サステナブルな旅に興味はあるけど、どうすればいいか分からないし、何か楽しみをセーブしなければならないような気もして、なかなか踏み出せない…という方もいるのではないでしょうか。そんな方にぜひ泊ってほしいホテルに、京都の街で出会いました。
京都河原町駅から徒歩2分の場所にある「GOOD NATURE HOTEL KYOTO(グッド ネイチャー ホテル キョウト)」のコンセプトは、「人にも、自然にも、いいものを。」――無理をすることなく、体と心、そして地域や社会、地球にとって健康的で、しあわせであることを目指した取り組みを進めています。
ホテルがあるのは、京阪グループがサステナブルをテーマに運営する商業施設「GOOD NATURE STATION」の4~9階。ここには、体と地球にやさしい食材がそろったMARKETやレストラン、カフェ、ショップなどが集結しています。また、建物内のすべての商品・サービスが、「人にも、自然にも、いいものを。」で統一されていることが大きな特長です。
澄んだ空気と自然の恵みに包まれ、GOOD NATUREを五感で楽しめる場所
ホテルに足を踏み入れた際に感じるのは、空気の違い。澄んだ空気の秘密は、「WELL認証(v1)」と「LEED認証」(※)をダブル取得し、厳しい国際基準をクリアした換気システム、衛生的な環境、緑や自然素材をたっぷり取り入れた空間づくりなどにあります。
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ホテルのラウンジは、ビルの上階にありながら吹き抜けの中庭に。その壁面を彩るのは、京都の植生を再現したテイカカズラのウォールカーテンです。緑に触れ、太陽の光を浴びることで、体の中がエネルギーで満ちあふれてくるような気持ちになります。
内装からアメニティまで、自然素材にこだわった部屋づくり
お部屋にも、随所にこだわりが感じられました。ホテルには珍しい天然木材のフローリング、和紙の壁紙。アメニティは、全行程を100%再生可能エネルギー(風力発電)でつくられた「IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)」のオーガニックタオル、植物の根も葉も余すことなく利用した「NEMOHAMO(ネモハモ)」のシャンプーやトリートメントです。
ウェルカムスイーツには、フェアトレードのカカオ豆で作られたチョコレートと、外皮をアップサイクルしたカカオティーが用意されていました。自然の恵みに囲まれたやさしい空間は、疲れた体を心地よく癒やしてくれます。
また、プラスチックごみ削減の観点から、アメニティは必要最低限のものだけを置くようにしているとのこと。必要な方は、オーガニックの竹で作られた歯ブラシや、木製のヘアブラシをフロントで購入することができます。アメニティの販売で出た利益は、ホテルのパートナーである循環型農業を推進する農場やフェアトレード農園への支援など、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みに役立てるそうです。
さらに、「ペットボトルのごみを出したくない」というお客さまからの声も後押しとなり、2021年より全客室にオリジナルのタンブラーを設置。各フロアに置かれたウォーターサーバーから、宿泊者自身で自由に給水できる仕組みになりました。
スタッフの方が着用しているユニフォームも優しいベージュのゆったりとしたデザインで、みなさんの温かい笑顔も含めて、館内の雰囲気にとてもよく合っています。
また、ユニフォームの胸には、木製のSDGsバッジが。これは、京都が推進する木材の地産地消「みやこ杣木」に認定された木材で、障がい者の方が一つひとつ手づくりしたものなのだそうです。
心や体を整える、充実のプログラム。リラックスしたり、ワクワクしたり。
ホテルでの時間を心身ともに健やかに過ごしてもらえるよう、オリジナルのアクティビティや、体験プログラムを充実させていることも大きな魅力です。プロのトレーナーを招いての朝ヨガをはじめ、瞑想体験や気功、座禅、ファスティング体験など、心と体を整えてリフレッシュできるさまざまなプログラムに挑戦できます。
また、グッドネイチャーステーションで開催している伝統工芸を学べるワークショップや、無農薬果物の収穫体験(※)にも参加可能。
※時期によって収穫物は異なります
こうした楽しい企画を「コンダクター」というスタッフが中心になって生み出しています。館内での楽しみ方や、アクティビティなどをご案内する、コンシェルジェ+ツアーガイドのような存在。
アクティビティやプログラムを企画し、ホテルスタッフと共にブラッシュアップしながら発信しているとのこと。今後も、楽しいプログラムが続々と控えているそうです。
おいしくて、体の中からキレイになれる、ボタニカルなレストランやカフェ
レストランでも「人にも、自然にも、いいものを。」のコンセプトのもと、地元の契約農家がつくった有機野菜やお米が使われています。自然や四季を感じながら、植物のエッセンスを存分に味わえるメニューがいっぱい。手をかけて、大切に育てられた野菜やハーブを味わっていると、体の中からキレイになっていくような気分になります。
1階にある「ERUTAN(エルタン)」の朝食は、新鮮な食材で作られたお料理がたくさん並ぶビュッフェスタイル。素材の味を生かした味付けや調理方法が特長。有機野菜をはじめ、季節の野菜をふんだんに使用したデリカテッセンはすべて店内で手作りで仕上げられています。
また、客室の茶器は、割れたり、欠けたりしても処分はせず、金継ぎをして、大切に使い続けているそうです。
外出を忘れるほどに、ずっと過ごしていたくなるホテル
「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」ならではの特長は、何といっても「宿泊客がお部屋にいる時間を長く楽しんでいる」ということ。あわただしさがなく、常にゆったりとした時間が流れているため、「気持ちよかった」「ゆっくりできました」という反響があるといいます。総支配人の松井さんにお話を聞くと、「『観光に出かけるつもりだったのに部屋でゆっくりしてしまいました』というお声も時々かけていただきます」とのこと。
赤ちゃん連れのファミリーも、フローリングや壁紙が天然素材であることや、ベビーベッドなどの貸し出し備品も充実していることで、安心して過ごすことができます。
サステナブルな旅の入り口として
今回、取材をして印象的だったのは、アメニティは使い捨てが当たり前だったホテル滞在が、ここでの体験をきっかけに、サステナブルな旅の楽しさを知り、循環型社会づくりへの意識を高めているということ。松井さんは、「環境への取り組みがあって心地よかった」という感想をいただくことが多く、うれしいですね」と話してくれました。
押し付けるのではなく、あくまでも「楽しむ」ことを大切にしてきたホテルだからこそ、その想いがお客さまの心にしっかり響いているのでしょう。京都の中心街から、サステナブルの輪が広がっています。
GOOD NATURE HOTEL KYOTO(グッド ネイチャー ホテル キョウト)
- 住所
- 京都府京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318番6
- 総部屋数
- 141室
- アクセス
- 阪急電鉄京都本線「京都河原町」駅4番出口より徒歩約2分
※「WELL認証」と「LEED認証」について
WELL認証とは、WELL Building Standard®といい、人々の健康とウェルネスに焦点を合わせたビルト・エンバイロメント(建築や街区の環境)の性能評価システムです。
LEED認証とは、非営利団体USGBCが開発・運用し、GBCIが認証の審査を行っている、ビルト・エンバイロメント(建築や都市の環境)の環境性能評価システムです。