新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する接種証明書(ワクチンパスポート)の申請受付が、2021年7月26日に始まりました。海外渡航の予定があり、ワクチンを2回接種した人であれば、申請・発行が可能です。
ワクチンパスポートの申請方法・発行の流れは?
ワクチンパスポートとは、海外渡航において必要な人を対象に交付されるワクチンの接種証明書。これを所持することで、渡航先の外国での隔離期間が免除・緩和されるなど、防疫措置の免除や緩和に活用できます。
現時点でワクチンパスポートが使用可能な国・地域は、イタリア、オーストリア、トルコ、ブルガリア、ポーランドなど(2021年7月時点)。そのほか韓国でも、隔離免除書発行に必要な書類のうちのひとつである「予防接種証明書」として認められます。
ワクチンパスポートの申請先は、ワクチンの接種券を発行した市町村です。該当する役所の窓口などで手続きをおこないます。
用意する書類は、市町村で準備される申請書、有効期間内のパスポート、接種済証または接種記録書、そして市町村から発行された接種券の「予診のみ」の部分(紛失した場合はマイナンバーが確認できる書類)など。発行窓口や発行にかかる時間は各自治体によって異なるので、自治体の公式ホームページを確認のうえ、余裕を持って申請するのがおすすめです。
なお発行したワクチンパスポートに有効期限はなく、紛失した場合は再発行も可能。1回の申請で1部を発行することができます。
今後はデジタル化も…!?ワクチンパスポートを取得して海外へ
発行されたワクチンパスポートには、接種を受けた人の氏名や生年月日、旅券番号をはじめ、ワクチンの種類、メーカー、製造番号、接種年月日などが日本語と英語で記載されます。
厚労省の発表によれば、当面は書面での交付を予定しているものの、今後はデジタル化も視野に入れているとのこと。接種証明書を表示するのに必要な二次元コードの国際規格が策定中であることから、その動向をふまえて対応を検討するとしています。
なおワクチンパスポートは、海外渡航での利用を目的としない場合、発行の対象外となるので注意が必要です。直近に海外出張や海外旅行の予定がなく、国内で接種の証明をしたい場合は、接種時に発行される「接種済証」または「接種記録書」を利用するようにしましょう。
日本だけにとどまらず、EUでは「EUデジタルCOVID証明書」(COVID証明書)の運用が始まるなど、主要国ではスタンダードになりつつあるワクチンパスポート。これがなければ海外への渡航ができないわけではありませんが、ワクチンパスポートを所持していれば、安心して出張や旅行に臨めるはず。