世界的なパンデミックを経験し、私たちが旅先を選ぶ際にも新たな基準が加わりました。それが、感染症対策。新型コロナウイルスはもちろん、将来流行するかもしれない未知の病原体への感染リスクを低減できる体制であることは、今後の旅先選びにも重要な要素となりそうです。
アフターコロナの新基準「やまなしグリーン・ゾーン認証」
そんな世の中の変化を受けて、山梨県が2020年5月から取り組んでいるのが「やまなしグリーン・ゾーン構想」。一定の基準を満たした宿泊施設飲食店、ワイナリーなどに「やまなしグリーン・ゾーン認証」を与え、利用者の安心と信頼の獲得のために役立てられています。
来館(店)者の感染症予防、従業員の感染症予防、施設・設備の衛生管理の徹底の項目に分け、業種ごとに細かくチェック基準を策定。基準に沿って事業者ごとに自らが遵守すべき感染症予防対策を定め、それを県に申請することで認証が受けられます。
各所に消毒設備を設置することは対人距離の確保など、今では当たり前となりつつある項目が並びます。認証を受けた事業者にはステッカーが交付され、利用者が施設を選ぶ際に目印とすることが可能に。
さらに、認証を目指す施設向けには、必要な備品や消耗品などの購入に使うことができる支援金の支給もあります。
さらに世界基準へ!ワンランク上の「やまなしグリーン・ゾーン」始動
「やまなしグリーン・ゾーン」構想を軸に、感染症が蔓延するなかでも、県民の生命と経済を両立させ、不断に前進し続けることができる「超感染症社会」へと突き進む山梨県。
さらに、アフターコロナのインバウンド再開を視野に、国際的な評価を受けるワンランク上の認証基準の構築を目指す実証実験を、県内3施設でスタートさせました。
甲府市「常磐ホテル」、笛吹市「糸柳」、富士河口湖町「富士レークホテル」の3軒の宿泊施設で実施される実証実験。非接触チェックインシステムや空間除菌装置、コーティング剤など、第三者検査機関で新型コロナウイルスに効果があると示されたものを導入し、実際の運用のなかでの効果を検証します。
40〜45日の期間実施される検証では、実際のウイルスに対してどのような効果が見られたかを測るATP拭き取り検査やエアロゾル検査に加え、利用者や従業員へのアンケートも。顧客満足度の維持と業務効率化を図りながら、感染防止を叶えるニューノーマルのスタンダードを模索します。
この結果をもとに、より高いレベルの認定基準を設け、国際的な信用獲得を狙うことになります。県内、国内はもとより、海外からのゲストにも、安心して選んでもらえる新基準策定を目指すのです。
今回の実験では、アプリで自動チェックイン・アウトやカードキー発行、決済までを行うことができるスマートPMSも活用。安心・安全はもちろんのこと、今後は主流となりそうな新しいホテル環境を、いち早く体験できるのも魅力です。
新時代のニュースタンダートとなりそうな「やまなしグリーン・ゾーン」、今後も目が離せません。