提供:ことりっぷ
伊豆の玄関口である静岡県熱海市は、都心から気軽にアクセスできるリゾート地。散策の合間にぜひ立ち寄りたいのが、自然派素材を使ったジュースバー「OrganicBox」です。果実そのものの味わいが楽しめるドリンクやかき氷は、さんぽのおともにぴったり。ベストシーズンを迎える熱海へ出かけてみましょう。
商店街のにぎわいに面した、約4坪のジュースバー
オーナーの杉本さんご夫妻が訪れる人をあたたかく出迎える
東京から東海道新幹線でわずか40分ほどの、風光明媚なリゾートタウン・熱海。近年は、個性もさまざまな新店が続々オープンしています。その中のひとつが、海へと続く熱海銀座商店街にある「OrganicBox」。自然派素材で自家製シロップをつくり、サイダーなどのドリンクに仕立てるジュースバーです。
「通りがにぎやかになってきたので、私たちも一緒に盛り上げていけたら」。そう話してくれたのは、オーナーの杉本祐一朗さん・良花さん夫妻。ふたりが、祐一朗さんの実家である薬局の一角に4坪ほどの小さなお店を開いたのは2019年8月のことでした。
店頭に並べられたシロップやスパイスの瓶がお店の目印
「ここでなにができるかと考えたとき、普段からオーガニックのフルーツを使って自家製シロップをつくっていたので、ジュースなら提供できるなって。ドリンク片手に海までおさんぽしてもらったり、店内でひと休みしてもらえればいいなと思っています」。
キッチンの奥のカフェスペース。商店街を眺めながらひと息つける
果実を丸ごと使った自然派ドリンクを、町歩きのおともに
レモネードサイダー(550円)、ストロベリー&ミント(600円)
レモン、いちご、ジンジャーを定番に、あれこれ試してこれまでつくったメニューは30種類以上。爽やかな酸味と強炭酸がクセになるレモネードサイダーは、暑い時期に飲むとひときわおいしさが際立ちます。大ぶりのミントをたっぷりのせたストロベリー&ミントは見た目もインパクトたっぷり。どちらも、夏の町歩きにぴったりのメニューです。
国産無農薬レモンでシロップづくり。秋のグリーンレモンからはじまり、収穫が終わる春で一旦終了
素材はどれもオーガニックな農法で育てられたもので、果肉や果皮も丸ごと使用しています。砂糖、スパイス、はちみつなどにじっくり漬け込み、約2週間で果実のエキスが溶け込んだとろとろのシロップが完成。旬にあわせてラインナップが変わるので、訪れるたびに新しい味が楽しめます。
ブルーベリーやパイナップルを漬け込んだ、完成間近のシロップ
夏は、濃厚ふわふわのかき氷がおすすめ
マンゴー×ヨーグルトのかき氷(800円)。下にチアシードが入っている
初夏から9月ごろにかけては、凍らせたフルーツやシロップでつくるかき氷が人気。果物をそのまま食べているかのような濃厚な味わいと、綿雪を思わせるふわふわの口溶けがたまりません。冬はホットラムチョコレートも登場。訪れる人を飽きさせない工夫で、季節ごとの熱海を盛り上げます。
収穫からジュースまで。レモン栽培で理想を実現
オリジナルのフルーツシロップやオーガニックのハーブティーを販売
「コロナ禍で熱海に来られないお客様から『家でも飲みたい』という声をいただき、シロップの販売もはじめました」と杉本さん。ジンジャー、いちご、柚子の3種類があり、今はレモンに取り組んでいるといいます。
レモンはお店で1番人気のドリンク。しかし昨年は雨が多くて収穫量が少なく、取り寄せるのに苦労したといいます。「それなら自分たちでつくってしまおうと、無農薬のレモン栽培をスタートしました。熱海は気候が温暖で斜面が多いので、柑橘類を育てるのに向いているんです。収穫からジュースにするまですべて自分たちでやるというのは、ひとつの理想でした。今後はドライフルーツなどのフードも増やしていきたいと思っています」。
店頭の小さなキッチンで作業するご夫妻。客が訪れるとひょいっと顔を出してくれる
ドリンク片手に、夏の熱海さんぽへ出かけましょう
ストロベリー×ミルクのかき氷(800円)。海辺の風景によく映える
お店から海までは歩いて約3分。遊歩道が整備された熱海親水公園で、ビーチや行き交う船を眺めながらのんびりするのも素敵です。おいしくて体にやさしいドリンクを片手に、夏の熱海さんぽを楽しんでくださいね。
文:新堀真由美 撮影:Tsukao