うどんだけじゃない!香川県のワイルドなご当地グルメ「骨付鳥」を知っていますか?

香川県の有名な食べものといえば?ほとんどの方は、うどんをイメージすることでしょう。実際にうどんは香川県になくてはならない食文化ですが、それに次ぐ勢いでご当地グルメとして人気となってきている「骨付鳥」をご存じですか?

シンプルながらも奥深く、サイドメニューやお酒との相性も抜群、ワイルドな見た目は写真映えもし、少しずつ全国的にも知名度が上がってきています。今回はそんな骨付鳥の魅力をご紹介します。

 

骨付鳥とは?発祥は香川県丸亀市

骨付鳥

香川県の飲食店ではメニューに並ぶことが多い「骨付鳥」。ご当地グルメとして知らなくても、その名前からどういったメニューなのかは想像できるかもしれません。一言で表すならば、「骨の付いた鳥もも肉をスパイスをかけて焼いた料理」といったところでしょうか。シンプルな料理ではありますが、その豪快な見た目や食べ応えは抜群で、ご飯やビールとの相性も最高です。

お店ごとに味付けや焼き加減が違うので、店舗それぞれにオリジナルな骨付鳥が提供されているのも特徴のひとつ。お気に入りのお店を見つけるのも良いですが、いろいろなお店の味を食べ歩くといった楽しみ方もありますよ。

 

骨付鳥

今でこそ県内全域に広がっているメニューですが、その発祥は県中西部に位置している丸亀市の飲食店とされています。ハリウッド映画で美味しそうに骨付きの鳥もも肉を食べるシーンから着想を得て、メニュー開発を始めたのが1950年代のこと。最初に提供されてから60年以上が経ち、丸亀市内はもちろん高松市の多くの飲食店でも提供されるメニューとなりました。近年では、県民だけでなく全国にファンを増やし続けています。

 

「おや」と「わか」の違い

骨付鳥

骨付鳥の大きな特徴のひとつが、ほとんどのお店で「おや」と「わか」の2種類が提供されているという点です。「おや」は親どり(産卵経験を持つ鳥)、「わか」は若どり(産卵経験のない鳥)のことを指しており、どちらも同じ鶏肉ではあるものの食感や旨味がかなり違います。

 

骨付鳥

締まった肉質で旨味が凝縮されており、店舗によっては噛み切れないほどの歯ごたえなのが「おや」です。日本料理ではなかなか味わうことのない鶏肉の硬さのため、初めて食べる方は驚くかもしれません。そのため、「おや」は一般的に骨付鳥の通に好まれるメニューとされています。「おや」ばかりを食べるという方もいるほど、ハマってしまうとやみつきになるメニューなので、ぜひ一度はお試しください。

 

骨付鳥

一方の「わか」は、柔らかい食感とジューシーさが魅力。骨は付いてはいますが、一般的に知られる「チキンステーキ」や「グリルチキン」などに近いイメージで、幅広い世代に人気です。「おや」と「わか」のどちらも味付けは独特で、基本的にはコショウとニンニクをメインに効かせながらも、さまざまなスパイスが店舗ごとに使われています。

 

骨付鳥

骨付鳥を注文すると、キッチンバサミがついてきます(お店によっては、箸と一緒に箸立てに入っていることも)。「わか」は箸で切って食べられるほどの柔らかい肉質ですが、「おや」はハサミで一口サイズにカットしてから食べることをおすすめします。

切らずにそのままかぶりつくのも骨付鳥の旨味を堪能できる食べ方として推奨されていますが、提供から時間が経てば経つほど身が固くなってしまい、噛み切れないこともあるので注意しましょう。

 

サイドメニューでさらに骨付鳥は楽しめる!

骨付鳥

スパイスがしっかりと効いて、濃い目の味付けの骨付鳥は、サイドメニューと一緒に楽しむところもポイントです。まず、骨付鳥を注文すると付け合わせにキャベツが出てきます。鶏肉とキャベツを一緒に食べるのはもちろんですが、かけられている鶏油(チーユ・鶏肉の脂肪分を加熱して抽出された油のこと)につけて食べるのも骨付鳥では定番の楽しみ方です。箸休め的な存在として、口の中をさっぱりさせてくれますよ。

 

骨付鳥

他にも、定番のサイドメニューにおにぎりがあります。鶏肉と一緒に食べることで、より骨付鳥の旨味やジューシーさが際立ちます。

キャベツと同様におにぎりを鶏油につけて食べるのも香川流。食べ慣れていないと、少し行儀が悪いと感じるかもしれませんが、骨付鳥の味わい方なので気にせずに満喫してみてください。

 

骨付鳥

お酒との相性も抜群。濃く、パンチのある味付けは、特にビールとの相性が最高です。お店によっては香川の地酒やワインを取りそろえているところもあるので、骨付鳥に合うお酒を探してみるというのも楽しいかもしれません。

 

骨付鳥が食べられるおすすめの3店

骨付鳥を提供しているお店は丸亀市だけでも50軒ほど、県内ではさらに多くありますが、その中でも地元の人にも人気のあるおすすめの3店をご紹介します。

 

味感 真寿美

骨付鳥

まずは発祥の地である丸亀の「味感 真寿美」です。お酒との相性が良い骨付鳥は、夜に営業しているお店で提供されることが多いメニューですが、こちらではランチでも食べられます。

 

骨付鳥

「味感 真寿美」では、和食職人が手をかけて作っている骨付鳥にご飯セットを付けることで、定食として骨付鳥を食べることができます。他にも「骨付鳥丸ごとのっけ丼」という珍しいメニューもあるので、昼でも夜でも気軽に骨付鳥を楽しめますよ。

「おや」「わか」を選べるのはもちろん、「ノーマル」「黒こしょう」「ゆずこしょう」の3種類から味付けを選ぶことができるのは、他ではあまり見られません。

 

住所
香川県丸亀市今津町566-5
営業時間
11:00~14:00、17:00~22:00
定休日
火曜日

 

寄鳥味鳥

骨付鳥

高松駅から一番近い商店街・高松兵庫町商店街の中にある「寄鳥味鳥(よりどりみどり)」は創業1986年の老舗で、開店前から行列ができるほど人気があります。看板には「指までしゃぶるこのうまさ!」とあり、骨付鳥の魅力を存分に味わえる名店。

 

骨付鳥

「おや」と「わか」のどちらにも朝どれの鶏肉を使っていることから、「わか」はもちろん「おや」も比較的柔らかいのが特徴。女性や子どもでも美味しく食べられるように工夫されているため、優しい味わいです。

 

住所
香川県高松市兵庫町1-24 2F
営業時間
17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日
水曜、第1日曜日

 

 蘭丸

骨付鳥

「蘭丸」も高松市の中心部に位置している人気のお店です。もともとは瀬戸内海の海の幸や香川の郷土料理を提供している居酒屋でしたが、骨付鳥を看板メニューに追加してからさらに高い評判を得ています。

 

骨付鳥

噛めば噛むほど旨味を感じられる、カリカリに熱された食べ応え抜群の「おや」と、プリプリであっという間に食べ切れてしまう「わか」の2種類はどちらも人気です。厳選した鳥もも肉だけを使い、特製のスパイスをかけて1丁ずつ心を込めて焼き上げているオリジナルの味。特製の自家製醤油ダレと鶏油のマッチングも絶妙です。

 

住所
香川県高松市大工町7-4
営業時間
17:00~22:30(L.O 21:45)
定休日
不定休

 

骨付鳥のゆるキャラ「とり奉行 骨付じゅうじゅう」も人気

骨付鳥

ご当地グルメとして着実に人気となってきている骨付鳥ですが、マスコットキャラクターにもご注目ください。名前は「とり奉行 骨付じゅうじゅう」。骨付鳥のフォルムをした顔がかわいしく、汗(肉汁)を垂らしている姿は愛嬌たっぷり。ストラップやミニタオルなど、さまざまなグッズがありますよ。

 

骨付鳥

他にも、お土産には骨付鳥味のお菓子や、家庭で簡単に骨付鳥の味を楽しめるスパイスもおすすめです。「骨付鳥チップス」は、ついつい食べ過ぎてしまう骨付鳥特有の味が再現されています。「骨付鳥の素」は、家庭でも鳥もも肉にかけてフライパンで焼くだけで本場の味を楽しめる商品。ぜひ一度お試しください。

 

香川県のご当地グルメ「骨付鳥」は要チェック

骨付鳥

うどんのイメージが強い香川県のグルメですが、骨付鳥も負けてはいません。観光客だけに人気があるというわけではなく、もともと地元の人に愛されてきたメニュー。今後も多くのファンが増えていくことでしょう。シンプルながら「おや」「わか」と食べ比べができ、ワイルドさや豪快さで写真映えも狙える骨付鳥の魅力を存分に味わってみてください。

 

 

取材・撮影・文/岡本大樹

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