みかんの産地として有名な愛媛県は、四国4県で人口が最多。県庁所在地の松山市は四国経済の中心で、道後温泉や松山城などの観光スポットもあり、活気と風情が漂います。愛媛沖の瀬戸内海や宇和海は、島々が連なる絶景と豊富な海の幸の宝庫。そんな愛媛県のご当地グルメを、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の会員にアンケート調査しました。郷土の味から注目のグルメまで、愛媛の旅めし人気トップ10をご紹介します。
※「旅行・観光の際に食べたことがある/食べたい料理」「おすすめしたい郷土料理」の結果を合わせたランキング(楽天ぐるなび調べ)
※アンケート調査期間:2024年1月16日~23日
鯛めし
鯛1匹が丸ごと入った炊き込みご飯。今治市がある東予地方から広まった、愛媛を代表する郷土料理です。醤油や出汁などで味付けした米に、昆布と尾頭付きの鯛をのせて火にかけ、炊き上がったら骨を除いて身をほぐし、ご飯と混ぜ合わせて完成。鯛の繊細な旨みがご飯に染みわたり、素材の持ち味を余すことなく楽しめる一品です。
じゃこ天
瀬戸内海や宇和海で獲れる小魚をすり身にし、油で揚げて作るじゃこ天。一番の特徴は、身だけでなく皮や骨も一緒にすり潰すこと。そのためカルシウムやミネラルなどの栄養が豊富で、独特の食感も楽しめます。県内では揚げたてのじゃこ天を提供する飲食店も多く、おでんやうどんの具としてもおなじみ。まさに愛媛のソウルフードです。
尾道ラーメン
瀬戸内海を挟んで対岸の広島県と歴史的に結びつきが強い愛媛県。特にしまなみ海道の開通後は食文化にも影響が見られ、尾道ラーメンもその一つです。広島のご当地ラーメンですが、今や愛媛県内にも人気店が多数。鶏ガラベースのスープに、瀬戸内で獲れた小魚のダシがアクセントに。豚の背脂のミンチを浮かべるのも特徴です。
坊ちゃん団子
「道後温泉に行ったら毎回食べます」との声もあるように、道後温泉の名物として親しまれる和菓子。夏目漱石の小説『坊ちゃん』に登場し、漱石自身も実際に食べたとの言い伝えから、その名が付きました。抹茶、黄身、小豆の3色の餡に包まれた団子は見た目も華やか。素朴な甘さで、温泉上がりに店先で食べるのも風情があります。
タコめし
瀬戸内海産のタコを米と一緒に炊き込んだ郷土料理です。松山沖の伊予灘は海底が砂地で、タコの生息に適した環境。旬は夏ですが、春先にとれる「木の芽ダコ」と呼ばれる小ダコは美味とされ、地元で珍重されています。伊予灘に面した松山市今出地区には、タコめしが名物のタコ料理専門店もあり、県内外からの来店客でにぎわいます。
活き鯛めし
タレにくぐらせた鯛の刺身を熱々のご飯にのせて食べる、南予地方に伝わる郷土料理。1位にランクインしている炊き込みの鯛めしとはまた違ったおいしさが魅力です。醤油、みりん、玉子、ゴマなどを合わせたタレは、やや濃い目の甘辛い味わいが特徴で、ご飯との相性も抜群。宇和島市内には鯛めし専門店が軒を連ね、味を競っています。
カツオのたたき
カツオといえば高知が有名ですが、愛媛県愛南町の深浦漁港はカツオの水揚げ量が日本一。「日戻りカツオ」とも呼ばれるように、出港したその日のうちに帰港して水揚げするため鮮度が極めて高く、「これを目的に愛媛を訪れた」との声も。漁港に隣接する食堂ではカツオのたたきや刺身をはじめ、新鮮な魚介料理をリーズナブルに楽しめます。
今治ラーメン
瀬戸内海の海の恵みをふんだんに盛り込んだ、今治のご当地ラーメンです。最大の特徴は今治産の素材にこだわったスープ。瀬戸内の小魚をベースに伯方島名産の海塩で味を整えてあり、あっさりとした中にコクのある味わい。宮窪(みやくぼ)産の海苔や、今治特産のかまぼこである「すまき」などをトッピングし、レモンを搾れば完成です。
今治焼き鳥
串に刺すのではなく、鉄板で焼き上げるスタイルが特徴の焼き鳥。大きな鉄のコテで肉を鉄板に押し付けて蒸し焼きにするので火の通りが早く、調理がスピーディな点も魅力です。特に人気が高いのが皮焼きで、カリカリの揚げ焼きになった鳥皮に甘辛いタレがよく合います。「せんざんき」と呼ばれるから揚げも今治の焼き鳥店の定番。
焼豚玉子飯
まかない飯がルーツと言われる今治のご当地グルメ。ご飯の上にチャーシューと半熟の目玉焼きをのせ、チャーシューの煮汁を使ったタレをかけた丼メニュー。B級グルメの祭典「B-1グランプリ」での入賞を機に人気が高まりました。今治市内の中華料理店や食堂などで味わえるほか、「しまなみ海道のサービスエリアで食べた」という人も。
「蛇口からみかんジュース」を体験できる場所も!
愛媛県の特産品といえば、みかん。柑橘類の生産量は日本一を誇ります。気候が温暖で、海に面して日当たりの良い傾斜地が広がる地形から、みかんを含めた果樹栽培が盛んになりました。空から降り注ぐ太陽光、海からの反射光、そして段々畑の石垣からの照り返しの3つの光を浴びることで、愛媛のみかんは甘さを増すと言われています。
愛媛県民のみかん愛を物語るものとしてしばしば話題になるのが、みかんジュースの出る蛇口。空想の話かと思いきや実在していて、松山空港や松山城近くの観光物産館などに設置され、人気の観光スポットとなっています。