)。群馬が生んだ最高級ニジマス「ギンヒカリ」との相性も抜群です。
シマノネのオリジナルメニューも用意されています。「シマノネ特製ローストビーフ丼」(1,848円)は、ここでしか味わえないメニュー。ジューシーなフィレ肉をギリギリの温度で加熱しています。肉汁を閉じ込め、限界まで柔らかく仕上げているので、肉本来のおいしさを存分に味わえますよ。
「四万のダムカレー」(1,980円)は奥四万湖の四万川ダムをイメージ。四万の野菜をふんだんに使い、特製ローストビーフと温泉卵をトッピングしたボリューミーな一品。
午後のアクティビティを思いっきり楽しむためにも、ここでエネルギー補給を済ませておきましょう!
デザートには群馬県高崎市のサンドウィッチ&プリンのお店「TOMOJI」のプリン(605円)。柔らかなくちどけが癖になるプリンです。別添えのカラメルソースをかけていただきます。
ドリンクのおすすめは「四万ブルーハーブティー」(550円)。レモングラスをメインに数種類のハーブを使用。レモンを搾ると、紫色のハーブティーがブルーに変わります!
スイーツやドリンクはティータイムにも注文できますので、アクティビティ体験後や四万観光の途中に立ち寄るのもおすすめですよ。
カフェ&ダイニング「シマノネ」
- 住所
- 中之条町大字四万4138-1 スパゲストハウス ルルド1F
- TEL
- 090-7312-9514
- 営業時間
- ランチ11:30~15:00、カフェタイム15:00~17:00(16:30L.O)、ディナー17:00~22:30(L.O.21:30)
- 定休日
- 無休
【DAY1】13:30 GREEN DISCOVERYのアクティビティを体験!
自然とひとつになったような気分を味わえる絶景スポットへ。「四万ブルー」を堪能したい人には、奥四万湖でのカヌーがおすすめです。
1周約4キロメートルの湖は、カヌー初心者でも周遊することができる広さ。4歳から参加できますので、今までアクティビティに参加したことのない人でも気軽にトライできますよ。
パドルをこぐ水音やさえずる鳥の声に耳を澄ましながら、静かにカヌーに揺られて、ゆったりと贅沢な時間を過ごせます。青く透き通った水の中や浮かぶ落ち葉も、水面に近いカヌーなら、すぐ近くで感じられます。
グリーンディスカバリー四万ベース
- 住所
- 中之条町四万4063
- 電話番号
- 0279-56-3999
- 営業
- カヌー4月中旬から11月中旬
- 料金
- カヌーツアー<半日コース>5,000円(土日祝祭日、GW、お盆6,000円)
- 所要時間
- 約2時間半
【DAY1】16:30 宿にチェックイン
アクティビティを存分に楽しんだ後は、予約していた宿にチェックイン。温泉三昧で冷えた体を温めましょう。温泉旅行の醍醐味とも言える「何もしない」ゆとりのある時間を満喫します。
【DAY2】10:00 チェックアウト後は「湯さんぽ」を満喫
四万温泉には足湯や日帰りで楽しめる温泉浴場が点在しているので、「湯さんぽ」もおすすめ。
まずは四万温泉発祥の湯とされる「御夢想(ごむそう)の湯」。歴史ある温泉ですが、なんと入浴料無料! 四万温泉にある3つの無料共同浴場の中のひとつです。ご利用の際はタオルをお忘れなく。
御夢想の湯
- 住所
- 中之条町四万4372−1
- 営業時間
- 9:00~15:00
- 定休日
- 無休
- 料金
- 無料(任意で清掃協力費を)
【DAY2】10:30国指定重要文化財「日向見薬師」の足湯
日向守碓氷貞光(うすい さだみつ)は神託に感銘を受け、一宇の堂を建立して自らの守本尊の薬師如来を安置しました。これが「日向見薬師堂(ひなたみやくしどう)」です。明治45年に国から重要文化財に指定された、群馬県最古の寺院建築物。
この薬師堂の前にあるのが「日向見薬師の足湯」。足湯につかりながら「御夢想の湯」と大自然を眺められます。足湯は局所的な温熱効果が得られるだけでなく、全身の血行も良くなるため、新陳代謝が高められます。ぜひ足湯も体験してみてくださいね。
日向見薬師の足湯
- 住所
- 中之条町四万4371
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 料金
- 無料
【DAY2】八角形の「ゆずりは杜の足湯」
ゆずりは地区にも足湯「ゆずりは杜の足湯」が用意されています。木々に囲まれた中にたたずむ、八角形の木造建築。心もほっこりと和む建物です。
中はベンチもあり、飲泉も可能。四万の湯は「日本最大胃腸病の名湯」と呼ばれ、温かいまま飲むことで胃腸が活発に、冷たくして飲むことで便秘に効果があるそう。直接温泉を体内に入れるため、飲泉許可がない場所では温泉を飲むことは禁止されています。
ゆずりは杜の足湯
- 住所
- 中之条町四万4237-2
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 料金
- 無料
【DAY2】11:00 新湯地区の湯さんぽスポット
新湯(あらゆ)地区の桐の木平商店街中央付近にある「塩之湯飲泉所」。東屋風の屋根が目印です。ひょうたん型つくばいの上下2カ所から温泉が出ています。
塩之湯飲泉所
- 住所
- 中之条町四万4237-20
- 料金
- 無料
四万川沿いを上流へと歩いていくと、新湯川との合流地点に「河原の湯」が見えてきます。外壁も内壁も湯船も石造り。趣のある外観と、川に手が届きそうな素晴らしい立地で人気がある共同浴場です。
共同浴場「河原の湯」
- 住所
- 中之条町四万4228-2
- 営業時間
- 9:00~14:00
- 定休日
- 無休
- 料金
- 無料
【DAY2】11:30 映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった旅館で日帰り温泉
「河原の湯」から奥へと道を歩いていくと、赤い橋が見えてきます。ここは湯治の宿として元禄7(1694)年に開業した、現存する日本最古の湯宿「積善館(せきぜんかん)」。
映画「千と千尋の神隠し」の湯屋「油屋」のイメージモデルのひとつとして、テレビの宮崎駿特別番組の中で紹介されたことでも知られています。
有名な老舗旅館ですが、旅館内にある「元禄の湯」と「岩風呂」は日帰り入浴でも利用できるのです。
「元禄の湯」は大正ロマンの雰囲気を感じられる、モダンなホール風の建築。国の重要文化財に指定されています。
大きな湯船が一般的ではなかった時代に作られた浴槽のため、5つの石造りの浴槽が並んでおり、湯船の底からお湯が湧き出ています。アーチ形の大きくとられた窓から降り注ぐ光は神々しささえ感じさせる浴場です。
「岩風呂」は利根川の青石を埋め込んで作られた、野趣あふれるお風呂です。基本的には混浴ですが、時間により男女それぞれの専用時間も。脱衣所は男女別ですが、中で1つの浴室を利用できるようになっています。
積善館 日帰り入浴
- 住所
- 中之条町四万温泉
- 電話番号
- 0279-64-2101
- 営業時間
- 11:00~17:00(受付〜16:00)
- 料金
- 大人1,200円、子ども800円(2歳以下無料)、フェイスタオル350円
※現在感染症対策のため、日帰り温泉を休止中。再開時期は公式サイトで要確認。
【DAY2】13:00 薬膳料理で、体の内から癒される
温泉でお肌を整えた後は、積善館の手前にある「薬膳や 向新(むこうしん)」でランチ。
「薬膳や 向新」は、積善館がプロデュースする薬膳料理店。国の重要文化財に指定されている建物をリニューアルし、2020年11月にオープンしたお食事処です。
薬膳は体内のバランスを整え、健康な体づくりを促す食事のこと。薬膳の基本にある「薬食同源」は、食材も薬になるという考え方。薬のように、体の不調を改善してくれる効果があります。さまざまな種類の薬膳から自分の不調に合った効能を選ぶことで、体の内から癒されるそう。
おすすめのメニューは「薬膳サムゲタン粥セット」(1,700円)。群馬の赤城鶏を使用しており、鶏の旨みと滋養がたっぷり。カラダに潤いをチャージしてくれます。お粥と小鉢2品、そして体質改善茶までついています。
「薬膳肉味噌黒米粥セット」(1,400円)は、冷えや疲れが気になる方におすすめのメニュー。
カラダを温め、腎機能を高めてアンチエイジングに働きかけます。添えてある温泉卵を絡めると、さらに旨味が増します。
薬膳茶は茶葉も購入できるため、自分のためのお土産にも最適。ご自宅でも、体の調子を内側から整えられますね。お土産購入のみの利用でも歓迎してくれますよ。
薬膳や 向新
- 住所
- 中之条町四万温泉4236
- 電話番号
- 0279-64-2101(積善館)
- 営業日
- 金〜日曜日・祝日
- 営業時間
- 11:00〜16:00(15:00L.O.)
【DAY2】14:00 レトロな温泉街でスマートボール
薬膳料理で満たされた後は、四万温泉新湯地区の温泉街をのんびり散策してみましょう。
古くから愛されてきた温泉街らしく、昔の街並みがそのまま残っている四万温泉街。まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような、レトロな感覚を味わえます。
中でも人気スポットなのが、「柳屋遊技場」のスマートボール。ボールを弾いて、斜面に空いている穴に入れば得点となる昔懐かしいゲームです。
柳屋遊技場は四万温泉で唯一の遊技場で、50年の歴史があるのだとか。今でも、朝10時の開店から満席が続くほどの人気。初めての方でも、遊び方を教わりながら楽しむことができるので安心です。1回500円でなんと50玉も出てくるため、満足のいくまでゲームに没頭できますね。
柳屋競技場
- 住所
- 中之条町四万4145
- 営業時間
- 10:00〜16:00
【DAY2】15:00 自然豊かな河原を散歩
スマートボールで遊んだ後は河原を散歩して、心地よい風に吹かれてみましょう。
柳屋遊技場から落合橋の方へ歩いていくと、滝が見えてきます。マイナスイオンをたっぷり浴びて、リフレッシュ。奥四万湖の青いきれいな水が流れてきているため、四万川の色も澄んだ薄い青色をしています。
勢いよく流れる水の音を聞きながら、ゆっくりと川沿いを散歩。それだけで、ヒーリング効果があるような気がするので不思議ですね。
【DAY2】15:30 フォトジェニックな温泉マークのカプチーノ
次は、温泉街の中にある「四万温泉柏屋カフェ」でお茶を楽しみます。昭和初期の建物を改装しているため、ノスタルジックな雰囲気に包まれた落ち着く空間になっています。
看板メニューが、こちらの温泉カプチーノ。温泉マークが浮かび上がるカプチーノは、ついおしゃれに撮影したくなりますね。手作りスイーツや、イタリアラビァッツァの豆を使用した本格スペシャリティコーヒーなどをいただけます。
四万温泉柏屋カフェの自家焙煎のコーヒー豆や和雑貨も店内で販売されており、お土産として購入もできますよ。こちらは四万温泉柏屋カフェ自家焙煎コーヒー「NAKAYOSHI COFFEE SHIMA BLUE」(100g・741円)です。
四万温泉柏屋カフェ
- 住所
- 中之条町四万4237-45
- 電話番号
- 0279-64-2414
- 営業時間
- 10:00~17:00(16:30ラストオーダー) 食事メニューは15:00まで
- 定休日
- 無休(臨時休業日あり)
【DAY2】16:30 四万ブルーのエールをお土産に
四万ブルーの色を再現すべく作られた「四万ブルー」のエール(500円)もお土産にぴったりです。ヴァイツェン酵母で発酵させ、苦みをできるだけ抑えたホップ使用。スッキリ飲みやすい味で女性にも好評のエールです。
このエールは四万温泉唯一の醸造所「四万温泉ビールファクトリー」で製造されています。このビールファクトリーは山口地区にある「わしの屋酒店」が経営している醸造所。「わしの屋酒店」にて1本500円で直売しています。
「四万ブルー」エールの他にも、四万温泉の源泉で仕込んだ地酒「温泉酒・温泉壱號」や「四万の雪清水」なども販売。「大盃純米酒」との3本セットの「群馬の地酒&温泉酒飲みくらべ」(1,572円)は四万温泉のロゴ入りパッケージに入っているので、男性へのお土産としても喜ばれます。
お酒を飲まない人用に「四万ブルーサイダー」(250円)もあるので、立ち寄ってみてくださいね。
わしの屋酒店
- 住所
- 中之条町大字四万3894-1
- 電話番号
- 0279-64-2608
- 営業時間
- 8:00~21:00
- 定休日
- なし
体の内も外も癒やされる「四万温泉」
四万ブルーに癒される「四万温泉」での旅はいかがでしたか?
奥四万湖の青を堪能しながら温泉に入り、体の調子を整える「湯巡りの旅」。至る所に温泉・足湯などがある四万温泉ならではの楽しみ方とも言えるでしょう。
都会の騒がしさから離れ、自然の中で体の調子を整える旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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