東京のウォーターフロントに誕生した新しいホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」
江戸時代の風情が残る、都内で唯一の潮入庭園「浜離宮恩賜(はまりきゅうおんし)庭園」に近く、潮風が吹き抜ける東京の水辺・竹芝。ここに2020年春、誕生した複合施設「ウォーターズ竹芝」。新たなアートや文化を発信することをコンセプトに、「アトレ竹芝」や「劇団四季」の劇場(JR東日本四季劇場[春][秋])などがオープン。
その一画には、まったく新しいタイプのホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」も。水と緑に癒やされながら、ここだけのサービスや体験ができるおこもりステイを紹介します。
光で、音で、香りで…五感を魅了されながら始まるホテルステイ
JR浜松町駅から徒歩約6分、ゆりかもめ竹芝駅からは徒歩約3分の好立地にある「メズム東京、オートグラフ コレクション」。館内は「TOKYO WAVES」をコンセプトに、東京の“今”を感じさせる仕掛けが散りばめられています。
ロビーのある16階でエレベーターを降りると、伝統的な水引きで交差する人々の流れを表現したモダンなアートがお出迎え。その向こうには、「東京スカイツリー」をはじめとした美しい東京の景色が広がり、非日常へと誘われます。
天井が高く、開放感あるロビーには、五感を魅了する工夫が凝らされています。まず、さりげなく香るオリジナルのフレグランス。
そして、立体的に響く音楽。これは、ヤマハの高性能な音響システムによるもの。日本を代表するメーカーの技術が、くつろぎと高揚をもたらします。
そして、大きな窓の外には、汐留から築地、勝どきにかけてのウォーターフロントの大パノラマが広がります。
このホテルを象徴するスタイリッシュなユニフォーム
出迎えてくれるのは、「スターサービスクルー」と呼ばれるタレント(ホテル従業員)たち。黒で統一されたモードなユニフォームは、ヨウジヤマモト社のジェンダーレスライン「Y's BANG ON!(ワイズ バングオン)」とのコラボレーションです。クルーの個性を引き立てるジェンダーレスなデザインが、東京の”今”を感じさせます。
そして、左胸に手を当てる、このホテルオリジナルの挨拶。劇場のカーテンコールにインスパイアされたグリーティングスタイルに、特別な時間を予感しながら、チェックインを済ませます。
唯一無二の体験と眺望を堪能できる「エグゼクティブクラス」の客室
いよいよゲストルームへ。キャリーケースを引いて歩きやすいよう、幅が広く取られた廊下。こんなところにも心配りを感じます。
今回宿泊するのは、24~26階にある「エグゼクティブクラス」の「chapter 2(チャプター2)」のゲストルーム。ゆったりと過ごせる43~44平米のお部屋に、キングサイズのシモンズ製高級ベッドが備わっています。オフホワイトをベースにしたインテリアは、モダンでスタイリッシュな印象です。
浜離宮恩賜庭園を臨むガーデンビューの客室は、全室バルコニー付き。緑と水、その向こうに広がる東京の風景をひとり占めしながら至福の時間を過ごせます。
客室に用意された五感を魅了するコンテンツ
「メズム東京」の魅力のひとつが、客室に用意されたオリジナルのコンテンツ。それらをお部屋でゆっくり楽しむのが、このホテルでのおすすめの過ごし方です。
まず、自分で抹茶を点てることができるお茶セット。お茶は京都の老舗「舞妓の茶本舗」のオリジナルブレンドです。客室に備え付けられたタブレット端末に、点て方の動画が入っているので、初心者でも安心。抹茶を点てて一服するなんて、なかなか味わえない粋な贅沢です。
そして、コーヒー豆やドリッパー、ドリップ用に注ぎ口が細くなった電気ケトルも。恵比寿にある人気のスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」のメズム東京オリジナルブレンドを自らドリップすることができるのです。
こちらもタブレット端末にコーヒーの淹れ方の動画が入っています。立ちのぼるコーヒーの香りを感じながらドリップする時間も喜びのひとつ。
自らドリップしたコーヒーを、バルコニーでゆったりと味わいます。慌ただしい日常を忘れられるひととき。
全室にCASIOのデジタルピアノ「Privia(プリヴィア)」が設置されているのも、このホテルの特徴。タブレット端末には、弾き方の動画や楽譜も収録。Bluetooth®スピーカーとしても使用できるので、スマートフォンに入れた音楽を高音質で楽しむことができます。
ちなみに、客室にあるタブレット端末は、手順動画や楽譜が入っているだけでなく、照明のオン・オフや調光、電話、チェックアウトの精算まで、この1台でできます。
バーチャルな客室映像から照明が操作できるのは、ピンポイントで「ここのライトをつけたい」と思ったときに、迷うことなくとても便利! 雑誌や新聞もこのタブレット端末で読むことができます。
遊び心やちょっとした贅沢を感じられるサービス
客室には、不二家とコラボレーションしたお菓子も。「ミルキー」の箱には、このホテルのクルーのユニフォームに身を包んだペコちゃんがあしらわれ、思わず笑顔に。
ホテル内の備品で見かける「THE BLEND」のロゴは、コラボレーションの証。ホテルのコンセプトに共感した日本のクラフトマンシップに通ずる企業との「BLEND」を象徴しています。
冷蔵庫に入っているビバレッジも無料。贅沢な時間を演出してくれるうれしいサービスが満載です。
また、一部のゲストルームの入り口には、オリジナルのベアブリックが。スマートフォンのフラッシュ機能をオンにして撮影すると、あら不思議!
にっこり微笑んだ縁起物のだるまの顔と、ホテルのコンセプト「TOKYO WAVES」を、漢字で表現した姿が浮かび上がります。こんなところまで遊び心たっぷり!
スムーズに要望に応えてくれるサービス体制
「メズム東京」のもうひとつの特徴が、ホテル内のサービスをワンストップに集約した「スターサービス」。
ホテルのサービスというと、レストラン部門、客室部門と、部門ごとに分かれていることが多いところ、ここではどのクルーも、宿泊から飲食のことまで対応可能。客室から電話1本するだけで、ルームサービス、レストランの予約、アメニティのことまで、取り次ぎを経由することなく応えてくれます。
五感すべてを魅了するフレンチディナー
ディナーは、ロビーフロア16階にあるレストラン「シェフズ・シアター」へ。ライブ感あふれるオープンキッチンと東京の夜景に囲まれて、本格的なフレンチをリラックスした雰囲気の中でいただける「ビストロミー」スタイルのレストランです。
東京に集まる上質な旬の素材をいかした料理を、ランチ・ディナーともに、ソースをはじめ、すべて一から手作りするこだわりが詰まったプログラム(コース料理)で提供しています。
プログラム仕立てのドラマチックなコース料理
「シェフズ・シアター」の店名のとおり、シェフの舞台・オープンキッチンから生み出されるお料理の数々は、舞台の演目に見立てたユニークなもの。
たとえばこの秋のディナーは、初秋の訪れに染まるフランスの伝統と、旬の食材をふんだんに使用して季節感を楽しめる「Promenade-秋の散歩道-」がコーステーマ。1皿目の「Prologue -序幕-」にはじまり、季節の野菜やオマール海老が彩る2皿目の「マルシェ -市場-」、デザートの「First-Frost -初霜-」まで、物語を感じさせる仕掛けに胸がときめきます。
ひと皿ごとに五感を魅了する美食体験
また、料理はひと皿ごとに舞台のストーリーが進み、五感を魅了するよう仕立てられています。
たとえば、舞台の開演を告げる「Chapter 1 Prologue -序章-」は、溶岩石に美しく飾り付けられたアミューズブッシュ。フランスの伝統と秋の豊かな食材の見事な調和を、サクサクとしたフリットや食材が織りなす「音」でも楽しめます。
「Chapter 4 Wild-Game - 遊山 -」は、フランス料理界で高級食材として愛される鹿肉をベーコンで巻き、柔らかくふっくらとローストして、赤ワインと黒胡椒が絶妙に調和したソースとともにいただきます。
野趣ある味わいと、バターソテーした黄色のビーツ、ビーツピューレ、薄揚げビーツ、3種類の調理法で仕上げたビーツの芳醇な「味わい」のマリアージュが楽しい一品。リラックスした雰囲気だからこそ、シェフの遊び心を存分に楽しめます。
そして、隠れた名物が、特注の南部鉄器の器に入れて焼いたパンドカンパーニュ。外はパリッ、中はふんわりとした食感は、じっくりと火を通したからこそ出せるもの。他にはない食感と口に広がる小麦の風味に、思わず感動します。
食後のコーヒーも臨場感たっぷり
食後のコーヒー・紅茶のサービスにも、心躍る体験が待っていました。コーヒーを選ぶと、「猿田彦珈琲」のスペシャルティコーヒーを、クルーが目の前でドリップしてくれるのです。
「スペシャルティコーヒーとは、世界でも5%しかとれない希少な豆のことなんですよ」と説明も聞くことができます。お湯が注がれると豆がふくらむ様子に思わず見入ってしまいます。食後のコーヒーまでもが特別なものに。
紅茶は、スタッフが東京の街を歩き回って探した中から、「とにかく美味しかったから」と選んだ、イギリス発の紅茶ブランド「Brew Tea Co.(ブリュー ティー カンパニー)」のもの。リーフが大きく、風味豊かなことが特徴です。アールグレイ、レモン&ジンジャーなど8種類のリーフを目にしながら選ぶのも、食後の楽しみのひとつ。
コーヒー・紅茶をはじめ、ワイン、グラスやお皿、カトラリーに至るまで、ここで使われるのはこだわって選ばれたものばかり。そのこだわりも、ぜひスタッフの方に尋ねてみてください。
レストラン「シェフズ・シアター」
- ランチ
- 11:30~15:00 (L.O. 14:00)
- ディナー
- 17:00~22:00
- 注意事項
- ※コース料理のみの提供(コース内容は3ヵ月ごとに一新されます)
夜景とカクテル、音楽が彩るバーでのロマンチックな夜
ロビーの奥にあるバー&ラウンジ「ウィスク」は、アーティストのアトリエがコンセプト。フルーツや野菜、自家製シロップなどを取り入れたオリジナルのミクソロジードリンク全18種類は、いずれも有名な古今東西の絵画をモチーフにしています。ビジュアルや提供方法、味わいに驚きがあるものばかり。
たとえば、ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』をモチーフにした「Venus(ヴィーナス)」、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』をモチーフにした「Revolution(レボルーション)」などが。(いずれも2,000円/税・サ-ビス料別)
こちらは、甘酸っぱく爽やかな味わいの「アルジャントゥイユ」(2,000円/税・サ-ビス料別)。アルジャントゥイユは、『睡蓮』などで知られる画家のクロード・モネが暮らしたフランスの街であり、若き日のクロード・モネと親交を深めていたルノワールによって描かれた『アルジャントゥイユの庭で制作中のモネ』の世界観をイメージしています。
パレットの上には、パッションフルーツとカシスのソースが。絵を描くようにミクソロジーに加え、自分流にアレンジしていると、アーティスティックな気分に。
ミクソロジーカクテルは「ノンアルコールへのアレンジも大歓迎」とのこと。ノンアルコールのメニューも充実していて、お酒が飲めなくても気兼ねなくバーでのひとときを楽しめます。
バー&ラウンジ「ウィスク」
- 営業時間
- 10:00~22:00 (L.O.21:00)
毎夜ロビーで開催される生演奏に酔いしれる
ロビーでは毎日19:00と20:30の2回、アーティストがパフォーマンスを披露する無料イベント「ショーケース」が開催されます。この日はピアニストによる演奏が。音響を考えて設計されたロビーに響くピアノの音色と、バックに広がる東京の夜景にうっとり。
「ショーケース」以外の時間は、このグランドピアノを誰でも自由に弾くことができます。
「ショーケース」
- 開催時間
- 毎日19:00~、20:30~
- 料金
- 無料
バスタイムにも光るホスピタリティ
部屋に戻ったら、1日の終わりのお楽しみ、バスタイムを。ガラス張りのスタイリッシュなバスルーム。スイッチひとつでお湯はりができるので、部屋でくつろぎながら待つことができます。
ボディウォッシュ、シャンプー、コンディショナーは、スキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」がプロデュースしたもの。男性にも女性にも心地よい柑橘系の香りが爽やかです。
まるで古い冒険小説のようなデザインのこのケースは、なんと中にアメニティが。コームや歯ブラシ、バニティキットなどが収められています。
ちょっとしたプレゼントを開けるような気持ちに! このセットは、フロントで購入することもできます。
バスソルトは、ミネラル豊富なエプソムソルト。ホテルのイメージカラー、ミッドナイトブルーの湯に浸かれば、心身がほぐれていきます。
湯上りに身体を包んでくれるのが、バスローブとしてもインルームウェアとしても着用できる「Kimono Robe」。ボタンと紐だけ留めればパジャマのようなリラックスウェアに。帯を結べば、キモノのようにまとうことができます。ニット素材で作られたローブは、軽くて吸水性抜群。寄り添うようなやさしい肌触りが極上の眠りを誘います。
ハイクオリティなブッフェスタイルの朝食
ぐっすり眠って迎えた2日目の朝。朝食は、ディナーと同じレストラン「シェフズ・シアター」で。
ブッフェスタイルの朝食「メズム・ブレックファスト」には、人気の「エシレバター」と平飼い卵を使い、好きな具材を入れてシェフが目の前で作ってくれるオムレツのほか、フランスで定番のお惣菜や、体に優しい和食メニューも。
1日のはじまりを鮮やかに彩る個性豊かな「五感ドリンク」や、日替わりスープ、人気の自家製デニッシュやヨーグルト、サラダ、フルーツ、シリアルなどもブッフェスタイルで楽しめます。
朝食
- 営業時間
- 6:30~11:00 (L.O. 10:00)
チェックアウトはゲストルームで
チェックアウト時間の12:00が近づいてくると、唯一無二の体験で満たされた滞在もいよいよ終幕。タブレットまたはテレビを使えば、ゲストルームでチェックアウトできます。
ガーデンビュー以外にも魅惑の眺望が
客室からの眺望は、浜離宮恩賜庭園や東京スカイツリーを望むガーデンビューのほか、田町・レインボーブリッジ方面、汐留方面、東京湾ゲートブリッジ方面の全4タイプがあります。
田町方面のお部屋からの夜景は、光が幻想的に彩るビル群や高速道路、そしてレインボーブリッジに目を奪われます。
客室タイプは、ご紹介した「chapter 2」のほか、chapter 1~4まであります。「chapter 1」は、40平米の広さのスタンダードな客室。
「chapter 3」は95平米もの広さを誇るスイートルームで、リビングとベッドルームが独立した贅沢な空間。全室、浜離宮恩賜庭園を臨むバルコニー付きです。
「既存のホテルにはない、唯一無二の体験を」。ゲストルームからクラブラウンジ、レストランでの食事まで、そのコンセプト通りの時間を過ごすことができた「メズム東京、オートグラフ コレクション」での2日間。ただ癒やされるだけではなく、感性を魅了されるホテルステイでした。
自分へのご褒美はもちろん、大切な人との記念日に、あるいは女子会に。はたまた、ステイケーションやワーケーションにも。こだわりを満たしてくれるおこもりステイが、人生の一章を彩ります。
メズム東京、オートグラフ コレクション
- 住所
- 東京都港区海岸1-10-30
- アクセス
- JR山手線・京浜東北線/モノレール「浜松町」駅より徒歩約6分
新交通ゆりかもめ「竹芝」駅より徒歩約3分
都営大江戸線・浅草線「大門」駅 B1・B2出口より徒歩約7分 - チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 12:00
- 予約サイト
- 楽天トラベル「メズム東京、オートグラ フコレクション」
撮影:福羅広幸 取材・文:仲川僚子