神奈川県藤沢市・片瀬西浜海岸沿いにある「新江ノ島水族館」(通称:えのすい)。湘南エリアを代表する観光スポットで、江ノ島観光とあわせて多くの人が訪れます。
イルカのパフォーマンスを楽しめる「イルカショースタジアム」や、約8,000匹のマイワシの大群が泳ぐ様子を見られる「相模湾大水槽」、生物をさわって体感できる「タッチプール」など見どころがたくさん!そんな「えのすい」の魅力と、1日で効率よく楽しめるモデルコースをご紹介します。
おすすめモデルコース
- 10:30 迫力満点「イルカショースタジアム」
- 11:00 相模湾大水槽の「サカナミニライブ」
- 11:30 「あわたんカフェ」でランチ
- 13:00 見応え抜群「相模湾ゾーン」
- 13:30 癒やしの「クラゲファンタジーホール」
- 14:00 鮮やかな魚が集合する「太平洋」
江ノ島と富士山を望む絶好のロケーション「新江ノ島水族館」
相模湾に面し、右手に富士山、左手に江ノ島が控える絶好のロケーションを誇る新江ノ島水族館。イルカたちのパフォーマンスを楽しめる「イルカショースタジアム」では、富士山、江ノ島、片瀬西浜海岸をバックにプログラムを観賞できます。
生物や標本を見学するだけではなく、「わくわくドキドキ冒険水族館」をコンセプトに、遊びながら学ぶことができるコンテンツとプログラムを提供しています。
新江ノ島水族館の最寄り駅は小田急線「片瀬江ノ島駅」
新江ノ島水族館があるのは、神奈川県藤沢市片瀬海岸。小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」より、徒歩約3分の場所にあります。東京方面からは、新宿駅から特急ロマンスカーや快速急行に乗車すると約1時間で到着します。
国道134号線沿いにあるので、車でもアクセスしやすいのがうれしいところ。専用の駐車場はありませんが、すぐ近くに「片瀬海岸地下駐車場」があり、およそ200台駐車可能です。
入館チケットは入場口のチケット売り場のほか、全国のコンビニエンスストアや各種電鉄窓口にてお得なパックチケットも販売しています。2回分の入場料で年間パスポートも発行できるので、帰り際に年間パスポートに変更する方も多いそうですよ。
入場後に確認したいのが、館内マップとショースケジュールです。館内は大きく13のゾーンに分けられており、じっくり見て回ると3時間程度必要です。ショースケジュールや館内の混雑予想は公式サイトからも確認できるので、事前に予定を立てて向かいましょう。
目玉はイルカショースタジアムで開催される『WAVE〜きみの波になりたい〜』。1日数回開催で、15分の公演なので、ショー開催に合わせて各所回る予定を立てましょう。
今回は10:30イルカショー、11:00 サカナミニライブの順番で回り、ランチタイムを挟み、午後にゆっくりと水族館エリアを見て回ります。
入館後、最初に訪れる「相模湾ゾーン」には、フォトブースがあるので、旅の記念に撮影するのもおすすめ。
イルカショースタジアムへは、相模湾ゾーンやクラゲファンタジーホールを抜け、オーシャンデッキを通って向かいます。江ノ島シーキャンドル(展望灯台)や晴れた日には富士山の姿を見ることができますよ。
10:30イルカとトリーターさんの本気の遊び!「イルカショースタジアム」
新江ノ島水族館は晴れでも雨でも楽しめる全天候型の水族館。イルカショースタジアム観覧席にも屋根があるので、雨の日でも傘なしで楽しめます。
スタジアムに着いたらまずは場所取りを…。土日祝や夏休み等の長期休暇期間には混雑が予想されるので、プログラム開始の30分前に来ると好きな席で観賞できます。座席がオレンジ色になった席はジャンプの水しぶきなどで濡れる可能性がある席。大迫力を楽しめますが、想像以上に水しぶきが飛んで来るので、カメラなどの電子機器にはご注意ください。
ショーを待っている間に、座席に貼ってあるQRコードを読み込んでみるとショーに登場するイルカが紹介されていました。今日登場するのはどの子かな?と、プロフィールを読みながら期待を膨らませます。
スタジアムの左右には「オーシャンバー」「スタジアムカフェ」があり、軽食を販売しています。ショーを見ながら、ソフトクリームやチュロス、ビールなどの飲食も可能です。
『WAVE〜きみの波になりたい』は、約15分間のプログラムで、その日、その時間の状況でえのすいトリーター(展示飼育スタッフの呼称)がイルカと本気で遊びます。
毎日同じプログラムをするのではなく、その日のイルカの調子に合わせてコミュニケーションをしていて、最近覚えた種目を披露したり、ジャンプをしたりとさまざま。
クライマックスには、イルカが次々とジャンプをし、客席にも水しぶきが飛んできて、目が離せない展開が続きます。
11:00相模湾大水槽のショーで、魚の新たな魅力を発見!
イルカショーを観終えたら、次は相模湾大水槽へ向かいましょう。
大水槽では、約10分間の「サカナミニライブ」と「えのすいトリーターとさかなたちのふれあいタイム」を1日に数回開催しています。
えのすいトリーターが、水中カメラを通して相模湾大水槽の魚を紹介してくれたり、トリーターと魚がふれあうパフォーマンスがあったりと、魚の新たな魅力に気づけるかもしれません。まるで、友達同士のように接するトリーターと魚たちの様子を見ることができます。
11:30えのすい公式キャラクター・あわたんのカフェでランチタイム
ランチタイムは1階にある「あわたんカフェ」で、2021年4月にデビューしたえのすい公式キャラクターあわたんをモチーフにしたオリジナルメニューをいただきます。
ランチにおすすめなのは、「あわたんシチュー(ライス/パン)」(1,426円)。チーズやハムのお花でできたお花畑にいるあわたんと一緒に、チキンのクリームシチューを楽しめます。
「あわたんのトロピカルぷちパンケーキ」(998円)もキュート! パイナップル・桃にたっぷりのマンゴーソース、マリンブルーカラーのホイップが乗ったパンケーキ。口いっぱいにトロピカルな味わいが広がります。
新江ノ島水族館では、食事の持ち込みも可能で、2階オーシャンデッキで持参したお弁当を食べている方もいました。ただ、周辺にはトンビが飛んでいて、食べ物を狙っているので気をつけながら食べるようにしてください。
オーシャンカフェでは、しらすドッグや魚をモチーフにしたパンも販売しています。食後に、ゴマアザラシをテーマにした「あざらしソフト」(377円)もおすすすめですよ。
13:00実はすごい!多種多様な生物が暮らす「相模湾ゾーン」
お腹いっぱいになった後は、「相模湾ゾーン」から順を追って館内を巡りましょう。
相模湾は、暖流と寒流がぶつかる外洋の近くにあるため、深海、岩場から砂場、干潟までさまざまな生態環境を持ちます。これは世界に類を見ない多様な生物の宝庫なのだそう。
館内には、えのすいトリーターたちのコメントが書かれた魚の紹介もあるので、チェックしてみてくださいね。
海藻がゆらゆらと動く「岩礁水槽」
「岩礁水槽」には、海藻を住処とする魚、たまごを産みに来る魚、海藻を食べる魚などが生息しています。海藻がゆらゆらと動くのを見ているだけでも癒やされます。
相模川を表現した行動展示「川魚のジャンプ水槽」
水流や水位、水温などを操作することで、魚が産卵場所や餌を求めて川を移動する様子を観察できます。
ウグイ、オイカワなど相模川を代表する魚がいて、この丸が描かれた場所に向かってジャンプする様子を見られることも!
小さな子どもも観察しやすい「相模湾キッズ水槽」
子どもにも見やすい、低めの位置に水槽があるキッズ水槽。相模湾大水槽で紹介しきれなかった小さな生物を展示しています。
エイやサメのお腹部分も観察できる「沖の天井」
相模湾の沖を真下から眺められる沖の天井。相模湾大水槽と繋がっており、エイやサメが真上を通る様子も観察できます。魚に手を伸ばそうと思っても届かない、不思議な体験もできますよ。
世界初! カタクチイワシの繁殖展示「シラスサイエンス」
湘南・江ノ島の特産品でもあるシラスの繁殖を行っています。身近な生き物ながらも、シラスの生態についてはわからないことも多く、飼育・研究したことを詳しく解説しています。
えのすいでしか見られない生まれたばかりのシラスから、食卓に上がるシラスまでの成長の過程を観察できます。ちなみに、シラスは生まれてから30日が食べ頃なんだとか……! 魚を見てきれいと思うだけでなく、食育にも力を入れており、各所に情報が書かれています。
約8,000匹のイワシの大群がうねり泳ぐ「相模湾大水槽」
館内の水槽で最大規模となる「相模湾大水槽」。高さ9m、水深6.5m、容量1,000トンの水槽の中に、マイワシの他、アジやサバ、エイなど岩場から海底にまでに生息する大小の生物100種類約20,000匹が生息しています。
相模湾には一年を通じてマイワシが生息しており、国内でも有数のイワシの漁場として知られています。普段は中々見ることのできない生態をここではじっくりと観察できますよ。8,000匹のマイワシの大群が力強く泳ぐ様子は圧巻です。
側面には、腰掛けながらゆっくりと眺められるスポットもありました。
日本初!深海生物の長期飼育
深海は水深200m以上の深い海で、太陽光がほとんど届かない低水温と高水圧の世界。新江ノ島水族館では、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)と協力し、日本で初めてとなる深海生物の長期飼育に関する共同研究をしています。ダイオウグソクムシの大きさにびっくり!
13:30癒やされる美しいクラゲの世界「クラゲファンタジーホール」
クラゲの体内をイメージさせる半ドーム式の空間の壁面に、大小13の水槽と中央にクラゲプラネットと呼ばれる球型の水槽を配置しています。クラゲプラネットの中にはミズクラゲが漂い、美しい空間にうっとりしてしまうこと間違いなしです。
クラゲファンタジーホールは他のエリアと違い、生物の詳しい説明書きはありません。この場所で癒やされて欲しいとの思いから、ポエムのような言葉を掲示しています。
クラゲの研究コーナー「クラゲサイエンス」
学術的な観点からクラゲを展示するコーナーもあります。常時約30種のクラゲを飼育展示しながら、不思議な生態や生活史、給餌の様子などを紹介しています。トリーターが毎日、相模湾でクラゲを採集しており、情報を届けてくれます。
14:00鮮やかな魚が集合する「太平洋」の展示
クラゲサイエンスの向かいにあるのが「太平洋」の展示です。北の冷たい海から、美しいサンゴ礁の海までを表現しています。
サンゴ礁の海では、人気の高いチンアナゴやカクレクマノミを発見。生まれたばかりという、赤ちゃんカクレクマノミも元気に泳いでいましたよ。
中央にいる天狗の鼻のような突起が額にあるのはユニコーンフイッシュ。この突起は成長とともに長くなるのだそう。
4種類のサメが泳ぐ「サメ水槽」
太平洋ゾーンに、サメの水槽もあります。イヌザメ、ツマグロ、トラフザメ、ネムリブカ、の4種類を飼育しています。怖いイメージのあるサメですが、ほとんどの種類は人を襲うことがないのだそう。写真のトラフザメはおとなしい性格で、水槽の底をのんびりと泳いでいました。
14:15タイミングが良ければ餌やりも見られる「ペンギン・アザラシ」エリア
今まで1階の展示を紹介してきましたが、2階にはかわいらしいペンギンとアザラシのエリアがあります。南の海に済むフンボルトペンギンの家族が展示されていて、家系図や1羽ごとの紹介も書いてあります。
岩の上をよちよちと歩いていたり、すいすいと水の中を泳いでいたりとさまざま。ずっと見ていても飽きない愛くるしさです。
午前中と夕方に餌やりタイムもあるので、タイミングが合えばペンギンたちが、ちょうだいちょうだい〜と言わんばかりに、餌にがっつく様子も観察できますよ。
北太平洋、オホーツク海やベーリング海など冷たい海に潜むゴマフアザラシ。丸いフォルムと穏やかな表情にほっこりとした気分になります。
14:30遊び好きなカワウソの展示
2階、「オーシャンショップ」近くには「カワウソ〜木漏れ日のオアシス〜」があります。遊び好きで動きはとても活発なカワウソ。動き回っているので、写真を撮るのは中々大変です。
14:45屋外エリアにいるウミガメとカピバラ
オーシャンデッキからイルカショースタジアムに向かう間には「ウミガメの浜辺」があります。相模湾には初夏から秋にかけて複数種のウミガメが回遊してくるそうです。
ウミガメの砂浜では、ウミガメが暮らしやすいように環境が整えられています。2022年8月には、えのすいで初めてアカウミガメが産卵をし、赤ちゃんが誕生しました。
土日祝には、各日先着10名限定のふれあいプログラム「ウミガメにタッチ」も開催。給餌や甲羅タッチなど、ウミガメとふれあいながら、間近で観察できます。
※4歳以上を対象としたプログラムで体験料は600円。開催日の3日前の12:00より公式サイトから購入できます。
ウミガメの浜辺のそばに、愛らしい顔をしたカピバラも2匹暮らしています。カピバラは、指の間には小さな水かきがあり、泳ぎが得意! 5分ほどの潜水もできるのだそう。寒さが苦手なので、空調付きの小屋も設置しています。
15:00直接さわって体感できる「タッチプール」
地下1階には、相模湾や江ノ島の磯にすむ生物に直接ふれられるタッチプールがあります。
現在展示されているのはネコザメで、ザラザラとしたサメ肌を体感できます。ネコザメはとてもおとなしい性格なので、暴れることは少ないですが、サメなのでドキドキしながらタッチしました。タッチの前後には手洗いをしっかりしましょう。
15:15湘南を発見して学ぶ「なぎさの体験学習館」
時間があれば、併設のなぎさの体験学習館にも訪れましょう。湘南のなぎさを知る・学ぶ・行動する・考えることをテーマに、遊びながら学ぶことのできる施設です。波の動きを学ぶ実験装置や、生き物や漂着物を調べられるキューブずかんなど、大人でも夢中になるプログラムが満載です。
15:30ぬいぐるみクジやあわたんグッズをお土産に
帰り際にお土産グッズもチェックしましょう。えのすいで一番人気のお土産が1回1,000円のおみやげクジです。ハズレくじなしで、イルカやアザラシ、カワウソなどのぬいぐるみをゲットできます。1等は約80cm! 運試しをしてみてはいかがでしょうか。
1階「メインショップ」では、あわたんや海の仲間のかわいいグッズ、えのすいオリジナルのお菓子などバラエティ豊富に取りそろえています。
入館した日であれば再入場もできるので、一度外に出て目の前の片瀬海岸西浜を散歩したり、江ノ島を観光したりも可能です。ショースケジュールと相談しながら予定を組み立ててみてくださいね。ファミリーはもちろん、カップルや1人でも楽しめる新江ノ島水族館、湘南・江ノ島観光とあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
新江ノ島水族館
- 住所
- 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1
- 営業時間
- 9:00~17:00 ※時期によって異なるため公式サイトをご確認ください
- 料金
- 大人2,500円 高校生1,700円 小・中学生1,200円 幼児(3歳以上)800円
- 駐車場
- なし ※最寄りの駐車場は「片瀬海岸地下駐車場」
- アクセス
- 小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」より徒歩約3分、江ノ島電鉄「江ノ島駅」・湘南モノレール「湘南江の島駅」より徒歩約10分
- 公式サイト
- 新江ノ島水族館
取材・撮影・文/加藤あやな
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