提供:ことりっぷ
岐阜県多治見市は、1300年の歴史を誇る美濃焼の産地。多くの窯元や工房が集まり、歴史と伝統を受け継ぐ焼き物の町として知られています。多彩な焼き物はもちろん、クリエイターが集まる町ならではの個性豊かな雑貨との出合い、町の人に親しまれる喫茶店でのひと休みなども楽しみです。おすすめスポットに立ち寄りながら、多治見の町歩きを満喫しませんか。
焼き物の町を感じる場所があちこちに
陶器店やギャラリーなどが建ち並ぶ「本町オリベストリート」
岐阜県多治見市は、周辺の土岐市や瑞浪市とともに美濃焼の産地として知られています。人間国宝や陶芸の道を志す若者、他の仕事と並行して創作を続ける人など、多様な作家さんが集まる町。さまざまな作品に出合える施設やお店がそろっています。
また、多治見市は日本一のモザイクタイルの産地でもあります。「多治見市モザイクタイルミュージアム」をはじめ、ショップやカフェなど町のあちこちでモザイクタイルの魅力にもふれられますよ。
多彩な器やアート作品を扱う町の拠点「新町ビル」
一つのビル内に個性の異なる2つのショップがある(写真は、左上・右下が「地想」、右上・左下が「山の花」)
多治見駅から歩いて10分ほどの場所にある「新町ビル」。古いビルを改装したシンプルな空間に、やきもののお店「山の花」とセレクトショップ「地想」、イベントスペースを備えています。それぞれのお店を訪れる作家さんや地元の方も多く、町の交流拠点としても注目されているスポットです。
作品の魅力が一層際立つ、「山の花」の整然としたディスプレイ
2階にある「山の花」は、東濃のやきものに魅了された花山さんが営む店。“この地域の作品を観てもらえて、いろいろなジャンルの人と交わることもできる場所を作りたい”とオープンしました。店内には花山さん自身がファンだという作家さんたちの作品がずらり。作家名や作品紹介などの情報を極力少なくしているので、気になる作品があったら、花山さんに声をかけて話を聞いてみてくださいね。
「地想」で取り扱うアイテムは陶器やガラス、洋服など多様
4階の「地想」は、全国から選りすぐったアイテムと出合えるセレクトショップ。名古屋のセレクトショップで店長やバイヤーとして活躍した水野さんが、作家さんに会いに行って集めた品々が並んでいます。カラフルな器やユニークな置物、シンプルで着心地のよい洋服など幅広いジャンルの中から、宝探しのような気分で、お気に入りを見つけてみて。
歴史ある建物も印象的な複合施設「かまや多治見」
築140年以上の三軒長屋を生かした施設
多治見駅から歩いて10分ほどの本町オリベストリートの中ほどにあるのが「かまや多治見」。黒壁の風情ある建物で、器や雑貨などのセレクトショップ、オーガニック食材と中心としたショップ、スパイスカレー店などが入居しています。施設内のフリースペースでイベントを催していることもあるので、ぜひのぞいてみてくださいね。
店主の加藤さんの編集力が感じられる「ハナタロウ商店」
「ハナタロウ商店」は陶器をはじめ、布製品やガラス、紙製品など、多治見をはじめ全国の多彩な作家さんの作品を集めたお店。店主の加藤有子さんが自分で使って人にも薦めたい品や、紹介したい作家さんの作品がそろっていて、じっくりと見定めたくなる味わい深いラインナップです。
エッセンシャルオイルの香りが漂う「Grass & Leaves~organics&living~」の店内
「Grass & Leaves~organics&living~」は、海外で暮らした経験を持つ店主の羽渕聖子さんが手がけるショップです。世界各国から選りすぐったオーガニック食材や器、雑貨などがそろっています。食材は産地や安全へのこだわりを第一に、羽渕さん自身がおいしいと感じるものやちょっと珍しいものが中心。品質の良さに加えてパッケージが素敵な商品も多く、生活に取り入れたいと感じるものが多いですよ。
「喫茶ひしや文具店」で手紙を書きながらカフェタイム
懐かしいアイテムをほどよく取り入れた、落ち着く喫茶店内
本町オリベストリートの近くにある「喫茶ひしや文具店」は、その名の通り、喫茶を併設した文具店。文具のお買い物と喫茶でのひと休み、どちらも楽しめるのが魅力です。喫茶の店内を彩るモザイクタイルの作品も、多治見らしさが感じられて素敵。一つひとつ異なるので、じっくり眺めてみたくなります。
喫茶の雰囲気との調和を意識した文具も並ぶ
明治時代に創業した文具店。町の人ご用達の事務用品をはじめ、喫茶の雰囲気にあった雑貨や、手に取りやすい万年筆などもそろっています。なかでも、オリジナルデザインの「コクヨ測量野帳」はおみやげとしてもおすすめです。
「秋色のクリームソーダ」660円。年に数回、ソーダ水の色が変わる
喫茶ではネルドリップのコーヒーや手づくりケーキ、スコーンなどをどうぞ。11時30分までのモーニングサービスや、軽食にぴったりのサンドイッチもあるので、どの時間帯に訪れても満足できます。文具店で選んだレターセットや筆記用具で、静かに手紙を書いてみるのもいいですね。
書店と喫茶がある「ヒラクビル」はレトロなたたずまい
1~2階の階段。上からの眺めは物語のワンシーンみたい
多治見駅近くの商店街にある「ヒラクビル」は、宝石やメガネ、時計を扱うお店だったビルをリノベーションしたスポット。書店と喫茶があり、レトロなビルのたたずまいにも魅せられます。
「ひらく書店東文堂本店」の2階にはモザイクタイルを使った本棚も
「ひらく書店東文堂本店」は多治見の老舗書店、東文堂が運営。町の書店としての機能を備えつつ、好奇心をくすぐるセレクトもユニークで、珍しいインドの絵本や雑貨なども取り扱っています。本から本へと興味が広がる棚づくりに、いつの間にか時間を忘れて引き込まれてしまいそうです。
「喫茶わに」にはタイル張りのテーブルも。定番のティラミスタルトとコーヒー各500円
本の品定めに夢中になって、ちょっとひと休みしたくなったら、1階の「喫茶わに」へ。輪になって集うイメージの楕円形のテーブルなどで、のんびりとくつろげます。季節ごとのケーキや店内で焼くパン、定食などしっかりしたご飯メニューまで幅広くそろっていますよ。
10月は美濃焼の魅力を発信する注目のイベントが開催予定
多治見駅から本町オリベストリート方面へは、土岐川をわたって。遠くに山を望む景色にもほっとする
多治見でめぐりたくなるスポットの情報、いかがでしたか?
ここでご紹介したのは、ほんの一部。多治見にはまだまだ素敵なスポットがあるので、実際に町をめぐって見つけてみてくださいね。
多治見市では、今年10月12日(土)~14日(月・祝)に「第13回美濃焼祭」を開催。美濃焼の魅力を発信する多彩な催しが行われます。なかでも、美濃焼ファン必見の「たじみ陶器まつり」は10月13日(日)と14日(月・祝)の予定。多治見を訪れて美濃焼のお買い物を楽しみつつ、町歩きも楽しんでみてはいかがでしょうか。