東京のシンボルとして唯一無二の存在感を放つ東京タワー。電波塔の役割を終えた現在も観光名所として多くの人たちが訪れます。その場所からわずか300mほどの最も近くにあるホテルが「東京プリンスホテル」です。
客室から東京タワーはどのように見えるのか? 東京タワー目の前のレストランやスパの見どころは? ホテルから眺める東京タワーは時間と共に刻々と変容し、いつも以上に雄弁な姿に釘付けられます。カップルの記念日や女子会、母娘での観光に、ここでしか出会えない東京があります。
東京タワーに一番近い東京プリンスホテル
赤と白のレトロな色合いが特徴の東京タワー。60年間続いた昭和のちょうど真ん中あたり、1958年に竣工したため、昭和の象徴をイメージする人も少なくないはず。
地上約150mと250mの高さにそれぞれ展望台があり、150mの展望台へは約600段の階段で上がる方法も。最終入場は22:30と遅く、東京ならではの煌びやかな夜景を鑑賞できます。
その東京タワーからたった300mほどしか離れていない場所に建つのが東京プリンスホテルです。1964年の東京オリンピックに合わせて開業しました。
東京タワーはじめ東京観光を目的に宿泊する人はもちろんのこと、徒歩10分圏内に都営三田線やJR線など計6線5駅にアクセスできる抜群の立地が重宝され、ビジネスで宿泊する人も多いホテルです。JR・東京モノレールが停まる浜松町駅からは、ホテル直行の無料シャトルバスも運行しています。
1年間に及ぶ改装を経て2017年にリニューアルオープン。白を基調にしたロビーからは重厚感が感じられ、優美な空間へと歩を進めるごとに自分の気持ちも高揚してきます。ホテルの至るところには季節の切り花が彩りを添え、控えめな花の香りに緊張が解かれていく感覚も。
正面入り口すぐにロビーがあり、チェックイン手続きやクロークの利用ができます。反対側には「ティーサロン ピカケ」があり、窓には緑の草木が映る癒しのスペース。さらに奥には「メインバー ウインザー」もあり、1フロアだけでも散策しがいのある広さです。
客室からは窓枠に収まり切れない東京タワーの眺望
東京プリンスホテルが人気な理由のひとつは、客室から見える自慢の景色。壁一面に設けられた大きな窓さえもはみ出す東京タワーの出現には、思わず圧倒されます。
特におすすめは最上階の「クラブフロア」。朝起きてカーテンを開けたらすぐ目の前に東京タワーがそびえるという、ここでしか見られない東京らしい光景と出会えます。
普段見る東京タワーは見上げたり、遠くから眺めたりすることが多いため、あまりの至近距離に興奮してしまいます。ホテルの西側に東京タワーが建っているため、夕日を逆光で浴びている様子は塗装の色が抑えられ、黄金色に輝いています。
そして、クラブフロアの魅力が一気に増すのがライトアップされた夜。日中は陰になっていた鉄骨部分に暖色のライトが照らされ、東京タワーの繊細さが際立ちます。カップルはもちろん、女子会や母娘で宿泊しても素敵なひとときを過ごせそうです。
日没と共に東京タワーのライトアップは始まり、翌日の明け方まで東京の空を灯します。定番のランドマークライトに加え、最近はイベントによって変幻自在の演出をすることも。今日の東京タワーは何色かな?と宿泊する楽しみが増えます。
部屋を暗くすると、より東京タワーの輝きに包まれます。手元のシャンパンにも東京タワーが溶け込み、より美味しく酔えそうです。
日中の凛々しい姿、夜の幻想的な雰囲気、そして朝もやで淡く浮かび上がる様子と、様々な表情を持つ東京タワー。一晩泊まってみて、改めて東京タワーの美しさに気付かされます。
クラブフロア宿泊客に許されたクラブラウンジ
クラブフロアに宿泊すると最高級な景色を堪能できるだけでなく、「クラブラウンジ」も利用できるという特典が付いてきます。くつろげる内装が施されたラウンジにはコーヒーや紅茶、ビールやワインなどのフリードリンクが常備されています。
ナッツやクラッカーのほか、おかきや柿の種など日本らしいスナックだけでなく、チョコレートやマカロンも。クラブフロア宿泊者限定のサービスなので、混雑することが少ないのも嬉しいポイントです。
宿泊するならブッフェ朝食付きがおすすめ
ホテルでいただく朝食は、優雅な一日が始まるのに絶好の場。「ブッフェダイニング ポルト」では、一巡だけで食事を終わらせるには惜しいほど、フルーツやサラダ、ベーカリーに和食・洋食のおかずが満載です。
特にエッグステーションでオーダーしてから作り始めるオムレツは人気メニュー。プレーン、ハーブ、ビーツの3種類から選べ、ソースも3種類。ふわっとした食感に始まり、しっとりとした柔らかさとのバランスが絶妙で、飽きがこない味わいです。
窓際の席に座ったら、ぜひ景色にご注目を。部屋で挨拶したばかりの東京タワーに再会できます。
東京タワーと一緒にカフェタイム
宿泊以外にも東京プリンスホテルでは、東京タワーとグルメの両方を堪能できるプランがあり、その中には特に女性が喜ぶ人気のサービスがあります。それはオープンデッキの「カフェ&バー タワービューテラス」で開放感を満喫しながらいただく軽食やアフタヌーンティー。
季節でメニューが変わるアフタヌーンティーですが、2019年3月16日からは春の訪れが感じられる「Sakura Afternoon tea Set」がスタート。淡いピンク色を帯びたメニューは見ているだけで、気持ちがうきうきに。フードとスイーツがほぼ半々なバランスも魅力です。紅茶、ハーブティー、コーヒーの全15種類がおかわり自由です。
ふわっと空気のように軽い食感のショートケーキはイチゴの甘さが濃厚。洋の雰囲気に混ざっているさくらもちは、日本人にとって嬉しい一品です。厚焼き玉子に明太子が入ったサンドウィッチには、ほんのりと桜漬けの存在感も。実はパンにも桜を練りこんでいる徹底ぶりです。
東京プリンスホテル周辺は芝公園が取り囲んでいて、東京タワー以外の高層ビルが視界に入らないという都心では珍しい環境です。桜だけでもホテル敷地内に5品種以上あり、都会の中のオアシスを実感できます。
アフタヌーンティーは2時間制で事前予約を。1名からでもオーダー可能です。晴天になると眩しい時間帯もあるので、サングラスや帽子のご準備をお忘れなく。夕方が近づくと屋外なので冷え込むこともあり、防寒着があると心強いです。
Sakura Afternoon tea Set
- 期間
- 2019年3月16日(土)〜4月24日(水)
- 営業時間
- 12:00〜17:00(2時間制 ※ドリンクLO15分前)
- 料金
- 1名様 3,500円(税込)※別途会計時にサービス料10%が加算
- 予約方法
- 前日17:00まで。東京プリンスホテルの公式サイトもしくは電話(03-3432-1140)より
都会のリゾート感が漂うナイトタイム
昼間の陽光がさんさんと注がれたカフェ&バー タワービューテラスは、夜になるとロマンティックなムードに一転。東京プリンスホテルが大切にしているアーバンリゾートの装いをまとい、自然と都会の良さを両方満喫できる空間に。
オリジナルカクテルが加われば、一夜が忘れられない思い出になります。こちらにあるオリジナルカクテルは2種類。東京タワーをイメージした「タワービューカクテル」(1,400円)はジンベースにオレンジジュースが入り、スッキリとした清涼感が特徴。
もう1種類の「フラワーテラス」(1,400円)は食べられる花(エディブルフラワー)を使ったカクテルで、ウォッカベースのマスカット風味。クラフトビールも4種類あるという充実ぶりです。
夜空に煌々と輝く東京タワーが照明代わりという、何とも贅沢な環境です。こちらではローストビーフやグリルソーセージなど軽食メニューのほか、季節のディナープランや女子会プランもオーダーできます。
手元に視線を落とすと、さり気なく東京タワーがテーブルにも登場するという演出。いつもより時間をかけて、このひとときを五感で味わいたいものです。
ここしか体験できない絶景付きスパ
客室やレストラン以外にも、東京プリンスホテルでは東京タワーを見ながら極上の癒しを体験できる場所があります。最上階にある「SPA IBUKI」は、すべての施術室が東京タワーに面しています。絶景というリラックス効果も加わり、いっそう日頃の疲れから解放されそうです。
全身マッサージ(アロマトリートメント:40分 9,720円~)だと施術中はカーテンを閉めますが、フットやヘッドなどのショートメニュー(フットトリートメント:30分 4,860円~)なら東京タワーと対面したソファ席に案内され、カーテンも開けっ放し状態。目の前の景色を思う存分眺められます。
SPA IBUKI
- 営業時間
- 15:00~23:00
- 場所
- 東京プリンスホテル 11F
バー好きなら一度は訪れたい別世界
夜のとばりが下り、静まり返った時にふらりと立ち寄りたいのが「メインバー ウインザー」。ロビーの奥まった場所にひっそりと構え、別世界へと誘います。
隣席の会話が気にならない広々としたスペースでは、ホテルの宿泊者だけでなく長年足しげく通う常連さんの姿も多いのだとか。カウンター席のほか、ソファ席のエリアもあります。
チーズの盛り合わせやミックスナッツなどの軽いスナックから、ミックスピザやお寿司の盛り合わせ、五目焼きそばなどフードメニューが充実しているのがホテルバーの強み。落ち着いてゆっくりできるバーは一日の締めくくりにぴったりです。
メインバー ウインザー
- 営業時間
- 【平日・土曜】17:00~0:00(LO 23:30)
【祝日】17:00~23:00(LO 22:30)
- 場所
- 東京プリンスホテル 1F
東京タワーが一番魅力的な時間帯は?
東京プリンスホテルのスタッフたちが口を揃えて言っていたのが、「夕暮れ時、ライトアップが点灯する前後の東京タワーが一番美しい」。グラデーションに染まる空を見送るように順々に点灯する東京タワーは、確かにマジックアワーに相応しく、魔法のような世界を見せてくれます。
すぐ横に寄り添うように建つ東京タワーと東京プリンスホテルの2ショットは、まるで長年連れ添った夫婦のよう。電波塔の役目を終えた今でも、変わらずに私たちに東京タワーは穏やかな灯りと優しいエールを送ってくれています。ぜひ訪れた際は、東京タワーが見えるホテルで一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
東京プリンスホテル
- 住所
- 東京都港区芝公園3-3-1
- 総部屋数
- 462室
- 駐車場
- あり(1泊1台1,000円)
- 宿泊料金
- おひとり様 23,426円~(1名1室利用時・税抜)
※宿泊価格は2019年3月8日時点のおひとり様あたりの最低料金です。ご予約時と異なることがありますので予めご了承ください。
- アクセス
- JR・東京モノレール「浜松町」駅から徒歩約10分(循環バスあり)、都営浅草線・大江戸線「大門」駅から徒歩約7分、都営地下鉄三田線「御成門」駅から徒歩約1分
取材・写真・文/浅井みらの
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