富士山の、あの「絶景」写真。実は簡単に撮れるんです!
新宿から車で約2時間。電車でもJR中央線と富士急行線を乗り継いで約2時間半と、意外に身近な富士山のお膝元、下吉田と河口湖。春は桜、秋は紅葉、冬は雪が景観を彩り、夏は雪を被っていない素肌の富士山がその姿を現します。周辺には、おいしい地元グルメや観光スポットもたくさん。今回は、お馴染みのフォトジェニックな写真を気軽に撮って楽しめる、おすすめのモデルルートを2ヵ所ご紹介いたします。
五重塔と桜が映える「新倉山浅間公園」で日本の美を満喫
まずはこの写真をご覧ください。
一面の桜に、日本的な五十塔、そして後ろには雄大な富士山がそびえるこの絶景写真。一度はどこかでご覧になったことがあるのではないでしょうか。このような写真が撮影できる場所は、「新倉山浅間(あらくらやませんげん)公園」。富士急行線「下吉田」駅から徒歩約20分程度と、意外と気軽に訪れることができます。
今回は、山梨県富士吉田市の下吉田駅からスタート。1929年に開業し、2009年にリニューアルされた駅舎は、ベージュ色を基調にしたどこかレトロな趣。駅にはカフェが併設されており、旅を始める前にゆっくりとくつろぐこともできます。
駅前には人気撮影スポットだけあって、新倉山浅間公園へのルートが描かれた看板も。初めて訪れる人も迷わずに行くことができるように配慮されています。
目的地までの道のりには農場などもあり、のどかな雰囲気が印象的。
撮影スポットとなる「新倉山浅間公園」の展望デッキへは、徒歩20分ほど。視界が広く、遠くには富士山の姿もはっきりと見ることができます。晴れた日は気持ちよく散歩が楽しめるでしょう。
下吉田駅から5~7分ほど歩くと現れるのが、新倉山の中腹に位置する、新倉富士浅間神社の入り口。さらに参道を数分歩くと、神社がお目見え。新倉山浅間公園への入り口です。
公園の展望デッキまでは、ここから398段の「咲くや姫階段」をさらに10分ほどかけて歩きます。
新倉富士浅間神社は慶雲3年(705年)に創建という由緒ある神社です。戦国時代には武田信玄の父・信虎が北条氏との戦いにあたって勝利を祈願したこともあるとか。
「咲くや姫階段」をのぼった先には、神社のシンボルとして名高い五重塔「忠霊塔」がお目見え! このすぐ真裏に人気撮影スポットの展望デッキがあります。駅からは約徒歩20分ほどといったところです。
展望デッキは、雄大で美しい富士山の姿と忠霊塔、そして富士吉田市の街並みが眼下にのぞめる抜群の絶景スポット。春には桜が咲き誇り、白い雪と青い空、ピンクの桜のコントラストが絶妙です。
撮影スポットは柵の手前のエリアと二段の展望デッキで、より高みから全域を見渡せるデッキ上段からの撮影がおすすめ。特に中央から左側のポジションは、忠霊塔が富士山に被らず撮影できます。外国人観光客であふれ、20人ほどのスペースのデッキは常に混雑しています。なお、混雑時の三脚の使用はNGなので、控えたほうが無難かもしれません。
新倉山浅間公園 展望デッキ
- 住所
- 山梨県富士吉田市新倉3353-1
- アクセス
- 富士急行線「下吉田」駅から徒歩約20分
富士山を見ながらご当地グルメ「吉田うどん」に舌鼓
富士山の撮影後のおすすめランチスポットはこちら、下吉田駅から徒歩約10分の「みうらうどん」です。富士吉田市のご当地グルメとして全国的に有名な「吉田うどん」の人気店です。プレハブの簡素な店構えですが、窓からは富士山が見えるなどロケーションは抜群!
「吉田うどん」は、農林水産省が選定する「農山漁村の郷土料理百選」のひとつにも選ばれた郷土料理で、コシの強い太い麺や馬肉やキャベツなどの具、「すりだね」という卓上の辛味調味料などが特徴。「みうらうどん」は創業が昭和56年と長い歴史を持つ老舗で、伝統の「吉田うどん」が味わえます。
こちらは一番人気の「肉うどん(中)」(480円・税込)。毎日手打ちされるという自家製麺はグッと歯ごたえがあり、力強い噛み心地。出汁は煮干しと地場の味噌と醤油をブレンドしたもので、あっさりしつつ深みのある味わいでいくらでも食べられそう。途中から「すりだね」を入れて味を変えて楽しむのもおすすめですよ。ただし、意外に辛いので入れすぎには注意!
みうらうどん
- 住所
- 山梨県富士吉田市下吉田1-22-5
- 営業時間
- 10:00~14:00
- 定休日
- 水曜日(祝・祭日は営業)(お盆・年末年始は営業)
- 電話番号
- 0555-30-2377
- アクセス
- 富士急行線「下吉田」駅より徒歩約10分
下吉田駅の周囲には、ほかにも魅力的な観光スポットがいろいろ。
たとえば、下吉田駅から富士急行線で1駅、徒歩でも15分ほどで行ける「葭之池(よしのいけ)温泉」は、創業安政3年という老舗温泉。日帰り入浴も可なので、撮影後はのんびり温泉……というプランもアリかも。また、大人気の「富士急ハイランド」へも、下吉田駅から富士急ハイランド駅までは3駅(約12分)と至近のアクセス。併せて楽しみたい場所です。
もし、周辺で一泊するなら、下吉田駅から徒歩約10分のところにある「新世界乾杯通り」も魅力的。居酒屋やバーが軒を連ね、夜の下吉田を満喫できるでしょう。
河口湖の「もみじトンネル」で大自然と富士山を満喫
続いてはこちらの写真です。
富士山と湖を、額縁のように彩る鮮やかな紅葉。こんな素敵な写真を撮影できるスポットは河口湖にあります。
河口湖には富士山の撮影スポットが多数ありますが、今回は秋には美しい紅葉と富士山を1枚に収めることのできる「もみじトンネル」をご紹介します。ちなみに、先に紹介した「新倉山浅間公園」のある下吉田駅からも電車に乗って約15分と近いので、時間に余裕があれば撮影のハシゴも可能です。
目指す「もみじトンネル」へは、河口湖駅前のバス乗り場から「河口湖周遊バス」に乗って向かいます。最寄りのバス停は河口湖駅前から約20分の終点「河口湖自然生活館」で、「もみじトンネル」はそこから20分ほど歩いた先にあります。終点ひとつ手前のバス停「北浜荘前」近くには、1時間1,080円(税込)で自転車が借りられるお店があるので、選択肢に入れておくといいかも。
バス停を背に、緑が生い茂る中をまっすぐ進むと、突然目の前が開け、ドーン! と富士山が現れます。左手に河口湖を眺めながら進むのは爽快そのもの。ただ道幅はせまいので、車には十分注意して!
秋が深まる11月には、道路沿いの真っ赤なもみじがトンネルを作ることで有名な「もみじトンネル」。直線距離はわずか20~30メートルほどですが、河口湖周辺でも屈指の富士山撮影スポットとして人気が高く、もみじの間から湖の向こうにそびえる富士山を写真に収めようと全国から人が集まるそうです。
撮影時期はまだ紅葉前ですが、鮮やかな緑のもみじも若々しくさわやかで、青い空や白い雲とのバランスが魅力的。道路沿いには20台程度でいっぱいになる駐車場があり、そこからの撮影がおすすめです。場所によってもみじと富士山の構図が異なりますので、いろいろな場所から好みの構図を探してみてはいかがでしょうか。
河口湖 もみじトンネル
- 住所
- 富士河口湖町大石
- アクセス
- 河口湖周遊バス「河口湖自然生活館」より徒歩約20分
河口湖をぐるり半周! 周遊バスでめぐる富士山撮影スポット
富士山を撮影できるスポットは、河口湖には「もみじトンネル」以外にもまだまだたくさんあります。周遊バスは9:00~18:00の間は15分間隔で走っているので、上手に利用して効率的に撮影ポイントを回ってみましょう。
終点の「河口湖自然生活館」下車すぐのところにある大石公園。6月下旬~7月中旬には咲き誇るラベンダーと富士山を撮影することができます。
こちらはバス停「湖山亭うぶや前」すぐの撮影スポット。
「もみじトンネル」からすぐの「留守ヶ岩」も人気のスポット。良く晴れた風のない日には、湖面に逆さ富士が映るとされ、日本の渚・百選にも選定されています。
標高1075メートルから河口湖と街を一望
続いては、河口湖と街を一望できる、絶景の富士山展望台を訪れてみましょう。展望台へは「富士山パノラマロープウェイ(通称:カチカチ山ロープウェイ)」に乗っていきます(大人・往復800円、小学生・同400円、ともに税込)。ロープウェイ乗り場までは河口湖駅から徒歩約10分。周遊バスで行く場合は、「遊覧船・ロープウェイ入口」前で下車すると目の前がロープウェイ乗り場で便利です。
展望台まではロープウェイで約5分といったところ。ゆっくりと進むロープウェイの窓からは、河口湖や周辺の街並みを見ることができます。展望台のある「富士見台駅」の標高は1075メートルで、スタッフによれば「街が見下ろせるのはこのあたりではここだけです」とのこと!
富士山パノラマロープウェー
- 住所
- 山梨県南都留郡富士河口湖町浅川1163-1
- 営業時間
- 9:00~17:00(季節により変動あり)
- 定休日
- 年中無休
- 電話番号
- 0555-72-0363
- アクセス
- 富士急行線「河口湖」駅より徒歩約10分
山梨に行ったら必食!迫力の名物「ほうとう」
河口湖周遊の締めくくりは、山梨県の郷土料理「ほうとう」で。ここ、河口湖駅から徒歩約1分と好立地に店を構える「ほうとう不動」河口湖駅前店の名物は、コシのある自家製麺を味噌仕立ての出汁で煮込んだ「不動ほうとう」(1,080円・税込)です。
ほうとうは豪快に鉄鍋に入ったまま提供。かぼちゃや山菜、油揚げなど具材がたっぷり乗ったほうとうは、2人分はあろうかという大ボリューム! 味噌のコクがたっぷりで、疲れた体を癒してくれます。
もつ煮(432円・税込)はぷりぷりしたもつがたっぷり。お酒のつまみにもぴったりで、濃厚な味噌味がクセになりそうな一品です。
ほうとう不動 河口湖駅前店
- 住所
- 山梨県南都留郡富士河口湖町船津3631-2
- 営業時間
- 11時 〜 19時(麺切れ次第終了)
- 定休日
- 年中無休
- 電話番号
- 0555-72-5560
- アクセス
- 富士急行線「河口湖駅」より徒歩約1分
都内からほど近く、実は意外に訪れやすい富士山のお膝元。圧倒的で美しい自然やおいしいご当地グルメなど、さまざまな魅力を探しに、カメラを持ってお出かけしてみてはいかがでしょうか?
取材・写真・文/カワハタユウタロウ
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。