2020年12月、「世界の隠れたエキゾチックな聖地を楽しむ人のための特別な場所」をコンセプトとした、「リッツ・カールトン・リザーブ」が北海道ニセコ町にオープンしました。
世界中からゲストが訪れるインターナショナルな環境で、雄大な自然と最上級のおもてなしに癒されるリゾートステイを体験。ベールに包まれた日本初上陸のホテルに潜入取材してきました!
リッツ・カールトン・リザーブとは
「リッツ・カールトン・リザーブ」は、「世界の隠れたエキゾチックな聖地を楽しむ人のための特別な場所」をコンセプトに展開するホテル&リゾート。上質なサービスに加え、その土地の味覚や自然を取り入れた、極上のリゾートが体験できます。
バリ島やカリブ海の島国プエルトリコなど 、世界にまだ5軒しかなく、そのうちのひとつで、日本初オープンとなったのが「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」です。
東山ニセコビレッジのロケーション
「東山ニセコビレッジ」があるのは、世界中のスキーヤーが憧れるパウダースノースキーの聖地・北海道ニセコ町のニセコアンヌプリの麓です。広大な敷地に4つのスキー場が集まり、リゾートの中心地となっている「ニセコ・ユナイテッド」にあります。自然豊かな環境で、一年中さまざまなアクティビティを楽しめるエリアです。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブへのアクセス
羽田から新千歳空港までは約1時間30分。空港からリゾートまでは車で約2時間です。ホテルと空港・札幌駅を結ぶホテル提携のIBSリムジンが運営するリムジン送迎サービスがあり、ラグジュアリーかつプライベート空間で快適に過ごせます。
公共交通機関を使う場合は約3時間。新千歳空港駅から快速エアポート号で小樽まで約75分、小樽からJR函館本線でさらに約1時間30分、倶知安駅で下車。駅前からはニセコバスに乗り、ヒルトンニセコビレッジで下車します。
IBSリムジン
- 料金
- ラグジュアリー仕様の4WDバン 片道55,000円
- 公式HP
- 予約はこちらから
羊蹄山を望む絶景のロビーとラウンジ
風流を愛でる日本古来の価値観からインスピレーションを受け、「花鳥風月」をテーマに据えたリゾート。館内のデザインは、シックで落ち着いた雰囲気です。御影石や大理石など自然の素材が用いられ、ニセコの風景に似合うロッジ風のイメージです。
到着したら、ロビーを抜けてまっすぐラウンジへ通されます。ウェルカムドリンクのシャンパンをいただきながら座ったままでチェックイン手続きを済ませられます。
天井から足もとまである大きな窓からは、ニセコのシンボル羊蹄山が見える絶景ビュー。訪れた春先にはまだ山頂に雪が残り、まるで絵画のように美しい姿です。
ニセコを愛する優秀なパーソナルホスト「DO-SAN(道産)」
お客さんの約9割が外国人のニセコでは、ホテリエも多国籍。まるで海外旅行をしているような気分。日本語が分かるスタッフもいるので心配は無用です。
リッツ・カールトン・リザーブでは、ゲストそれぞれにパーソナルホストが付きます。彼らは道産子からとって「DO-SAN」と呼ばれ、何でも相談できる頼りになる存在。
彼ら自身もニセコが好きで集まったそうで、地域の歴史・文化に詳しく、いろんな話を教えてくれます。自然に接してくれるDO-SANの配慮には感心しきりです。
たとえば、ラウンジで仕事をしていた間は気配すらなかったのに、喉が乾いたなと思った瞬間には横に立っています。ノンアルコールのバージングリーンティーモヒートを作ってもらいました。
上質なインテリアと窓からの絶景に癒される客室
ベッド&リビングと広いバスルームからなる客室。ニセコアンヌプリを望む「ニセコリザーブ」と、羊蹄山を望む「羊蹄リザーブ」の2方向あります。ゲレンデが気になる方はニセコリザーブがおすすめかもしれません。
歓迎の気持ちが伝わるウェルカムスイーツ
お部屋に入ると、サプライズのウェルカムスイーツがありました!地元のパティスリーのお菓子に、ウサギの折り紙とメッセージが添えられています。
何を用意するかは担当のDO-SANに一任され、客室ごとに異なるそうです。私に合わせて日本語で書いてくれたのが伝わってうれしくなります。折り紙とメッセージは大切に持ち帰りました。
羊蹄山とニセコアンヌプリを望む客室
こちらは「ニセコ リザーブ キング」。キングサイズの広いベッドで、シングル利用からこのサイズのお部屋です。モダンで落ち着いた印象の室内。窓の景色を主役に据えたデザインに、日本の和室に通じるものを感じます。
「羊蹄 リザーブ ツイン」のお部屋。窓の向こうは羊蹄山です。もちろんバスルームからも羊蹄山が見えます。どの客室もベッドはシモンズ社製で、極上の寝心地です。
日本人もきっと気に入るバスルーム &アメニティ
窓の大きなバスルームはとっても開放的。浴室はレインシャワーと、日本の温泉にインスパイアされた石造りのバスタブ。深さがあって肩までしっかり浸かれます。ガラスの向こうは絶景、感覚としては露天風呂です。
高級ブランド「SOTHYS」とご当地プロダクトのアメニティ
お部屋のアメニティは、1階のエステでも使用されているフランスの高級ブランド「SOTHYS(ソティス)」の製品。化粧水、ボディクリームなど、男女ともに不便のない用意がされています。
また、地元酒造の酒粕から作る「SWEET SAKE SOAP(甘酒石鹸)」はホテルオリジナル。地域の良いものを提案するリザーブらしさを感じます。
オリジナルのバスソルトはミルクの香りで、こちらも北海道の製品です。ミルクが苦手な方にはゆずの香りのバスソルトが用意されます。こうした細部まで楽しませてくれる心遣いはさすがですね。お部屋から出なくても旅気分を満喫できます。
ミニバーにはグラス類と、ポット、紅茶とネスプレッソのマシーンがあります。早速コーヒーを淹れて、スイーツをいただきながらソファでひと息。
冷蔵庫の中には、炭酸飲料とご当地ビール、日本酒などが入っていました。いずれも無料です。
いつものルーティンをたもてる絶景のフィットネスジム
1階には、テクノジム製の最新マシンを備えたジムがあります。運動を日課にしている方は、トレーニングウエア持参で利用してみてはいかがでしょうか。
また、ホテルが建つ東山ニセコビレッジ周辺は空気が澄んでいて、散策やジョギングにも最高の環境です。
すぐゲレンデに出られる最高の立地
外に出ると目の前がスキー場です。林間コースや長距離のパウダーコースが楽しめる「ニセコビレッジ・スキーリゾート」と直結しています。
スキーが目的で訪れるゲストにとって、何よりも便利なのが、ホテルのスキーロッカーから、そのままゲレンデに出られること。ホテル内で板やウエアのレンタル、リフト券の購入までできてしまいます。
温泉と露天風呂で癒される
深夜12時まで利用できる大浴場は、内湯と露天風呂があります。湯船の縁がないインフィニティバスは、自然の中にいるような贅沢な気分。足を伸ばして背を預けて、のんびり浸かることができます。長湯ができる温度で、湯上がりはお肌しっとり。
ドライサウナや貸切風呂(3,000円/1時間)もあります。お部屋のお風呂は温泉ではないので、広いお風呂で同行者と一緒に温泉に入りたい方におすすめです。
脱衣所には、ミネラルウォーターやバスタオル、パジャマも用意されているので、ジムから汗を流しにまっすぐ立ち寄れます。
自然の力を取り入れたスパ&エステ「チャシ・ラ・ソティス」
アイヌ語でサンクチュアリを意味する「チャシ」の名を冠したエステルームは、1人用と2人用のお部屋があります。スパ&エステには、その土地が持つ力を取り入れるそうで、ニセコでは温泉や湧水、北海道でしか採石されないブラックシリカ、ラベンダーなどを採用しています。
トリートメントコスメには、世界中のセレブリティから愛されるフランスのブランド「SOTHYS」の製品を使用し、卓越した技術を持つエステティシャンがハンドテクニックで施術を行います。温泉との組み合わせで相乗効果が期待できそうですね!
北海道の素材を活かしたフレンチダイニング「ゆきばな」
ダイニング「ゆきばな」では、花鳥風月の視点で、北海道の四季とマッチするディナーを提供しています。フレンチでありながら、自由な発想でご当地の食材をプレゼンテーションしてくれます。
シャンパンは、リッツ・カールトン・セレクションのスペシャル・キュヴェで乾杯。
夕陽に染まる羊蹄山。息をのむほどの絶景です。手にはシャンパン、刻々と変化する風景、フレンドリーなおもてなし。全てがパーフェクトです。
ダイニングレストランのシンボル、鹿角のシャンデリア。こういうところにも北海道らしさを感じますね。ニセコといえば冬の印象が強いかもしれませんが、このおだやかな春の滞在がとても魅力的でした。
ディナーは、世界各地のリッツ・カールトンで腕をふるってきたベテランシェフによるコースです。食材の宝庫・北海道の旬の素材を惜しみなく使い、素材の融合と驚きを与えてくれます。和食のシェフもいるそうなので和洋どちらも楽しめます。
アミューズではシーフードのリゾットを閉じ込めたクロケット、ポタージュは本マグロとアボカドの冷製スープです。
お魚はウニとホタテのポワレを、ふわふわの梅のエスプーマをソースにしていただきました。梅の香りが春を感じるメニューです。
ワインの種類が色々とあり迷ってしまうので、おすすめいただいたリッツ・カールトン・セレクションのボルドーをいただくことにしました。豊潤な香りで料理にもよく合います。
メインは豚頬肉をチョコレートソースで。牛肉かと思ったほど濃いうまみを感じました。
デザートは中がふわとろのブレッドプディング。ひとつずつ料理を紹介してくれるので、北海道の食材がどう変身したのか、一皿ごとに感心。器も美しくて、まるで芸術鑑賞です。お腹も心も満たされたディナーでした。
北海道の海の幸を繊細な握りで味わう「寿司 なぎ」
フレンチダイニングの奥には、目の前で握ってくれる寿司カウンター「寿司 なぎ」があります。シンメトリーな羊蹄山は別名「蝦夷富士」とも呼ばれる美しい形。海外のゲストが喜びそうな和の世界ですが、日本人でもこんな絶景でお寿司を食べる機会は稀ですよね。席数は7席、注文はお任せコースです。
バーテンダーとの会話も楽しい「うめラウンジ」
ディナーのあとはバーカウンターのある「うめラウンジ」へ。世界各地のお酒とともに、北海道らしくニッカウヰスキーやビールもあります。お任せでカクテルをオーダーしました。しばらくシェイカーの音に耳を傾けます。
グラスに注がれたのは、鮮やかな赤色のコスモポリタン。ウォッカベースのカクテルですね。もうひとつはテキーラベースのカクテル、マルガリータ。飲めない人のためにと、ノンアルコールのゆずトニックも作ってくれました。
テーブルで揺れる炎を眺めながら雑談を交わして、宝石のようにきれいなお酒とともに過ごす夜。満ち足りた、とは、きっとこういう瞬間を言うのでしょう。
お部屋に戻ると、ベッドサイドにミネラルウォーターとグラスが置かれていました。ほろ酔いの頭で優しいサービスに感謝しながらベッドに潜り込めば、あっという間に眠りの中へ。
和洋選べる朝食で元気なスタートを
朝食は、スタートにサラダやパン、フルーツ、ヨーグルトやグラノーラなど好きなものを注文。ハムとチーズは北海道産なのでぜひ食べていただきたいです。メインはエッグベネディクトやオムレツ、パンケーキなど数種類から選べます。
国内のホテル朝食ではあまり見かけないポーチドエッグ。どんぶりに入ってきたので驚いたのですが、トリュフがかかった卵の下にハッシュブラウン。サクサクとした細切りジャガイモと卵のとろみがたまらない食感で、あっという間に完食しました。
和朝食もあります。この日は副菜に旬のホタルイカやサーモンの焼き魚が出ていました。納豆も付いたザ・日本の朝ごはんです。旬のものを楽しみたいなら和食もいいですね!
リッツ・カールトン・リザーブで、哲学のあるリゾートを味わう
素晴らしいおもてなしに賛辞を伝えると「良いベッドはどのホテルにもありますから」と返ってきました。チャーミングなスタッフや考え抜かれたサービスこそがリザーブブランドの要なのですね。羊蹄山に見守られて絶妙な距離感で接客してくれるDO-SANたちを今も思い出します。
借景や湯治といった日本の文化と、その土地の恵みを慈しむガストロノミー文化が見事に融合したリゾートに哲学を感じました。東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブに、皆さんもぜひ一度訪れてみてください。美食や癒やしだけではない、時代を牽引する本物のリゾートが待っていますよ。
東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ
- 住所
- 北海道虻田郡ニセコ町字曽我919-28
- アクセス
- 新千歳空港からバスまたは電車で2時間半
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 12:00
- 総部屋数
- 50室
取材・撮影・文/Junko Saito