沖縄本島の読谷村(よみたんそん)から恩納村(おんなそん)、名護市南端の海沿いは、大小さまざまなリゾートホテルが建ち並び、国内屈指のリゾート地です。断崖上から景色を見渡せる絶景スポットや、海中をのぞける展望室、見晴らしの良いカフェなどが点在しています。今回は、そんな西海岸リゾートでおすすめの観光スポットやショップをご紹介します。
目次
西海岸リゾートとは
沖縄本島の読谷村と恩納村、名護市南端にまたがる海に面したエリアは、海岸沿いにリゾートホテルが立ち並ぶことから「西海岸リゾート」と呼ばれています。
大半が「沖縄海岸国定公園」として指定されており、美しい沖縄の海を間近に感じられるエリアです。ビーチに隣接するホテルが多く、ダイビングやシュノーケリングといったマリンスポーツを体験するスポットも豊富。景色はもちろん、アクティビティも満喫できます。
西海岸リゾートエリアは沖縄本島の真ん中付近にあるため、各地へ足を延ばしやすいのも魅力。沖縄の玄関口「那覇空港」から車で約1時間~1時間30分、「沖縄美ら海水族館」や「古宇利島」といった北部の観光地へは車で約40分~1時間30分の距離。
那覇空港がある南部から北部の観光スポットまで移動するには、車で1時間50分~2時間30分ほどかかります。そのため、西海岸リゾートのホテルを観光の拠点にすると、各地へのアクセスがスムーズです。
白亜の灯台が印象的な「残波岬」
「残波岬(ざんぱみさき)」は、読谷村に位置する景勝地。岬一帯が「残波岬公園」として整備されており、遊歩道や展望台、レストランなどもあります。
見どころは、海底から海面に隆起した巨大なサンゴ礁。断崖絶壁のようなサンゴが2キロメートルほど続く様は圧巻です。
断崖に荒々しく波が打ち付けられている光景も見られ、風向きによっては近くにある遊歩道まで水しぶきが飛んでくることもあるそう。付近を歩く際は万が一に備えて、タオルや着替えを持参しておくと安心です。
岬の先端には南西諸島最大の高さを誇る「残波岬灯台」が建ち、約30メートルの展望台から沖縄の海を一望できます。
敷地の中心には「残波大獅子(ざんぱうふじし)」が。高さ8.75メートル、長さ7.8メートルの日本最大規模を誇るシーサーで、「残波岬公園」のシンボルです。このシーサーの前で、記念撮影するのも良いですね。
残波岬公園/残波岬
- 住所
- 沖縄県読谷村宇座1233
- 営業時間
- 【残波岬公園】24時間
【残波岬灯台】9:30~16:30、3月~9月の土・日は9:30~17:30(入場は終了時刻の20分前) - 定休日
- なし
- 入園料
- 【残波岬公園】無料
【残波岬灯台】中学生以上300円 - アクセス
- 沖縄自動車道「石川」ICより約30分
- 公式サイト
- 残波岬
ブルーのグラデーションが美しい「万座毛」
恩納村のほぼ中央部にあるのは、高さ約20メートルの断崖上に広がる芝生台地「万座毛(まんざもう)」です。
「毛(もう)」とは沖縄の言葉で平原や野原のこと。1726年にこの地を訪れた琉球国王・尚敬(しょうけい)が「万人が座するに足る毛」と称賛したことが、名前の由来とされています。
広場を一周するように遊歩道が設けられており、そこからは幾重にも重なる美しいブルーの東シナ海や、開放感あふれるリゾートホテルなど、方角によってさまざまな景色を楽しめます。
道中には、波や風の侵食によって造られた「ゾウの鼻」と呼ばれる奇岩もあります。西側にあるので見つけたら、ぜひ写真を撮ってみましょう。
「万座毛」の周囲に自生している植物群は、「万座毛石灰岩植物群落」として沖縄県の天然記念物に指定されています。沖縄にしか生息していない植物などもあるので要チェックです。
万座毛周辺活性化施設
散策や見学を楽しんだあとは、遊歩道の拠点にある「万座毛周辺活性化施設」へ。
1階には万座毛見学チケット売場や、恩納村のお土産などをそろえたショップ、2階には沖縄料理やデザートの専門店がそろうフードコートがあります。
3階にある無料展望デッキから眺めることができるのは、遊歩道やその向こうに広がる大海原。より高い場所から「万座毛」の全景を眺めることができ、抜群の開放感です。
万座毛周辺活性化施設
- 住所
- 沖縄県恩納村恩納2767
- 営業時間
- 3~8月/8:00~20:00
11~2月/8:00~19:00 - 定休日
- なし
- 料金
- 入場無料
※万座毛を観覧する場合は、万座毛観覧料が必要(小学生以上100円) - 公式サイト
- 万座毛周辺活性化施設
琉球銘菓 三矢本舗 絶景万座毛店
万座毛周辺活性化施設の2階には、サーターアンダギーの名店として知られる「三矢本舗」も出店しています。サータ―アンダギーとは、花が咲いたような形が特徴的な、沖縄の伝統的な揚げ菓子のこと。
「三矢本舗」の「サータ―アンダギー」(1個120円)は、卵白を使用せず卵黄のみを小麦粉に混ぜ合わせて低温でじっくりと揚げているため、どれもしっとりとした食感に仕上がっています。
フレーバーは、プレーンのほか、黒糖や紅芋、モカなど6種類がラインナップ。タピオカ粉を使用した「琉球三矢ボール」(1個150円)は三矢本舗オリジナルのお菓子。サクッ、モチっとした食感が楽しめる人気商品です。
恩納村で焙煎されたコーヒー豆を使用した「アイスコーヒー」(350円)と共に味わうのがおすすめです。
琉球銘菓 三矢本舗 絶景万座毛店
- 住所
- 沖縄県恩納村恩納2767 万座毛周辺活性化施設2階
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 不定
- 公式サイト
- 琉球銘菓 三矢本舗
ミキボウル
同じく2階にある「ミキボウル」は、琉球諸島に約500年前から伝わるコメの発酵飲料「ミキ」を使ったスイーツ専門店です。
フローズン状のミキの上には、新鮮なフルーツがたっぷり。お米の甘さと乳酸菌のやさしい酸味が口の中で広がり、散策後にぴったりな冷たいスイーツです。
パイナップルなど季節のフルーツがふんだんに載った「ミキボウル オールスター」は、見た目も美しく写真映えするメニューです。(トッピングのフルーツは季節により変わります)
オリジナルの「ミキボウル」もあります。好きなフルーツソース(追加料金なし)を決めて、トッピングのフルーツ(1種類161円)を選択、自分好みにカスタマイズができます。
ミキボウル
- 住所
- 沖縄県恩納村恩納2767 万座毛周辺活性化施設2階
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- なし
- 公式サイト
- ミキボウル
万座毛
- 住所
- 沖縄県恩納村恩納
- 営業時間
- 8:00~日没まで※日没の目安:夏至19:30頃、冬至17:30頃
- 定休日
- なし
- 料金
- 見学料100円
- アクセス
- 沖縄自動車道「屋嘉」ICより車で約15分または「恩納村役場前」バス停下車後徒歩約12分
- 公式サイト
- 万座毛
海中をのぞける「ブセナ海中公園」
名護市の南端付近に位置する「部瀬名岬(ぶせなみさき)」には「ブセナ海中公園」があります。ここでの見どころは、海底まで歩いて行ける「海中展望塔」と船底がガラス張りになった「グラスボート」。気軽に海中散策を体験できるとあって、連日多くの人でにぎわっています。
まずは「グラスボート」を目指しましょう。駐車場から乗り場までは徒歩約15分。散策もかねて歩くのも良いですが、20分間隔で運行しているシャトルバス(約5分/運賃無料)に乗ればスムーズに移動ができます。
「グラスボート」の船底は、一部がガラス張りになっているため、船に乗って移動しながらの海中散策が可能。クジラをモチーフにした外観がユニークな船です。
サンゴや熱帯魚が見える各ポイントへ移動する船内の上では、ガイドさんが沖縄の海や生き物のことなどを解説してくれます。
途中、魚にエサをあげる時間も確保されているので、体験したい人は「さかなのおやつ」(1個200円)を桟橋にある自販機または乗船時に船内で購入しましょう。
グラスボート
- 営業時間
- 毎時10分、30分、50分に出航(36名乗り)
【4~10月】始発便9:10、最終便17:30 ※12時台は12:10、12:50のみ運航
【11~3月】始発便9:10、最終便17:00 ※12時台は12:10、12:50、16時台は16:10、16:30のみ運航 - 定休日
- ブセナ海中公園に準ずる
- 料金
- 大人1,560円、4歳~中学生780円
※セット料金(海中展望塔+グラスボート)大人2,100円、4歳~中学生1,050円 - 公式・関連サイト
- グラスボート
グラスボートを楽しんだら、次は「海中展望塔」へ。海中展望塔は岬の先端よりさらに沖合に位置しているため、ここから先は全長約170メートルの橋を歩いて渡ります。周辺には視界をさえぎるものがなく、まるで海の上を歩いているかのような気分になれますよ。
橋を渡り切った先にある塔内のらせん階段を降りると、展望室に到着。展望室は水深3~4メートルの位置にあり、窓の外にはサンゴやタマン、オヤビッチャなどの熱帯魚たちが泳ぐ海中世界が広がっています。
窓は全部で24個あるので、いろいろなところから観察してみてください。
海中展望塔
- 営業時間
- 【4~10月】9:00~18:00(最終入場17:30)
【11~3月】9:00~17:30(最終入場17:00) - 定休日
- ブセナ海中公園に準ずる
- 料金
- 大人1,050円、4歳~中学生530円
※セット料金(海中展望塔+グラスボート)大人2,100円、4歳~中学生1,050円 - 公式・関連サイト
- 海中展望塔
ブセナ海中公園
- 住所
- 沖縄県名護市喜瀬1744-1
- 営業時間
- 9:00~17:30
- 定休日
- 不定休 ※臨時休業あり。詳細は公式サイト参照
- アクセス
- 沖縄自動車道「許田」ICより約10分または「ブセナリゾート前」バス停下車後徒歩約3分
- 公式サイト
- ブセナ海中公園
恩納村の産物や地元グルメ「おんなの駅 なかゆくい市場」
恩納村の南端付近、国道58号沿いにある「おんなの駅 なかゆくい市場」。恩納村産の農産物や加工品などが並ぶ産直施設です。
農産物販売エリアには、生産者から直送された旬のフルーツや島野菜がずらり。夏にはマンゴーやパイナップルが販売され、甘い香りがただよっています。
また、お菓子やスパイス、泡盛なども見逃せません。「おんなの駅」オリジナルブランドの商品も豊富でお土産選びにもぴったりです。
サーターアンダギーや海産物、かまぼこ、沖縄そばといった地元グルメが充実しているのもうれしいポイント。
イートインスペースは屋外にあるため、夏は暑さが心配ですが気温が高い時にはミストシャワーが降る仕様になっており、熱中症対策にも十分配慮されています。
ここでぜひ試してもらいたいのは「琉冰Ryu-Pin(りゅうぴん)」のかき氷。開店と同時に行列ができるほど連日多くの人でにぎわっています。
名物はマンゴーやパイナップルなど、旬のトロピカルフルーツがのった「アイスマウンテン」。名前の通り、山のように盛られたかき氷の上に鮮やかなフルーツがふんだんに乗っています。トッピングは季節によって異なり、旬のフルーツをいただけるのも特徴です。
取材時は「アイスマウンテン(かき氷)パイナップル&パッション」(1,380円)を注文しました。パッションフルーツとパインの酸味がアイスの甘味を引き立たせ、暑い時期にぴったりな爽やかな味わいです。
琉冰Ryu-Pin
- 住所
- 沖縄県恩納村仲泊1656-9 おんなの駅なかゆくい市場内
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- なし
- 公式・関連サイト
- 琉冰Ryu-Pin
おんなの駅なかゆくい市場
- 住所
- 沖縄県恩納村仲泊1656-9
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- なし ※臨時休業等は公式サイトで確認
- アクセス
- 沖縄自動車道「石川IC」より約15分または「ルネッサンスホテル前」バス停下車後徒歩約7分
- 公式サイト
- おんなの駅なかゆくい市場
海一望の非日常空間「カフェギャラリー土花土花」
国道58号恩納南バイパス沿いに建つ「ホテル コンドミニアム 土花土花」の敷地内には「カフェギャラリー土花土花(どかどか)」があります。
「琉球焼 青風窯(せいふうがま)」の主宰である陶芸家・玉田彰(たまだあきら)氏が営むカフェギャラリーで、傾斜を利用した建物の1階が青風窯の工房、2階はカフェスペース。テラス席では、西側に視界が開けており恩納村の海が一望できます。
イチオシは生地から手作りしたピザ。直径約32センチメートルとボリューミーで食べ応えたっぷり。中でも、店名を冠したオリジナルピザ「土花土花」(2,980円)やたっぷりのチーズとはちみつを使った「4種のチーズとはちみつピザ」(2,880円)が人気です。
ちなみに、料理はすべて青風窯で作られた陶器で提供してくれます。店内で販売もされているので自分用やお土産に買って帰るのも良いですね。
カフェギャラリー土花土花
- 住所
- 沖縄県恩納村前兼久243-1
- 営業時間
- 8:00~18:00(L.O.17:00)
※8:00~10:30はモーニングメニューを提供、ピザ&カフェメニューは11:00から提供 - 定休日
- 日曜
- アクセス
- 沖縄自動車道「石川IC」より約5分または「前兼久」バス停下車後徒歩約20分
- 公式サイト
- カフェギャラリー土花土花
「Blue Entrance Kitchen」で個性あふれるオリジナルタコス
絶景を眺めながら食事をとるなら「Blue Entrance Kitchen(ブルーエントランスキッチン)」もおすすめ。シュノーケルやダイビングなどマリンレジャーが体験できる「青の洞窟」行きのボートが発着する港の目の前に建つカフェです。
洞窟をイメージした店内では、「沖縄と世界のフュージョン」をコンセプトにしたオリジナルタコスが味わえます。
タコスはどれもボリューミーで目を見張る大きさ。シェアして食べるなら、数種類のタコスから好みのものを3ピース選べる「BEKタコスTOP3ピースコンボ」(2,900円)がおすすめ。
この日は炭火焼ビーフを挟んだ「ステーキタコス」、衣の食感がクセになる「ザクザクフィッシュ」、甘辛ダレが特徴的な「ナシュビルチキン」を選びました。
メキシコ発祥の「ビリアタコス」もこのお店の名物メニュー。じっくりと煮込んだ和牛をフラワートルティーヤで挟み、スパイスを配合したオリジナルスープにディップしていただきます。肉の風味と濃厚なチーズが食欲をそそる逸品です。
サクサク食感とサルサ、チーズの組み合わせがやみつきな「ビーフチーズカーリーサルサ」、青の洞窟をイメージした見た目も風味も爽やかなドリンク「レモンスパーク」との相性も抜群です。
Blue Entrance Kitchen
- 住所
- 沖縄県恩納村前兼久32-1
- 営業時間
- 11:00~16:00(L.O.15:00)、17:00~22:00(L.O.21:00)
- 定休日
- なし
- アクセス
- 沖縄自動車道「石川IC」より約10分または「前兼久」バス停下車後徒歩約3分
「田中果実店」のカラフルなシェイブアイス
「ANAコンチネンタル万座ビーチリゾート」入口のすぐ目の前に建つ「田中果実店」はフルーツスイーツの専門店。生産者から直接仕入れた南国フルーツをかき氷やパフェで味わえます。
毎年、夏になるとマンゴーを丸ごと1個使った季節限定の「名物マウンテンマンゴーパフェ」(2,916円)や「贅沢マンゴーパフェ」(1,274円)をお目当てに多くの人が訪れるほど。
2024年8月からは新たに、島豆腐とフルーツを使用した新メニュー「島豆花(しまどうふぁ)」(1,058円)も登場しています。
「シェイブアイス」(734円)は、「田中果実店」の看板商品。シェイブアイスとはハワイ生まれのかき氷のことで、氷を細かく削っているため雪のようにふわふわで口の中ですっと溶けていきます。
シロップはレモン、ブルーハワイ、ストロベリーなど13種類の中から3種類を選択可能。カラフルでSNS映えする見た目です。トッピングに「生マンゴー」(300円)を追加すると、よりトロピカルなスイーツになりますよ。
店内にはマンゴーやパイン、パッションフルーツのジャムなどの販売も。自宅でも南国の味が楽しめるのはうれしいですね。
田中果実店
- 住所
- 沖縄県恩納村瀬良垣2503
- 営業時間
- 11:00~18:00(L.O.17:30)
- 定休日
- 火曜、水曜
- アクセス
- 沖縄自動車道「屋嘉IC」より約15分または「万座ビーチ前」バス停下車後徒歩約1分
このページで紹介したスポット一覧MAP
ビュースポットなどの見どころ満載の西海岸リゾートエリア。長期で滞在したくなるような素敵な宿泊施設も多いので、何泊かしてゆっくりと見て回ることをおすすめします。
取材・文:伊東 一洋(トラベローグ)/撮影:仲本 潤