看板犬ランキング1位のジェリーを密着取材！ムードメーカーは今日も爆走中

犬の日にちなみ毎年11月1日に開催される楽天トラベルの「全国の宿 自慢の看板犬ランキング」。2019年は神奈川県の「箱根強羅グアムドッグ本店」のジェリーが1位に輝きました。

撫でられて気持ち良さそうに目を細めたり、切れ長の目でグッと目力を発揮したりとコロコロと表情が変わるのがチャームポイントのジェリー。先輩犬12匹に囲まれながら日々お客様をおもてなしする姿は全力投球そのもの。何事にも一生懸命なジェリーに密着してきました。

ジェリーが暮らす「箱根強羅グアムドッグ本店」は黒たまごで有名な大涌谷のすぐ近く。宿泊施設や別荘が十数軒ほど集まった静かなエリアの一角にあります。

穏やかな洋楽が流れる館内ロビーに足を踏み入れると、どこからかタッタッという足音が。目線をカウンターに移すとラブラドールレトリーバーのハガニア（左）とイパオ（右）がかわいくお出迎え。

そしてカウンター下にはわんこ専用の窓があり、コーギーのグアムとチャモロも「お客様かな？」と顔を覗かせています。

入れ替わり立ち代わりに姿を見せる犬の多さに圧倒されますが、それもそのはず。実はここで暮らす犬の数は13匹。数匹がカウンター奥で待機していて、お客様が到着すると挨拶に来てくれるのです。

かわいいわんこたちの登場に癒されていると、窓から身体を乗り出してジェリーも登場！

大きな目を輝かせ、口元に笑みを浮かべた歓迎ムードの表情は、さすが看板犬No.1。過去に脱走したことがあるほどのやんちゃ坊主で、ジェリーが動くと首輪につけられた鈴がリンリンと響きます。

ジェリーはビーグルとのミックス犬。ブラック、モカ、ホワイトのトライカラーで、切れ長で琥珀色のきれいな目が特徴。

外見もほっそりしているのでクールな印象ですが、うれしい時にはニカッと目が線になるくらいに笑うほど、分かりやすい性格が魅力です。

写真提供：箱根強羅グアムドッグ本店

その表情は今回応募した写真からも見ることができます。こちらは施設のドッグランで撮れた一枚。他の犬がいてもお構いなしに走り回るのがジェリー自慢の芸なのだとか。

看板犬として皆を盛り上げてくれるジェリーはかつて保護犬でした。ジェリーがここを訪れたのは2017年11月。最初は他の犬と馴染むことができず、先輩犬に吠えて噛みついてしまったことも。

最初の２週間はジェリーと徹底的に向き合いました。すると徐々にジェリーも他の犬が傍にいても怖がることがなくなり、皆と一緒にドッグランで駆け抜けるまで共同生活に慣れることができたのです。

今ではホームページで見かけたジェリーに会いたいと訪れる人たちもいるほどの人気ぶり。明るい性格に加え、甘えん坊。そして、人が大好きなジェリーは今日も私たちに向けてにっこりと微笑みます。

13匹もの多くの犬が館内で自由に放たれているのかと思いきや、カウンターの外へは滅多に出さないよう気を付けているのだとか。

支配人の浦野さん（左）と後田さん（右）は、ゲストがリラックスできるよう目に見えない部分にも心を配ります。

特に他の犬の匂いが気にならないよう除菌と消臭を徹底。館内は次亜塩素酸水の空気清浄機はじめ、リゾート感漂うシーリングファンも常に運転し換気しています。

お部屋は全部で6室。10畳＋2畳の広縁がついた和室は全室ともケージと犬用グッズ付き。犬用の特殊な畳を敷いているので、爪も引っ掛かりにくいです。

犬用グッズにはトイレシートや消臭スプレー、それにコロコロクリーナーなどが用意されています。

写真提供：箱根強羅グアムドッグ本店

犬を犬扱いせず、大切なパートナーとしてもてなすのが、箱根強羅グアムドッグ本店の流儀。なるべく飼い主の近くにいられるよう滞在中の食事・温泉・睡眠すべて同伴可能です。

特にわんこと一緒の布団で寝られるのは珍しく、それが決め手で宿泊を決めた人もいるほど。温泉も内風呂は脱衣所にケージが設置され、露天風呂では浴槽ギリギリまでわんこと一緒にいられます。

他にも犬が快適に過ごせられるための設備が盛りだくさん！

犬用の酸素カプセルは代謝があがることで運動不足を解消できたり、毛並みがきれいになったりと評判。フロントには数種類の犬用おやつも常備されていて、滞在中は無料でわんこにあげることができます。

ジェリーも大好きなドッグランは全部で4ヵ所。メインのドッグランは300坪の広さを誇り、遠くには箱根連山のパノラマビューも。

犬用の露天風呂もあり、大涌谷から湧いた温泉のかけ流しを浴びられます。隣には飼い主用の足湯もあるので、わんこと一緒に入浴したり、足湯に浸かりながら愛犬の様子を見たりと温泉旅館ならではの過ごし方ができます。

ホテル正面には小型犬優先のウッドチップを敷き詰めたドッグランのほか、他の犬に慣れていないわんこ用に貸切専用のドッグランも。

雨天の場合に備え、室内にも1室まるまるドッグランとして利用できる部屋があります。館内の全ての床は犬が滑らないよう特殊なフローリング材が塗装されているのも飼い主にうれしいポイントです。

食事会場のレストランでは愛犬用のいすがテーブルに置かれ、同じ目線で食事をとれるだけでなく、食材さえも同じものを食べられるのだから驚き。

調理長が誇るA５ランクの宮城県産黒毛和牛は和牛の中でもクセがなく、さっぱりとした味が特徴。そのため飼い主はすき焼きかしゃぶしゃぶで、わんこは味付けなしで同じお肉を味わえます。

黒毛和牛のほか、下関から直送されたフグも通年食べられる人気メニュー。宿泊プランによってはどちらか、もしくはその両方を頼めます。

犬用には和牛のほか温野菜の盛り合わせ、鶏肉にパスタなどをビュッフェもしくはワンプレートで提供しています。

朝食は季節の焼き魚や温泉卵などの和食御前に加え、焼き立てのパンも。

まだ熱を帯びているパンはふわっと柔らかく簡単にちぎれ、頬張ればしっとりした食感が絶妙です。きっと朝食を終えた頃には料理も箱根強羅グアムドッグ本店が人気の理由のひとつだと確信するはず。

箱根強羅グアムドッグ本店に宿泊する人たちは記念日をお祝いしたり、初めて愛犬と一緒に旅行に出掛けたりするゲストが多いとのこと。

滞在が素敵な思い出になるようスタッフも全力で応援。チェックイン後にはすぐにフォトスタジオで撮影タイム。カメラマンに、アシスタントも加わり、全員で愛犬の笑顔を引き出します。

フォトスタジオには被り物もあり、思わずクスッと笑ってしまう一枚が撮れることも。2017年に同じく看板犬No.1に輝いたラブラドールのハファダイもこの表情です。

スタジオやドッグランで撮影された写真はチェックアウトまでにUSBでお渡しするプランも。また滞在中は館内各所のディスプレイに愛犬の写真が映し出されるサービスが評判です。

こちらはロビーでも愛犬の写真が登場。ここにある無料のドリンクサーバーは24時間利用可能です。

そして、「もう〇才なの？じゃあ食事はこれだね」「公園デビューが心配？大丈夫ですよ」と、わんことの生活を始めたばかりの飼い主を優しくサポートする姿も。さらに犬と一緒に観光できる箱根周辺の情報などもアドバイスしてくれます。

「愛犬との旅行のハードルを下げたい」という想いから、箱根強羅グアムドッグ本店は保険にも加入。例えば犬が壁を引っ掻いて破損したり、汚してしまったりしても保険がカバーし、飼い主側に請求せずにすみます。

飼い主側の気持ちを汲み取ったサービスが充実しているのも、同じ犬好きだからこそ。

ここで暮らす13匹の犬も半数が捨て犬や迷子として保護された状態を後田さんと浦野さんが引き取りました。ボール遊びに夢中なラブラドールのデデドも保護団体出身です。

犬を犬としてではなく、パートナーとして接する箱根強羅グアムドッグ本店では、ここで暮らす犬たちも人間さながらの役職があります。一番初めに飼ったコーギーのグアムは社長。どこか落ち着いた佇まいが大御所の貫禄を感じさせます。

ほかに副社長や育児教育部長に体育部長も。新しく入ったばかりのジェリーは総務課。時には事務作業を手伝うことも？あり、下っ端として奮闘する日々の姿は見ているこっちも元気づけられます。

ぜひ訪れた際は、ジェリーの全力な歓迎を受けながら大切なわんこと素敵なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

取材・写真・文／浅井みらの