提供:ことりっぷ
約400年の歴史があり、千利休をはじめとする茶人に愛されてきた伝統工芸品・有馬籠。有馬温泉でその伝統と技術を守り続ける工房がプロデュースする人気店が「へてから」です。店内には、全国各地の作り手や生産者が手がけるこだわりのプロダクトやオリジナルの雑貨、コスメがなどが並びます。デザインもかわいいので、有馬温泉のおみやげにもおすすめですよ。
有馬温泉でひと際目を引くおしゃれな雑貨店
湯本坂をのぼった先にあり、週末は多くの人でにぎわう
開湯1400年あまりの歴史を持つ名湯・有馬温泉。歴史ある湯町にはおしゃれなカフェや雑貨店などが軒を連ね、湯めぐりや散策を楽しむ人々でにぎわいます。有馬は、千利休や豊臣秀吉などの偉人にも愛されてきた伝統工芸品・有馬籠でも有名。現在、製造する工房はたった1軒となりましたが、伝統の灯を絶やさず守り続けています。
今回はその工房が手がける雑貨店・へてからへ。古民家を改装したおしゃれなお店で、有馬籠の本店からすぐの湯本坂にあります。
ものづくりの魅力を有馬から全国に発信
ものづくりにこだわって作られる雑貨や食品などがセンスよくならぶ
店内に並ぶのは、全国各地の作家の作品や手仕事の品など、ものづくりのストーリーが宿るアイテム。有馬籠が各地で行われる催事やイベントに出店した際、出会った作家や職人、生産者たちの商品を中心にラインナップしています。
「『へてから』とは有馬の方言で『それから』という意味です。買って終わりではなく使うことでストーリーや価値が生まれる商品を販売しています」と有馬籠を製造販売する「株式会社くつわ」の轡克憲(くつわかつのり)さん。「同じものづくりに携わる人々の商品を、全国から人が集まる有馬温泉の地で発信したい」との思いからお店を始めました。
有馬温泉のおみやげにぴったりのアイテムが充実
有馬温泉水で作った兵庫柚子の無添加石鹸1100 円、化粧水1200円~
数ある商品のなかには「へてから」オリジナルのアイテムも並びます。製造方法や原料にこだわる石鹸メーカーやテキスタイルメーカーなど、轡克憲さんがものづくりの姿勢に共感した作り手とコラボレーションして作った商品です。
特におみやげに人気なのが、有馬温泉水を使った石けんや化粧水などのスキンケアアイテム。美肌効果があるといわれる「銀泉」をたっぷり配合しています。自然由来成分で作られており、肌にやさしいのもポイント。化粧水はみずみずしく軽やかな使い心地で、なめらかな肌に整えてくれます。職人が一つひとつ手作りする石けんは、きめ細やかな泡で洗いあがりはしっとり。兵庫県産の柚子や果汁を使った石けんもあり、さわやかな香りに癒やされますよ。
「濱文様」とコラボレーションしたオリジナルの手ぬぐい968円
もうひとつ、おみやげに人気の商品がオリジナルの手ぬぐいです。遊び心のあるデザインと伝統技法の「型染め捺染(なっせん)」にこだわる「濱文様」とコラボレーションしたもので、有馬温泉にまつわるモチーフが散りばめられています。手ぬぐいと同じテキスタイルを使ったティッシュケースやシュシュなども並び、若い女性を中心に好評なのだそう。
暮らしに彩りを添える、有馬の伝統工芸品・有馬籠
人気のお弁当箱6600円 ~、有馬籠を代表する花かご4950円~、レザーの持ち手を組み合わせたバッグ9900円
「へてから」でおみやげ探しをしたあとは、歩いてすぐの場所にある有馬籠の工房&ショップもぜひ一緒にめぐりましょう。
有馬籠のはじまりは16世紀の安土桃山時代。豊臣秀吉の正室・寧々に贈られたとの記録が残り、千利休が愛用したことでも知られる伝統工芸品です。主に花器として茶道で用いられ、全盛期の明治時代にはいくつもの工房で作られていましたが、今では「くつわ」1軒のみが、その技法を守り続けています。
現在は、伝統的な花器以外にも、竹ざるやカトラリー、インテリアグッズ、バッグなど、ライフスタイルに合わせた竹製品も製造しています。職人の技で生まれる精巧な模様やデザインは、どれも表情が豊かで味わい深いものばかり。日々の暮らしにそっと彩りを添えてくれます。
店内には普段使いできるかごや竹細工も並ぶ
有馬温泉の地で脈々と受け継がれるものづくり。湯めぐりや食べ歩きも魅力的なまちですが、散策がてらこの地に根付いている伝統や、ものづくりの魅力に触れられるのも、有馬の楽しみのひとつです。旅のおみやげにもぴったりなので、「へてから」や「有馬籠」に立ち寄ってみてくださいね。
文:山本恵里 写真:小川康貴