提供:ことりっぷ
豊受大神宮とも呼ばれ、天照大御神のお食事をつかさどる神様が祀られている、伊勢神宮・外宮。衣食住あらゆる産業の守り神として伊勢の地で1500年以上の歴史を刻んできました。そんな外宮の目の前に店を構えるのが、参宮あわびでお馴染みの「伊勢せきや」。2Fにあるお食事処を訪ね、美し国とも呼ばれる伊勢のご馳走をいただきました。
外宮参道にある漆喰壁と瓦が美しい日本家屋へ
参宮あわびなど、海の幸を使った商品が伊勢土産として人気を集めている「伊勢せきや」。近鉄・伊勢市駅を降りると、そこから神宮・外宮までまっすぐに伸びる参道を歩き、外宮が目の前に見える場所に「伊勢せきや 本店」があります。伊勢の伝統的な建築をモチーフにしたモダンな日本家屋がひと際目を引く建物です。
今回訪ねたのはその2階にある食事処「あそらの茶屋」。建物は吹き抜けになっていて、吹き抜け部分の欄干には月の満ち欠けをモチーフにしたあしらいも。伊勢神宮のお膝元らしい、インテリアで仕上げた落ち着いた空間が広がっています。
朝詣での記念に。山海の幸をいろいろ楽しめる朝粥
「あそらの茶屋」は、早朝から営業していて、朝ご飯をいただくことができます。伊勢神宮は外宮から参詣するのが習わしなので、朝に外宮を訪れる人は多いのだそう。また毎月1日は朔日詣りといって、新たな月の始まりに神様にご挨拶するという習わしも。そのため「あそらの茶屋」以外にも朝ご飯などを用意して参詣者をもてなすお店が伊勢には数多くあります。
「御饌の朝かゆ」(1,500円~)
朝粥といっても、あそらの茶屋のお粥はとても豪華。神様への感謝の思いを込めて「御饌(みけ)の朝かゆ」と名付けられたお粥は、蓋付きの御膳で運ばれてきます。その中には昆布出汁で炊いたお粥のほか、伊勢せきやの子持しぐれといった珍味、炊き合わせ、地の干物など、さまざまなおかずが。お粥は伊勢を襲った台風にも負けず直立していたという新種の米「イセヒカリ」を使っていて、お代り自由。蒸し鮑や伊勢海老付きのお粥もあります。
お昼ごはんも、鮑や伊勢海老など伊勢のご馳走尽くし
「あわび釜飯」(2,700円)
お昼のメニューは、香ばしいおこげも楽しめる、土鍋の炊き込みご飯。注文をうけてから炊くので20分ほどかかりますが、炊きたてのご飯は香りも味も格別です。
鮑や雲丹、イクラなど、豪華な海の幸の旨みが詰まったご飯は、そのままでももちろん美味しいですが、出汁が添えられているのでお茶漬け風にしていただくこともできます。この炊き込みご飯は、1階のショップで販売している炊き込みご飯の素をアレンジして作り上げた品。ほかにもぜんざいや佃煮など、お店で販売している品がいろいろあるので、気に入ったら購入しておうちでも楽しむことができますよ。
伊勢の美味しいものを一度に味わえる場所
「伊勢抹茶ソースの 昭和のババロア」(360円)
昔ながらの牛乳が地元で人気の「山村牛乳」とコラボして作った「米のアイスクリン」や「伊勢抹茶ソースの 昭和のババロア」など、食後のデザートもあり、伊勢の味を堪能できる「あそらの茶屋」。参詣の折にはぜひ立ち寄って、伊勢の食べ物からもパワーをいただきましょう。
窓からは外宮の入り口が見える贅沢なロケーション
文:田口真由美