近年、ホテルに泊まることを目的に旅する人が増えています。この「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」も、そんな「旅の目的」にふさわしいラグジュアリーなホテル。
まるで美術館のような古代オホーツク文化をコンセプトとした館内、効能豊かな自家源泉の湯、北海道の新鮮な海と山の幸を使った極上の料理、本格的なサウナや岩盤浴、露天風呂付客室、エゾリスが遊びに来る庭。魅力満載のこのホテルを存分に楽しむ過ごし方をご紹介します。
目次
- ・流氷と古代オホーツク文化の街「網走」
- ・【DAY1】(チェックイン、ラウンジ、お部屋、温泉、ディナー、エステ、夜食)
- ・【DAY2】(庭散策、朝食、お土産、アクティビティ、チェックアウト)
流氷と古代オホーツク文化の街「網走」
北海道の北東部のオホーツク海に面した、網走市呼人の丘にたたずむ「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」。網走市内には網走湖や能取湖(のとろこ)、濤沸湖(とうふつこ)など多くの湖が点在し、網走国定公園に指定されています。
冬は白銀に輝く流氷、全面凍結した網走湖や雪原でのアクティビティ、濤沸湖の白鳥公園でバードウォッチング。夏はサロマ湖や世界遺産の知床、阿寒湖や摩周湖への観光など、北海道らしい大自然を存分に楽しめます。
網走は先史の民が紡いだ、壮大な歴史ロマンを感じられる場所でもあります。網走川沿いの断面から、約1300年前に栄えたオホーツク文化の土器が発見されました。
オホーツク人は5世紀頃にオホーツク海沿岸に定住し、他にはない特有の文化を形成。しかし、9世紀頃に突然消えてしまったのです。そのためオホーツク人は「幻の民」と呼ばれ、その謎が解かれる日を待ち望まれています。
【DAY1】14:30 羽田空港から約1時間50分で「女満別空港」に到着
網走の玄関口である「女満別(めまんべつ)空港」へは、羽田空港(東京国際空港)から約1時間50分、関西国際空港からは約2時間10分(夏季運行)。女満別空港から「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」までは車で約20分です。
正午過ぎの便に搭乗しても15:00にはチェックインできるという、アクセスの良さも魅力です。
【DAY1】15:00 北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾートにチェックイン
鶴雅グループは北海道全域に個性豊かな15の温泉リゾートホテルやレストラン、ベーカリーショップを運営。グループ全体で大切にしているのは、その土地の歴史や文化と自然を織りなす「地の物語」。自然への感謝と、先人であるオホーツク人やアイヌの人たちへの敬意を込め、それぞれの施設のコンセプトにしています。
「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」のコンセプトは、「古代オホーツク浪漫の旅へ」。正面玄関横には北方民族のテント住居をイメージしたモニュメントがそびえ、敷地に一歩足を踏み入れた瞬間から、古代の世界へとゲストを誘います。
新型コロナウイルス感染症対策も万全。エントランスには非接触型のサーモカメラを設置。ロビーは1時間ごとに10分程度の換気を行い、館内の各所にはアルコール消毒液も設置されています。
一般客室のチェックインは15:00から。特別フロアの「古の座フロア」宿泊者は、14:00からチェックインできます。なるべく早めにチェックインして、ホテルの中でゆっくり過ごすのがおすすめ。
古代オホーツク文化の文様をイメージしたデザインの制服を身にまとったスタッフが出迎えてくれますよ。
【DAY1】15:10 美術館のようなメインラウンジ「回」でドリンクを
旅で疲れた体に安らぎを与えてくれるのは、メインラウンジ「回」でのフリードリンクのサービス。コーヒーやソフトドリンクが用意されています。
このメインラウンジは幻の民の竪穴式住居をヒントにしたしつらえが施されており、とても落ち着ける空間。中央の暖炉のまわりには、彫刻家・瀧口政満氏のオオワシやクジラなどの素晴らしい木彫り作品が、惜しげもなく置かれています。土壁にはオホーツク海を旅したクジラのヒゲも飾られ、まるで美術館のよう。
ラウンジの回廊を飾るのは、オホーツク人の出土品をモチーフにした土器や面。
アート作品に囲まれ、暖炉の炎を眺めながらくつろぐ。そして、時空をこえてオホーツク文化に思いをはせる。知的好奇心が満たされると自然に心が弾み、日頃の疲れも吹き飛びます。「本当の贅沢とはこういうことを言うのでは」と、思わせてくれる場所です。
- フリードリンクサービス
- 14:00〜23:00、6:00〜10:00(コーヒーは午前中も)
メインラウンジの一角には図書室「古民(こたみ)」も。オホーツクの人や自然、歴史や文化を語る本を中心に、子どもが喜ぶ絵本や漫画までを収蔵。この地をより深く知る一冊に出会えるかもしれません。
【DAY1】15:30 オホーツク文化を取り入れたラグジュアリーなお部屋へ
全80室の「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」。特別フロア「古の座」を始め、和洋室や和室、ツインルーム、ワンちゃんルームなどの8タイプの客室が用意されています。
特別フロア「古の座」は全室客室専用温泉露天風呂とガーデン付き。専用エントランスを抜け、静かで気品あふれる廊下を通りお部屋へ。
贅沢な56.7平米のお部屋の中にはオホーツク文化のテイストが取り入れられ、ツインベッドとリビング、くつろぎのスペースがゆったりと配置。窓からの優しい光と天然素材が、奥行きのある部屋に安らぎをもたらしています。
専用庭付きの露天風呂には源泉が注がれ、マッサージチェアやオーディオ、コーヒーメーカーなど、上質のくつろぎへと導くグッズも完備。自家源泉の湯はアルカリ性単純温泉で神経痛や筋肉痛、疲労回復、冷え性などへの効果が期待できます。
タワー棟の上層階である5階〜9階にあるステイ和洋室「悠の座」には、キッチンが付いています。小さなお子さん連れのご家族や長期滞在にもぴったり。
キッチンには電子レンジや大型冷蔵庫、フライパン、食器やカトラリーなどが備え付けられており、収納もたっぷり。ワーケーションにも便利な外付けディスプレイ、会議用マイク、スピーカー、各種ライトなど、有料で貸し出ししています。
窓からは四季折々のオホーツクの風景。ゆっくりとくつろぎながらリゾートライフを過ごせる客室です。部屋の窓から網走湖を遠くに眺める喜びを味わってみてはいかがでしょうか?
【DAY1】16:00 本格的サウナと岩盤浴を備えた大浴場「北天 坐忘の湯」
客室の露天風呂もステキですが、ぜひ足を運んでほしいのは充実した設備のある大浴場。広々とした湯船に、大きなビューウインドウ。大自然を肌で感じる露天風呂につかれば、心身ともにリフレッシュ。
大浴場の中にはサウナと水風呂、自然の中で外気浴できるチェアも用意されています。
オホーツク文様が美しい脱衣室とパウダールームの奥には、無料の岩盤浴「坤(こん)」も完備。岩盤浴は男女それぞれに設置されており、岩盤浴衣やバスタオルもパウダールーム横にたくさん用意されていますので、気兼ねなくのんびり楽しめます。
じんわり体の中から温まり、発汗することで美肌へと導いてくれますよ。サウナと同じように、ベンチタイムをはさみながら数回入ることで、より効果を感じることができます。
湯上がりラウンジ「坐忘(ざぼう)」で、外を眺めながらベンチタイムを過ごすこともできます。冬は一面の雪景色、夏は緑の木々に癒されながら、まったりとくつろぎましょう。
喉の渇きをおぼえたら、美しい青い色の網走のビール「網走流氷DRAFT」はいかが?1階のオホーツクマーケット「北の昴(すばる)」で購入できます。
- 大浴場利用時間
- 平日4:00〜9:00・14:00〜翌3:00、土日祝4:00〜9:30・12:00〜翌3:00
- サウナ・岩盤浴利用時間
- 24:00まで
【DAY1】18:00 北海道の新鮮な旬の料理をお好みのスタイルで
温泉の後は、待ちに待ったディナーへ。ディナーはオホーツクバイキング、創作フレンチ、創作和食の3種類あり、どのお食事もオホーツクの海山の幸を活かした旬の味覚が楽しめます。
オホーツクバイキング「COTA」は約70品の色とりどりな美しい料理が並ぶ、開放的なオープンキッチンが特徴。ゲストの前で焼き上げるふっくらジューシーなステーキ、新鮮なホタテやサーモンなどのお刺身、チーズ、デザートからソフトドリンクまで、オホーツクならではの豊富なメニューをたっぷりと好きなだけ味わえます。
オープンキッチンの中にはピザが焼ける石窯も。好きな具材をチョイスして、ゲストが自分でトッピング。スタッフが目の前でサクッと焼き上げてくれます。
創作フレンチと創作和食を味わえる2階のシェフズレストラン「灯々」は、アクセスに粋な演出が。オホーツクバイキング「COTA」の中央にそびえる巨大なワインセラーの中にある、螺旋(らせん)階段を通ってシェフズレストランへと向かうのです。ガラスの壁面に収納されたワインやシャンパンは約200本。中には貴重なヴィンテージ・ワインも収蔵されています。
シェフズレストラン「灯々」でいただける創作フレンチは、厳選されたオホーツクの食材を使ったフルコース。一皿一皿にちょっとした驚きが込められています。ソムリエが選ぶワインと合わせれば、美しいマリアージュも堪能できます。
創作和食のコースは「灯々御膳」「かに会席」など、オホーツクの海の幸や地場野菜が美しく盛り付けられたメニューが並びます。
お食事は旅の大きな楽しみのひとつ。このホテルで出会った食材やお料理は旅の思い出として深く記憶に刻まれることでしょう。
【DAY1】20:00 エステやリフレ、ギャラリーなどの充実した施設でおこもり旅を満喫
食事の後はお部屋でまったり過ごすのもステキですが、館内には夜でも楽しめる施設が充実しています。
スパトリートメント「ファウラ」では、新陳代謝や血行を促進し、老廃物排出へと導くアロマオイルトリートメントの施術を受けられます。ひとりで至福の時を堪能できる1ベッドルームの他、カップルやお友達、母娘で一緒にトリートメントを受けられる2ベッドルームもご用意。お得なエステ付き宿泊プランも販売されていますよ。
スパトリートメント「ファウラ」
- 営業時間
- 15:30〜23:00(前日までに要予約)
- 料金
- フェイシャル40分 7,700円〜、60分 11,500円〜
ボディ40分 7,700円〜、60分 11,500円〜
リラクゼーションサロン「星の音」では、お風呂上がりの体をさらにもみほぐしてくれるフットケアやヘッドケア、ボディケアをおこなっています。やはり人の手でマッサージしてもらうと、疲れの取れ方が格段に違います。ぜひお試しください。
リラクゼーションサロン「星の音」
- 営業時間
- 15:30〜23:00
- 料金
- フットケア20分 3,300円〜、ヘッドケア20分 3,300円~、ボディケア40分 5,500円~
シガールーム「壺天(こてん)」は心おきなく煙草を楽しめる空間。世界各国から集めた葉巻もご用意。
ゲストの気持ちを大切にしてくれる、鶴雅グループのサービス精神が感じられる空間です。
メインラウンジのお隣には椅子のギャラリー「偶(ぐう)」があり、日本初の家具モデラー宮本茂紀氏が制作に携わってきたさまざまな椅子がオブジェのように飾られています。宮本氏は椅子の神様と呼ばれ、黄綬褒章を授与された人物です。
家具モデラーとは、デザイナーのアイディアを具現化し、細部を調整しながら製品化へと導く仕事。共同開発したアルフレックス・ジャパンの「レインボー」、カッシーナ・イクスシーで販売している喜多俊之氏デザインの「ウインクチェア」、笠松栄氏デザイン「折り紙チェア」、宮本氏が30年以上にわたり作り続けている「BOSCO(ボスコ)」などの名品が、ずらりと並んでいます。
憧れの椅子に座りながら大切な人と語り合ったり、本を読んだり、音楽を聴いたりしてくつろげる、夢のようなギャラリーです。
【DAY1】 21:00 シメはラウンジバーで「クリオネパフェ」、それとも名物の「しじみらーめん」?
ゆっくりお酒を楽しみたい方はラウンジバー「縄文」でカクテルをオーダーしてみてはいかがでしょうか?見事な細工のされた一枚板のカウンターテーブルの前に座り、北天の夜景を見ながらグラスを傾ける瞬間はまさに至福の時。シングルモルトやウイスキーなども用意されています。
「クリオネパフェ」付きプランで宿泊された方は、このラウンジバーでシメパフェを注文できます。札幌発祥の食文化「シメパフェ」。味はもちろん見た目にもこだわっています。爽やかな流氷ゼリー、いちごやキウイなどのフルーツ、アイスの上でかわいいクリオネのグミが羽を広げています。
「クリオネパフェ」付きプランで楽しめるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ラウンジバー「縄文」
- 営業時間
- 20:30〜23:30(L.O. 23:00)
ラウンジバーの外に見えるモニュメントは、北方民族のテント住居をイメージした「火焔の塔」。夜になると明かりが灯り、幻想的な雰囲気に。
その内部は、意外にも無料の「オホーツク人の足湯」になっているのです。ロマンチックな雰囲気の中で足湯に入れる、穴場スポットです。
「火焔の塔(かえんのとう)」
- 営業時間
- 15:00〜24:00
- 料金
- 無料
夜食やお酒を飲んだ後のシメにラーメンが食べたくなりませんか?そんな方のために21:00からオープンするラーメンコーナーもあるのです。おすすめは網走湖名産のしじみで出汁をとった、「蜆(しじみ)らーめん」(990円)。味付けはオホーツクの塩だけという一品です。
網走湖のしじみは、アサリと間違えるほど大きいのが特徴。規定より小さなものは湖に戻されます。網走は冷涼な気候のため生育が遅く、規定の大きさになるのに約8年もかかりますが、その間に天然の旨味成分や肝機能を高めるタウリンやオルニチンなどのミネラルを湖底でしっかり蓄えているのです。その上、現代人に不足しがちなカルシウム、鉄分、ビタミンB12も豊富に含んでおり、網走湖のしじみはいわば天然のサプリメントのような食品なのです。
半分の量の「ちょこっとらーめん」(605円)も用意していますので、気軽に立ち寄ってみてください。
【DAY2】7:00 エゾリスが遊びに来る庭
朝のお楽しみは、朝風呂や朝食だけではありません。メインラウンジの近くにある庭に、エゾリスが餌を食べにやって来るのです。お天気やその日の気分で遊びに来る時間が違いますが、朝は会える確率が高いそう。朝食の前後に「エゾリスが遊びに来る庭」をのぞいてみてください。会えない日もありますが、運が良ければ一日で数回会えることも。
ガラスに近づきすぎたり、大きな音を出したりすると逃げてしまいますので、静かにのぞいてみてくださいね。
【DAY2】7:30 北海道・道東各地の新鮮な牛乳を飲み比べ! 体が喜ぶ朝食バイキング
朝食は「オホーツクバイキング COTA」で。道東各地の牛乳を飲み比べできるコーナーや、「つるがファーム」で育てられた野菜など、体に優しい和洋のメニューが豊富に並びます。
「つるがファーム」の野菜は、なるべく農薬や化学肥料を使わず、網走川上流の上質な水と太陽の恵みがたっぷり届く土で育てています。色鮮やかで力強く、みずみずしい野菜が朝からたっぷりいただけるのは、うれしいですね。
クロワッサンは毎日手作りで焼き上げ、フルーツやデザートもたっぷり。朝から北海道の恵みを存分に味わえます。
【DAY2】9:00 オホーツクマーケット「北の昴」でお土産を
フロント横のオホーツクマーケット「北の昴(すばる)」では、オホーツク特産の海の幸や山の幸から北海道の銘菓まで、お土産品を豊富に取りそろえています。
人気があるのは網走産しじみ汁(7袋入り1,620円)。お湯を注ぐだけでおいしいしじみ汁ができ上がります。流氷硝子クリオネ(2,310円)も旅の記念に購入していかれる人が多い人気商品です。ホテル内でステキなお土産まで購入できてしまうのも、おこもりステイの時には重要なポイントです。
【DAY2】9:30 チェックアウト後の予定は、鶴雅アドベンチャーベース[SIRI]にお任せ
チェックアウト後も時間に余裕のある方は、鶴雅アドベンチャーベース[SIRI]へ。ここでは、アウトドアグッズの販売やアクティビティのご紹介をしています。冬は「網走流氷観光砕氷船おーろら」やスノーシュー、網走湖での手ぶらでワカサギ釣り。夏は網走川でのカヤックツアーやE-BIKEレンタルなどが体験できますよ。
古代オホーツクロマンに癒される、大人の極上ステイ「北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート」はいかがでしたか?おこもりステイでもこんなに充実した時間が過ごせます。ぜひあなたも次は、ホテルに泊まることが目的の旅、知的好奇心が満たされる「古代オホーツクロマン」に癒される贅沢な旅をご体験ください。
北天の丘 あばしり湖 鶴雅リゾート
- 住所
- 北海道網走市呼人159
- アクセス
- JR呼人駅から徒歩約10分。JR呼人駅から無料送迎あり(前日20時までの予約制)
- 駐車場
- 100台(無料・予約不要)
- チェックイン
- 15:00〜19:00(客室や宿泊プランによって異なる場合あり)
- チェックアウト
- 10:00(客室や宿泊プランによって異なる場合あり)
取材・撮影・文/北川りさ