長野県にある、高原の絶景を走る無料のドライブルート「ビーナスライン」。高山植物がきれいに咲き誇る夏のドライブがピッタリの場所です。首都圏からのアクセスも良く、日帰りはもちろん、温泉と合わせて泊まりで訪れるのもおすすめ。絶景はもちろん、ご当地グルメやアクティビティまで!ビーナスラインの楽しみ方をご紹介します。
全長約88キロメートルの絶景ドライブ!ビーナスラインのルート
こちらが今回紹介する走行ルート。首都圏から中央自動車道を山梨方面へ。「諏訪インターチェンジ」を降り市街地を抜けるといよいよビーナスライン!茅野市から白樺湖、車山高原、霧ヶ峰、美ヶ原高原まで、全長約88キロメートルにおよぶ絶景ドライブルートの始まりです。
諏訪インターチェンジから美ヶ原高原まで、ビーナスラインを停まらずにドライブすると約1時間30分の距離。途中には見晴らしの良い展望エリアや、散策できる遊歩道、美術館、道の駅など立ち寄りたい場所がたくさんあります。ドライブだけなら半日、一通りさっと立ち寄るなら1日あれば十分です。他のエリアも合わせて巡るなど、ゆっくりと過ごしたい場合は1泊2日がおすすめです。
新緑は5月中旬~6月頃が見ごろ。青々とした緑が遠くまで広がります。そして少しずつ高山植物が芽を出し、7月には黄色いニッコウキスゲの花が一面に咲き誇ります。秋にはススキ、茶色く変化していく景色に変わり、道路が閉鎖される冬になります。
一番人気の季節は7月。ニッコウキスゲを目当てに多くの観光客が訪れます。その頃の道路は混雑するので、時間に余裕をもったドライブプランが必要です。逆にゆったりしたドライブや、高原の散策を楽しみたいなら、少し時期をずらしてみましょう。
まずは白樺湖を散策
諏訪インターチェンジからドライブすること約40分。最初に立ち寄りたいのが、標高1,400メートルにある白樺湖です。周囲約4キロメートルの湖周辺には、ホテルや土産物店、美術館、遊園地、コンビニなどの施設が充実しています。ビーナスラインのドライブメインの旅ならば、長く留まらず、湖畔に整備された遊歩道を少し散歩する程度に。湖からふく風が心地よく、清々しい気持ちになります。
白樺湖には温泉があります。白樺湖温泉すずらんの湯は白樺湖を眺めながらお湯に浸かれる、なんとも贅沢な温泉です。日帰りなら帰りに立ち寄るのも良いですね。
白樺湖温泉すずらんの湯
- 住所
- 長野県茅野市北山白樺湖3419-84
- アクセス
- JR茅野駅から車で約45分、中央自動車道諏訪ICから車で約40分
- 料金
- 大人700円、小学生400円、小学生未満無料
- 営業時間
- 10:00~21:00(火曜日は12:00~21:00)※最終受付20:30
- 駐車場
- あり(無料)
湖の上を走る自転車?!女神湖のロボアメンボ
白樺湖から車で約10分。女神湖には、ちょっと変わったボートがあるので立ち寄ります。「ロボアメンボ」は、漕ぐと湖の上をスイスイ進む水上自転車。普通のボートと異なる乗り心地で、怖さは全く無く、あるのは不思議な浮遊感。優しい波の動きを感じながら、気持ちよく漕ぐことができました。
ロボアメンボは1人乗りと2人乗りがあるので、家族や友人、カップルで楽しむにも最適です。もちろん普通の手漕ぎボートや、白鳥ボートもありますよ。
女神湖センター
- 住所
- 長野県北佐久郡立科町女神湖畔987
- アクセス
- 白樺湖から車で約10分
- ロボアメンボ料金
- 1人乗り30分1,200円、2人乗り30分1,900円
- 営業時間
- 9:00~16:30(売店は17:00まで)
ロボアメンボ:9:00~16:30受付終了
- 駐車場
- あり(無料)
牛乳ソフトクリームが人気「牛乳専科もうもう」
女神湖からさらに車で約5分。運動した後は、甘いものを求めて牧場の横にある人気のお店「牛乳専科もうもう」へ。ひっきりなしに観光客が訪れるこちらのおすすめは牛乳製品。
その中から牛乳ソフトクリーム(400円)をセレクト。さっぱりとした中に程よい甘みがあり、コーンもサクサクです。こちらでは地元の商品も大切にしていて、売店コーナーでは地元で作られたリンゴジュースやジャム、パンなども販売しています。
牛乳専科もうもう
- 住所
- 長野県北佐久郡立科町芦田八ヶ野40-1
- アクセス
- 女神湖から約5分
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 休み
- 4月下旬~11月末までは無休(冬季は毎週水曜)
- 駐車場
- あり(無料)
絶景の中を走るビーナスライン
再び白樺湖に戻り、いよいよビーナスラインの絶景エリアへ。曲がりくねった道を登っていくと、少しずつ標高が高くなり、遠くまで見渡せるようになります。
白樺湖から車で約5分、左側にある最初のビューポイントで停車します。眼下に素晴らしい白樺湖の絶景を見渡せます!この辺りでだいたい標高1,600メートル。清々しい風を感じます。
こちらは別のビューポイント。ビーナスラインには、ドライバーもゆっくり景色を楽しめるよう、道路の脇に駐車スペースが設けられています。気になった場所で車を停め、高原の空気や空の近さ、遠くまで広がる絶景を堪能できます。
天気が良ければ富士山も見える!霧ヶ峰富士見台
白樺湖から車で約10分。標高1,700メートルにある霧ヶ峰富士見台で停車。天気が良い日には富士山が見えることから「富士見台」と名づけられたのだとか。八ヶ岳連峰や南アルプスまで一望できます。さらにこの辺り霧ヶ峰では、夏はニッコウキスゲの群生が見られ360度の絶景です。
建物の中には売店、奥に食堂があります。絶景を眺めながらいただく、店主こだわりの信州そばやうどんはおすすめです。またお店を利用するとお手洗いを利用できます。
外には店主こだわりの五平餅(450円)を食べられる売店が。目の前で焼きながら、タレを2度付けしてくれます。タレは意外とさっぱりしていて、もちもちした五平餅にピッタリでした。
霧ヶ峰富士見台
- 住所
- 長野県諏訪市四賀7718-8
- アクセス
- 白樺湖からビーナスラインを約10分
- 営業時間
- 春夏秋 9:00~17:00、冬 10:00~16:00
- 定休日
- 春夏秋 なし(悪天候時休み)、冬は土日祝日のみ営業
- 駐車場
- あり(無料)
絶景を眺めながらティータイム「ころぼっくるひゅって」
霧ヶ峰富士見台から車で約3分。ビーナスラインで立ち寄っておきたいのが、山小屋「ころぼっくるひゅって」。車山肩(くるまやまかた)駐車場から1分ほど歩いたところにあり、ビーナスラインが開通する以前からここにある歴史ある山小屋です。宿泊定員は約10名なので、宿泊したい場合は事前予約をしていきましょう。
カフェとしても利用可能で、雰囲気も良く、味も良しということでとても人気です。
人気のメニューは、ころぼっくるひゅってオリジナルチーズケーキ(550円・数量限定)と、サイフォンコーヒー(550円)。ケーキは上品な甘さで食べやすく、霧ヶ峰の水で淹れたコーヒーはコクがあります。ランチメニューはボルシチパン付き(1,050円)が人気なんだとか。オープンテラス席と屋内席があり、気候が良ければ外がおすすめ!眼下に広がる車山湿原を見渡しながらの食事は最高です。
ころぼっくるひゅって
- 住所
- 長野県諏訪市霧ヶ峰車山肩
- アクセス
- 白樺湖からビーナスラインを車で約13分
- カフェ営業期間・時間
- 4月下旬~11月末 8:00~16:30
- 定休日
- なし ※荒天時は休業する場合あり
- 駐車場
- 車山肩駐車場を利用(無料)
休憩した後は、周辺散策もおすすめです。ころぼっくるひゅってから見下ろせる車山湿原のほか、道路を見下ろせる短い散策路も。駐車場を出てすぐのところにある、ヘアピンカーブと青々とした草原の景色はビーナスラインらしい光景です。
大きな駐車場完備の休憩所「旅の駅霧ヶ峰ビーナス」
さらに車で約3分走ると「旅の駅霧ヶ峰ビーナス」があります。ここの利点は駐車場とガソリンスタンド。この辺りでは一番の広さで、普通車200台、大型バス20台駐車可能。他が満車でも比較的停めやすい休憩施設です。沢山の土産物を扱う広い売店や、そばやカレーなどを食べられる食堂があります。
旅の駅霧ヶ峰ビーナス
- 住所
- 長野県諏訪市霧ヶ峰強清水7719
- 営業時間
- 時期・天候により異なる/冬季休業
- 駐車場
- あり(無料)
八島湿原で自然を満喫
次に立ち寄りたいのは旅の駅霧ヶ峰ビーナスから車で約10分の八島湿原。湿原は一周3.7キロメートル、ゆっくり歩いて約90分。多くの場所が木道で整備されています。道路から少し離れ、自然の中を散策したい方にぴったりの場所です。
7月8月の週末やお盆は大変混雑します。駐車場に入るのに時間がかかる場合があり、混雑時期は警備員の方が誘導を行っています。
お花は季節によって変わりますが、夏に出会えるお花をご紹介。こちらはマツムシソウです。ビーナスラインのように標高が高く涼しい高原で出会えるお花です。
そしてコオニユリ。ユリ科の花で、色鮮やかなのが特徴。よく目立ちます。他にもワレモコウ、オミナエシ、ツリガネニンジンなどを見ることができます。八島湿原にはビジターセンターもあるので、散策マップをもらったり、お花について尋ねたりもできますよ。
八島湿原
- 住所
- 長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618
- 入場料
- 無料
- 駐車場
- あり(無料)
ラストスパート!標高2,000メートルをドライブ
標高1,640メートルの八島湿原を出たら、ビーナスラインの終点、美ヶ原高原をめざします。美ヶ原高原の標高は2,000メートル、八島湿原から車で約35分です。ここからは360メートルの標高差を登るため、カーブが増えていきます。
山の運転が不慣れな場合でもゆっくり進めば大丈夫。後ろの車が気になる場合は、場所を見て左に寄り道を譲りましょう。
巨大な現代アートを屋外展示「美ヶ原高原美術館」
いよいよビーナスラインのゴール地点、美ヶ原高原に到着です!標高が高いだけあって、清々しい空気を感じます。
「道の駅美ヶ原高原」の駐車場に停車。駐車場や道の駅の展望テラスから遠くまで眺めることができます。道の駅内には、カレーやパスタ、オムライスが食べられるレストランがあります。
画像提供/美ヶ原高原美術館
さっそく隣接する「美ヶ原高原美術館」に入場。道の駅とつながっており、2階の専用通路から外へ出ます。ここは巨大な現代彫刻を屋外に展示したとてもユニークな施設です。高台からの見渡す眺めは最高。ここまでドライブしてきた甲斐があります。
画像提供/美ヶ原高原美術館
現代彫刻はおよそ350点にのぼります。光の当たり具合や天候によって違う姿を見せてくれるので、色々な方向から眺めるのが楽しいところ。また季節によって高山植物も咲き誇ります。
美ヶ原高原美術館
- 住所
- 長野県上田市武石上本入美ヶ原高原
- 開館期間
- 毎年4月下旬~11月上旬まで(年により異なる)開館期間中無休
- 開館時間
- 9:00~17:00(16:30最終入場)
- 入場料金
- 大人1,000円、高校生大学生800円、小学生中学生700円
- 駐車場
- あり(無料)
夏がおすすめ!絶景のビーナスラインを満喫しよう
ビーナスラインは高原の緑や高山植物を見るなら、夏に行くのがおすすめです。東京から日帰りもできますが、絶景や見どころがたくさんあるため、時間をたっぷり使って訪れてみましょう。
帰りは同じビーナスラインを戻ることもできますが、中央自動車道の松本インターチェンジや岡谷インターチェンジ利用がスムーズです。
宿泊する場合は美ヶ原高原から約1時間にある松本市が便利。松本には美ヶ原温泉と浅間温泉の2つの温泉があります。さらに夜のライトアップされた松本城も見応えがあるので、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
取材・撮影・文/まのあつこ