本物の車両部品を使用した鉄道コンセプトルーム「富士急行線ルーム」が、「富士急ハイランド」隣接の「ハイランドリゾート ホテル&スパ」に新登場。「富士急行線」の職員や富士山麓電気鉄道株式会社も全面協力し、生粋の鉄道ファンとしても有名な南田裕介さん監修による「鉄道ファンが喜ぶ仕掛け」をたくさん盛り込んだ客室です。宿泊者限定グッズのプレゼントもご用意。大人も子どもも夢中になる、唯一無二の特別室をご紹介します。
鉄道コンセプトルーム「富士急行線ルーム」の魅力
「ハイランドリゾート ホテル&スパ」へのアクセス
山梨県富士吉田市の「ハイランドリゾート ホテル&スパ」は、雄大な富士山を目の前に望むリゾートホテルです。隣接するアミューズメントパーク「富士急ハイランド」の開園15分前優先入園、フリーパス割引、駐車場滞在期間無料、「ふじやま温泉」入館無料など、宿泊者特典が充実しています。
ホテルへのアクセスは、JR「新宿」駅より高速バスで約1時間40分。電車の場合は、富士急行・JR直通の特急「富士回遊」でJR「新宿」駅から富士急行線「富士山」駅まで約1時間48分、「富士山」駅から無料シャトルバスに乗ると約25分でホテルに到着できます。「富士急ハイランド」駅で降車する場合は、新宿駅より特急「富士回遊」で約1時間52分、入園無料の「富士急ハイランド」を通り抜けると徒歩約15分で到着できます。
2023年7月、同ホテルに「富士急行線ルーム」がオープンしました。この客室は、2020年10月に惜しまれつつ引退した1000系・1202号編成の電車の車両部品をそのまま使用し、ホテルでリアルに電車の魅力に触れられる、鉄道コンセプトルームです。
チェックイン時から始まる、こだわりの仕掛けの嵐
まずはチェックインをしましょう。天井が高く、ゆったりとしたエントランスロビーや美しい木々を背景にした重厚なチェックインカウンターは非日常の雰囲気があります。
チェックインをすると、受付の方から「富士急行線ルーム」専用のカードキーを受け取ります。
チェックアウト時には、オリジナル台紙が付いたルームキーのレプリカが宿泊者特典の限定グッズとしてプレゼントされます!
プロの運転士が身に付けるような白い手袋も、宿泊者特典である限定グッズの一つ。早速白い手袋を身に付け、受付の方から車掌が持っているようなずっしりと重いトランクを受け取ります。
トランクの中には、実際に電車で使用されていた「レバーサーハンドル(進行方向を切り替えるハンドル)」、「ブレーキ弁ハンドル」、きっぷを切る道具の「改札鋏」が入っており、宿泊期間中に使用できます。気分はもう鉄道会社の従業員!
チェックイン直後から、富士急行線の世界にどっぷり入り込める仕掛けが用意されています。
ウエルカムドリンクも富士急行線バージョンのオリジナルプリントラテ。ホテル内にあるイタリアン&ベーカリー「マカロニクラブ」でいただけます。
扉を開けると、まるで車内!
「富士急行線ルーム」は、このホテルに一室のみ。エレベーターで4階へ上がり、廊下を進むと、「富士山麓電氣鐵道」の文字がデザインされた扉が現れます。
実はこの表札も富士山麓電気鉄道株式会社の本社入口と同じデザイン。ルームキーもおそろいです。遊び心とこだわりを随所に感じます。
扉を開くと、2020年10月まで実際に走行していた1000系の1202号の「つり革」や「網棚」、「車窓の窓枠」がお出迎え。運転士や車掌が実際に使用している制服のジャケットを着て、帽子をかぶりましょう。
車窓の風景は、富士急行線自慢の「富士山が雪をかぶった冬景色」です。これは、テレビなどで活躍している生粋の鉄道ファンとしても有名な南田裕介さんが選んだ景色。鉄道好きの知識を生かし、この鉄道コンセプトルームを監修しています。
つり革には、よく見ると富士急行線にまつわるクイズが書かれています。
完全再現の連結部分と大迫力のフェイスカット
廊下と客室エリアの間にあるのれんをくぐると、電車の連結部分と同じように実物の「幌(ほろ)」が設置されています。渡り板までリアルに再現。
客室エリアへ入ると最初に目に飛び込んでくるのは、富士急行線1202号編成を忠実に再現した大迫力の先頭車両の「顔」。
方向幕と前照灯は実物部品。運転席にあるボタンを押すと、前照灯が点灯し、方向幕も回転します。
いつでも好きなだけ電車の運転士気分を味わえる
フェイスカットの奥には乗務員室エリアがあり、運転台や運転席椅子、低電圧配電盤、ATS・SW箱などを装備。こちらの部品も富士急行線で実際に使用していたものです。
チェックイン時に受け取った「レバーサーハンドル」と「ブレーキ弁ハンドル」を取り付ければ、本物の運転士になったような体験ができます。
運転台から眺められるように設置されたベッド上の大型モニターには、富士山に一番近い鉄道「富士急行線」沿線走行区間のダイナミックな前面展望映像が流れます。
映像は全5区間。映像に合わせてハンドルを動かしたり、駅に停車する場面ではブレーキをかけたりしてみるのもおすすめ。
本物の車内放送器も備えられています。車掌になった気分で放送スイッチを入れて、車内放送器でアナウンスしてみましょう。富士急行線と同じ八幡電気産業製の車内スピーカーから、アナウンスの声が客室に響き渡ります。
滞在中いつでも好きなだけ運転席を独占できるのも、宿泊者限定の特典です。
宿泊者特典としてプレゼントされる限定グッズ
ベッドの上には、「富士急行線ルーム」宿泊者へのプレゼントである、限定グッズが並べられています。富士山麓電気鉄道ロゴ入りアメニティポーチ、富士急行線ルーム記念硬券2種(きっぷ)、オリジナル路線図フェイスタオル、ブレーキ弁ハンドルを模したオリジナルキャップオープナー、オリジナル勾配コップ、富士急行線ショッパー、古のダイヤグラム(レプリカ)など、鉄道ファン垂涎の品ばかり。
レプリカのダイヤグラムは、2時間ごとや3時間ごとなど、好きな時間軸でじゃばら折にしてみましょう。富士急行線ルーム記念硬券は、トランクの中に入っている本物の改札鋏で、入鋏(にゅうきょう)体験をして楽しんでください。
鉄道ミュージアムとしての要素も満載
壁面には富士急行自慢の水戸岡氏デザインの「富士山ビュー特急」や「フジサン特急」のパネルや、本物の車体プレートが飾られていて、ミュージアムとしても楽しめます。
ベッドの上のモニター横には、モハ1001などの富士急行線の歴代車両の模型も美しくディスプレイされています。
鉄道ファンの好奇心を刺激するアイテム
富士山の絶景を満喫できる一人がけソファの張地にも、本物の「モケット」を使用。※新品のモケットを使用してます。
富士山に一番近い鉄道ならではの標高差が伝わる上り40.0パーミル勾配を示した「勾配標」や、雪が積もる冬には欠かせない融雪剤の塩化カルシウムの袋デザインを再現したクッションなどにもご注目ください。鉄道ファンの好奇心を刺激する仕掛けやアイテムが、様々な場所にちりばめられています。
3人まで泊まれる余裕の客室の広さと充実度
「富士急行線ルーム」の面積は約36平米。幅120cm、長さ200cmのセミダブルベッドが2台用意されています。定員は1〜3名。子ども連れのご家族でも、余裕がある広さ。3名での宿泊時は、エキストラベッドを入れることもできます。
3名で宿泊する際も特典グッズのプレゼントは2セットのみですが、追加で限定グッズを希望される場合は1セット5,000円(税別)で販売しています。鉄道好きな方と3人で宿泊しても楽しめます。
コーヒーや紅茶、緑茶などを入れられるマルチドリンクメーカーや、電気ポット、空気清浄機、冷蔵庫、金庫なども完備。
肌触りの良いナイトウエアやバスローブも用意されています。
シャワールームには、レインシャワーやミストサウナも付いています。湯船は客室内にはありませんが、宿泊者は渡り廊下でつながっている「ふじやま温泉」を無料で利用可能。大きな湯船で温泉を満喫できるのです。
このホテルでは、プラスチックごみの削減やCO₂排出量の削減などの環境保全に取り組んでおり、シャンプーやコンディショナー、ボディソープ、ハンドソープは、自然派オーガニックブランドの「リーフ&ボタニクス」の詰め替え可能なポンプ式ボトル。アメニティは、もみ殻を原材料にした環境にやさしいエコ商品の歯ブラシセットやカミソリ、ヘアブラシ、コットンと綿棒が客室に用意されています。
富士の恵みを受けた新鮮な旬の素材を味わえるモーニングブッフェ
朝食は4階にあるリゾートダイニング「フジヤマテラス」で。
富士の恵みを受けたおいしい新鮮な食材がたくさんある山梨。その時々の旬の素材をバランスよく使った、和洋中の様々な料理が並ぶモーニングブッフェが楽しめます。
名産の甲州信玄鶏を使ったメニューやふじやまファームの野菜を使ったサラダバー、種類豊富なパンなどが並びます。
忍野豆腐や富嶽煮卵など、和のメニューも魅力あふれる豊富なラインアップ。
ライブキッチンでの山梨名物の熱々のほうとうや目の前で焼き上げるシェフ特製のオムレツも人気です。
雄大な富士山を眺めながら、天井が高く開放的な空間の中で爽やかな朝の時間をご堪能ください。
こだわり満載の「富士急行線ルーム」でリフレッシュ
チェックアウトの時間はAM11:00です。朝食後も心ゆくまで運転台での操作を楽しむもよし、モケットのソファに座りコーヒーや紅茶を飲みながら、さながら車窓からの景色を楽しむように富士山を愛でるもよし、ゆっくりとおくつろぎください。
「富士急行線ルーム」は、富士急行線を運営する富士急グループのホテルならではの鉄道コンセプトルームです。鉄道ファンだけでなく、老若男女が夢中になるこだわり満載の客室。1室限定の唯一無二の客室ですので、ご予約はお早めに。
ぜひ「ハイランドリゾート ホテル&スパ」の「富士急行線ルーム」で、ここでしかできない体験を満喫してみてください。
取材・撮影・文/北川りさ