良い縁に恵まれたい!そんなときに参拝したくなるのが、「出雲大社」。旧暦10月、神在月には全国の神々が出雲大社に集結し、それぞれの氏子さんの縁組の相談をする…ということで、全国屈指の縁結びのご利益があると人気の神社です。また出雲大社は「玉造温泉」とあわせて訪れるのもおすすめです。
そんな出雲大社の参拝ですが、せっかく参拝するなら、しっかりとご利益をいただきたいですよね。そこで、ご利益を授かる参拝法をご紹介します。
目次
出雲大社には4つの鳥居があるということをご存知ですか。出雲エリアは車での移動が便利なため、最近ではレンタカーを利用する方も多く、鳥居をショートカットしてしまうこともあるのではないでしょうか。
ショートカットしがちな「一の鳥居」。レンタカーで訪れる場合も、車を降りて少し戻り、一の鳥居からしっかりと参拝することでご利益を授かりましょう。
出雲大社への参拝では、4つの鳥居をしっかりとくぐって参拝するのがよいとされています。鳥居は、現世と神域とを隔てる門と言われています。出雲大社は格式高い神社ですので、鳥居をしっかりとくぐることで、身を清めて神域へと入りましょう。
出雲大社「二の鳥居」へ。二の鳥居近くのエリアは「勢溜(せいだまり)」と呼ばれています。
勢溜から御本殿まで続く参道は、坂を下る珍しい造りになっています。かつて山だったことから、このような下り参道になっているのだそう。参道沿いには木々が茂り、とても気持ちがよいですよ。
下り参道の中ほどにある、「祓社(はらえのやしろ)」に参拝を。本殿参拝前に、心身を清めるために参拝するお社なのです。祓社は出雲大社の神域内にあるので、正式な参拝方法は「二礼四拍手一礼」。一般的な神社の参拝作法とは異なるのでご注意を。
四の鳥居をくぐったら、出雲大社の拝殿に参拝をしましょう。出雲大社の主祭神は、大国主命(おくにぬしのみこと)。出雲の国から日本全土を見守る神といわれています。
御本殿は、1952年に国宝に指定された建物。御本殿内は聖域のため、参拝客は入ることはできません。
御本殿前では、足元に目を向けてみてください。石畳に描かれているのは、かつての出雲大社の本殿の宇豆柱が出土した場所。こんなに大きな心柱で、かつての巨大な本殿を支えていたのですね。
出雲大社の境内には、摂社末社が多数あります。御本殿の東西には「十九社(じゅうくしゃ)」と呼ばれる社があります。十九社は、いわば神々のホテル。神在月に出雲大社に集まった神々が滞在するお部屋なのです。そのため、神在祭期間中には各扉が開けられます。
出雲大社境内の最奥にある社「素鵞社(そがのやしろ)」。実はこの素鵞社があるエリアが、出雲大社でも最大級のパワースポットと言われています。御祭神は天照大神の弟神で大国主大神の親神でもある、八岐大蛇(やまたのおろち)退治で有名な「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」。
素鵞社へ参拝したら、裏手へ回ります。出雲大社参拝前に訪れると良いといわれる「稲佐の浜」。そこで集めた砂をこの場所にある砂箱に入れて、代わりにその砂箱にある砂を集めて持ち帰ります。この砂は、家を建てる時の地鎮祭などにも使われる砂で、持ち帰った砂を自宅の周りに撒いたりすることで、厄除けになるといわれています。
そして、素鵞の裏手にある岩場が出雲大社でも最大級のパワースポット。出雲大社のすぐ裏にある「八雲山」は神々が住み、力が宿る神聖なエリアで、聖域として立ち入り禁止になっています。そんな八雲山の山肌に唯一触れることができるのが、素鵞社の裏手の岩場なのです。
また、出雲大社では一般の人は本殿に入ることはできず、瑞垣の外側からの参拝になります。素鵞社は本殿の真裏にあるのですが、本殿にもっとも近づけるのが素鵞社側なのです。本殿にもっとも近い場所で、もう一度参拝をしましょう。
見逃してしまいがちなのが、ご本殿の西側にあるのが、こちらのちいさな「拝礼所」。出雲大社の御本殿は南向きに作られていますが、御祭神・大国主命の御神座は西を向いているのです。そのため、古くより参拝の最後には、御神座正面にあたるこちらの拝礼所から再度参拝をするのが正式な参拝方法とされています。
出雲大社と聞いて最初に思い浮かべる大注連縄が印象的な社は「神楽殿」。実は、本殿ではないのです。正面の大注連縄は、長さが約13メートル、重さは約4.5トンと言われていて、現在の注連縄は2018年7月にかけ替えられたばかりのもの。
本来は千家国造家の大広間として使用されていた施設で、現在は御祈祷や結婚式をはじめ様々な行事が行われる神楽殿として使用されています。
出雲大社の祭祀を担うのは、「天穂日命(あめのほひのみこと)」の子孫・出雲国造(いずものくにのみやつこ)家。出雲国造家には千家家と北島家があり、現在は千家家が出雲大社の宮司を担い、北島家が出雲大社と隣り合う「出雲大社北島国造館」を置いて出雲大社を護っています。
そんな出雲教の御神徳は、だいこくさまとして親しまれる「大国主命」。こちらも縁結びの神様でもあるのです。
北島国造館の庭園にあるのが、心字池と池にかかる「亀の尾の滝」です。
清めの御砂は、自宅などの土地を清めるための砂。土地の四方に撒き、最後に入口または中央に撒くことで、その土地を清めることができます。気持ちをリセットさせたいときにもよさそうです。
出雲大社の参道には、約100ものお店が軒を連ねています。出雲大社参拝後には、ぜひ足を延ばしてみてくださいね。
出雲のグルメスポットその1
ランチはここでしか食べられない「うず煮」を
出雲グルメと言えば出雲そばが有名ですが、よりご利益アップを願うならぜひ立ち寄っていただきたいのが「看雲楼(かんうんろう)」。明治15年創業の歴史ある割烹料理店です。
うず煮膳 2,700円(税込)
看雲楼でぜひいただきたいのが、「うず煮」。フグで取った出汁にくずを溶きとろみをつけた餡。そこにフグの身と野菜を入れて、上にご飯とたっぷりの海苔、わさびが乗せられた椀物です。あんにうずめて食べることから、うず煮と呼ばれています。
実はうず煮は、千家家に伝わる伝統的なお料理。地元の方が出雲大社でご奉仕をしたときにふるまわれる、特別なお料理なのです。看雲楼の初代料理長が出雲大社の大台所で調理したのがその始まりとされています。出雲エリアでも食べられるのは、ここ看雲楼のみと言われているうず煮を食べれば、よりご利益アップが期待できそう。
看雲楼(かんうんろう)
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築東489-1
- 営業時間
- 11:30~14:00、17:30~21:00(L.O.20:00)
- 定休日
- 不定休
出雲のグルメスポットその2
出雲発祥「ぜんざい」も忘れずに
出雲は「ぜんざい」発祥の地と言われています。「神在月」にふるまわれたお餅「神在(じんざい)もち」が起源とされているのです。そんな歴史もあってか、出雲大社の参道にはぜんざいの専門店が多数連ねているのです。また、出雲のぜんざいには紅白のお餅が入っているお店も多く、縁結びスイーツとしても人気があります。
まこもぜんざい 800円(税込)、出雲ぜんざい 600円(税込)
出雲大社勢溜前ご縁横丁にある「出雲ぜんざい餅」茶屋では、定番の出雲ぜんざいの他、季節限定のぜんざいも食べられます。
ぜんざい餅 3ケ入り400円(税込)、5ケ入り660円(税込)
お土産には、レトルトタイプの「出雲ぜんざい」やぜんざいをお餅にした「出雲ぜんざい餅」がおすすめです。
出雲ぜんざい餅
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築南840-1
- 営業時間
- 3月~11月:8:30~18:00、12月~2月:9:00~17:00
- 定休日
- 無休
出雲のグルメスポットその3
新しい出雲スイーツ「出雲チョコレート」
出雲のスイーツといえばやはりぜんざいが有名ですが、最近人気になりつつあるのが、2017年にオープンした「okinogami blue cacao's」出雲チョコレート工場。
古民家を改装したチョコレート専門店で、店内でカカオ豆からチョコレートになるまでの工程をすべて行っています。
板チョコ 850円(税別)
ビーントゥバーのチョコレートは、産地ごとに作られています。甘味のほとんどないものもありますよ。
冷しチョコレート 600円(税別)
カフェでおすすめなのが、チョコレートドリンク。「冷やしチョコレート」は苦みと甘さのバランスが絶妙で、街歩きにもおすすめです。
okinogami blue cacao's
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築南765-1
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 無休
参拝前に訪れたいスポットその1
神聖な砂に触れよう「稲佐の浜」
出雲大社参拝の前に、訪れてほしい場所の一つが、「稲佐の浜」。神在月に全国各地の神々が降り立つのが、この稲佐の浜だと言われています。神々はこの稲佐の浜から、神迎(かみむかえ)の道を通って出雲大社へと進むのだそう。
そんな稲佐の浜を出雲大社への参拝前に訪れたら、砂浜の砂を拾ってください。小さな袋などを持参しておくと便利ですよ。こちらの砂を出雲大社参拝時に持参することで、厄除のお守りになるといわれています。
夕日の美しさと夕日にまつわるストーリー「日が沈む聖地出雲」が、2017年に日本遺産に認定されました。稲佐の浜は、そんな夕日がとても美しいスポットの一つでもあります。その日の空の状態によって、さまざまな風景を描き出します。
参拝前に訪れたいスポットその2
塩専門店「出雲かみしお」
冒頭にて、4つの鳥居と祓社を参拝することで、ご利益アップが期待できるとご紹介しました。更なるご利益アップを期待するなら、合わせてぜひ実践していただきたいのが塩でのお清め。かつては川や海で身を清めてから参拝するのが正式な参拝方法でしたが、現在ではそれは難しいですね…。そこでおすすめなのが、塩で清める方法です。
参道沿いにあるこちらの「出雲かみしお」では、神々が降り立つ稲佐の浜でくみ上げた海水を3日間かけて専用の窯でじっくりと炊き上げ、丁寧に作られる「日本一縁起の良い」塩を専門に取り扱っています。
「出雲かみしお」の店頭では、出雲大社参拝前に利用したい「神塩」を求めることができます。1パック100円で、細かな粒のお塩と、食べるダイヤモンド塩とが合わせて入っています。細かなお塩は体に振りかけて体の外側を清めるため、ダイヤモンド塩は口にすれば体の内側から清めるためのもの。ぜひお塩で身を清めてから出雲大社に参拝してくださいね。
清潔感のある店内には、様々なお塩が並びます。
神迎の塩 各900円(税抜)
おすすめなのが、食用のお塩「神迎の塩」。紙管タイプは50g入りで全6色のやさしい色合いのパッケージなので、キッチンに置いておいてもかわいいですよ。お料理などに使うことももちろんできるのですが、毎日出かける前にひとつまみずつ取り入れることで、出雲大社のご利益を授かることができそう。
神塩のコルク瓶 各1,300円(税抜)
「神塩コルク瓶」は、神迎の塩と天然石を小瓶に詰めたアクセサリータイプ。全9色あり、天然石の種類や好みの色味で選ぶお守りです。デスクの上などに置いておくのもかわいらしいですね。専用のストラップをつけるのもおすすめです。一番人気は鮮やかな水色がかわいらしい「アマゾナイト」だそう。
幸運のうさぎ 各650円(税抜)
おみやげにおすすめなのが、「幸運のうさぎ」。稲佐の浜の海水と、島根産のゼオライトという鉱物を混ぜて作ったうさぎの置物。ここにしかない品を、ぜひお土産にしてください。
出雲かみしお
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築南838‐6
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 無休
参拝前に訪問したいスポットその3
「古代出雲歴史博物館」
出雲大社参拝前に訪問してほしいスポットの一つが、「古代出雲歴史博物館」。出雲大社や島根県に関する歴史や文化を知ることができる博物館です。
館内には、出雲で出土した国宝の銅剣や銅鐸の実物がずらりと展示されています。特に、358本もの銅剣がずらりと並べられている展示は圧巻です。
古代出雲歴史博物館には、かつての出雲大社の本殿を1/10サイズで再現した模型もあります。そして博物館の庭には、まっすぐに伸びる道があるのです。かつての出雲大社の本殿までの階段と同じ長さとされる約100メートルの長さになっているので、かつての本殿を想像してみると、いかに巨大だったかがわかりますね。
古代出雲歴史博物館
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築東99-4 (出雲大社東隣)
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 毎月第3火曜日
ここもおすすめ!その1
出雲大社と同じ稲穂で特別なしめ縄を作ろう
そして出雲へ訪れた際にぜひチャレンジしてほしいのが、「しめ縄つくり体験工房 縁恋ぷろじぇくと~縁よ恋、来いぷろじぇくと~」でのしめ縄づくり。出雲大社の大注連縄には、島根県南部にある飯南町で特別に栽培されている、「赤穂もち」という品種の稲穂が使われています。出雲大社の大注連縄は、そんな飯南町の稲穂を乾燥させ、約4カ月もかけて作られています。
こちらでは、出雲大社の大注連縄に使われるものと同じ飯南町の稲穂を特別に仕入れていて、その稲穂でしめ縄をつくることができるのです。
しめ縄づくりを体験できる施設は全国にいくつもありますが、出雲大社と同じ稲穂でしめ縄を作ることができるのはここだけ。青々とした美しい稲穂は、とてもいい香りがして癒されます。稲穂をよりながら、縄をつくっていきます。
しめ縄つくり体験は2,000円から。見本から作りたいイメージのものを選び、作っていきます。
しめ縄つくり体験 2,000円~(税込)
作成時間は、約20分。組みひもなどの飾りをつけたらできあがり。ここでしか作れないしめ縄をつくって持ち帰ることで、ご利益をよりアップさせられそう。
しめ縄つくり体験工房 縁恋ぷろじぇくと~縁よ恋、来いぷろじぇくと~
- 住所
- 島根県出雲市大社町杵築南840-1
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 不定休
ここもおすすめ!その2
レトロかわいい一畑電車「出雲大社駅」
陽が落ちた後の出雲大社駅は、日暮れ後にも楽しめる撮影スポットの一つ。日中もかわいらしいですが、日暮れ後にはステンドグラスがより美しいのです。
しっかりと参拝して、より縁結びのご利益を授かろう
縁結びのご利益をよりアップさせる出雲大社参拝の方法と、出雲大社周辺のおすすめスポットをご紹介しました。出雲大社で神在月に行われる神々の縁結びは、それぞれの氏子同氏の縁結びをするというもの。そこで、出雲大社参拝の前には、自分が住んでいるエリアの氏神様に参拝しておくとよいとされています。ご紹介した参拝方法を参考に、出雲大社参拝のご利益をしっかり授かってくださいね。
取材・撮影・文/河合理恵
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