都心から車で約2時間半、新幹線でも約1時間で訪れることができる栃木県の那須高原。そのアクセスの良さと豊かな自然が魅力で、愛犬と一緒に出掛ける人たちも多いエリアです。
森一帯に囲まれた「ホテルエピナール那須」では、大浴場やビュッフェで賑わう傍ら、実はホテル棟から徒歩約3分の場所に愛犬と一緒に泊まれるテラス棟があり、そこでは楽天トラベルの看板犬ランキングで常に上位にいる、こなすも勤務しています。
チェックインから食事、入浴と滞在中の行動はすべてテラス棟で済ませられる便利さが評判を呼び、リピートする人も続出。ドッグランやシャンプールームなど、ワンちゃん用の設備とアメニティも完備。鳥のさえずりを聞きながら、木漏れ日を浴びながら、大好きなワンちゃんとのんびりした時間を過ごせます。
新緑のアーチに誘われて、ホテルエピナール那須へ
東北自動車道の那須ICより那須連山を目指すこと、車で約10分。並木林に導かれるようにエピナール那須の敷地内に入ります。最奥にはツインタワーのホテル棟が構えており、その手前、右側にあるのがテラス棟と専用の駐車場です。
以前はレストランだった建物が、2015年にワンちゃんも宿泊可能なテラス棟としてリニューアルオープン。客室は6室のみで、水際のロケーションを活かし、全室どこからもレイクビューという優雅な佇まいが非日常感を演出しています。
宿泊者全員が愛犬同伴で気兼ねないテラス棟
テラス棟(ペットホテル棟)と書かれた白い看板が目印。その先にフロントがあります。
玄関先には早速、ワンちゃん用の足洗い場とタオルが用意されています。さらに滞在中に遊べるボールも無料で貸し出しており、飼い主さんにはうれしい虫よけスプレーも。
専用フロントで看板犬こなすがご挨拶
そして、こちらのフロントで一緒にお客様を出迎えているのが、看板娘のこなすです。
テラス棟がオープンした翌年、2016年にやって来たゴールデン・レトリバーの女の子。多くの人に那須へ来てもらいたい願いと、来た当初はぬいぐるみのように小さかったので、「こなす」と名付けられました。
小さなお子さんにも自分から近づくほど、こなすは人間が大好き。いつもフロントの傍らでお客様の到着をお待ちしています。
こなすに会いに日本各地から訪れる人も
こなすの出勤時間は、9~12時と15~18時と決まっていて、お昼になると巡回と称して散歩に出掛けるのが日課。お気に入りの木村さんが散歩当番だと、グイグイと積極的に先導します。
水遊びが好きで、脱走した際は池に飛び込み、泥だらけの状態で戻ってきて、スタッフさんを驚かせたという天真爛漫なこなす。表情が豊かで、ボール遊びに夢中。ボールと遊んでいるときは満ち足りた表情を見せるなど、何を思っているのかも分かりやすいといいます。
「ある時、こなすが自分より大きなワンちゃんに吠えてしまい、先輩スタッフさんに裏に呼び出されて、こってり叱られたんです。それがショックだったのか、抜け殻みたいに表情が放心しちゃって、分かりやすいくらい落ち込んでいました」と、木村さんがまるで同僚に言うように「そうだよね」と、こなすに話しかけます。
ワンちゃんグッズが揃ったワンちゃん仕様の客室
テラス棟の客室は、ワンちゃんが滑りにくい床材を採用したり、床暖房を完備したりするなど、見えない部分にもこだわっています。一室あたり、大型犬1頭、中型犬2頭、小型犬3頭までが宿泊でき、頭数にかかわらず、ケージは室内に1つ置かれています。
通常の宿泊施設のようにお茶菓子代わりのウェルカムおやつ付き。フロントで販売しているので、気に入ったらお土産にも買って帰れます。
ほかに客室には、フードボウル、洋服用と布団用のブラシ、自然成分100%の消臭剤、加湿器、ワンちゃん用ソファ、トイレトレーとシートを常備。
外泊に慣れていないワンちゃんには、お気に入りのおもちゃやマナーパンツを準備しておくと安心かもしれません。
お散歩グッズの中には、マーキング用ウォーター、ビニール袋、ウェットティッシュ、タオルを入れることができ、消耗品は廊下で補充もできます。夜間にもお散歩ができるよう懐中電灯や虫よけスプレーも、各部屋にあります。
部屋のお風呂も少し豪華さをプラス
洗い場のあるセパレートタイプの浴室は使い勝手が良く、脚を十分に伸ばせるバスタブに浸かれば日ごろの疲れも癒せそう。
客室のお風呂でも特別感を感じてもらえるよう、シャンプーバーも設置。こちらではオーガニックなど良質なシャンプーとコンディショナーに加え、色鮮やかなバスソルトがそれぞれ6種類並んでいて、好みのものを選べます。
ホテルの食事をワンちゃんと一緒に舌鼓
刻々と移り変わる空模様や水面をワンちゃんとのんびり眺めながらホテルの食事をいただくのも、お部屋での素敵な過ごし方です。夕食は洋食と和食の2種類から選べ、朝食は洋食となります。
その際はワンちゃん用の特別メニュー(880円)もぜひ。ポークなどのお肉料理に加え、お寿司やケーキなど種類も豊富。食材も良質なものを調理し、栄養バランスも抜群です。
人気のスモークチキンプレートは、こなすも大好物の一品。一心不乱にかきこみ、完食後も物欲しそうにお皿を見つめます。
ドッグキャビンや客室のケージを利用することで、ホテル棟にある和食、フレンチ、バイキングのレストランに行くこともでき、テラス棟からホテル棟へのバス送迎もあります。
ドッグランに散歩道と、ワンちゃんが喜ぶ環境
ドッグランが3エリアに分かれたドッグガーデンは、テニスコート2面分という大型犬も満足な広さが魅力です。
敷地の半分は、どのサイズのワンちゃんも遊べるフリーエリアになっていて、こなすも走ったり、飛んだりと元気いっぱいに駆け回ります。
残りの半分が、小型犬(体重10㎏まで)専用の2ヵ所で、芝生と砂で仕切られています。大型犬が苦手なワンちゃんもここなら安心して遊べます。
どのエリアにもトイレマーキング、水飲み場が設置され、ボウルも常備。
アジリティー(障害物)もあるので、一緒に協力しながら挑戦してみれば、ワンちゃんとの仲をさらに深めるきっかけになるはず。ドッグガーデンは、テラス棟に宿泊すれば無料。日帰りの場合は、テラス棟で受付をします(1日550円)。
敷地内をぐるりと巡る散歩道は、四季折々の草花や青々しい新緑、ふかふかの芝生など、自然の色めく様子を五感で満喫できる、おすすめの散歩コースです。
いつもと違う散歩コースにワンちゃんも興味津々のはず。もしかしたら、こなすのように帰るころには遊び足りなそうな表情を見せるかもしれません。
思う存分遊んだ後はシャンプーでさっぱり
土を掘ったり、水たまりに飛び込んだりと、ワンちゃんが汚れてしまってもご安心を。テラス棟にあるシャンプールームにはシャンプー、リンス、タオル、エプロンが備え付きなので、突然のときにも手ぶらで駆け込めるのが心強いです(1頭あたり1,100円)。
バスタブは、こなすも入れる大型仕様。ブラシとドライヤーもあるので、最後の仕上げまで行えます。ワンちゃんのお手入れは、ご自宅だと大変だったりするので、地元の人たちも日帰りで訪れることが多いのだとか。
ホテル棟宿泊者も活用できるキャビン
シャンプールームの隣には、ケージ18室が揃ったドッグキャビンがあります。テラス棟の宿泊者は無料で、ホテル棟の宿泊者も使えます(1泊3,850円)。また一時預かりも実施しており、日帰りで陶芸など体験工房に訪れた人が利用する場合も(1時間1,100円 最大6時間)。
テラス棟以外にも、ワンちゃんと滞在する方法
テラス棟は全6室のため、平日でも満室になることがしばしば。しかし、ワンちゃんはキャビン、飼い主さんはホテル棟にそれぞれ宿泊することで旅行を諦めずに楽しむことができ、実際にこの方法で滞在する人たちも多いと聞きます。
ホテル棟に宿泊する際はチェックインもホテル棟で行いますので、まずテラス棟でワンちゃんをキャビンに預け、その後にホテル棟へ向かうとスムーズです。キャビンでは食事サービスなどはなく、1日2回(朝・夜)はワンちゃんに会いに来てもらうようお願いしています。
ドッグガーデンも利用でき(1日550円)、利用時間も午前6時から日没までと日帰りでの利用よりも2時間早くワンちゃんを連れていけます(外来は午前8時から受付)。
ホテル棟は豊富なカテゴリ客室が魅力
静かな離れという印象を受けるテラス棟に対し、ツインタワーの存在感が光るホテル棟はリゾートホテルらしく、豪華絢爛さを醸し出しながら細やかな気遣いが感じられます。絆ルームは、家族と過ごす時間が居心地よく、贅沢なひとときになってほしいという願いが込められたお部屋。
空間に仕切りがなく、いつでも会話やコミュニケーションがとれる間取りになっているのが特徴。やわらかな畳の色合いや感触も、ほっと一息つくのに一役買って、到着早々にも和やかな雰囲気に。
窓からは那須連山をはじめ、深い緑の森や広い空が見渡せるのもタワーならではの魅力。新緑に紅葉、それに朝日に夕焼け、星空など那須の壮麗な自然風景をパノラマで満喫できます。
ありとあらゆる美食が集まったバイキング
そして、ホテルエピナール那須に宿泊するのなら、自慢のバイキングレストラン「エルバージュ」はぜひとも訪れたいところ。90種類以上の和食、洋食、中華料理が揃った夕食では、ステーキや天ぷら、パスタを目の前で調理してくれるので、熱々な状態なのもうれしいポイントです。
特に茹でたてのパスタをパルミジャーノ・レッジャーノに絡めたパスタは見ているだけで食欲をそそるメニュー。ソースやトッピングも好きなように組み合わせられるので、おかわりで戻ってくる人もいるほど。
野菜も新鮮な地元産にこだわり、旬ならではの瑞々しさや甘さに惚れ惚れするはず。サラダバーだけでなく、カラフルな野菜寿司も必見。鮮やかな紅心大根の上に白醤油のジュレを乗せた軍艦や、キャベツの巻物にはカレー粉をまぶしたパプリカの天ぷらを具にするなど、一貫ごとに異なる趣向を味わえます。
そして、30種類以上のスイーツが並ぶデザートエリアは、パティスリーがそのままレストランに入っているよう。ショーケースにはショートケーキやレアーチョコ、ジャージープリン、いちごムースにチーズケーキと、ありとあらゆるスイーツが輝きを放っています。
酪農王国・那須の魅力が詰まった朝食
朝食も夕食に匹敵するほどの品数ぶりに、どれから食べようか贅沢な悩みに何度も歩き回ってしまいますが、それもそのはず。実は、全国のホテル・旅館による自慢の朝食を選ぶ、楽天トラベルの「朝ごはんフェスティバルⓇ」で、エルバージュは1位を獲得した実力の持ち主です。
さらに1位に選ばれたメニューは全部で3つ。「ジョセフィンファームのヨーグルト」は、自社による搾りたての生乳をすぐに加工したもの。無添加、無香料にこだわり、ヨーグルト本来のコクや酸味が味わえると人気です。特にブルーベリージャムは、同じジョセフィンファームで作られており、相性も抜群。
2つめは「やきたてふわふわフレンチトースト」。那須御養卵とジャージー牛乳をたっぷりと染み込ませて焼いたもっちりとした食感に上品な甘みが相まって、スイーツと呼びたくなるほど絶品。メープルシロップのほか、ジョセフィンファームのブルーベリージャムと一緒に食べれば、ご褒美感がさらに増します。
那須御養卵をさらに堪能したければ、シェフが目の前で調理する焼きたてオムレツがおすすめです。
さらに和食も抜かりがなく、3つめの「おばあちゃんの那須味噌むすび」は栃木県産なすひかりに、特製味噌で香ばしく焼いたおにぎりに鰹出汁を注いでいただきます。出汁がしみたご飯はさらさらとかきこめ、味噌の香ばしさが鼻孔をくすぐる一品です。
敷地内でできることは他にも
ホテル棟には温泉大浴場のほか、エステサロンが2つ、さらにマッサージルームと健康サロンといった複数のリラクゼーション施設が勢揃い。室内温水プールもありますので、雨天時でも思い思いの時間を過ごせます。
敷地内にある体験工房 和楽日(わらび)では、シルバーアクセサリーや栃木レザーの革小物が作れ、ワンちゃん用にプレートを作る飼い主さんもいるのだとか。カートやケージ付きでワンちゃんと一緒に体験もできます。
かけがえのない時間を愛犬と共に
緑が深い那須高原は、清涼な空気が流れ、自然と人ものびのびとした様子。それは看板犬を務めるこなすの表情からもうかがえます。
「ホテルエピナール那須には複数の施設がありますので、ご家族でゆっくりとホテルでのひとときを楽しんでいただきたいのですが、せっかく那須高原にお越しくださったのなら、色々な場所を巡って、自然豊かでのんびりとした那須の良さも感じていただきたいです」と、ホテルスタッフの木原さん。確かに那須高原には、ワンちゃんを連れて行ける施設が多く、一覧にしたお出かけマップがあるほど。
「あと那須は、不思議と虹も出やすいんですよ」という木原さんの言葉が伝わったかのように、空には虹が。魔法がかったような展開ですが、「ホテルエピナール那須」で過ごすワンちゃんとの滞在が、夢のようなひとときになるという何よりの兆しです。
那須温泉 ホテルエピナール那須
- 住所
- 栃木県那須郡那須町大字高久丙1番地
- アクセス
- 【車】東北自動車道那須I.C.より約10分
【電車】東北新幹線・東北本線 那須塩原駅から無料シャトルバスで約30分(要予約) - 駐車場
- 無料(400台・先着順 テラス棟は近くに専用駐車場有り)
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:24:00)
- チェックアウト
- 11:00
- 総部屋数
- 202室(内、テラス棟6室)
- ペットの宿泊料金
- 小型・中型1,980円、大型2,200円
取材・撮影・文/浅井みらの