「伝統工芸×食」をテーマに、金沢の魅力を新しい切り口で教えてくれるレストラン「CRAFEAT」

「伝統工芸×食」をテーマに、金沢の魅力を新しい切り口で教えてくれるレストラン「CRAFEAT」

提供:ことりっぷ

 

金沢の中心エリア・香林坊は、金沢21世紀美術館などが集まる広坂からも徒歩圏内。そこから少し路地裏へ行くと、金沢が誇るグルメ街の木倉町があります。
その一角に、2021年7月7日にオープンした「CRAFEAT」。創業から200年以上続く輪島塗 田谷漆器店の10代目・田谷昂大さんと、料理を手がける奥村仁さんが立ち上げた日本料理店です。テーマは「伝統工芸×食」。CRAFTとEATを掛け合わせて、「CRAFEAT」と名付けられました。

 

石川県を代表する工芸品をセレクト

お店に入ると、輪島塗だけでなく、九谷焼や山中漆器、加賀水引など、石川県を代表する工芸品が並びます。これらはすべて、田谷さんと奥村さんが実際に各メーカーへ足を運んでセレクトしたもの。レストランを利用しない人でも、気軽に立ち寄ってショッピングを楽しめますが、「CRAFEAT」の魅力は、実際に食事をしながらそれぞれの工芸の良さを体験できるというところにあります。

1階のショップの奥には、誰でもふらりと立ち寄れるカウンター席が。お手頃価格のアラカルトと共に、軽く1杯という楽しみ方がおすすめです。奥村さんは、中能登の酒造で蔵人をやっていたキャリアの持ち主。ご自身もお酒が好きという奥村さんのドリンクセレクトも見逃せません。

 

会員制の「プレミアム」な2階で特別な時間を

お店の2階は会員制フロアの「CRAFEAT Premium」。1階とはまた違った雰囲気で、通りに面した大きな窓と、天井のたくましい梁が印象的な空間です。
会員制にしたのは、安心感を重視するため。どの会員さんがいつ訪れたかをお店側で把握できるようにしているのは、コロナ禍でオープンに踏み切ったこのお店ならではの心がけなのです。
もう1つの理由は、工芸品の良さを知って実際に購入していくお客さんもいる中で、うつわの修繕の窓口になるため。工芸品を買ってもらったら終わりではなく、アフターフォローまでしっかりお店で請け負ってくれます。

 

心を奪われる、「CRAFEAT」流のおもてなし

観光で訪れた時や、一度お店の雰囲気を体験してみたいという人におすすめなのが1万円の「お試しコース」。本来この2階を利用するためには入会金や会費が必要ですが、そちらを払うことなく、「CRAFEAT」の魅力をぞんぶんに堪能できるプランが設定されています。

ナプキンの留め具に使われているのは、金の加賀水引。ほかにも輪島塗の箸や能登仁行和紙など、1つ1つのしつらえが自分のために用意されたような特別感をおぼえるテーブルセッティングに心惹かれます。

まず登場したのは、輪島塗のれんげにのった季節の寿司。この日は甘エビの身を昆布締めにしたものに、卵の塩辛と殻の粉末が散らされており、甘エビ1尾が余すところなく、れんげの上に凝縮されています。口に入れた瞬間に感じるのは、れんげの口当たりのよさ。さらに、口の中で濃厚な甘エビの味わいが広がり、それをドロップショットというハーブが爽やかに引き立てます。

続いて、輪島塗の煮物椀。5日熟成させたカマスに、松茸の芯を巻いた味わい深い一品です。その下には、糠でゆっくり煮た源助大根が隠れており、ほろほろに煮込まれた食感とやさしい味に、なんだかほっとします。

次に登場したお重に描かれているのは、桃太郎の物語。田谷さんがデザインした「物語シリーズ」というお重で、他にも花咲じいさんや竹取物語などの絵柄があるそう。どのお重で提供されるかはその日のお楽しみです。

お重の中身は、金時草のサラダ。料理に使う野菜の収穫も自らおこなっている奥村さん。柔らかい部分だけを収穫しているからこそ、生の金時草をおいしく食べられます。さらに、金時草の自然な紫色で彩られたポテトサラダ。酒粕に漬けたベーコンが隠し味となって、味に奥行きを出してくれます。
七尾の岩もずくは、シャキシャキの食感を楽しめるというだけでなく、箸のすべらなさも実感できる一品です。

今度は山中塗りのお重が登場。玉手箱を開けるように蓋を外すと、煙が立ち込めてきます。中に入っていたのは、炭と藁と加賀棒茶でスモークされたのどぐろ。しっかりスモークされた旨みと香ばしさがくせになります。柔らかなのどぐろに添えられているのは、珠洲の塩の花。肉眼で結晶が見えそうなほど大きいので、味と食感の良いアクセントになります。

この後も、遊び心がたっぷりの料理が続きます。こんがり網焼きされた最中に、鶏のレバーペーストが詰まった「焼き鶏」。くるみ、ブラックペッパー、レーズンと、頭から食べていくと、食材や食感で3変化が楽しめます。
可愛いまち針に混じって、針山に刺さった大きなたこ焼きのようなものは、実は牡蠣フライ。牡蠣の肝の部分だけを使ってボール状にしたものを揚げており、奥村さんいわく「牡蠣の一番おいしいところだけを凝縮」しているそう。

珠洲焼で提供される能登牛のローストビーフは、柔らかく低温調理され、牛の脂の甘みを感じます。飾られたエディブルフラワーは、フルーツのような味わいで、箸休めにもぴったり。
コースを締めくくるデザートは、能登栗のバスクチーズケーキ。裏ごしした栗にクセのないクリームチーズをあわせ、和食の締めにふさわしい、あっさりとしたスイーツとなっています。

 

地元の人でも新しい発見と体験が満載

「CRAFEAT」では、料理とうつわの両方が主役。一品提供されるごとに、地元の人でも知らなかったような体験と発見があります。楽しそうに調理や盛り付けをする奥村さんの姿をカウンター越しに見られるのも醍醐味。尽きることのない奥村さんのアイデアがそのまま表現された料理は、他では味わえないワクワク感を体験させてくれるのです。

カウンターは8席のみなので、訪れる際には必ず予約を(Tel:090-4740-4177)。
だからこそ味わえる特別な時間が待っています。

 

 

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