広島県・尾道(おのみち)市といえば、数多くの映画の舞台として選ばれる有名なスポットです。様々な作品のシーンで「尾道の風景を見たことがある!」という方も多いのではないでしょうか。
港町として栄え、フェリーが小さな町と町との間を行き交う姿も特徴的なこの場所は、言わずと知れた観光地。猫に会えると話題の猫の細道や、尾道の舞台を一望できるロープウェイに加え、おしゃれなお店がたくさんあり、ゆったりとした女子旅におすすめです。
「まだ尾道に行ったことがないけど、なにがあるの?」 そんな疑問にお応えすべく、今回は尾道を舞台に様々なおしゃれなスポットを散策してみました! ゆったりとした時間が流れる尾道で、ちょっぴり大人な女子旅をしてみませんか。
「尾道商店街」を目指してのんびり散策
新大阪駅から新幹線で福山駅まで約1時間、山陽本線で約20分でJR尾道駅につきます。尾道駅についたら、まずはのんびり、散策に出かけましょう。広々とした道路と美しい港に囲まれている尾道駅から、正面にあるこちらの銅像を右手に見ながら、約3分ほど歩くと、レトロな昔のお店が集う「尾道商店街」へたどり着きます。
1日中やってるモーニング!?
昭和レトロな珈琲屋さんでタイムスリップ
昭和30年に開業し、芸能人もお忍びで訪れるという「喫茶メキシコ」。店長の河尻さんは、とっても気さくで優しい女性。彼女との会話を楽しみに、全国各地からたくさんのお客さんが訪れるのだとか。
店内には昭和レトロな写真や家具、雑貨が並び、まるでタイムスリップしたかのよう。懐かしい雰囲気の空間で、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。
オススメメニューは「尾道名物 一日中モーニング(500円)」。名前の通り、朝9時〜営業終了時まで、いつの時間帯でも食べられるのが魅力です。
外のブースでは、テイクアウト用のコーヒー(税抜300円)も販売しており、町行く観光客やサイクリングのお客さんが多く立ち寄るのだそうです。
お客さんが少ない場合は15時には閉めてしまうという気まぐれな営業時間も、尾道のゆったりした雰囲気とマッチしていて、素敵に感じますね。尾道にきたら、いちばんに立ち寄ってほしい場所です。
喫茶メキシコ
- 営業時間
- 広島県尾道市土堂1丁目3-33
- 営業時間
- 9:00〜16:00(気まぐれ営業)
- 定休日
- なし
「千光寺山ロープウェイ」で尾道の景色を一望しよう!
喫茶店でほっと一息ついたあとは「千光寺山ロープウェイ」に乗って、尾道の景色を一望できる約3分間の空中散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ロープウェイからの風景はもちろんのこと、山頂に到着してから見える、壮大な尾道の景色も魅力です。山頂から中腹にかけて千光寺公園となっているので公園でゆっくりくつろいだり、頂上から少し下って「千光寺」参拝も行えます。
千光寺山ロープウェイの乗り場である山麗(さんろく)駅までは、尾道駅から歩いて約20分で到着します。「歩くのがちょっとしんどいな…」という人には、JR尾道駅から東行きのバスに乗車すれば約5分で行くことができます。
ロープウェイ乗り場の付近には、モーニングやランチで行きたい可愛らしいカフェもあり、連日多くの人で賑わっています。また、ロープウェイに乗らなくとも、乗り場からまっすぐ階段を登っていくと、山頂付近まで約10分ほどで歩いて行くこともできますよ。
夕暮れなどの遅い時間帯は足元が見えずに危険ですが、朝方や昼間などであれば、登っていく最中にも、尾道の広大な風景を見ることができます。
千光寺山ロープウェイ
- 住所
- 広島県尾道市東土堂町20-1
- 営業時間
- 9:00〜17:15(15分おきに運行)
- 定休日
- 強風の場合臨時運休あり
- 料金
- 普通運賃【片道】大人320円、小児160円 【往復】大人500円、小児250円
※その他、団体運賃もあります。詳細はHPよりご覧ください。
何匹見つけられる?
「猫の細道」で癒しの猫ちゃんに会おう!
尾道といえば、猫が有名なのはご存知でしょうか。作家の園山春二先生が石に猫を描き生み出した「福石猫」。これを路地に置きはじめたことから、「猫の細道」と呼ばれるようになったといわれています。尾道の猫ちゃんと会える定番スポットとして、全国の猫好きの女性たちに人気です。
猫以外にも、インスタ映えしそうなフォトスポットや、おしゃれなカフェもたくさんありますが、名前の由来ともなった「福猫石」を探しながら、ひっそりと続く細い坂道を散策してみるのも、楽しみ方のひとつとしておすすめです。
猫ちゃんに会える時間が多いのは、だいたい午前中〜お昼にかけてだそうですが、この日の夕暮れ頃の時間でも、ポツリ、ポツリと、何匹か可愛い猫ちゃんに出会うことができました。
見ているだけで癒される猫ちゃんと、コロンとかわいい福猫石にぜひ会いにきてくださいね。
猫の細道
- 住所
- 広島県尾道市東土堂町(千光寺山ロープウェイ山麓駅より徒歩約1分)
自然豊かな香りを感じて…
うっとりハーブティーで極上幸せ時間
猫の細道に入る手前の通路を少し上がり、尾道の風景を代表する建造物、三重塔の東隣にあるのが「梟の館(ふくろうのやかた)」です。1階がカフェ、2階は美術館として営業されており、「梟(ふくろう)」という名前の通り、店内は梟をモチーフにした雑貨や、置物がたくさん飾られています。
また、美しいランプの光があたたかく降り注ぎ、まるで梟が現れる夜の月を感じさせるような雰囲気です。
今回は取材のため特別に写真を撮らせていただきましたが、店内は基本、撮影不可。徹底された癒しの空間を提供してくれるカフェで優雅に飲みたいのが、月の満ち欠けに合わせた「ハーブティー(税抜700円)」。
このときに出されたのは、下弦の月に合わせ、ブラックベリー、ローズヒップなど、6種類のハーブをブレンドさせ、体の浄化機能を促進させるというものでした。月の満ち欠けによって変わるハーブティーなんて、なんだかその響きだけでもうっとり癒される気分になりますよね。
お昼時にはランチや、ケーキなどのセットメニューもあるので、猫の細道へ行く際はぜひ立ち寄って欲しい場所です。
梟の館
- 住所
- 広島県尾道市東土堂町15-17
- 営業時間
- 月~金:10:30〜日没頃、土・日・祝:10:00〜日没頃
【観月夜会】満月の晩のみ営業(日没から日の出まで)要予約
- 定休日
- 水曜日(祝祭日・満月は営業)
どこか昔懐かしい!
ステンドグラス体験で童心にかえろう
細道散策が終わったら、懐かしいステンドグラスに心をときめかせてみませんか?梟の館から歩いて約3分ほどの場所にある「ステンドグラス工房・ケルブ」では、オリジナルのペンダントやテラリウム、トレイの制作を体験できます。
店内のギャラリーにはカラフルな色ガラスを使ったブローチや一輪挿しなども販売されています。制作体験は、混み合っていない時間帯であれば、予約をしていなくても飛び入り参加ができるということで、さっそく体験してみることにしました。
ペンダント作りにかかる時間は約1時間前後で、作業は熱を加えて金属を溶かし、それをヘラのような機械で伸ばしていくという、単純なものでした。しかし、一見簡単そうにみえても、少しの力加減で金属が溶けすぎてしまったり…と、職人の技を存分に体験することができました。
今回は4色のガラスを使ってキーホルダーを制作しました! 最後はお店の方が気になる点を手直ししてくれるので、ちょっぴり不器用さんでも、素敵なペンダントやキーホルダーを持ち帰ることができますよ。尾道の旅の思い出品にもぴったりですよね。
尾道 ケルブ(ステンドグラス工房・ケルブ)
- 住所
- 広島県尾道市東土堂町18-16
- 営業時間
- 月・火・金:14:00〜17:30、土・日:10:00〜17:30
- 定休日
- 水・木曜日
- 体験教室
- ペンダント・キーホルダー:1,300円(1時間)、テラリウム:2,000円(2時間)、トレイ:2,000円(2時間)
全国各地からファン殺到!
「中華食堂 一楽」でちまきとビールを味わおう
だんだんと日が沈み、カフェなどのお店が閉まる時間帯になると、夜の尾道通りは人通りが減り静かになっていきます。
そんな道沿いをひとつ曲がって路地に入ると、居酒屋さんが密集している地域があり、尾道に古くからある伝統の味を楽しむことができます。今回訪れたのは「ちまき」を求めて全国からファンが集まるという「中華食堂 一楽」。
テーブル席が四つほど並び、どこか懐かしい雰囲気を感じさせる店内です。優しそうな店主が出してくれる料理ひとつひとつが、手作りでとってもおいしい…!そして、お酒ともよく合います。
値段も良心的で、旅行客とともに、地元の人にも愛される、まさに老舗の味。ちまき(500円)はずっしりとした重みがありボリューム満点なので、2人でひとつを分け合うでもよし、欲張りにひとつずつ頬張るのもよし、です。
尾道の滞在中に訪れたい、店主のオリジナルちまき、ぜひご賞味ください。
中華食堂 一楽
- 住所
- 広島県尾道市久保2丁目10-12
- 営業時間
- 12:00〜14:00、18:00〜23:00
- 定休日
- 日・祝日
地元の人と過ごす優しい時間…
ビールバーで地元の人たちとお喋りを楽しむ
お腹も膨れてきたところで、最後に足を運んでほしいのがビールバー「a clue(クルー)」。こちらはオーナーの林 稔(はやし みのる)さんが5年前に始めたお店で、夜は17時から深夜2時まで営業しています。
今年体調を崩し、今は12時までの営業が増えているとのことですが、それでも地元の人たちの笑顔をみるために、木曜日と日曜日以外は開けているのだそう。観光で来た方にもフレンドリーに接してくれるので、地元の人と交流したいという人にもぴったりです。
おすすめのビールは、尾道でもここでしか味わえない「しまなみIPA」。オーナーの想いからつくられたこちらのクラフトビールは、人の縁が縁を呼び、たくさんの人の想いが重なってできたそうです。
フルーティーな味わいが、男女ともに人気の一杯。ほろ苦いビールの味は残しつつも、すっきりとした飲みやすい味です。お値段は税抜700円と、リーズナブルな価格もうれしいですよね。
多種多様なお酒を楽しみながら、ビールのうまさを一層引き立てる、チーズなどのおつまみもおすすめです。そして、何よりもこのお店で一番楽しいのが、尾道に住む地元民との何気ない会話と、オーナーとの気兼ねないやりとりです。
カウンター席はオーナーを囲むように並んでいるので、初対面の人も、常連の人も、みんなが顔を合わせながら、それぞれの話を聞いたり、友達になったり、中には結婚したカップルもいるのだとか…!?
楽しい仲間たちと、ゆったりと過ぎていく時間の流れに、少しだけ身を任せたくなるような、あたたかくて居心地のよい空間が、ここ、尾道の夜にはありました。
ビールバークルー (Beer Bar a clue)
- 住所
- 広島県尾道市土堂2丁目6-7
- 営業時間
- 平日:17:00〜24:00(きまぐれ営業)、日曜:11:00〜15:00
- 定休日
- 木曜日
2日目の朝はモーニングから!
「尾道浪漫珈琲」限定の小倉あんトーストを堪能
尾道通りにある「尾道浪漫珈琲」は朝7時半から営業しているモーニングがおいしいお店です。初めて来た人には、尾道店限定で販売されている「小倉あんトーストモーニング」がおすすめ。値段はドリンクの種類によって変わりますが、700円前後で、サラダ、フルーツ、ドリンクのセットを楽しむことができるリーズナブルな価格で地元の人からも人気です。
小倉あんと、焼きたてのトーストが口の中でマッチし、贅沢な甘さを引き立てます。 お店の雰囲気もちょっぴりレトロさが残っています。赤で彩られたカーペットや椅子などの装飾が高級感を漂わせて、気分も高めてくれること間違いなしです。
尾道浪漫珈琲
- 住所
- 広島県尾道市十四日元町4-1
- 営業時間
- 7:30〜19:00(モーニングは11:00まで)
- 定休日
- 1月1日
朝食あとは海岸通り沿いをお散歩
天気が良ければ、キラキラと水面が輝く海岸通沿いを歩きましょう。光が反射した水面をぼーっと眺めながら、心地よく吹いてくる風に身を任せると、尾道の自然豊かな環境にほっと胸をなで下ろすことができます。
お土産にいかが?
甘くてとろける体に優しい「尾道プリン」
尾道浪漫珈琲から尾道駅を目指して約11分ほど歩いたところに、尾道プリンが有名なレトロ可愛いお店「おやつとやまねこ」がひょっこり顔を出します。
ここで人気なのは「尾道に来たら絶対食べたい!」と話題の「尾道プリン(税抜300円)」です。材料は、牛乳、卵、生クリーム、砂糖だけという素朴さながら、一口食べるとその濃厚な味わいに、思わず頬がゆるんでしまいます。
別添えのお魚容器に入っているのは「国産レモン100%の特製レモンシロップ」。プリンにかければ、柑橘の酸味が甘さを抑え、甘酸っぱいプリン味へと早変わり!「甘いのが苦手…」という方でも、最後までおいしく食べられそうです。
生クリームは広島の砂谷牛乳を使用、北海道産の砂糖大根からとれるてんさい糖は、自然でやさしい甘さを引き出します。卵には尾道産の新鮮な卵を使い、レモンシロップのレモンは瀬戸内でとれた国産レモンを贅沢に使用しているという徹底っぷり。
「お土産に持って帰りたい!」という人は、焼き菓子とプリンのセットや、全国の地方発送も受け付けています。尾道にある小さなお店、やまねこ印の「尾道プリン」を、大切な人にも、届けてみてはいかがでしょうか。
おやつとやまねこ
- 住所
- 広島県尾道市東卸所町3-1
- 営業時間
- 10:00〜19:00
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は翌火曜)
広島県の尾道旅では、1泊2日でも急ぐことなく、ゆっくりとした旅の時間を楽しむことができました。都会を離れて、新鮮な気持ちでリラックスできるのはいいですね。
ぜひこの週末は、お友達とのんびり女子旅を企画してみてはいかがでしょうか。
取材・写真・文/太田知奈美/ich
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。
※(税抜)表示以外の価格はすべて税込価格です。