静岡県富士宮市に位置し、富士山をご神体とする富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)は、全国に1,300余ある浅間神社の総本宮です。
ご祭神は、美の象徴として知られる木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)。安産や縁結びなどにご利益があり、女性のパワースポットめぐりにぴったりな場所です。
今回は境内を一周して、お宮横丁で富士宮やきそばなどのご当地グルメを味わえるコースを紹介します!
安産や縁結びのご利益を授かりたい時に
富士山本宮浅間大社の境内は、富士宮市街地にある約17,000坪の本宮と、富士山頂にある奥宮からなります。富士山の8合目以上は現在も奥宮の境内地となっており、広さは約120万坪に達します。
起源は、富士山の噴火を鎮めるために水の神である浅間大神(あさまのおおかみ)を富士山麓にお祀りしたこと。
浅間大神の別称は、御祭神である木花之佐久夜毘売命。水は命の源であること、そして火の中で出産したという言い伝えから、「命を生む神様」としてたくさんの人が安産祈願に訪れています。
また、瓊々杵尊(ににぎのみこと)に見初められて夫婦になったことから、縁結びのご利益もあるのだとか。
富士山は遠くから見ても一番の目印になり、昔から灯台としての役割があるので、航海安全を願って来る方も多いそうです。
富士山本宮浅間大社へのアクセス
東京駅から電車で行く場合、乗り継ぎも含めて所要約2時間です。まずは東海道新幹線で三島駅まで約1時間。JR東海道本線に乗り換えて、富士駅まで約40分。さらにJR身延線に乗り換え、約20分かけて富士宮駅を目指します。
東京駅から富士宮駅間で高速バス(要予約・所要約2時間30分)も利用できます。富士宮駅北口から10分ほど歩くと、大きな朱色の鳥居が見えてきます。自動車の場合、東名富士ICより西富士バイパス経由で約20分です。
富士と桜が美しい! 世界文化遺産に登録された境内をめぐろう
神社の鳥居には、人間界と神域を区切る役割があると言われています。まずは一礼して大鳥居をくぐりましょう。晴れた日はここから富士山を眺められますよ。青空と朱色のコントラスト、そして雄大な景色に目を奪われます。
参道は「神様の通り道」と言われているので、中心を避けて歩きます。
まっすぐ進むと鏡池が見えてきました。覗き込むと、透き通った水が鏡のように風景を映し出しています。
その先には桜の馬場があり、ご神木の桜が500本植えられています。一説では、桜の語源は木花之佐久夜毘売命と言われていて、名前の一部の「さくや」が「さくら」になったのだとか。毎年5月5日はこちらで流鏑馬式(やぶさめしき)が執り行われます。
神様にご挨拶する前に心身を清めましょう。手水舎の水で両手を洗って口をすすぎます。
神様が宿るパワースポットで感謝を伝えよう
桜の馬場を通り抜けると石段があります。真ん中に鎮座しているのは鉾立石(ほこたていし)。明治以前の春秋の大祭で、神の宿った鉾をこの石の上で休めたと言われています。
楼門は1604(慶長9)年に徳川家康によって造営されたもので、静岡県指定有形文化財です。楼門をくぐると、壮麗な大しめ縄と丹塗りの拝殿が目に飛び込んできます。
本殿は浅間造りと呼ばれる、珍しい二重の楼閣造り。富士山本宮浅間大社の一番のパワースポットは、やはり神様がいらっしゃる本殿とのこと。手を合わせて心の中で感謝の言葉を伝えるといいそうですよ。
本殿・拝殿も、関ヶ原の戦いに勝利したお礼として徳川家康が寄進しました。戦国武将からの信仰が厚く、源頼朝、北条義時、武田信玄・勝頼親子も参拝に訪れていたのだとか。
春はしだれ桜がきれいに咲きます。こちらは信玄桜と呼ばれる、武田信玄お手植えのしだれ桜の二世。いつまでも眺めていたくなるような美しさです。
ここで授与所にある咲良みくじ(300円)を引いておきましょう。この後に向かう湧玉池(わくたまいけ)で使います。水に浸すとおみくじの結果が分かるんです!
富士山のご霊水が豊富な湧玉池でエネルギーチャージ
東脇門を出て進むと、水屋神社の看板が見えてきます。湧玉池のほとりに鎮座していて、左手にある竹樋(たけどい)から富士山のご霊水を汲むことができます。有料のペットボトル容器(200円)に入れて持ち帰ることもできます。
先ほど引いた咲良みくじをご霊水に浸してみましょう。だんだんと文字が浮かび上がってきました。
乾いてからジャバラ折りにすると、おみくじ掛けに結んで開いた時に富士山の形になります。
水屋神社に面している湧玉池(わくたまいけ)は、富士山本宮浅間大社の中でも特別な雰囲気に包まれています。澄んだ水と空気が、モヤモヤした感情や日頃の疲れを洗い流してくれるよう。その場に佇んでいるだけで、心が静まり癒されます。
湧玉池は、かつて富士山の登山者が身を清めるために禊をした場所です。富士山の雪解け水が伏流水となって、毎秒2.4キロリットル流出し、水温は年間を通して13℃を保っているそう。国指定特別天然記念物で、平成の名水百選にも選ばれています。
浅間大神をお祀りした富士山麓の遥拝所が現在地に遷されたのは、湧玉池のそばに神社をつくるためだったのだとか。富士山本宮浅間大社は、水とのご縁が深い場所なのですね。
境内一周のラストは、神田川ふれあい広場です。参拝の余韻に浸りながら、水辺を散歩したり、芝生で日向ぼっこをしたりしてのんびり過ごしましょう。小さな子どもからお年寄りまで、地域の人たちと参拝者が集う憩いの空間になっています。
女性らしいお守りはお土産にぴったり!
授与所には、場所にちなんだ富士山柄のお守りが多く並んでいます。
その中でもひときわ目を引くのが咲良守(1,000円)です。富士山の形になっていて、よく見ると桜の刺繍と「美」の文字が! 全ての願いが美しく花咲くように、という願いが込められています。旅の記念に手に入れたいお守りです。
こちらは美守(1,000円)。身も心も清らかになるお守りです。持っているだけで木花之佐久夜毘売命のご利益を授かれそう。
御朱印(300円)には駿河國一之宮の文字が。力強くて立派です。
富士山本宮浅間大社
- 開門時間
- 5:00~20:00
※3月・10月は5:30~19:30、11月~2月は6:00~19:00
- 住所
- 静岡県富士宮市宮町1-1
- アクセス
- 【電車】JR身延線「富士宮」駅より徒歩約10分
【車】東名高速道路「富士」ICより約20分
お宮横丁で一休み&名物グルメを堪能しよう
参拝した後は、門前にあるお宮横丁に行ってみましょう。お昼時はソースのいい匂いが辺りに漂っています。
屋外のフードコートのようになっていて、約50席のオープンスペースの周りには、8〜9店舗ほどお店が並んでいます。ご当地グルメを味わったりお土産を選んだりできますよ!
「富士宮やきそばアンテナショップ」で本場の味を!
お宮横町の入り口に立っているのは、「富士宮やきそばアンテナショップ」。富士宮やきそばをB級ご当地グルメとして有名にしたお店です。
モチモチとしたコシのある麺に、肉かす、キャベツ、葉ネギを合わせたベーシックな富士宮やきそば(並・450円)が人気。イワシやサバの風味が豊かな削り粉もかかっています。お昼時はかなり賑わうため、20~30分ほど待つことも。少し時間をずらして行くと、テラス席でゆっくり食べられますよ。
富士宮やきそばアンテナショップ
- 営業時間
- 10:00~17:30
- 定休日
- 無休
- 住所
- 静岡県富士宮市宮町4-23お宮横丁内
- アクセス
- JR身延線「富士宮」駅より徒歩約9分
「ジェラートぷくいち」で、ミステリアスな富士山ジェラートを味わう
お腹が満たされた後に食べたいのはやっぱり甘いもの。「ジェラートぷくいち」の富士山ジェラート(ダブル・400円)は、鮮やかな色が印象的な見た目にも楽しいスイーツです。
ショーケースには「今日の味は何かな? 食べてのお楽しみ……」の文字が。水色なのでソーダ味に見えますが、一口食べてびっくり! この日はなんとまろやかなアールグレイ味でした。変わり種だとカレー味もあるそう。
上部のジェラートは特選ミルク味。「季節によって様々なフレーバーが登場するので、白っぽいジェラートを組み合わせると富士山らしくなっておすすめですよ」と教えてくれました。
ジェラートぷくいち
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 無休
- 住所
- 静岡県富士宮市宮町4-23お宮横丁内
- アクセス
- JR身延線「富士宮」駅より徒歩約9分
意外と辛口?! 紅白の御くじ餅で運だめし
最後にお土産を買って帰りましょう。門前町らしいお土産と言えば、「御くじ餅本舗」の御くじ餅(2個入り・300円)です。
富士山の伏流水を使った紅白の縁起餅で、紅にはこしあんが、白には朝霧高原の牛乳を使った白あんが包まれています。上品な甘さとやさしい口どけのお餅を味わえるだけでなく、箱を開けるとおみくじが入っています。
富士山本宮浅間大社の方と一緒に開発したこともあり、おみくじは本格派で辛口なのだそう。大吉が出たらかなりラッキーとのことなので、ぜひ運だめしをしてみてくださいね!
御くじ餅本舗
- 営業時間
- 10:00~17:30
- 定休日
- 無休
- 住所
- 静岡県富士宮市宮町4-23お宮横丁内
- アクセス
- JR身延線「富士宮」駅より徒歩約9分
少し足を伸ばして行きたい観光スポットはこちら!
富士山本宮浅間大社がある富士宮の近くには、大型アウトレットモールがある御殿場や、世界中の動物たちに会えるサファリパークがあります。1泊して少し足を伸ばせば、ショッピングやアクティビティ、温泉などを楽しめますよ。ぜひ静岡の人気観光スポットをチェックしてみてください。
世界から注目される富士山のエネルギーに触れることで、心にも体にもいいことがたくさんありそうですね。運気が上がる素敵な旅になりますように!
取材・撮影・文/馬場澄礼