2002年のオープンより、スモールラグジュアリーホテルとして、多くの宿泊客を虜にしてきた「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」。2021年夏にレストランがリニューアルし、更に魅力的な滞在を楽しめるようになりました。フレンチファインダイニング「SÉZANNE(セザン)」とフレンチビストロ「MAISON MARUNOUCHI(メゾン マルノウチ)」での、美食体験を始め、ここにしかないおもてなしの数々をご紹介します。
東京駅にひっそりと佇む大人の隠れ家「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」
フォーシーズンズホテル&リゾーツは、カナダに本社を構え、世界47ヶ国、118ヶ所でホテルを展開しているラグジュアリーホテルグループです。日本には、今回宿泊した丸の内東京、東京大手町、京都の3ヶ所で展開しています。
「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」があるのは、日本有数のターミナル駅・東京駅八重洲南口から徒歩約4分の場所。ホテルの名前から丸の内口を想像しますが、八重洲口なのでお間違えなく。八重洲地下街からの地下通路に直結しているので、天候の悪い日もアクセスしやすいのがうれしいところ。
ビジネスタワー「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の1階、3〜7階部分がホテルの施設です。客室はスイートルーム9室を含む全57室、各部屋が44平米以上の広さを誇ります。
「プラットホーム送迎サービス」から始まるおもてなし
「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」のサービスの一つに、プラットホーム送迎サービス(無料)があります。乗車予定の列車番号や車両番号を事前に伝えると、スタッフの方が東京駅のプラットホームに迎えに来て、ホテルまで案内してくれます。
東京駅は広いので、慣れていないと迷ってしまうこともありますが、サービスを利用すれば安心。自転車をレンタルできることなど、ホテルの楽しみ方も教えてもらい、これから始まる滞在が更に楽しみに。
チェックインは大きな窓から自然光が注ぎ込む1階のロビーで。アーリーチェックインを利用し、通常より1時間早い14時にチェックインしました。早速、お部屋へと向かいましょう。
館内を彩る「ニコライ・バーグマン」が手掛ける花々
1階のロビーをはじめ館内で目にする鮮やかな花々は、すべてデンマークのフラワーアーティスト「ニコライ・バーグマン」が手掛けています。
毎週、季節に合ったお花を生けているそうで、取材時にはひまわりをメインに、ビタミンカラーの花が飾られていました。ここにはどんなお花が生けられているんだろう……?と、館内を散策するのも楽しみの一つ。
東京駅を行き交う電車を眺められる「デラックスプレミアムルーム」に宿泊
今回宿泊したのは、65平米のお部屋にクイーンサイズベッドが2台入った、二面窓の角部屋「デラックスプレミアムルーム」。
特徴はなんといっても、トレインビュー!東京駅を行き交う電車を存分に眺められます。電車好きやお子さんはもちろんのこと、電車にあまり興味のない人も圧巻のビューに驚くはず。
取材時には、見ると幸せが訪れると言われている、新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」の姿も見ることができました。
ルームキーも東京駅をイメージしたデザイン。かわいいので、ついつい写真を撮りたくなります。
客室内はベージュや茶色を基本にまとめてあり、落ち着いた雰囲気。レザー張りの天蓋や大理石のテーブルなど、モダンな中に日本的な要素を巧みに取り入れたインテリアが光ります。デスクに加えて、オットマン付きのソファもあるのにこの広さ。ゆったりとした時間を過ごせます。
ウェルカムスイーツも! 心のこもったおもてなし
お部屋にはサプライズのウェルカムフルーツがありました。福岡産のシャインマスカット、長野産の種無し巨峰、山梨産の日川白桃と、旬のフルーツをお部屋で味わえるのはうれしいですね。
さらにはフォーシーズンズベアも浴衣を着てお出迎え。こちらの衣装、スタッフの方の手作りだそうで、ぬいぐるみと衣装はギフトショップでも購入できます。
お子さんのいるファミリーには、子ども用アメニティのほかスタイやマスクのプレゼントもあるのだそう。こちらも、スタッフの方が一つ一つ作ったもの。クオリティの高さもさることながら、おもてなしの心を感じます。
ミニバー内指定ドリンク無料
プランの特典として、客室ミニバー内のビール2種4本、ソフトドリンク17種24本をフリーで楽しめます。特典にはこちらのフォーシーズンズオリジナルのフルーツジュースも含まれます。素材を凝縮した濃厚な味わいで、ハマってしまうこと間違いなしです。
他にも、ミニバーには紅茶やネスプレッソマシーンもあるので、おこもりステイのお供にしてみてはいかがでしょうか。
斬新なデザインが使いやすいバスルーム
バスルームは真ん中にバスタブを配し、入って左手側にシャワースペース、右手側にトイレがあります。バスタブはゆったりと足を伸ばせる広さ。
アメニティは「ロクシタン」のアーモンドシリーズを採用。アーモンドの甘く優雅な香りに包まれます。上下別のパジャマや肌触りの良いバスローブも用意しています。どちらもフォーシーズンズのマーク入なので、着用して写真を撮るのも良いですね。
感染症対策も万全
ホテルや施設の入り口では、アルコール消毒や検温があるのはもちろんのこと、客室内にも感染症予防グッズを人数分用意しています。マスク、アルコール除菌シートにハンドジェル、さらにはボディミルクまでありました。
パノラマビューを一望できる角部屋の「1ベッドルームスイート」
東京駅と丸の内のパノラマビューを一望できる角部屋の「1ベットルームスイート」は、特別な日の滞在におすすめ。88平米の広さを誇り、リビングルームとベッドルームを、スライドドアを使って独立させることができます。
レンタル自転車で東京駅や皇居周辺を散策
宿泊者は、ビアンキやプジョーの自転車を日の出から日没まで無料で利用できます。当日に空きがあれば利用できますが、確実に利用したい方は事前予約がおすすめ。
東京駅や皇居までも数分で到着。朝に自転車を借りて、築地の方まで朝食を食べに行く方もいるそうですよ。
新進気鋭の料理人ダニエル・カルバート氏
レストラン「セザン」とビストロ「メゾン マルノウチ」の総料理長を務めるのは、料理界で注目を集める気鋭のイギリス人シェフ、ダニエル カルバート氏です。
16歳でロンドンの有名店でキャリアをスタートし、ニューヨークやパリの名だたる3つ星レストランでの修行を経て、香港のフレンチビストロ「Belon」のヘッドシェフに就任。2020年には「アジアのベストレストラン50」で第4位にランクインする快挙を達成しています。
お部屋での朝食からパワーブランチ、家族や友人とともに祝う記念日の料理まで、ダニエル氏のこだわりと心遣いが、一皿一皿に反映されます。
フレンチビストロ「メゾン マルノウチ」でカジュアルに楽しむディナー
夕食をいただいた「メゾン マルノウチ」は、オレンジやグリーンをアクセントに、洗練された雰囲気が印象的なビストロ。眼下には東京駅が広がり、ここでも行き交う電車を眺めることができます。
まずはドリンクで乾杯。移りゆく景色を眺めながらお食事をいただきます。
コースメニューの用意もありますが、ランチ&ディナーではビストロスタイルのアラカルトメニューも充実しています。カナッペ、前菜、メイン、デザートを好きなように組み合わせて、自分だけのコースを楽しむ人もいるのだそう。
カナッペには、コース料理でも提供されている「ヴァーネルのパン&バター」や濃厚な味わいがクセになる「鱈子 からすみと三つ葉」などがあります。女性の2〜3人旅なら、カナッペからデザートまで2種ずつ頼むとちょうど良い量を楽しめますよ。
アンコウを使った「フィッシュアンドチップス」は、ぜひとも頼んでいただきたい一品。ラグジュアリーホテルでフィッシュアンドチップス!?と、驚きましたが、サクサクの食感とアンコウの身の柔らかさが絶妙です。
「和牛頬肉のブルギニョン」は、和牛の希少部位でもある頬肉を、赤ワインを使用した濃厚ソースで煮込んでいます。ナイフを入れる必要がないほど柔らかく煮込まれていて、口の中でとろけます。
デザートのおすすめは「ガトー・オペラ(写真左)」と、「ライスプディング(写真右)」。
コーヒー風味のクリームとスポンジ、チョコレートクリームで構成された「ガトー・オペラ」。舌触りは濃厚ながら、あっさりとしていて、たくさん食べた後でもペロリと食べてしまいます。
「ライスプディング」は、お米をミルクで炊いた甘すぎず、優しい味わいのデザートです。
週末限定で登場する「マルノウチ フライドチキン」
土日限定で「マルノウチ フライドチキン」も登場します。12時間以上スパイスに漬け込み、ダニエル氏独自の製法で揚げています。表面サクサク、中はジューシーな味わいは一度食べたら病みつきになるほど。(丸の内フライドチキンコース 8,223円 / 税サ込)
フレンチレストラン「SÉZANNE(セザン)」
「セザン」ではランチとディナーでコースメニューを提供しています。国内の生産者の協力の下、日本各地から四季折々の厳選した食材を仕入れ、メニューはその時々によって変わります。リピーターの方には同じものを出さないなどのこだわりもあり、いつ行っても新鮮な気持ちで楽しめるのです。
内装を手掛けるのは香港を代表する世界的な建築家アンドレ・フー氏。落ち着いたエレガンスさに加え、ラグジュアリーの中にリラックスできる空間が広がります。ゲストの目の前で料理の腕を振るうダニエル氏を、より近くに感じることのできるプライベートダイニング「シェフズテーブル」も用意しています。
「メゾン マルノウチ」では気軽にカジュアルに、「セザン」は特別な日のお祝いに……と、シチュエーションに合わせてレストランを選べます。
ディナーの前後に「バー」で一杯
ディナーの前後にはバーにも訪れたいです。ヘッドバーテンダー、浦田晃一氏が取り仕切るアイコニックなバーでは、クラシックなカクテルから日本のジンやウィスキー、そして、ハーブやフルーツ、草花がインフュージョンされたモクテル(ノンアルコールのカクテル)を楽しめます。
約2ヵ月に1度、季節に合わせてカクテルやモクテルのラインナップを変えるこだわりぶりで、取材時には3種のモクテルを紹介していただきました。左から、レモンが効いていてさっぱりと楽しめる「ルバーブスカッシュ」、ハマグリのエキスがポイントの「ブラッディーシーザーチリミックス」、甘さと爽やかさを楽しめる「モヒート」。
お料理に合わせて3種を選べるモクテルセットもあるので、浦田さんに相談しながら好みのモクテルを組み合わせることもできますよ。
お部屋からの夜景も魅力的
食事を終えてお部屋に戻ってくると、日中とはまた違う光り輝く景色が広がっていました。ビルの合間からは東京タワーの姿も。
ターンダウンサービスで、パジャマが出ていたり、ベッドサイドに水が置いてあったりと気持ちよく寝るための準備がされています。マットレスの硬さの変更や、枕も12種から選ぶことができるなど、快適な眠りへの追求を惜しみません。
シューシャインサービスも無料でお願いできます。寝る前にシューシャイン用の袋に入れてお願いすると、翌朝にはきれいに磨かれて返ってきます。ビジネス利用の方などは、特にうれしいサービスですよね。
疑問やお願いはアプリで解決
到着前 や滞在中に「フォーシズンズアプリ&チャット」を利用し、スタッフの方とやり取りができます。お部屋の中の機器で使い方がわからない……といった疑問から、レストランやスパの予約までアプリ内のチャットで完結します。
翌朝、スパとジムを利用したかったので伺ってみると、すぐに返事がきました。というのも、スタッフの方が90秒以内に返信するのを心がけているというのだから驚き。スパの利用前に連絡すると、混雑状況も教えてくれるとのこと。
翌朝はジム&スパでリフレッシュ
7階にあるフィットネスジムとスパの営業時間は6:30〜21:00、宿泊者は無料で利用できます。フィットネスウェア(靴下含む)とシューズのレンタルも含まれているので、滞在中にふと身体を動かしたくなっても大丈夫です。トレッドミルから筋トレマシンまで、ホテル内とは思えないほど充実のラインナップ。
※現在、新型コロナウィルス感染防止のため営業時間を短縮しております。通常フィットネスジムは24時間、スパは6:30〜22:00となります。
スパ施設内には、男女それぞれに独立した更衣室、さらにスチームサウナ、ジェットシャワー、ラジウム含有ミネラル温泉を完備。
トリートメントでは、フェイシャルからボディまで様々な要望に応えてくれます。トリートメント利用される方は、予約の30分前にスパに訪れ、シャワーを浴びて身体が解された状態で受けるようにしてください。
スパの入り口にはギフトショップも併設。トリートメントやスパで使用している製品をここで購入することもできます。
フレンチ・ビストロ「メゾン マルノウチ」の絶品朝食でパワーチャージ
汗を流してさっぱりした後は、「メゾン マルノウチ」で朝食を味わいます。コンチネンタルブレックファーストまたは、和洋のラインナップからメインと好きな組み合わせを選べる「丸の内ブレックファースト」からお好みで。
今回は「丸の内ブレックファースト」を選び、和洋それぞれ注文しました。好みによっては、和食と洋食を合わせて頼むことも可能です。
洋食はメインに「アボカドセザン特製サワードウ」をチョイス。下準備の段階から時間をかけて丁寧につくられるサワードウブレッドに、アボカドを丸々一つ使っています。柚子胡椒とタイバジルをアクセントに、濃厚ながらさっぱりとした味わいを楽しめます。セザンで提供しているメニューをこちらでも特別に味わえるなんて、贅沢です。
他にもクロックマダムや熊本県産からすみを使ったオムレツ、フレンチトーストなどもあり、どれを選ぶか悩んでしまいます。
ホテルで焼き上げた、クロワッサンかパン・オ・ショコラと、バーチャーミューズリー北海道ヨーグルトと合わせていただきました。
和食のメインは「あじのなめろう」を。ご飯とお漬物、味噌汁と一緒にいただきます。他にも、青梅産豆乳の自家製豆腐 たまごやき、出汁がゆなども選べます。
チェックアウトまでお部屋でゆっくり過ごす
14時までのレイトチェックアウトが付いたプランを利用すれば、チェックインからアウトまで最大24時間のステイを楽しめます。
窓の外を眺めながらゆったりと過ごしたり、少し仕事をしてみたり、思い思いの時間を過ごしましょう。
コース仕立てのアフタヌーンティーに舌鼓
チェックアウト後、ランチの代わりにアフタヌーンティーを楽しみに、再度「メゾン マルノウチ」へ。
こちらのアフタヌーンティーの特徴が、熱いものは熱く、できたてはフレッシュなうちに召し上がってもらう……というこだわりのもと、独自のスタイルで提供されます。
まずは、ウェルカムドリンクの「マンゴードリーム」から。季節によって変わるそうで、夏は爽やかなマンゴーフレーバーでした。
ドリンクは紅茶、フレバーティー、ハーブティー、コーヒー各種をフリーフローで楽しめます。茶葉はすべてドイツの「ロンネフェルト」社のもの。季節に合わせて茶葉のラインナップも変わります。
アフタヌーンティースタンドが運ばれてくると思いきや、セイボリーは1種類ずつできたてでサーヴされます。
ランチやディナーのアラカルトでも提供しているカナッペやセイボリーも登場するので、とってもお得な気分に。
爽やかな味わいの「ハマグリのピクルス フルーツトマト」から始まり、肉汁がジュワーと出てくる「煮込み仔豚コロッケ」と濃厚な「クロックマダム」まで、全6種の工夫されたセイボリーを味わえます。
セイボリーの後はスタンドに乗ったスイーツと、焼きたてのスコーンとマドレーヌが登場。「ピーチジャスミン タルト」や「蕎麦茶ムース レモンカード」など、季節のフルーツを使用した繊細な味わいです。
1品目のセイボリーから最後のスイーツまで、まるでコースを味わっているような満足感……贅沢すぎるアフタヌーンティーです。ぜひお腹を空かせた状態で向かってくださいね。
「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」でお腹も心も満たされる極上ステイを
チェックインの14時からチェックアウトの翌14時の24時間ステイに加え、アフタヌーンティーを味わって帰宅する大満喫なプラン。
ホテル周辺とホテル内にしかいないのに、飽きることなく過ごせたのは、スタッフの方のおかげかもしれません。何気なく話した一言を覚えていてくれたり、お願いに対してプラスアルファで応えてくれたり、スタッフの方のきめ細かいサービスは、スモールラグジュアリーホテルだからこそなせる業ではないでしょうか。
美食体験、スタッフの方のおもてなし、洗練された空間……このすべてを楽しみながら、癒やされることができるのが「フォーシーズンズ丸の内 東京」でのステイです。気の置けない女友達や大切な人と、特別な1泊を過ごしてみませんか。
フォーシーズンズホテル丸の内 東京
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内
- アクセス
- 東京駅徒歩約4分
- 駐車場
- 有り(9台)5,500円 / 泊 予約不要
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:24:00)
- チェックアウト
- 12:00
- 総部屋数
- 57室
撮影:久保田耕司 取材・文:加藤あやな