提供:ことりっぷ
名古屋城のすぐ横にある名古屋能楽堂。その中に和のフードホール「蓬左(hōsa)」がこの春オープンしました。名古屋をルーツにもつ3つの老舗が、新しい名古屋の名物にと創作した特別な料理やスイーツが楽しめる空間となっていて、新食感のどら焼きや、名古屋城をかたどった和風アフタヌーンティーセットなども。名古屋観光の注目スポットになりそうですよ。
伝統芸能を今に伝える施設内にできた食のテーマパーク
名古屋城の正門の向いに建つ、名古屋能楽堂は常設の能楽堂としては日本随一の規模を誇る建物。この中にあった飲食スペースが一新し、伝統と革新を融合した和のフードホールとして生まれ変わりました。
この施設を立ち上げたのは、尾張徳川家に深い所縁のある3つの老舗。江戸時代に創業し、現在は仕出し料理の老舗として知られる「八百彦本店」のほか、尾張藩の御用菓子司をルーツに持つ「菓匠花桔梗」、熱田・宮宿で創業した水産業を屋号を受け継ぎ、今は群馬県を拠点に和菓子店を営む「なか又」。実はこの3つの老舗の代表は、名古屋で学生時代を過ごしたという同級生。老舗の看板を守るため、新しいことはできないかとタッグを組んでこの施設をオープンさせました。
店内は『個室懐石 「蓬左亭」』、『和のフードホール「hōsa」』『セレクトショップ「hōsa select」』の3つのエリアからなり、予約が必要なメニューもありますが、気軽にお菓子や食事を楽しめるスタイル。和を基調としたシンプルモダンな空間が広がっています。
進化系どらやきの人気ブランドが名古屋初出店
店内入口でまず目を引くのが「和む菓子なか又」のどらやきを焼く様子がステージのように広がるカウンター。特別な製法と配合でふわふわの食感に焼き上げる「ふわふわ わぬき」には、つぶあんのほか、小倉トーストをイメージした小倉バターあんなど、さまざまなあんやクリームをはさんで。
「ふわふ わわぬきプレート⁻季節のフルーツ⁻」(1300円)
「ふわふわ わぬき」はテイクアウトはもちろん、店内で季節のフルーツやアイスクリーム、ソースと一緒に盛り合わせたプレートもあるので、焼き立てを楽しむものおすすめです。春限定の「ふわふわ わぬき さくらチョコレート」など、季節ごとに限定商品も登場するのでお楽しみに。
仕出し店自慢のお出汁が味わいの決め手
「きしめん・海鮮丼ハーフ&ハーフ」(1600円)
和のフードホールということで、お食事も楽しむことができます。老舗仕出し店「八百彦本店」が毎朝100本の鰹を削り、地元の醬油や味醂を使って作り上げる出汁と、昨年オープンし人気を集めている「星が丘製麺所」の麺を組み合わせた王道の名古屋きしめんは、ぜひ味わって欲しい一品。香り豊かなお出汁とのど越しのよい麺にきっと驚かされますよ。
ほかにも海鮮丼には豊浜のしらすなど愛知の食材が使われていて、地元の味を堪能できます。
会席料理「金城」(3800円)
フードホールの奥には7室の個室などからなる完全予約制の「蓬左亭」があり、「あいちの名工」にも選ばれている「八百彦本店」の料理長が手掛ける会席料理を提供。甘味は「菓匠 花桔梗」が監修するなど、このお店ならではの華やかな会席を味わうことができます。
お城のスタンドが豪華な限定アフタヌーンティーも
「和フタヌーンティーセット」(1名4400円※数量限定、要予約、写真は2名分のイメージ)
さらに3つの老舗がコラボして、それぞれの技や味を盛り込んだ特別なアフタヌーンティーセットも作り上げました。金シャチも再現された名古屋城をかたどったスタンドも特注したものなのだそう。3段になったスタンドは、季節を表現したさまざまなお菓子で彩られています。
まず一番上には、「八百彦本店」のだし巻きサンド。厚みのあるジューシーな出汁巻き玉子には刻んだ山葵菜が入っていて、爽やかなアクセントに。
二段目と三段目には「菓匠 花桔梗」の和菓子やなか又の「ふわふわ わぬき」をアレンジしたお菓子などが並びます。ピスタチオ餡を包んだベリーと白あんを合せた練り切り、苔玉のような抹茶の練り切り、スタイリッシュな包み方の桜餅など、伝統の和菓子をアップデートさせた和菓子は幅広い世代に和菓子を、という思いも感じられます。
名古屋の新しい食文化を発信していく場所に
「こたね 抹茶ミルク豆」(650円)
ショップコーナーには、ここでしか買えないオリジナルの名古屋みやげもあり、名古屋城をあしらったかわいいデザインが目を引きます。ほかにも日本の伝統を受け継ぎながら、現代の暮らしにフィットした新しいプロダクトを独自の目線でセレクト。地元愛知はもちろん、全国からセレクトした品が並んでいるので注目してみてくださいね。
和菓子やどらやき、和食を次の世代にと創造した、名古屋らしさと新しさを兼ね備えた料理やお菓子の数々が楽しめる「蓬左
文:田口真由美