提供:テレビ静岡
静岡・西伊豆町の安良里港にある、手ぶらキャンプ施設「Seaside Base ARARI(シーサイドベース安良里)」は、テントを出たら目の前が漁港という非日常的な場所。
キャンプとはいえ、ベッド付きの大きなテントに食器、調味料など、持参が必要な道具はほぼありません。
キャンプ場までのアクセス
西伊豆町を南北に走る国道136号線から脇道へそれて、湾に沿ってぐる~っと移動すると、大きな造船場があります。
右手に看板が見えてくるので、矢印の方向へ進みましょう。
看板の矢印がさす方向へ曲がったら、あとは一本道。目の前には大きなトンネルが現れます。
この辺りは車もめったに通らないため、非日常的な空間にますます期待が高まります。
トンネルを抜けた先は、静かな港が広がっていました。
停泊している船や、のんびりと釣りを楽しんでいる人がいます。
車を停めて奥へ進むと、白く大きなテントが見えてきました。
しんと静まりかえった中そびえたつテントたち。この場所だけ時間の流れが異なっているかのようです。
湾内は静かで波が穏やか
山に囲まれているためとても静かです。聞こえる音といえば、まれに鳴く山の動物たちやカモメの声だけ。
そしてすぐ目の前は港。漁船がたたずむ風景は、日常では味わえない漁業文化を感じさせてくれます。船上で休んでいる漁師さんを見ていると、時間がゆっくり流れているかのよう。
釣りざおを持っていれば、ここでちょっとした釣りが楽しめます。釣った魚をその場でさばいてBBQもできますよ。
シーサイドベース安良里は、2023年3月にオープンしました。キャンプとグランピングを掛け合わせたような場所で、快適に自然を感じられるでしょう。
テントの前には座り心地のよいテーブルやイスが並んでいます。
イスに深く腰掛けて、温かいコーヒーを飲みながら空を見上げましょう。天気がいい日は、夜になると満天の星空が楽しめますよ。
かなり充実のBBQ設備
広場にはイス・テーブルのほかに、大きなBBQコンロと薫製機が置いてあり、宿泊者ならばだれでも自由に利用できます。使用方法はあらかじめ説明してくれるので安心です。
使い方は自宅のコンロと同じなので簡単です。大きいためたくさんの食材が一度に焼けますね。
オプションで、まきとたき火台がレンタルできます(5,000円)。
火の明かりやパチパチという音を聞くと、気持ちが癒されます。
さらにありがたいことに、調味料や調理器具までそろっています。おかげで自宅から道具を持参する必要はほとんどありません。
借りられるのは下記のとおりです。
【調味料】
・塩コショウ
・塩
・ごま油
・オリーブオイル
・ブラックペパー
・アウトドアスパイス「ほりにし」
【調理器具】
はさみ、ナイフ・フォーク、せんぬき、まな板、包丁、トング、割りばし、フライ返し、キッチンペーパー、紙皿
日も暮れてきたのでさっそく近所のスーパーで食材を買い込み、BBQコンロで焼いてみました。食材の調達は近所のスーパーやコンビニでもいいですし、夕食と翌日の朝食をオプション(6,600円/1人)で用意してもらうこともできます。
この日は天気が非常によかったので、満天の星空の下、BBQを楽しみました。
共有施設はとても清潔
共有施設はウォシュレットトイレが2つとシャワールームが2つ。土足厳禁なのでいつでも清潔です。
管理棟には電子レンジ、冷蔵庫、ポット、充電用コンセントが設置されています。周辺の小道具も含めて、これらもすべて自由に利用できます。
至れり尽くせりの手ぶらでキャンプ施設ですね。
テントの快適さをチェック
気になるテントの中を見てみましょう。
テントはチャックで開閉するタイプで2重になっているため、虫の侵入を防いでくれます。
段差のところで靴を脱いで中へ入りましょう。
大・中・小の3種類のテントがあり、人数によりグレード分けされます。大が4人まで、中が3人まで、小が2人まで。
中にあたる「モデレートプラン(1人11,000円~)」のテントの中を見てみると、ふかふかベッドが2つも設置されており、荷物が広げられるくらいの不自由がない広さです。
虫よけスプレーとライト、ティッシュはテント内に常備されています。
チェックイン時に、あらかじめ一人1個ずつアメニティ(タオル・歯みがき・歯磨き粉)が無料で配布されます。
天井もとても高く、身長160cmの私が立ち上がっても天井までまだまだ余裕がありました。
ベッドはふかふかのお布団と寝袋が付いています。今回は6月上旬に宿泊しましたが、夜はかなり冷えました。
しかし寝袋に入り、さらに白い毛布をかぶって寝たら、暖かくて快適に寝られましたよ。
なんて優雅な朝でしょう
次の日の朝、うぐいすの声で目を覚まし外へ。快晴で山から昇ってくる太陽がまぶしかったです。
施設に備え付けてあるインスタントコーヒーと紙コップで、朝の優雅なコーヒータイム。
お気に入りのマグカップを持ってくればよかったですね。イスに深く腰掛けて空を仰ぎます。
小型のスピーカーを持参して静かなピアノのBGMを流せばバッチリです。
漁協×自治体×民間の珍しい施設でした
後継者不足や漁獲量の減少などで漁業の担い手が不足している今、使用されなくなった漁港や周辺の土地が増加し問題となっています。
Seaside Base ARARI・河合正典さん:
西伊豆町・安良里の漁協さんより、遊休地を有効に利活用できないものか?とご相談をいただきました。そこで漁師文化を肌で感じながら手ぶらでキャンプができる施設を開こうと考えたのです。インフラ設備が全くない状態からのスタートだったので非常に苦労しましたが、自治体の協力を得ることができたおかげで、無事に開業できました
シーサイドベース安良里は手付かずだった漁港周辺の土地を利用し、手ぶらでキャンプができる施設へと生まれ変わった貴重な場所です。
規制がある国立公園の中にありながら、キャンプ場を新しく設置できたのも協力体制があったから。オーナーの河合正典さんは、「漁協×自治体×民間企業」により完成した数少ない成功例ではないかと話します。
漁港と山に囲まれた、まるで隔離されたような場所にたたずむ手ぶらでキャンプ場は、手軽に自然を感じたい、たまには人込みや雑踏から逃れて静かな場所でゆっくりしたいとお考えの方にピッタリです。夏休みに家族で、またはカップルや友達同士でぜひ遊びに行ってみてください。
Seaside Base ARARI(シーサイドベース安良里)
- 住所
- 静岡県西伊豆町安良里928-4
- 定休日
- 不定休
- 電話番号
- 0558-56-0780(7:00~21:00)
- ペット同伴
- 可 ※1頭3,300円、同伴ルールを厳守
- 駐車場
- あり
※この記事は、2024年6月29日にテレビ静岡「テレしずWasabee」で公開された記事を転載したものです。