神戸電鉄有馬線に乗って山間の景色を眺めていると到着するのが、「神戸の奥座敷」と呼ばれる有馬温泉です。神戸の中心地、三宮から約35分、大阪市内からは約60分、京都からも約75分でアクセスできる温泉地です。
有馬温泉の歴史は古く、日本三古泉の一つ。豊臣秀吉とその妻、ねねも度々湯治に訪れたことで知られ、千利休を伴って大茶会を催したと言われています。
有馬温泉といえば、鉄分と塩分を含んだ「金泉」と、炭酸を含んだ透明な「銀泉」が有名。環境省が療養泉として指定している9つの主成分のうち、7つもの成分が含まれる世界的にも珍しいお湯です。
そんな歴史ある有馬温泉で、明治元年(1868年)に創業した「有馬温泉 中の坊 瑞苑」。モナコ王妃グレース・ケリーが愛し、数々の著名人も宿泊した老舗宿でのおもてなし体験記をお届けします。
入り口から秀吉公にあやかったおもてなしを感じる「中の坊 瑞苑」
有馬温泉駅を出て、しばらくなだらかな坂道を上ると「中の坊 瑞苑」が見えてきます。
エントランスを入ると、「雪月花」と書かれた大きな掛け軸が。こちらは、京都の臨済宗妙心寺の名僧・山田無文(やまだむもん)老大師の記した文字を織り込んだもの。高い天井と大迫力の書で、一瞬にして宿の世界へ誘われます。
もう一つ、エントランスでチェックしてほしいのが、宿泊客が外履きに使う草履の収納棚。
なんと、暖房を備えた棚で草履が温められています(冬期のみ)。さすが、豊臣秀吉に愛された有馬温泉。織田信長の草履を温めたという秀吉公の心配りが、宿のおもてなしとなって息づいていました。冬は雪が降り、底冷えする有馬ですが、これはうれしい心遣いですね。
階段を2階へ上がると、そこは広々としたロビー。
落ち着いた空間には大きな窓があり、そこから見えるのは自慢の日本庭園。窓際には外の庭園とつながった池があり、鯉が泳いでいます。ロビー全体に京都のお香専門店「松栄堂」の人気香、白檀(びゃくだん)の甘味を表現した「堀川」の豊潤な香りが漂い、リラックスさせてくれます。
ロビーの一角には、代々集められた骨董品のほか、有馬温泉に伝わる民芸品「有馬人形筆」などの展示もあり、ちょっとしたミュージアムのよう。有馬人形筆は、筆の頭から小さな人形がひょこっと顔をのぞかせる、とてもかわいらしい伝統工芸。実際に手に取ることもできますよ。
ロビーから庭園に出ることもできます。この庭こそ、モナコ王妃グレース・ケリーのお気に入り。石の階段や池などが配され、自然を生かしながらも、ほどよく手を入れた日本庭園です。
石畳の通路の横には小さなベンチも用意されているので、そこに座ってじっくり庭園を眺めるのも良さそうです。
チェックインをすませると、抹茶と和菓子のもてなしがあります。宿オリジナルの手作り和菓子「有楽」は、あんこをわらび餅で包んできなこをまぶした、開業当時からある宿の名物。
ほんのり甘い粒あんとわらび餅が口の中でとろけ、そこに香ばしいきなこの風味が広がります。予約をすれば購入することもできますが、1日限定20箱(3個入り1,000円、6個入り2,000円)なので、早めに予約をした方が良いでしょう。
金泉の露天風呂が付いた、人気の和モダンデラックス「孔雀」
「中の坊 瑞苑」の客室は多彩なタイプがそろいますが、中でも人気なのは露天風呂が付いた客室。2017年11月のリニューアルでより数が増え、利用しやすくなりました。
今回宿泊したのは露天風呂付客室の一つ、和モダンデラックスタイプの「孔雀」。こちらには、金泉の露天風呂が付いています。
部屋に入ると目に飛び込んでくるのは、木の温もりを感じさせる56平米の空間。窓側には畳が敷かれ、部屋の雰囲気にぴったり合う大きなソファとフットレストが付いたロッキングチェアがありました。
ベッドにもなりそうな大きなソファはしっかりと体を支え、ファブリックの肌触りが心地いい! このソファや椅子は、部屋に合うように特別にデザインされた1点もの。もてなしの心は食や温泉だけでなく、調度品にも込められているんですね。
窓からの眺めは風情満点。有馬温泉街の町並みや山々の景色、さらに「天神源泉」の湯けむりも見えます。夜はライトアップされてモクモクと上がる様子がさらによく見え、湯の町ならではの景色をいっそう楽しめます。宿から歩いてすぐの場所なので、散歩がてら訪れるのもおすすめです。
部屋ではさっそく浴衣や作務衣に着替えましょう。「中の坊 瑞苑」では部屋食はもちろん、レストランで食事をする場合も、浴衣や作務衣(パジャマ以外)のままで大丈夫。気軽に心地よい状態で味わってほしいという心配りがうれしいですね。
旅先の枕が自分に合うか心配という人も、ご安心を。「中の坊 瑞苑」では全室、自分好みの枕を選ぶことができます。種類は羽、そば枕(大・小)、半そば、パイプ、NASA開発の低反発素材の全5種類。客室内に置いてあるシートに選んだ枕を記入し、食事の時に宿のスタッフの方に渡せば、後で部屋に持ってきてくれます。実際に触って選びたい場合は、大浴場前にまとめて置いてあるので、じっくり選べますよ。
「孔雀」の洗面所には、真珠で有名な株式会社ミキモトが手掛けるローションや美容液、クレンジングが置いてあります。そのほか、ロクシタンのソープ、シャンプーなども。
露天風呂の手前にはシャワールームも付いており、シャンプーなどのアメニティも完備。こちらも、ミキモトが手掛けるコスメブランドのノンシリコンヘアケア&ボディケアアイテムです。
「孔雀」の露天風呂は金泉。丸い湯舟は1人サイズで、プライベート感満点です。夜になると外の空気が肌に心地よく、視界は夜に浮かぶ灯りと金泉の茶色、そこから立ちのぼる湯気だけ。滞在中、好きな時に好きなだけ楽しめる露天風呂のぜいたくさは格別です。
金泉は特に保温効果が高く、体はほっかほか、肌はつるつる。風呂三昧で心行くまで有馬の湯を楽しめるでしょう。
お部屋にはお茶請けも用意されていました。宿オリジナルの和菓子「万葉」とミニたんさんせんべいです。万葉はユズの風味が広がるこしあんのお菓子。口の中でほろほろとろけてお茶によく合います。
また、有馬温泉のお土産と言えば、温泉から湧き出る炭酸泉を使ったさくさく香ばしい「炭酸せんべい」。こちらのミニタイプには卵をたっぷり加えてあり、まろやかな風味がたまりません。どちらも1階のお土産売場で購入可能です。
お部屋にはエスプレッソマシーンもあり、ゆっくりお茶の時間を楽しめます。また、冷蔵庫の中には無料のドリンクが入っており、お茶や水などのほか、保存料・着色料など不使用の100%スムージーも2種類。どちらも濃厚なとろみとたっぷりの果汁が口いっぱいに広がり、大満足でした!
特別な日におすすめ!金泉、銀泉の露天風呂を備えた貴賓室「和光」
「人生を共にする宿としてお客様の特別な時間をこの場所で」という思いから、2017年のリニューアルで新たに生まれた客室が、金泉銀泉露天付きの貴賓室「和光」です。
以前は会議室だった120平米の空間が、和室10畳 にリビング 、 ツインベッドルーム、 さらに2つの露天風呂が付いた、ゆったりしたスイートルームに生まれ変わりました。
リビングにある上質なオリジナルソファも注目ですが、なんといっても眺望が最高です。大きな窓とそこから見える庭園の木々の緑は、まるで1枚の絵画のよう。
部屋のいちばん奥に、金泉と銀泉を両方楽しめる露天風呂があります。一度に両方の湯を楽しめる客室はここだけ。緑いっぱいの景色とともに思う存分くつろげます。
リビングの隣にあるのが10畳の和室。畳に寝っ転がってくつろげるので、年配の方もゆっくり過ごせそうです。
和室の奥にあるのがキングサイズのベッドが2つ並んだベッドルーム。「和光」の定員は6名で、ベッドは一つで2名使えるサイズです。アースカラーで統一された空間はとても落ち着きます。
「和光」のこだわりはハンガーにも。ウォークインクロ―ゼットに足を踏み入れたとき、しっかりとした木製のハンガーを見つけました。
これは、国内唯一の木製ハンガーメーカー「NAKATA HANGER」のもの。兵庫県豊岡市にある自社工場で、職人が1本1本作り出す「用の美」を備えたハンガーです。なめらかな手触りでずっしりとした重みのハンガーは、貴賓室に泊まる人々の洋服のシルエットをしっかり保ってくれます。
「中の坊 瑞苑」は全50室で、露天風呂付きでない和室や洋室のタイプもあります。
こちらは、数寄屋造り和室10畳タイプの「井筒」。窓際にはソファが置いてあります。角部屋で2つの大きな窓があり、一方からは樹々の緑が、もう一方からは温泉街が一望できます。
宿の入り口で草履が温められているのを見て驚きましたが、客室にも同様の心遣いが。なんと、浴衣などのルームウエアが専用の箱の中で温められています(冬期のみ)。徹底したおもてなしに感動した一瞬です。
2つの大浴場と2つの貸切風呂でさらに温泉を満喫!
「中の坊 瑞苑」の大浴場は「瑞泉」と「爽泉」の2つあり、ともに13:30から利用可能です。チェックインは14:00~なので、お部屋に入って着替えたら、早々と温泉を楽しむことができるのも大きなポイント。夜間に男湯・女湯が入れ替わるので、どちらの大浴場も楽しめます。
1300年の歴史を誇る有馬温泉で、「中の坊 瑞苑」の金泉は宿から徒歩すぐのところにある「天神源泉」のもの。98度と温度が高い源泉のため、湯舟の湯も少し熱めです。
こちら「瑞泉」は広々とした内湯のほか、外には露天風呂も付いています。小さな中低温サウナもあるので、心身ともにスッキリできます。
こちらが内湯の金泉。肌にとろりと張り付くようななめらかなお湯で、体がぽかぽかになります。
内湯から少し離れた所にある露天風呂は、庭園の木々が御簾の間から見える風情豊かな空間。石造りの湯舟にはたっぷりと金泉がたゆたっています。外からのひんやりとした風が心地よく、灯りがぼんやり灯る夜にはさらに風情が増してきます。
もう一つの大浴場「爽泉」には大きな湯舟の金泉のほか、腰や肩をほぐす本格的なジェットバスもあり、まるでスパ感覚。「瑞泉」とは少し違った、ラグジュアリーな空間です。
さらに、「爽泉」にはミストサウナも。ガラス張りの室内に入ったその瞬間、細やかな水滴に全身が包まれ、お湯に入るのとはまた別の心地よさを感じました。
大浴場に置かれたアメニティも、ミキモトが手掛けたスキンケアコスメなど。ほかに、宮内庁御用達の香水「久邇香水(くにこうすい)」の職人が花梨(かりん)の種で作った保湿化粧水「花梨の化粧水」もあります。
バスタオルとハンドタオルは、やわらかいタイプと吸水の良いタイプの2種が用意され、自由に使ってOK。さらにヘアドライヤーには、髪を熱から守る人気の美容ブランド「リファ」のドライヤーを導入。湯上り後のヘアケアにも心配りが行き届いていました。
温まった体で大浴場を出ると、ビールや冷たいお茶、温かい梅昆布茶などフリードリンクが用意されていました。中でも、甘酸っぱくスッキリした味わいのマスカット酢が、とてもおいしかったです!
大浴場「瑞苑」「爽泉」
- 利用時間
- 13:30〜24:00、5:30〜12:00 ※夜間に男湯と女湯を入れ替え
もっとプライベートに温泉を楽しみたい人には貸切風呂がおすすめ。
貸切家族風呂「寿泉」(有料)では、金泉を存分に楽しむことができます。沸かし湯の湯舟は大きく、洗い場も広いので家族数人でゆっくり使えそうです(タオルは備え付けあり)。
貸切家族風呂「寿泉」
- 利用時間
- 6:30〜22:30
- 料金
- 予約制 1時間2,200円
無料の貸切露天風呂もあります。お湯は銀泉(ラドン泉)で予約は必要なし。空いていれば即入浴可能なので、宿泊している間に複数回利用する人も多いのだそう(タオルは部屋から要持参)。
貸切露天風呂
- 利用時間
- 6:30〜22:00
- 料金
- 無料
目や耳でも味わう!黒毛和牛や鮮魚、旬の野菜を鉄板会席で!
有馬温泉は南に淡路、瀬戸内、北に丹波の山里と日本海があり、1年中おいしいものがそろう場所。「中の坊 瑞苑」では神戸牛や三田牛などの国産和牛をはじめ、旬の食材を使った料理が味わえます。
この日の夕食は、五感で楽しむ「食」を提案する「シェフズルーム」で鉄板会席をいただきました。
高級食材と地元の旬野菜を存分に生かした料理が続々と登場するのが、シェフズルームの鉄板会席です。
まず旬彩として最初に登場したのは、芹と蟹のお浸し。芹のシャキシャキした歯ごたえがたまりません。
次は、黒毛和牛の炙り寿司。やわらかな肉の旨味と酢飯からでるお米の甘味が口の中に広がります。肉の上には、なんと米粉で練った塩が! これが肉の旨味をしっかり引き出して、おいしさが増してきます。
続いて、熱々の石焼鍋が運ばれてきたと思ったら、シェフが上からダシを注いてくれます。その瞬間、ジュッと弾ける音が広がりました。まさに、耳でも感じるおいしさです。
具材は、ホタテ、牡丹海老、金時ニンジン、ネギ、落花生など。その下には、緑色の菊菜豆腐が。これは、春菊を混ぜて練った胡麻豆腐を焼いたもので、さわやかな風味と苦みがダシによく合います。
続いてはお造りで、この日はカワハギ、炙りサワラ、アオリイカ。カワハギは肝も一緒に味わいます。
魚のおいしさを引き立ててくれるのが、金胡麻油や炭塩です。特にサワラは金胡麻油と炭塩を合わせたものにつけて食べると、たんぱくな身からまったりとした旨味が引き出されます。
ざらりとした食感のカワハギは、ちょっと甘めの醤油で。肝がとろけだし、ほかとはまた違った味わいに。ねっとりとした身のアオリイカも炭塩入りの金胡麻油によって、より甘味が増します。
椀物で舌を整えたら、お待ちかねの肉料理の登場。黒毛和牛のフィレ肉を、シェフが目の前で丁寧に焼きあげてくれます。
肉と一緒に味わってほしいのが、宿オリジナルの「にんにく昆布」。この「にんにく昆布」をお肉にまぶして口へ運ぶと… 肉と昆布の旨味にカリッとしたニンニクの風味と歯ごたえが加わり、おいしさが倍増。相性抜群です! 塩やレモン、わさびも添えられていて、いろいろな味で最後まで飽きずに食べられます。
赤大根やマッシュルーム、小松菜などの蒸し野菜は、キッチンの中央にある大きな蒸し釜で調理された出来立て。熱々を濃厚なドレッシングで味わいます。
ご飯はイカとキノコのごはん。お米は但馬産のコシヒカリを使っています。しっかりとしたイカの風味とダシが染み込んだご飯は、何杯でもいけちゃいます。
デザートは、目の前で液体窒素を使ってリンゴのシャーベットを。これもまた、五感で味わう料理の仕掛けですね。
「シェフズルーム」のほかにも、部屋食、個室ダイニング、和食レストラン「旬彩 猪名野」と食事場所があり、それぞれでさまざまなメニューが楽しめます(料理内容は季節により変わります)。
夕食を食べ終わったら、ラウンジ「里楽」でくつろぐのもいいですね。窓辺からは庭園が見渡せる癒しの空間です。
ここにあるコーヒーや紅茶、ジュースなどのドリンクのほか、クッキーなどはすべて無料(セルフサービス)。オーガニックジンジャーピーチティーなどのフレーバーティーもあります。昼間に庭を探索した後やモーニングコーヒーなど、滞在中は何度でも使えるので、ぜひご活用を。
ラウンジ「里楽」
- 営業時間
- 宿泊当日/13:00~17:00、20:00~23:00 宿泊翌日/8:00~12:00
和食か洋食を選べる朝食もボリューム満点
温泉で疲れを癒し、しっかり眠って目が覚めたら、あっと言う間に朝食の時間です。朝も夕食と同じく「シェフズルーム」で。洋食と和食が選べますが、今回は和食をカウンターでいただきました。
牛肉のすき焼き、野菜の炊き合わせなど小鉢のほか、黒豆を使った湯葉やだし巻き玉子など、朝から充実の品数。ちなみに、部屋食・個室ダイニングでは、卵料理はだし巻き玉子、温泉玉子、茶わん蒸しから選べます。
焼き魚はサケかカレイのどちらかを選べますが、それに加えて炙り魚も付いてきます。シェフが炙ってくれるカウンターでは1品、自分で炙る個室では2品提供されます。この日の個室の炙り魚は、ハタハタとフグでした。
特に印象に残ったのが、薬膳豆腐。体に染み入るようなダシのおいしさが格別で、 プルプルのきくらげ、クコの弾力、松の実のコリッとした歯ごたえに、とろけるお豆腐…多彩な食感と凝縮した薬膳の旨味に、体が一気に目覚めていくのを感じます。
洋食を選んだ場合はこちら。ベーコンやソーセージ、ヨーグルト、野菜スープ、サラダのほか、スクランブルエッグなどが並びます。スクランブルエッグは目玉焼きに変更可能です。
食パンは地元のベーカリーへ毎朝買いに行っているそう。ミルク、トマト、ミカンジュースと、ドリンクが3種類あるのもうれしいですね。
お腹がいっぱいになったら、ロビーの横にあるお土産売場をチェック。有馬の名産品や人気の炭酸せんべい、お部屋にあったお茶請けやスキンケアコスメを買うことができます。夕食に出てきた「にんにく昆布」のほか、オリジナルの日本酒や、赤ワインでじっくり漬け込んだ「ワインらっきょう」なども売れ筋だそう。
「中の坊 瑞苑」のチェックアウトは12:00。ゆっくり買い物をして、その後に荷造りをしても余裕をもってチェックアウトできました。
チェックアウト後は温泉街を散策し、和カフェ「猪名野茶房」で一服
くつろぎの宿を堪能した後は、温泉街を散策。お土産屋さんや雑貨店、カフェなど個性あふれる小さな店が風情ある街の中に点在しています。有馬川の真ん中には、川のそばまで下りることができる「有馬川親水公園」も。さわやかな水辺を歩いてみるのも良いですね。
歩き疲れたら、「中の坊 瑞苑」1階にある「猪名野茶房」でティータイムを。茶鑑定士最高位が監修したオリジナルの日本茶と、素材にこだわった甘味が味わえる和カフェです。
日本茶は玉露やほうじ茶などがあり、二煎目、三煎目と変化する味わいが楽しめます。
甘味は、特につるんとしたやわらかなのど越しの「本生わらび餅」(1,200円)が大人気。こちらも注文後に練り上げるので出来立てが味わえます。和三盆シロップときな粉を付けると、コクと甘みに香ばしさが加わり、絶品です。
さらに、お腹が空いている人には「おにぎり(出汁巻き玉子、味噌汁付)」(1,200円)もおすすめ。
岐阜県の皇室献上米「飛騨産の銀の朏(みかづき)」で作ったおにぎりです。具は昆布の有馬煮や金泉梅など6種から3種選べ、今回はちりめん山椒、めんたいこ、肉みそをチョイスしました。お米のおいしさに加えて具材も選べ、人気があるのも納得です。
猪名野茶房
- 営業時間
- 11:00〜17:30(LO 17:00)
- 定休日
- 水曜日 ※祝日の場合は翌営業日が休みの場合あり
春は桜、秋は紅葉が美しい山間の温泉地・有馬。「中の坊 瑞苑」は13歳未満は利用できませんが、それは、大人の上質な空間を楽しんでほしいという思いから。一泊二日で感じたおもてなしとくつろぎは、さまざまな人生の節目や家族の記念日にぜひ泊まりたいと思わせてくれる、心づくしの宿でした。
有馬温泉 中の坊 瑞苑
- 住所
- 兵庫県神戸市北区有馬町808
- アクセス
- 【電車】神戸電鉄「有馬温泉」駅より徒歩約5分
- 客室数
- 50室
- 駐車場
- 30台(無料)
- チェックイン
- 14:00
- チェックアウト
- 12:00
取材・文/田村のりこ