世界的ホテルブランドの「マリオット・インターナショナル」が道の駅に隣接したホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」の全国展開をスタート。ホテル内にはレストランなどがなく、宿泊客が隣の道の駅や地元に出てその土地の食べ物や文化を楽しむことを提案しています。
2020年には、岐阜、栃木、京都、三重で8つのホテルを開業。2025年までに25道府県に建設予定で、その規模は拡大中です。今回は名古屋から約1時間とアクセス抜群の「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園」を例に、地元を発見する宿泊の楽しさをご紹介します。
フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園 予約・詳細
道の駅に近接したホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」
「フェアフィールド・バイ・マリオット」は国際的なホテルグループの「マリオット・インターナショナル」と積水ハウスの地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」で実現したホテルです。どの施設も道の駅に近接したロードサイド型ホテルになっており、コンセプトは「日本をもっと楽しむ旅へ。ここが思い出の拠点になる」。道の駅をハブに地域の魅力を体験しながら、自由に日本を渡り歩く旅のスタイルを提案しています。
その地域ならではの体験や郷土料理とふれあってもらうため、ホテルにはレストラン機能を付けず、素泊まり専用であることも特徴。道の駅はご当地グルメや地域の特産品が必ずあり、多くは車で移動しやすい場所に立地しています。宿泊客がその地域の特性を知る拠点にするのにもぴったりな場所です。
「ホテルでの滞在はシンプルながらも快適に」というのがフェアフィールド・バイ・マリオットの考え方。ホテル創業者であるマリオット一家が親しい人におもてなしをしていたというフェアフィールド農場からインスピレーションを受け継いだ空間では、ゆったりと気軽に過ごすことができるようになっています。
マリオットブランドのマインドを受け継ぐフレンドリーなスタッフのおもてなしを受けながら、地域の魅力を発見していく旅。その拠点としてぴったりの場所になるでしょう。
2020年10月にオープン!「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園」
今回訪ねたのは、2020年10月にオープンしたばかりの岐阜県美濃加茂市「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園」。「ぎふ清流里山公園」と一体になった「道の駅 みのかも」に隣接しています。
東海環状自動車道ハイウェイオアシスとしても機能しているエリアのためアクセスも抜群。名古屋からは車で約1時間。「美濃加茂」ICを降りて約3分でホテルの入口まで到着です。
フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園 アクセス
「ぎふ清流里山公園」は幅広い世代に人気の公園。総面積約80ヘクタールの園内には、昔懐かしい学校や農村の里山風景が広がっています。敷地内には道の駅のほか、里山カフェや温泉施設、アスレチック遊具などがあり、1日たっぷりと遊ぶことができます。
ホテルから車で約10分のところにあるのが、かつて中山道の宿場町として栄えた太田宿。木曽川を超える中山道の三大難所の1つであった「太田の渡し」があった太田宿は、交通の要所であったと言われています。川と共に歩んだ人々が使った遺物も多く見つかるなど、豊かな自然と調和しながら発展してきた美濃加茂の町をより深く知ることができます。
ホテルから少し足を伸ばせばその土地の歴史や成り立ちを発見できる立地は、フェアフィールド・バイ・マリオットのこだわりです。
フェアフィールド農場の精神を受け継ぐ温かいおもてなしと充実のロビーラウンジ
さっそく、ホテルにチェックイン。カウンターをあえてアイランド式に設計してあるのは、スタッフがフロントデスクの外に自由に出て接客したいという思いからなのだそう。
ロビーにあるライブラリーを眺めて旅情報を探していると笑顔で声をかけてくれるなど、スタッフと気軽にコミュニケーションを取ることができるのもうれしいポイントの1つです。
共用スペースが広々と造られているのも特徴。木のぬくもり溢れるロビーラウンジにはソファやベンチがあり、ゆったりとくつろぐことができます。明るい陽射しが入ってくる大きな窓もありとても気持ちが良い空間です。
軽食を食べることができるスペースもあり、隣には共用キッチンも付いています。キッチンに備えてあるコーヒーや紅茶は滞在中飲み放題。各席には電源も配置されており、パソコン作業も可能なので、テレワークで滞在するのにもおすすめです。
外の空気を感じられるテラス席もあり、天気のいい日は、デッキでのんびりしても気持ちの良い時間が過ごせます。
「ホテルを地元を知る拠点にしてもらいたい」という思いは、ラウンジアートやライブラリーにも表れていました。入口目の前にある壁には写真家・石倉麻夕さんによる美濃加茂撮りおろし作品9点が飾られています。
フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園 宿泊プラン
シンプルながらもスタイリッシュ。使い勝手抜群の客室
3階建てのホテルに、客室数は85室。落ち着いた廊下に客室が対面で並んでいます。
中に入ると、客室はシンプルな造りながらも洗練された空間。入って目の前にあるのが洗面台のシンク。それを挟んで奥側がベッドルーム、手前がシャワーブースとトイレになっており、使い勝手の良い造りです。
キングかツインの2タイプで、今回は幅約180センチメートルのベッドがあるキングルームに宿泊。ベッドはシモンズ製で、通常よりも少し厚めのマットが入っているため寝心地抜群です。
「雲」をイメージしたというベッドに採用されているシーツは、あえて表面がモコモコとした素材が使われており、シーツにくるまった時の柔らかさにうっとりします。
壁に飾られた「くさまくら」という書は多治見市の陶芸家・加藤亮太郎氏のもの。旅の寝床を意味し、旅について詠まれる和歌の枕詞としても使われる言葉です。楽しい旅となるよう、ホテルが込めた思いが感じられます。
客室にはソファーやテーブルも備えられており、部屋の中で軽食を楽しむなどしてくつろぎやすいスペースになっています。また、ベッドサイドの電源コンセントにはUSBがあったり、部屋の壁、玄関、洗面所など数多くの場所に電源が確保されていたりするところも使い勝手がよいポイントです。
洗面所の奥には、シャワールームとトイレ。どちらも段差がなく使いやすいバリアフリー設計になっています。
シャワーブースは1メートル四方ほど。バスタブはありませんが、湯量が豊富なレインシャワーも付いているので、全身にお湯をかけてきちんと体を温めることもできます。
洗面所には、歯ブラシ、かみそり、くしなどのアメニティ類が一式揃っていて安心です。
洗面台やシャワールームとベッドルームの間には間仕切りもあり、家族や友達と宿泊した際に便利です。
隣接する「ぎふ清流里山公園」でのんびり散策を
荷物を整えたらぜひ散策したいのが、ホテルに隣接している道の駅やその付帯施設。ドライブのついででは見逃してしまう部分も、今日はゆっくりと堪能。
「ぎふ清流里山公園」へは、ホテルの玄関から1分以内で入口に行くことができます。元々、「日本昭和村」という名称で運営されていた公園で、2018年にリニューアル。昭和30年代の里山をイメージして作られた都市公園です。
園内には大小50を超える施設が並んでいるのですが、特に人気が高いのは、アスレチック遊具や、ポニーやヤギたちとふれあうことができる「里山ふれあい牧場」、ジップラインを楽しむことができる「アドベンチャーパーク」などです。
全長約3,080メートルのウォーキングコースもあり、気持ちの良い景色を見ながら楽しく散策できるのも醍醐味。ワーケーションや、週末の家族旅行でホテルを利用する方も多く、仕事の息抜きや家族との時間を楽しむのにもぴったりです。
ドライブ中に立ち寄るだけでは堪能しきれない魅力を、この機会にめいっぱい楽しんでみてください。
ぎふ清流里山公園
- 営業時間
- 12~2月:10:00~17:00
3~11月:9:00~17:00 - 定休日
- 12~2月:水曜
3~11月:無休 - 料金
- 入園無料
※園内の各施設で別途料金がかかる場合があります - 詳細
- ぎふ清流里山公園 公式ページ
夕食には、道の駅グルメや地産レストランを活用
レストランを持たないフェアフィールド・バイ・マリオットですが、夕食は併設施設や道の駅で地元のおいしいものをいただくのがおすすめ。
「道の駅 みのかも」では、地元・美濃加茂市のものから、郡上や飛騨高山の物産まで取り揃えは豊富。お気に入りの食べ物を買って帰り、ホテルの共用キッチンの電子レンジなどで温めていただくのは、ここならではの楽しみ方です。
道の駅 みのかも
- 営業時間
- 12~2月:10:00~17:00
3~11月:9:00~18:00
- 定休日
- 水曜日(12~2月)
「ぎふ清流里山公園」内のレストランを利用するのもひとつ。
「農家レストラン やまびこ」では、飛騨牛や美濃健豚、美濃古地鶏など地元の食材を使ったメニューも揃っているので、滞在中の食事に便利です。
農家レストラン やまびこ
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 水曜(12~2月)
隣接施設の温泉で疲れを癒す!
ホテルの客室内にもシャワールームはありますが、道の駅は温泉や日帰り入浴施設が併設されていることも多く、湯舟に浸かりたいという方はそちらを利用するのもおすすめです。
ぎふ清流里山公園にあるのは「里山の湯」。7種類のお風呂とサウナがある温浴施設で、開放感たっぷりの露天風呂からは里山の景色を楽しむこともでき、ドライブの長旅の疲れを癒してくれます。
里山の湯
- 営業時間
- 10:00~22:00(21:30最終受付)
※当面の間は19:30閉館(19:00最終受付)
- 定休日
- なし
- 料金
- 中学生以上:平日620円、土日祝720円
子ども:全日310円
道の駅とコラボした宿泊者限定の豪華朝食弁当
ぐっすり眠った翌朝、出かける前にうれしいのが、朝食です。
フェアフィールド・バイ・マリオットでは、各ホテルで道の駅とコラボした朝食ボックス付きの宿泊プランが用意されています。地域の食材を生かしたお弁当で、地元料亭の調理人が腕を振るうというゴージャスさが魅力。
この施設で調理を担当するのは、「日本料理たくあん」。旬の素材を巧みに使い、遠方からも足しげく通うファンがいることでも有名な地元の名店です。
12個に仕切られたお弁当の中には、岐阜県や美濃加茂市の地元食材・特産品を使ったメニューがいっぱい。飛騨牛のすき煮をはじめ、肉、卵、野菜などが乗った「友禅ご飯」は甘くて優しい味で、美濃加茂地区では給食にも出るなど昔から親しまれているメニューです。ホテルが建つ美濃加茂市山之上町で県内一の生産量を誇る梨のデザートも添えられ、満足感ひとしおのお弁当。たっぷりお腹を満たしたら、2日目の旅もより楽しめそうです。
日本各地の楽しみ方をディープに。全国へ施設を拡大中
岐阜県内ならほかにも、「岐阜郡上」、「岐阜美濃」にそれぞれ2020年10月に開業したばかりのフェアフィールド・バイ・マリオットホテルがあります。3つの施設は車で1時間程度の距離にあるので、1つのホテルだけでなく、道の駅を渡り歩くように少しずつ移動しながら各地の文化にふれてみるのもおすすめです。
岐阜以外にも、熊野古道へのアクセスが便利な「三重御浜」、日本三景・天橋立に近い「京都宮津」、京都の郷土料理の宝庫「京都京丹波」、ご当地グルメである餃子の食べ歩きも楽しい「栃木宇都宮」、週末には走るSLの雄姿を間近で見られる「栃木もてぎ」などを2020年に開業しており、各地でもっとディープな地元の楽しみ方が広がっています。
2020年、国内に8軒を開業したフェアフィールド・バイ・マリオットですが、2021年には、京都、三重、和歌山などに複数新施設をオープン予定で、ますます規模を拡大中です。国内旅行に目が向けられている昨今、日本津々浦々の地域とふれあう旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園
- 住所
- 岐阜県美濃加茂市山之上町2320
- アクセス
- 東海環状自動車道「美濃加茂」ICから車で約3分
- 客室数
- 85
- 駐車場
- あり
取材・写真・文/カカミ ユカ