2024年11月2日、山口県下関市に本屋とホテルが一体化した「ねをはす Book&Hotel」が開業。本屋に泊まるような体験ができる施設です。併設の書店、カフェ、イベントスペースなどは宿泊客以外も利用できるため、地域で暮らす人々や文化との交流もできます。プロデュースは、入場料のある本屋「文喫」を手掛けた日販グループ「ひらく」のチームが担当。同施設が思い出の場所として人々の心に「根差す」よう、さまざまな仕掛けが施されています。
約2万冊がそろう書店や約1,000冊が並ぶコンセプトルーム
施設名の「ねをはす」には「根を張る・根差す」に由来し、「数年後も数十年後もこの場所が心の拠り所になるように、この地域に太い根を這わせ、育み、大樹のような存在になりたい」という想いが込められています。本をきっかけに生まれる豊かな日常、地域の魅力の再発見と発信、人々の滞在によって促される多様性の浸透、こうした一人ひとりの「知の営み」が地下茎のようにつながり広がっていく拠点になることを目指した施設です。
「ねをはす」のメインエリアである「ねをはすBook&Cafe」には、ブックディレクターが厳選した約2万冊の本がそろっています。種類は、新刊からロングセラーまでさまざま。1階エントランスには心が根付く仕掛けとして約5メートルに及ぶシネマトネリコの木が植えられており、居心地の良い空間が広がっています。
1階には曲線を描く本棚と天井まで続く本棚があり、2階へと向かう大階段は両サイドに本棚が備えられたレイアウト。2階の渡り廊下を進むと洞窟のようなエリアがあり、ディレクターが設定したテーマにちなんだ書籍で埋め尽くされています。オープン時は「顔」というテーマで集められていますが、季節ごとにテーマを変更。普段は手にしない本にも手を伸ばせる工夫が施されています。
なお、宿泊者は夜21時から朝の5時まで営業する「夜の本屋」も利用可能。目にやさしい灯りと静けさが包み込む空間で、自分の興味・関心・好奇心と向き合う充実したひと時を過ごせます。
「ねをはすBook&Hotel」は、13種類全39室から客室を選べる宿泊施設です。ユニークなのは、全客室にディレクター厳選の書籍が備えられている点。テーマ別に選書されているので、お部屋によって異なる本と出合えるのもポイントです。
さらに同施設を象徴するのが、一部屋あたり約1,000冊に囲まれたコンセプトルーム。食をテーマにした「書屋 言―koto―」、旅をテーマにした「黙―moku―」、動物をテーマにした「書屋 読―toku―」、漫画をテーマにした「書屋 文―fumi― 」の4部屋あり、チェックアウトまでゆっくり読書のひと時を満喫できます。
なお、最上階にあるのは幅広い楽しみ方ができる客室。レコードプレイヤーのある「ハレ(晴)、マレ(稀)」、ReFaのシャワーヘッドとドライヤーを備えた「団欒(だんらん)カジュアル4th」、秘密基地のようなワクワク感を味わえる2段ベッド付きの「暖々(だんだん)カジュアル4th」など、趣向の異なる全6部屋から選べます。
施設内の本はすべて購入可能。気に入った本は思い出とともに持ち帰りましょう。
ディナーは契約農家の新鮮野菜と下関の魚介類たっぷりの料理
「Restaurant Neohas」は、地元の契約農家で作られた新鮮な野菜や、下関の魚介類を味わえるレストランです。朝食と夕食は宿泊者限定で提供されます。
夕食では、地元食材をたっぷり使った見た目も美しいディナーコース。食事に合う自然派ワインやご当地のお酒とともに楽しめる内容です。また、ディナータイムには、併設のバーカウンターでお酒をたしなむこともできます。
朝食はハーフビュッフェ形式で、和食・洋食を日替わりの食材で満喫できます。
昼食は、宿泊の有無を問わず誰でも利用可能です。6種類のメイン料理から一品を選ぶ、ハーフビュッフェ形式でランチタイムを堪能しましょう。
1日中施設にこもって読書にふけったり、グルメを楽しんだりと心満ち足りる贅沢な時間を過ごせる「ねをはすBook&Hotel」。あんこうやフグなど旬の味覚が盛りだくさんの下関で、読書と食欲の秋を体験してみませんか。
ねをはす Book&Hotel
- 住所
- 山口県下関市秋根西町2-7-2
- 総客室数
- 39室
- アクセス
- 【電車】JR「新下関」駅より徒歩約6分
【車】中国自動車道「下関」ICより約10分