エーゲ海に浮かぶ三日月の形をした島、ギリシャのサントリーニ島。真っ青な空と海、白い壁と青いドームの美しい街並みは世界中の旅人の憧れの地として有名です。ギリシャまで行けなくても、サントリーニ島のような美しい景観を日本で味わえるのが高知県土佐市にある「ヴィラ サントリーニ」。目の前に美しい太平洋を望み、サントリーニ島にインスパイアされて誕生した白い壁とベルタワー、ブルードームを再現したホテルは、どこを切り取っても絵になるフォトジェニックなヴィラです。
また、その細部まで行き届いたサービスは、クチコミのサービス評価で4.60以上の高評価が寄せられています(2023年5月時点)。日常に疲れた体を心のこもったおもてなしで癒し、その風景の中に身をおけば、エーゲ海を旅するようなリゾート気分を満喫。さらに極上の料理に舌鼓を打つ、1泊2日の夢のような大人のためのリゾートバカンスをご紹介します。
ヴィラ サントリーニへのアクセス
今回は高知龍馬空港でレンタカーを借り、ホテルへと向かいます。海沿いの道を走り、山を上っていくと、突然目の前に白い壁と青いドームの美しい建物が。そこが「ヴィラ サントリーニ」。看板猫・軍曹(ぐんそう)くんと美しい景色が出迎えてくれます。
アクセスは電車の場合、JR「高知」駅からレンタカーやタクシーで約40分。JR「朝倉」駅からレンタカーやタクシーで約30分。車の場合、高知龍馬空港より横浪スカイラインを通って約60分。
「ヴィラ サントリーニ」でしか体験できない旅を求め、遠く他県や海外からも多くの観光客がここに宿泊することを目的に集まってきます。
どこを切り取っても絵になるフォトジェニックな空間
門を開けて進み、「Reception(レセプション)」の案内に従って階段を下りていきます。ここからは宿泊者と完全予約制のメインダイニング「logue(ローグ)」のゲスト以外は入ることができないという特別な空間です。
自分が今、どこを歩いているのか忘れてしまいそうなほど美しい施設内。サントリーニ島は写真でしか見たことがないけれど、憧れの街を歩いているような気分になります。鳥の声だけが響く、とても静かで心地のよい場所です。
到着したらレセプションへ。白い壁に真っ青なブルーのドアが絵になります。
チェックインまでに時間があったので、施設内を散歩することに。レセプション前のドアの横で待っている野良猫だったという軍曹くんも、ゲスト同様にここの居心地の良さが気に入って?ここの看板猫に。軍曹くん目当てのテレビ取材もあるほどの人気者です。
軍曹くんについて白い階段を上がっていきます。
階段を上れば白いベルタワー。ここで一生の思い出に残るウエディングパーティーやウエディングの撮影を行うカップルも多いそうです。
ブルードームと白い壁、その先には高知の海と横浪半島が広がります。エーゲ海に浮かぶ三日月形のサントリーニ島と、三日月のように東西に長い高知県の形を重ね、インスパイアされたという「ヴィラ サントリーニ」。オーナーはギリシャの50以上のホテルを訪ね歩き、ここの構想を練ったそうです。
階段を下りると宿泊者が泳げるプールがあります。海風を感じながら水に浸かったりするのもいいし、デッキチェアに座って海を見ながら本を読んだりするのもいいし。せわしない日常から離れて、ゆっくりと自分だけの時間を過ごせそうです。
プライベートが守られた、憧れの洞窟型のお部屋へ
レセプションでカギをもらい、今日宿泊する206号室へ。
思わず「かわいい!」と声をあげてしまう、ブルーで統一されたドアや窓枠。「ヴィラ サントリーニ」に宿泊して撮影会のように思い出の写真を撮り、SNSにアップするゲストが多いというのもうなずけます。
プライベートが確保されたヴィラスタイルの部屋。ここは2020~2022年のコロナ禍であっても80~90%が予約で埋まっていたという、高知に来たら一度は泊まりたい!という憧れのホテルです。
テラスに座って、お気に入りのドリンクを飲みながら旅の疲れを癒します。
サントリーニ島の洞窟型住居は、断崖絶壁に横穴を掘って造られたキクラデス建築方式。今はほとんどホテルとして生まれ変わっています。
ヴィラ サントリーニの洞窟型のスタンダードツインも、シンプルかつ使い勝手がよく、白い壁がとてもロマンティックな雰囲気。
窓からはテラスと美しい海が見えます。
シンクもスタイリッシュ。ふかふかのタオルやバスローブがそろっています。
アメニティはアロマセラピーの本場、イギリス最高峰アロマブランドとして知られる「アロマセラピーアソシエイツ」のもの。バスルームがやさしい香りで満たされます。
2020年にオープンした新館は海を一望できるラグジュアリーな部屋
2020年にオープンした新館はメインダイニング「logue」の2F。施設で一番高い場所にあるため、何にもさえぎられることなく広い窓から青い海が広がるオーシャンビューです。ソファで、ベッドで、バスタブに入りながら、この絶景をひとり占め。
広々とした76平米の新館ツインルームは、2人で一緒に使えるダブルシンク。女子旅でこの部屋をリクエストするゲストも多いそうです。
窓を開ければ、ベッドからも海を一望。のぼる朝日を見ながら朝からシャンパンを飲む「朝シャン」をすれば最高の休日に。
あまりの居心地のよさに必ず連泊をしたり、年に1回の記念日をここで過ごすと決めているゲストなど、リピーターも多いと言います。
テラスに座っておしゃべりしたり、ただ黙って海を見たり…。ここには非日常の癒しの時間がゆっくりと流れています。
ギリシャのミコノス島をイメージしたという新館。ゴールドとホワイトを基調にしたラグジュアリーな雰囲気です。
高知県産の厳選食材を至高の料理で味わう
夕食はレセプションで外のお食事処を紹介してもらったり、好きな食事を持ち込んで部屋でゆっくり食べたりすることもできます。でもせっかくここに来たのなら、新館1Fの「logue」でディナーを。重厚なドアの奥には大きな窓に面してゆったりとテーブルが並んでいます。
ここ「logue」はフランスで「ミシュラン」と並ぶ影響力を持つレストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」の日本版に2020~2023年の4年連続で選出されたレストラン。イタリアンをベースに高知県産の厳選食材を使ったシェフこだわりの料理がフルコースで提供されます。
ワインのペアリングや、こだわりのギリシャワインも用意され、ワイン好きならぜひそちらも楽しんで。
ディナーの始まりは18時。宿泊をした5月はちょうど夕暮れどき。
前菜には普通のイクラの20倍の弾力があるという「黄金イクラ」。その跳ね返すような食感は感動もの! 紫芋の生地の上には、レバーが苦手な人でもこれはおいしいとうなる、時間をかけて臭みを取り旨味を引き出した「はちきん地鶏レバー」のペースト。
高知名物「カツオの藁焼き」をクレソンやルッコラの香味野菜とともに。葉わさびのソースと合わせてひと口食べると、唐人豆の香ばしい香りが鼻腔をくすぐります。
アート作品のように並べられた温かいホワイトアスパラガスに、卵黄のからすみ風が美しい逸品。シャキシャキした食感を残すために、火入れは最小限にとどめているというこだわりよう。
プレゼントを開ける時のように紐をほどいてもらうと、中から出てきたのは魚介の香りが広がる「ズッパディペッシェ」。期待感を増すワクワクする演出も至高の料理のスパイスに。
イタリアのチーズフォンデュ「フォンドゥータ」にヒントを得た料理は、19種の野菜と2種の花をあしらったフラワーガーデンのような美しさ。
鮮度バツグンの「赤甘鯛のウロコ焼き」は、皮はサクサク、身はふわっ。未体験の不思議な食感です。
四万十の「仁井田米(にいだまい)」を使った高知名産の長太郎貝とたけのこのリゾット。山椒オイルの香りが食欲をそそります。
幻の和牛と呼ばれる土佐の「あかうしのサーロインステーキ」。添えられているのはシェフが肉料理のためにオーダーメイドでリクエストしたという「銀象ソルト」。完全天日干しの甘みのある塩が肉の旨味を引き出してくれます。
NHK連続テレビ小説『らんまん』のモデルになった高知県出身の植物分類学者・牧野富太郎博士の名前を冠した香りのよい「マキノジン」と小夏、ココナッツのパンナコッタは初夏を感じるさわやかなデザート。
お抹茶に合わせたプティフールもシェフのオリジナル。
お客様との会話から感想を直接伺うことで、次の料理に活かしたいというシェフの想いから、帰りにはゲスト一人ひとりにお箸と手作りのお菓子のお土産を手渡してくれます。
「料理を作るときには最初の印象をとても大切にしています」と語るlogueシェフ北村友和氏。「はじめて出された料理を見たときの驚きや美しいと思ってもらう気持ちも、おいしく料理を味わってもらうためには欠かせません。高知にはたくさんの海の幸、山の幸、高知出身の私でも知らなかったような食材があります。そんな厳選した高知の食材を最高の形で引き出す料理をお客様に提供することで、これからも高知の良さを発信していきたいと思っています」。
どの料理もその器やアートのような盛りつけ、彩りに感動し、ひと口食べれば予想をはるかに超えたおいしさを味わった全10品のお料理。北村シェフの想いがこもった至高の料理を堪能した口福な時間は、旅の最高の思い出です。
早起きをして太平洋から昇る日の出の絶景を!
サントリーニ島は夕日の美しい島としても有名ですが、太平洋に面して東向きの「ヴィラ サントリーニ」は朝日が美しい場所。早起きをして海から昇る朝日と、その光を浴びた白い壁のコントラストは必ず写真におさめたくなる瞬間です。
朝日が降り注ぐダイニングで朝食を
朝日が気持ちよく降り注ぐレセプションの奥にあるレストラン「THIRA(ティラ)」で朝食。ここが日本であることを忘れそうな美しい景色です。
朝食のスパークリングワインがいっそうリゾート感を引き立てて…。
地元産の牛乳、オレンジ、グァバ、マンゴジュースは好きなものを選んでテーブルへ。
生野菜の下には温野菜が隠れたサラダ。朝からたっぷりの新鮮野菜でエネルギーチャージ。ギリシャヨーグルトにギリシャのはちみつをかけ、パンにはギリシャ産のいちじくジャムをつけていただきました。美しい景色も朝食の彩りのひとつ。
どこを撮影しても絵になる「ヴィラ サントリーニ」の魅力は、その見た目の美しさや景色だけではありません。ここはプライベートが保たれた居心地のよい部屋と高知の自然に癒される非日常な滞在を約束してくれる場所。そして、夜はワインとおいしいディナー、朝は最高の朝食。次のお休みには、旅の目的がすべてそろった大人のための贅沢なおこもりステイが叶う「ヴィラ サントリーニ」へ出かけませんか?
ヴィラ サントリーニ
- 住所
- 高知県土佐市宇佐町竜599-6
- チェックイン
- 15:00(最終21:00)
- チェックアウト
- 11:00
- 総部屋数
- 18室
- 駐車場
- あり(20台・無料)
- アクセス
- JR「朝倉」駅から車で約30分、JR「高知」駅から車で40分
取材・文/山本美和 撮影/田辺エリ