惜しまれながら閉館した「箱根ホテル小涌園」が、約5年半の休業を経て、2023年7月12日にグランドオープン。キッズフレンドリーな気配りいっぱいの温泉宿に生まれ変わりました。
ここは、子どもがのびのび遊べる広いお庭、思わずテンションが上がるビュッフェレストラン、天空の絶景露天風呂などをそなえた宿。また滞在中は、日帰り温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」が無料で何度でも入り放題です。
今回は1泊2日で、こんなにも楽しめるの？と驚く、至れり尽くせりの旅をご紹介します。
アクセス便利な箱根の山並みに囲まれた温泉宿
「箱根ホテル小涌園」へは、新宿駅から特急ロマンスカーとバスを乗り継ぎ、約2時間。車でも東京から約2時間と近く、子どもたちがドライブ気分で楽しく移動できる距離にあります。
宿の周囲は、凛としたそよ風が吹く、標高約600mの小涌谷地区。青々とした山の緑、心地いい川のせせらぎ、鳥のさえずりが響き渡る自然豊かな場所に「箱根ホテル小涌園」はあります。
自動チェックイン機でらくらくイン
チェックインとチェックアウトは、専用の機械で行います。タッチパネルだから、操作は簡単。機械が苦手……という人も、スタッフさんがサポートしてくれるから、ストレスなく進められます。
セルフチェックイン機の近くには、有人カウンターもあります。たとえば部屋数が多い団体旅行の場合、セルフチェックインだと時間がかかってしまうことも。そんなとき、有人カウンターなら、すぐに対応してもらえて便利です。
さらに「箱根ホテル小涌園」では、フロント横に自動手荷物預け機を導入しており、チェックイン前やチェックアウト後に荷物を預けられます。こちらも、使い方はシンプル。手持ちの交通系ICカードもしくは、スマホでQRコードを読み取り、画面の指示に従うだけ。
ここでお兄ちゃんが、自動荷物預けにトライ！ママに見守られながら、大きなキャリーケースを「よいしょ」と言いながら持ち上げ、BOXの中へ。初めて見る機械を前に「すごい、すごい！」と楽しそう。
ロビーで感動の絶景に包まれる
ロビーの奥には、壁一面の大きな窓が。その窓に吸い寄せられるように進むと、山がぐっと近くなり、自然の癒しもたっぷり。鮮やかな緑の景色が、まるで絵画のようです。
木製の太い柱は、県産材の廃材だった杉の木を再利用したもの。聞けば、大工さんがこの場で木材の1本1本にカンナをかけ、加工を施したのだとか。5階から見下ろすと、石畳をイメージしたロビーフロア、杉並木のような木の手すりが続き、視線の先には富士山や芦ノ湖も。まるで箱根旧街道へトリップしたような、非日常を味わえます。
さらにロビーには、ドリンクコーナーがあり、セルフでコーヒーや紅茶、お茶が飲み放題に。ママとパパは無料のコーヒーをいただきながら、ほっとひと息。家族みんなで、この感動の景色を目に焼き付けます。
緑いっぱいの広大なお庭で遊ぼう
子どもにとって、思いっきり体を動かせる外あそびの時間は、大切な時間。「箱根ホテル小涌園」には、箱根の自然を感じられる広い庭園があります。
ふかふかの芝生は、子どもたちが駆け回るのにぴったりな場所。寝転んだり、側転をしたり。開放感たっぷりで、思わず全力疾走です！
開放感いっぱいの庭園で、外あそびを満喫。ここに来たら、あれをしなきゃ、これをしなきゃと追われることもありません。子どもと向き合い、ふれあいの時間をたっぷり持つことができます。
子ども目線を大切にしたシンプルで居心地のよい客室
たくさん遊んだ後は、お部屋でひと休み。全150室の客室は、自分の部屋が見つけやすいように、子ども目線に合わせて、部屋番号のプレートが低い位置に取り付けられています。自分の部屋を見つけた瞬間、「あった、あった～！」と興奮気味の子どもたち。
スタンダードルーム Type-A
客室は全6種類のバラエティ豊かなラインナップ。ダブルサイズのベッドが2台並んだ「スタンダードルーム Type-A」なら、パパ・ママ、小さいお子さん2人、みんなで一緒に寝ても充分な広さ。靴を脱ぐタイプのお部屋だから、子どもたちが床に寝転んでも安心です。
客室は窓が大きく、自然光がたっぷりと入るレイアウト。ベッド越しに広がる緑に癒やされながら、リラックスできます。
洗面所には、照明付き拡大ミラーが用意されています。アメニティは、必要なものだけをそろえたシンプルなスタイル。地球にやさしい天然竹の歯ブラシ以外は、館内のアメニティ販売用自販機や小涌園内にあるコンビニで買うことができます。
女性にうれしい基礎化粧品やコットンセットについては、大浴場に用意されているので、困ることはありません。
スタンダードルーム Type-B
ダブルサイズのベッド1台、シングルサイズのベッド1台がある「スタンダードルーム Type-B」は最大4名まで宿泊可能なお部屋。小学生のお子さんがいるファミリーやグループ旅行でゆったりと滞在できます。（※利用人数に合わせて追加ベッド1台手配可能）
カジュアルツインルーム
宿泊費を抑えたい方は、ミニマルで機能性を追求した「カジュアルツインルーム」がおすすめです。コンパクトな分だけ、すぐ近くに緑を感じられます。
箱根の山並みを見渡せる絶景大浴場
さて、お部屋でひと息ついたら、お楽しみの温泉タイム。タオルを持って、最上階にある大浴場へ向かいます。大浴場は2カ所あって、男女入替え制。時間を変えて、それぞれの魅力に浸れます。
こちらの露天風呂は、目の前に箱根外輪山が広がり、爽快感抜群。子どもも大人も心を踊らせる、大パノラマに感動です。露天風呂の一角には、ゴロンと寝て、空と山を眺められる寝湯のスペースも。
さらに露天風呂の横には、小さな壺風呂があります。泉質は、pH7.4のナトリウム－塩化物泉。敷地内から汲み上げた源泉を大浴場や貸切風呂へ注いでいます。やわらかな湯は、天然の保湿成分「メタケイ酸」を121mg/kgと多く含み、肌がすべすべする浴感。保温＆保湿効果が高く、湯上がり後の肌がしっとりぽかぽかになるといわれています。
またこの温泉は、刺激が弱く、安心して子どもを入れられる子ども向きの泉質。お子さんと一緒に入って、お肌すべすべつるつるになりましょう。
もう一つの露天風呂は、毎年8月16日に開催される「箱根強羅夏まつり」の「大文字」を、眺められる贅沢なロケーション。お風呂好きのお子さんなら、きっと大興奮することでしょう。
サウナは、県産材のヒノキを使用した上質な空間。サウナ愛好家なら、露天風呂で体を温めて、ヒノキ香るサウナ、水風呂の流れで、ととのう快感を楽しんで。
そして、1年の四季をさらに7つに分けた「七節気（しちせっき）」の考えを取り入れた、7室の貸切風呂を併設（予約制／有料）。それぞれに「すすき」「つつじ」など、箱根の季節の表情をあらわす美しい名前がつけられています。
温泉があるフロアで、こんなすてきなスペースも見つけました。ふとしたところでも絶景に出会えるのが、この宿の大きな魅力。
夏は屋外プールもオープン
温泉も良いけど、夏は親子で思いっきり楽しめる屋外プールもおすすめ。7月15日からは、夏季限定でホテルの屋外プールがオープンします。プールサイドにはパラソルとゆったり座れるチェアを完備。子どもたちは、水遊びができるスポットで思いっきり遊び尽くせます。
ライブ感を楽しむビュッフェスタイルの夕食
食事は、朝夕ともに選ぶ楽しみがあるビュッフェスタイル。窓から外の光が差し込む明るいビュッフェレストランでいただきます。
ビュッフェ台の一部は、子どもが取りやすい高さのキッズコーナーになっていて、子どもに人気の焼きそばやタコさんウインナー、フライドポテトなどがずらり。そのまま食べても良し、好きな具材を選んでオリジナルのコッペパンサンドを作るのも良し。子どもたちは目を輝かせながら、「何を取ろうかな～？」とワクワクが止まりません。
またキッズコーナーには、赤ちゃん連れにうれしい、袋詰めの離乳食も用意されています。
ビュッフェは和洋中約60種類以上のメニューが取りそろえられており、圧巻の一言。なかでもうれしいのは、焼き立て、揚げたてを楽しめるライブキッチンコーナーです。名物の国産牛ステーキを注文すると、お肉にブランデーを注いでフランベ。ボワッと炎が高く上がり、ライブ感満載です。
そして驚くべきは、このブイヤベース。おでん鍋の中には、エビやトマト、ムール貝などが並び、好きな具材を選べる見た目にも楽しい逸品になっています。魚介のうまみたっぷりのスープがとてもおいしい！自家製パンに浸しながらいただくと、よりおいしく感じられます。
焼きたてのピザは2種類あり、お子さんも飽きることなく、お腹いっぱい食べられます。「ぼく、ピザが一番好き！」そう言って、走り寄るお兄ちゃん。焼き上がるピザ生地の変化に「わあ、すごい！」と釘付けです。
創業当初から人気だった名物の「小涌園ラーメン」も、ビュッフェのメニューで復活。ラーメンを茹で、スープをかけ、あんかけとから揚げを乗せたら、完成です。ママと一緒にラーメン作りにトライ。普段はできない体験に、大盛り上がりです。
さらにうれしいことに、開業特典として、2023年12月29日までアルコールやソフトドリンク飲み放題に！いつもの慌ただしい食事とは違い、パパもママも乾杯しながら、ゆったりと食事ができます。
大好きなピザをパクっと頬張るお兄ちゃん。ポテトもから揚げも、カレーもすべてペロリ。「もうお腹いっぱい！」と言っていたのに、デザートもしっかり完食です。
ちなみに、ビュッフェレストランがあるフロアには、子育てを経験したホテルスタッフの声で誕生した授乳スペースを完備しています。オムツ替えの台や調乳用のお湯が出るマシンなどが用意されており、子連れママの心強い味方になってくれるはず！
「Bar1959」で食後に1杯
食後はお酒をゆったりと楽しみたくて、パパは4階の「Bar1959」へ行くことに。バーは、富士山や芦ノ湖を描いたフォトジェニックな壁画が印象的。ロビーとつながったオープンな雰囲気で、ふらっと気軽に利用できます。好きなお酒を片手に、「まさか家族旅行で、こんなにもゆったりした時間をとれるなんて」とパパも大満足。
バーの横には、夕方以降に点火される暖炉が。周りにはイスが配置されていて談話できるようになっています。この暖炉は夏でも火が入り、訪れるゲストを癒やしてくれるでしょう。
朝6時から楽しめるキッズスペース
「キャッキャ！」と楽しそうな子どもたちの笑い声で目覚めた翌朝。旅の楽しさから、興奮覚めやらず、子どもたちはいつもより早起きです。「箱根ホテル小涌園」には、朝6時から夜9時まで利用可能なキッズスペースがあり、子どもを連れて遊ばせるのにとっても便利。
タブレットに好きな絵を描き、スライドすると、大きい画面に自分が描いたイラストが映し出される「デジタルお絵かきアトラクション」を楽しめます。お絵かきが得意なお兄ちゃんは大喜び！
さらにキッズスペースには、眺めの良い赤ちゃん用のブースも。外の景色を楽しみながら、ハイハイする赤ちゃんを遊ばせられます。
豪華な朝食ビュッフェで朝のパワーチャージ完了
朝ごはんも夕食と同じく、ビュッフェスタイルで。人気のコーナーは、ローストビーフサンドや料理長厳選のブレンド米を使ったおにぎり、フレンチト－ストをできたてで楽しめるライブキッチンです。
特にこのローストビーフサンド、はみ出す大きなお肉が、しっとりやわらかでジューシー。ふわふわの自家製パンとアボカドソースのコクが絶妙にマッチして、やみつきになる味わいです。
日替わり海鮮丼コーナーも満足度がピカイチ。どのお刺身も新鮮で、クオリティの高さに驚きます。一緒に並ぶ「ねばねばばくだん」は、一度に5種類の海藻が食べられて、シャキシャキ＆ネバネバ食感がたまりません。
主菜から副菜、汁物、デザートまで、「朝からこんなに贅沢してもいいの？」と驚くほどの品ぞろえ。おいしいのはもちろんのこと、豪華な食材にテンションが上がります。朝から幸せいっぱいな気持ちで過ごせたようです。
箱根で唯一の流れるプールも誕生する「箱根小涌園ユネッサン」
このホテルに泊まるなら、ぜひ敷地内にある温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」にも立ち寄りたいもの。「箱根ホテル小涌園」に泊まるゲストは、チェックイン前・チェックアウト後も含め、滞在中、何度でも無料で楽しめます。
「箱根小涌園ユネッサン」は、開業して初めての大幅リニューアル。7月7日からは箱根エリア初の、流れるプール「ボザッピィリバー」と、キッズプール「ポニーラグーン」が登場します。屋内だから、雨の日でも安心。太陽よりもまぶしい、子どもたちの笑顔が見られるはず。
そして1階メインエントランスも、スタイリッシュにリニューアルします。
館内には、新しくレストラン2店舗（寿司・しゃぶしゃぶ食べ放題、焼き肉屋）が登場。小さなお子さまからご年配の方まで、3世代が満足できる施設に生まれ変わります。
さらに、入場無料で楽しめる3階のショッピングモール「ミーオモール」も、おしゃれに一新。辺り一帯に土産物のブースが並び、お祭りの縁日のような活気あふれるスポットになっています。
また人気の貸切風呂も増設されます。目の前に広がる自然の景色を眺めながら、家族水入らずでゆったりとお風呂に浸かる、そんな贅沢なひとときを過ごせますよ。
無料の休憩スペースもリニューアル。心地よいソファや椅子が新たに置かれ、ちょっとした休憩時間を、よりリラックスして過ごせます。温泉でほてった体をクールダウンさせたり、プールで遊び疲れたときに利用したりと便利。
最後に営業課チーフマネージャーのチョンさんに、おすすめの過ごし方を伺いました。「広いお庭を散策したり、ユネッサンへ立ち寄ったり。このホテルは、至れり尽くせりのサービスが満載です。僕はサウナが大好きなのですが、サウナ愛好家の方は、露天風呂で体を温めたら、サウナで汗を流し、箱根外輪山を眺めながら外気浴をしてみてください。最高のととのい体験ができますよ。ちなみにサウナ飯は、『小涌園ラーメン』がイチオシです」とのこと。
確かに「箱根ホテル小涌園」なら、誰とでもどんなシチュエーションでも楽しめて、たくさんの笑顔を持ち帰れそうですね。
家族で忘れられない思い出を作れる「箱根ホテル小涌園」
オールシーズン自然を満喫できる「箱根ホテル小涌園」。春は桜から始まり、新緑やつつじ、秋には紅葉も楽しめます。また、5月下旬～6月下旬にかけては、夜空を舞うホタルにも注目です。
またここは、「子どもたちを思いっきり遊ばせたい」「自分もリフレッシュしたい」そんな願いをすべて叶えてくれる、夢のような場所。オープンしたばかりの子連れ天国で、記憶に残る楽しい家族の思い出を作ってみてください。
箱根ホテル小涌園
- 住所
- 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1297
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 10:00
- 総部屋数
- 150室
- 駐車場
- あり（150台・無料）
- アクセス
- 箱根登山鉄道「強羅駅」より路線バスにて約10分
取材・写真・文／安藤美紀
