提供:日本海テレビ
鳥取の冬といえば、かに!カニ!蟹~!!
ベニズワイガニの水揚げ量日本一を誇る鳥取県・境漁港にベニズワイガニ専用の市場「カニかご上屋(うわや)」が2023年の8月に誕生しました!競りの様子が見学できる観光スポットもお届けします!
境港・ベニズワイガニ専用市場「カニかご上屋」
カニかご上屋とは、国内唯一の“ベニズワイガニ専用”の市場。
鳥取でカニというと「松葉ガニ」のイメージが強いですが、実はベニズワイガニの水揚げ日本一を誇る地域でもあるんです!
ベニズワイガニが水揚げされていました!
1つのかごに約30kgが入っているんだとか!
境漁港のベニズワイガニ!色が鮮やかで美しい~!
旧施設は水揚げされたベニズワイガニは屋外でセリが行われていましたが、新しく誕生した施設は完全閉鎖型になっており、高度な衛生管理を実現しました。
船から降ろされたカニはすぐにカニかご上屋に運ばれます。
また、船から降ろされてから出荷のトラックに運ばれるまでの導線がとてもシンプルになり、鮮度抜群な状態で出荷されていきます。
普段、一般の方は入ることはできません。
今回は「カニかご上屋」を取材してまいりましたので、そのスゴイ秘密をお届けします!
流れを見てみよう!
ベニズワイガニのカニかご漁船が着岸
30t=アフリカゾウのオス5頭分くらいの重さ!
夜明け前の5:30ごろ境漁港に約30tのベニズワイガニが水揚げされてきました。船からカニかご上屋に続々とカニが入ったかごが運ばれていきます。
ひとつのかごに約30㎏のカニが入っているそうでこの日は1,000籠が並びました。
仲買人たちによって競りが始まる
仲買人たちがカニの前に集まり競りが始まりました。ざわざわした雰囲気の中、どうやら競りが始まっているようです!
競りというと掛け声などが飛び交うイメージでしたが紙に値段を書いて競りが行われるそうで、想像しているより淡々と…そして素早く競りが行われていました。
競り落とされたベニズワイガニはフォークリフトでトラックへ
大量に並んでいたベニズワイガニは競りが終わると同時にカニをフォークリフトに積み込んで手際よくトラックに運ばれていきます。
動きが速すぎて写真を撮るのが難しいくらいあっという間に運ばれていきました。やはり鮮度が命。プロの技ですね。
加工工場や出荷先に配送されていく
朝日に照らされた境漁港。ベニズワイガニが乗ったトラックは続々と出荷されていきます。
漁港周辺には加工工場も密集しており、獲れたてのベニズワイガニをすぐに加工できるのも強みですね!
ここまでの工程の時間を振り返ってみると約30分程度で終わっていました!驚異のスピードに驚きです!
完全閉鎖型“ベニズワイガニ専用”カニかご上屋の秘密公開!
徹底された衛生管理の秘密
今回、取材用に長靴をお借りしました。「境港」のロゴが可愛いですね。
カニかご上屋に入る際は長靴の消毒、石鹸での手洗い、手の消毒を徹底してから中に入ります。
カニかご上屋の内部ガラス張りでしっかり密閉されています。
カニかご上屋は全面が窓や開閉可能な扉で覆われており、“完全密閉型”になっています!
漁港の周辺には落ちたカニの足などを狙った鳥たちが!
雨風をシャットアウトするとともにほこりなどの異物混入を防ぎます。また、鳥よけのネットも張り巡らされており、落ちた蟹の足などを狙って集まってくる鳥たちの侵入を防ぎます。
カニかご漁船の漁師さんによると…風にさらされると、カニの乾燥や強いストレスによってカニ自ら足を外してしまうリスクがあるそうで…(トカゲのしっぽ切りのイメージ)
水揚げされてからすぐ雨風を防げる施設に運ぶことが出来るようになったことによりさらに質と鮮度がいい状態でカニを競りに出せるようになったと話していました。
空気もタイヤも綺麗に!電力化したフォークリフト
カニを運ぶために使用されるフォークリフト。旧施設で使われていたフォークリフトは燃料を使って動くため排気ガスを排出していましたが、電力で動くフォークリフトに一新!
コンセントに刺さって充電されていました。
コンセントで充電して動かします。排気ガスが出ないことで空気も綺麗に保ちます!
センサーで水が出る仕組みになっています。
フォークリフトが屋外からカニかご上屋の中に入る導線にはタイヤを洗うための設備ができました。砂などで汚れたタイヤで施設の中にそのまま入ることを防ぎ、地面が常に衛生的に保たれます。
隠された帽子の色
カニかご上屋の中では働く人々、私たち見学者も必ず帽子をかぶります。その色をよーく見てみると…
赤や青、グレーなどカラフルな色合い!見学で訪れた私はピカピカのイエロー!
実はこれ、帽子の色ごとに役割を識別できる仕組みになっているんです。
例えば、赤い帽子は仲買人・青い帽子は卸業者等、グレーの帽子は荷役業者(競り落とされたカニをトラックに運ぶ役割)黄色い帽子は見学者など7つの色に分けられています。
こうすることで視覚的に役割をすぐ判別できるとともに、部外者や不審者の侵入などを防ぐことにも繋がっているそうです。
色分けなどのわかりやすくシンプルなルールによって誰もが理解しやすく、働く人の安全も守られていました。
徹底した品質管理によって美味しくて、安心・安全なベニズワイガニが届けられていることを知りました!
入場無料!自由に競り見学!『境港おさかなパーク』
先ほど紹介したカニかご上屋の隣には観光客や一般の方も自由に出入りできる『境港おさかなパーク』があります!延べ床面積・約12000平方メートルもある巨大な建物!
ひ、ひ、ひろすぎる~!!
この施設の1階では底引き網漁のズワイガニや魚などの海産物が船から直接運び込まれ、競りが行われる市場になっています!
この建物の2階が「境港おさかなパーク」。吹き抜けになった見学通路が設けられており、1階で行われている競りの様子を見ることができます!吹き抜けなので競りの声や熱気がダイレクトに伝わってきそうですね!
さらにベニズワイガニ漁で使われる“カニかご”の展示や美保湾で獲れた魚やカニが展示された水槽も!
「No Fish! No Life!」と書かれたジャケットを着ている境港水産事務所の田中さんと記念写真
コチラの水槽にいる魚は境港水産事務所の職員の皆さんが釣った魚なんだそうです!今回取材で案内してくださった境港水産事務所の田中さんは魚の知識量が凄い!何を聞いてもわかりやすく教えてくれました!
2階は観光客・一般の方も開館時間は出入り自由!競りが見たい方は早朝5:30~7:30頃の時間がねらい目!日曜日と不定期で祝日はお休みなのでお気を付けください。
おわりに
カニかごに設置するためのサバを準備していました。
朝早くからの取材でしたが、競りが終わるころには次の漁の準備が始まっていました!カニのエサには、かつおやサバなどが使われるそうです。
日本唯一!ベニズワイガニ専用の市場「カニかご上屋」の秘密をお届けしました。消費者に安心安全のカニを届けるためのこだわりが詰まった施設でしたね!
そして、一般の方でも“競り”を見ることができる「境港おさかなパーク」も必見。競りが行われるのは朝早い時間帯ですが、起きられなかった方も…夕方まで自由に出入りすることができるこの巨大な施設の見学はレアな体験!
境港海産物直売センターで食べられるベニズワイガニ!みずみずしさとカニの旨味たまりません。
カニかご上屋の前には境港海産物直売センターもありますよ!その場で買ってカニを味わうこともできます。皆さんもぜひ境漁港に訪れてみては?
境港おさかなパーク
- 住所
- 鳥取県境港市昭和町9-7
鳥取県営境港水産物地方卸売市場2号上屋2階 - 営業時間
- 5:00~17:00(最終入館16:45)
- 定休日
- 年末年始
- 入場料
- 無料
- 公式HP
- 境港おさかなパーク
※この記事は、2023年11月21日に日本海テレビ「na-na」で公開された記事を転載したものです。