旅の楽しみ方

愛知の離島・佐久島でアートと猫を巡るフォトジェニック散歩

愛知県の三河湾に浮かぶ離島「佐久島(さくしま)」。島内には至る所にアート作品が点在し、マップ片手にフォトジェニックなスポットを探す人の姿が多く見られます。また、たくさんの猫と出会える島としても有名です。2019年2月公開の、猫を題材とした映画のロケ地になったこともあり、ますます注目を集める離島・佐久島。のんびり散策に出かけましょう!

愛知の離島「佐久島」ってどんな島?

佐久島の風景

佐久島は愛知県西尾市にある周囲約11.8キロメートルの離島。2001年から始まった島おこしプロジェクト「三河・佐久島アートプラン21」で、島内あちこちにアーティストたちの作品が展示されるようになりました。島の風景とアート作品が合わさると写真映えも抜群! 今では、SNS映えを狙ってカメラ片手に訪れる人の姿がたくさん見られます。

乗船は約20分!手軽に行ける離島

佐久島行きの船乗り場

佐久島には、西尾市にある一色港から高速船に乗って向かいます。一色港から佐久島西港まではおよそ20分で到着。

名古屋駅から一色港までは、名鉄に乗り「西尾」駅を下車、バスに乗り換えて一色港がある「一色さかな広場・佐久島行船のりば」を下車する行き方が一般的で、およそ80分の道のりです。車の場合は、一色港に約1,000台ある無料駐車場に停めておくことができます。

佐久島行きの高速船

一色港から佐久島に向かう高速船は1日7便、復路の便も1日7便です。「さかな広場」から西尾駅に向かう帰りの最終バスは15時35分なので、お帰りの際には乗り遅れないように気を付けてくださいね。

佐久島行き高速船

渡船料金(片道)
大人(中学生以上):820円
小学生:410円
※未就学児は大人1名につき1名無料。
※2019年7月現在の情報です。
時刻表
詳細は佐久島公式Webページで公開中
※別ウィンドウで開きます。

 

佐久島体験マップ

一色港の乗船場には、「佐久島体験マップ」が置いてあるので、もらっておくと便利。島内に20個以上あるアート作品スポットが示されている他、舗装されている道、されていない道などの情報もイラストで分かりやすく説明されています。

船旅を終え佐久島へ!西港から降りて散策開始

佐久島 西港

佐久島へ向かう船は、まずは西港へ寄港し、その後東港へ向かいます。2つの港は直線距離にして約1キロメートルしか離れていませんが、古くから島は2つの集落に分かれているので、どちらかの港で船を降りもう一方の港へ向けて散策をするのが効率的です。今回は、西港からスタートし東港から帰りの船に乗るというルートにしました。

佐久島 「佐久島歓迎 地福開円満」

西港で船を降りると早速アート作品に遭遇! 松岡徹作『佐久島歓迎 地福開円満(ちふくかいえんまん)』です。観光地でよく見られる顔出しパネルも佐久島ではアートとコラボレーションされているから素敵!

作品のタイトルになっている「地福開円満」というのは佐久島で毎年1月8日に行われる「八日講祭り」の中で唱えられる言葉からとられており、佐久島地蔵、大和屋観音、たこといったこの島にゆかりのあるイラストが描かれています。

佐久島 「佐久島歓迎 地福開円満」

顔出しパネルは写真を撮る人数によってアレンジ可能! それぞれの顔出し部分は開閉可能になっています。裏の説明書きを読んで記念撮影に使ってみてください。

効率的に回りたいならレンタサイクルが便利!

佐久島「レンタサイクル遊々」

西港から東港までは徒歩約30分。のんびり歩き回ってもいいのですが、帰りの船の時間が気になる方や、効率よくアート作品を見て回りたい方は、レンタサイクルを借りておきましょう。

今回は西港から一番近くにある「レンタサイクル遊々」で自転車を借りました。西港、東港どちらにも店舗があり、借りた店舗ではない側で返却することも可能です。その場合、予約時に電話確認が必要なのでお忘れなく。

レンタサイクル遊々

住所
西港:愛知県西尾市一色町佐久島波ヶ崎
東港:愛知県西尾市一色町佐久島中屋敷58
電話番号
0563-79-1432
営業時間
西港:8:00~17:00
東港:9:00~17:00
料金
2時間500円、3時間800円、1日1,000円
定休日
不定休

 

まずは島の西集落から散策スタート

佐久島アートの拠点「弁天サロン」で秘密の鍵を手に入れよう

佐久島「弁天サロン」

自転車を借りたら、西港からすぐの場所にある「弁天サロン」へ向かいます。旧家を修築した文化施設で、島の歴史が展示されていたり、ワークショップが開かれていたりと、アートによる島おこしの拠点となっている場所です。

佐久島「弁天サロン」

無料の冷たいお茶のサービスもあるので、暑い日に島内を動き回る観光客にはうれしいスポット。島の方が交代で常駐してくれているので、何か分からないことがあれば教えてもらえます。

佐久島「弁天サロン」
松岡徹作『大和屋観音』

弁天サロン内にも不思議な雰囲気を醸し出すアートを発見しました。子どもたちを見守る想像世界の観音様なんだそう。

佐久島「弁天サロン」

そしてここでは忘れずに「大葉邸」の鍵を借りておきましょう。どんな場所なのかは、行ってみてのお楽しみです。

弁天サロン

住所
愛知県西尾市一色町佐久島西側41
電話番号
0563-78-2001
営業時間
9:00~17:00
定休日
月曜日(祝日の場合、祝日明け最初の平日)
※7~8月は無休。

 

佐久島固有の黒壁集落に潜む「大葉邸」

佐久島の黒壁集落

弁天サロンの南側にある上り坂を進むと、佐久島固有の景観である黒壁の民家が立ち並ぶ細い路地に入っていきます。狭い道なので、自転車は降りて押しながら散策をしましょう。

「三河湾の黒真珠」とも呼ばれる光景は、「島の宝100景」(国土交通省2009年選定)にも選ばれ、少し光沢がある黒色が特徴的です。塩害を防ぐために船底に塗るコールタールという成分を家屋にも応用した、かつて海運で栄えた佐久島ならではの風景です。

佐久島「大葉邸」

そして、黒壁の集落の中にある特に古い一軒が、先ほど鍵を借りた「大葉邸」。 築およそ100年、空き家になってから50年以上経つ民家が、作家・平田五郎によってまるごとアート作品に生まれ変わりました。軒先には、石畳の庭と漆喰で塗られた白い空間があり、黒壁とのコントラストがとても映えます。

佐久島「大葉邸」

鍵を使って、建物の内部へ。室内は、土間と4つの部屋に分かれています。一番奥の部屋は壁、天井、床全てが漆喰で塗られ、作品化された白い部屋。逆に土間は当時使われていたかまどなどがそのまま残されていて、光を抑えた空間になっています。光と影、黒と白の対比が美しいアートの世界を楽しむことができる場所です。

佐久島の人気アート作品『おひるねハウス』へ!

佐久島 おひるねハウスまでの道のり

大葉邸をあとにし、『おひるねハウス』がある石垣海岸(しがけかいがん)を目指します。黒壁の集落は迷路のように細い路地が入り組んでいるので、案内看板を頼りに進みましょう。

佐久島「おひるねハウス」

集落を抜けて海岸に出ると現れる、『おひるねハウス』。佐久島で一番人気の撮影スポットなので、休日には行列ができるほど! 順番を待ってさくっと撮影に入りましょう。

佐久島「おひるねハウス」

「海のそばで昼寝をしたら気持ちいいだろうな」というコンセプトのもと作られた、南川祐輝作のユニークなアートです。黒壁の集落をモチーフにした黒い箱のような部屋が9つ。箱の中で寝そべれば、佐久島の海も額縁で切り取られたようなアートに見えてきます!

ボックスに入ったら撮影もお忘れなく。さすがはアート作品、どこに入って写真を撮っても素敵になるから不思議です。一番人気に納得の、SNS映えスポットでした。

西の集落を離れる前に、フォトジェニックなカフェで一休み!

佐久島カフェ うる

佐久島には、おしゃれなカフェも続々オープン。『おひるねハウス』へ続く道の途中で発見したのは、「佐久島カフェ うる」です。2019年5月にオープンしたお店で、店の前には羽根の絵アートの第一人者であるコレットミラーが描いた約8メートルのウォールアートがあります。

佐久島カフェ うる

シャンパングラスに入った「炭酸ソーダ」(700円)、綿あめやキャンディーが盛られた「クレイジーシェイク」(1,400円)など、見た目も華やかで楽しめるものばかり。羽根の絵の前にドリンクを掲げて撮影してみてはいかがでしょうか。

佐久島カフェ うる

住所
愛知県西尾市一色町佐久島東側1
電話番号
0563-79-1011
営業時間
9:30〜17:30
定休日
雨の日

 

猫映画のロケ地になった佐久島には、にゃんこがたくさん!

佐久島 ねことじいちゃんに登場した猫

佐久島は「猫島」としても有名です。2019年2月公開の、猫を題材とした映画のロケ地として知られています。

映画が撮影されたのは島の西側と言われており、黒壁集落に猫の姿がちらほら。細い路地を歩く光景は、日本の古き良き時代を思わせほっこりします。

佐久島 野良猫

夏の暑い昼間はあまり猫の姿が見られませんが、夕方涼しくなってくるとどこからともなく猫たちがかわいい姿を現します。

佐久島 猫のハナちゃん

こちらは、「レンタサイクル遊々」の看板猫ハナちゃんです。東港側の店舗付近にいることが多く、自転車を返しにいくと店主よりも先に現れ、レンズを向けると近くまで駆け寄ってきてくれました。野良猫も含め、島にいる猫たちは人懐っこく、癒されること間違いなしです!

フラワーロードを通って、島の西から東へ移動しよう!

佐久島「クラインガルテンウェルカムスペース」

島の西側を堪能したら、東側へ移動しましょう。
佐久島の東西をつなぐのが通称「フラワーロード」。松岡徹作の『クラインガルテンウェルカムスペース』が始まりの目印です。

佐久島 フラワーロード

信号機のない佐久島ですが、一番交通量の多い道路なので気を付けて進みます。

佐久島 ヤギのノンとビリー

フラワーロードを進むとすぐに見えるのが、佐久島のアイドル、ヤギのノンとビリーの小屋です。いつものんびり草を食べている姿にはとっても癒されます。2匹に挨拶を済ませたら、さらに東へ。

佐久島 東側の海沿い道路

途中からは海を臨む道路に! 海と防波堤が続く光景は、青春ドラマのワンシーンのよう。キラキラと美しい景色を眺めていると、東側まで約1キロメートルのサイクリングはあっという間です。

写真映え必至!『カモメの駐車場』がお出迎え

佐久島「カモメの駐車場」

東側集落最初のアートは、木村崇人作『カモメの駐車場』。石の堤防の上にカモメが整列していて、風向きによって体の方向が変わるのが面白いポイントです。こちらも、撮影スポットとして大人気。

海と共に暮らしてきた佐久島の住人たちにとって、風は海の様子を知るために大切なもの。元々、風向きを知るための道具である風見鶏をアートとして置くことで、そのかわいらしさもさることながら、島の風景を再発見しているかのようです。

おしゃれカフェメニューでクールダウン&ランチはいかが?

佐久島サクカフェ aohana

佐久島を巡る旅も中盤にさしかかり、そろそろお腹が空いてくる時間帯です。この辺りで少し休憩を取るのはいかがでしょうか? 『カモメの駐車場』からすぐの場所にある「佐久島サクカフェ aohana」では、店自慢のかき氷を使った写真映え抜群のランチをいただくことができます。

佐久島サクカフェ aohanaの冷やし中華と冷やしぶっかけそば

写真はかき氷をかき混ぜながら食べる「冷やし中華」と「冷やしぶっかけそば」(共に1,400円)。かかっている氷は、密度の高いブロック氷を高級かき氷機「初雪」で高速スライスさせ、ふわふわの食感。麺との馴染みがよく、とても食べやすくなっています。たっぷりと自家製野菜が乗っていて、ドリンク付きなのもうれしいポイントです。

佐久島サクカフェ aohana にゃんこかき氷

こちらのお店のもう1つのおすすめは、かわいらしいデザートかき氷です。写真は、佐久島で撮影された猫映画の上映記念で作られた「佐久島にゃんこかき氷」(1,300円)。練乳をたっぷり紅茶にまぜたミルクティ味で、さっぱりながらもしっかりと風味を楽しむことができる一杯です。

佐久島サクカフェ aohana

住所
愛知県西尾市一色町佐久島前田45
電話番号
080-4277-5543
営業時間
9:30〜18:00
定休日
12月1日~2月末日

 

青空に白が美しい!『イーストハウス』

佐久島『イーストハウス』

おいしいかき氷を堪能したあとは、東側のアートを探しに出かけます。まずは人気作品、南川祐輝作『イーストハウス』。東港の桟橋の途中にある、全長約60メートルの大きな作品です。

佐久島「イーストハウス」

両端の東屋では、中に入って休憩したり、上に上って海を眺めたり、思い思いにのんびりと過ごすことができます。

佐久島「イーストハウス」

真っ白な壁は青い空とのコントラストも抜群! どんな角度から写真を撮っても映えるので、いろんなショットを試してみましょう。

木々のトンネルを抜けると現れる『佐久島の秘密基地/アポロ』

佐久島「佐久島の秘密基地/アポロ」へ続く道

東側でもう1つの人気作品が、『佐久島の秘密基地/アポロ』です。島の南東にある平古古墳群に近く、弁天島へ渡る手前の分かれ道あたりに自転車を停めて歩いて向かいます。 木のトンネルになっている道は、幻想的でおとぎ話の世界に迷いこんだよう!

佐久島「佐久島の秘密基地/アポロ」

開けた場所に作品が現れます。長岡勉と田中正洋によって、アポロ11号の月面着陸をイメージして作られました。人ひとり入るのがやっとな狭い入り口を入っていきます。

佐久島「佐久島の秘密基地/アポロ」

中にはベンチなどもあり、くつろげる空間が。四角い窓からは、渥美半島まで見渡せる美しい海が広がります。題名の通り秘密基地のようなひっそりとした空間で、のんびり波の音を聞きながらリラックスしてみてください。

恋愛成就に効果あり!?佐久島東側にはパワースポットも

佐久島のパワースポット

佐久島には恋愛に効果があると言われているパワースポットも2つあります。どちらも『佐久島の秘密基地/アポロ』から近いのでぜひ立ち寄ってみてください。

佐久島「紫の砂浜」

まずは、新谷海岸にある「紫の砂浜」に向かいます。細くて木々が生い茂る道を進んだ先にある目立たない場所ですが、海岸に着くと女子の姿がちらほら。

佐久島「紫の砂浜」

訪れる人たちが見つめるのは、紫の砂です。
以前ここに生息していたムール貝の殻が細かくくだけ砂に混じったため、ほんのり紫色になったのだそう。色づいたロマンティックな浜辺をぜひ写真に収めてくださいね。

佐久島から歩いて渡れる筒島

続いて、紫の砂浜から『佐久島の秘密基地/アポロ』を挟んで反対側、筒島に向かいます。小さな島ですが、歩いて渡ることができます。

筒島の願いが叶う石

筒島で注目すべきなのが、「願いが叶う伝説の石」。
昔、筒島のきれいな石を持ち帰った娘が、原因不明の高熱におかされてしまいました。うなされる中、女神から「石を戻しなさい」と語りかけられ、石を返すとたちまち治癒したという伝説があります。

このことから、恋愛成就、合格祈願、商売繁盛など、島民の手によって作られ祈祷された「願い石」を奉納すると願いが叶うと言われるようになりました(奉納料として300円)。ぜひ、伝説にあやかって願掛けをしてみてください。

帰りは東港から乗船!バスに乗り継ぐなら14:50が最終便

佐久島 東港から高速船で帰路に

筒島から佐久島側へ戻り、北の方向へ5分ほど自転車を入らせると、もう1つの島の玄関口である東港へ到着。レンタサイクルを返却して、帰りの船に乗りましょう。

車の場合は、東港発一色港行きの最終便である18:20まで滞在できますが、バスの場合は乗り継ぎに間に合わせるため東港14:50発に乗る必要があります。
15時前の船と聞くと、滞在時間が短いように感じるかもしれませんが、島はコンパクト。今回ご紹介した通り、島の西から東まで日帰りで十分に巡ることができました。美しい風景が続く島でリフレッシュしたら、たくさんのきれいな写真をお土産に帰路につきましょう!


佐久島には、今回紹介出来ていない素敵なカフェや、アートスポットがまだまだ点在しています。どこか非日常感のある島内で島風を浴びながら、探検気分で散策してみてください。訪れたあとは、どこを撮っても美しいアートや猫の映え写真を、SNSで自慢したくなってしまうこと必至です!

 

 

 

取材・写真・文/カカミ ユカ

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