北海道を代表する動物園「旭山動物園」
写真提供:旭川市旭山動物園
「旭山動物園」は旭川駅・旭川空港からバスで約40分、自動車で約30分の場所にあります。子供はもちろん、大人も楽しめるスポットとして大人気。子連れ旅行や女子旅におすすめの旭川観光スポットです。ここでは臨場感あふれる展示方法が話題で、動物たちのありのままの行動が見られる「行動展示」、動物たちのエサを食べるシーンを解説付きで公開している「もぐもぐタイム」、生息地域が近い動物を同じスペースで観察できる「共生展示」はいつでも人で賑わいます。
見どころいっぱいの動物園。初めて行く人や、観光時間が限られている人は見学ルートに迷うところですよね。そこで今回は、動物園の見どころはもちろん、効率よく回るおすすめ見学ルート、スムーズに入れる穴場見学スポットや、人気スポットの混雑回避タイミングなどをご紹介します。
目次
飼育スタッフがエサを与えながら動物について解説してくれる「もぐもぐタイム」。間近でエサを食べる様子が見られたり、思わず「へぇー!」とうなずきたくなる裏話を聞けます。お目当ての動物のもぐもぐタイムは、始まる前に場所を取ってスタンバイをしましょう!
■魚を丸飲み!ペンギンのもぐもぐタイム
まずはペンギンのもぐもぐタイムをご紹介。ペンギンには歯が無く、噛まずにゴックンと魚を丸飲みするのだそう。中には、ホッケを10匹も食べる食いしん坊なペンギンも!「クークー」と鳴きながら動き回る姿がかわいいです。
カメラ目線(?)でこちらを見つめる赤ちゃんペンギンに視線釘付け! モコモコとしたシルエットと愛らしい仕草、ついつい目で追いかけたくなってしまいます。
■リピーター続出! アザラシのもぐもぐタイム
アザラシのもぐもぐタイムも大人気。アザラシも魚(ホッケ)を頭から丸飲みします! 1頭あたり1日約15~20匹食べるそうです。現在、旭山動物園には11頭のアザラシがいるので1日あたり約140匹ものエサを与えていることに…。「ちょうだーい」と言っているようにエサをおねだりする姿がかわいいです。
「もうエサないの?」と言わんばかりの表情。バケツが空なのを見ると、そそくさとその場を去っていきました…。賢い!
行動展示は、動物が本来持つ能力を最大限に引き出す展示方法のこと。動物たちのイキイキとした姿を見ることができます。
■水中のペンギンを観察できる「360度の水中トンネル」
360度見渡せる、水中トンネル。陸上の動きからは想像もできないほど機敏な泳ぎが見られます。ときにはペンギンがすぐ近くまで泳いで来ることも!
■「マリンウェイ」でアザラシの習性を観察しよう
旭山動物園では、アザラシも見逃せません。陸上ではゆったりした動きですが、水中ではスイスイ俊敏な動きをするアザラシ。「マリンウェイ」と呼ばれる円柱水槽では、上下に行ったり来たりするアザラシの姿が見られます。アザラシが通るたびに「かわいい~!」と大歓声!
■「吊り橋」の上を歩くレッサーパンダを見学
レッサーパンダのいる「レッサーパンダ舎」には、放飼場と向かいの木の間でレッサーパンダが行き来できる「吊り橋」があります。頭上の橋をテクテク歩く姿はとっても愛らしいです。
橋を渡ったり、木に登ったりと忙しいレッサーパンダ。ときには、まるでぬいぐるみのようなキュートな顔も見せてくれます。
自然界で同じ生息地にいる動物を一緒のスペースで展示する「共生展示」。同じ生息地にいる動物たちが同じ場所で暮らすのは適度な刺激になるのだそうです。
■クモザルとカピバラが一緒に生活
ここでは樹上で生活するクモザルと地上・水の中で生活するカピバラが一つの施設で展示されています。お互いにほどよい距離を保ちながら生活している様子を見ることができます。
※冬期室内展示。
動物園の見どころの次は、所要時間約3時間で回れるおすすめ見学コースをご紹介。初めて訪れた人でも存分に楽しめる、効率的な見学方法を解説していきます!
■3つある入口の特徴を把握しよう
動物園の入口は、正門、西門、東門の3カ所あります。初めての方は迷ってしまうかもしれませんが、路線バスで来た方はバス停から近い正門がおすすめです。
また、車で訪れる方は民間有料駐車場がある西門か、無料駐車場がある正門または東門から入園することになります。どの門から入っても反時計回りに回ると、園内をスムーズに一周することができます。
■入口で「もぐもぐタイム」の時間をチェック!
入園したら最初に、動物たちの食事シーンを見学できる「もぐもぐタイム」の時間をチェックしましょう。各入口に設置してある掲示板に、タイムスケジュールが載っています。
もぐもぐタイムの所要時間は、約10分〜15分。例えば、10:45から始まるペンギンのもぐもぐタイムを見学すると、11:00からのホッキョクグマのもぐもぐタイムには間に合わない可能性があります。
ホッキョクグマは特に人気なので、最前列で写真を撮りたい場合は、遅くても15分前には並んでおきたいところ。ペンギン、ホッキョクグマ、アザラシは午前と午後で1日2回もぐもぐタイムがあります。見たい動物から優先して計画を立ててみましょう!
まず、最初に向かって見ていただきたいのが、正門・西門近くにある「かば館、きりん舎」です。
「かば館」にはカバ・ダチョウ・イボイノシシが過ごしています。屋内の放飼場では、深さ3mのプールの中で軽快に動き回るカバの姿を見ることができます!
「かば館」のすぐ隣にある「きりん舎」。こちらではモグモグと葉っぱを食べる、愛らしいアミメキリンが。キリンを頭の高さや、足下からなどいろんな角度から観察できます。建物内にあるガラス張りの観察スペースからは、キリンが走ったりする迫力ある姿も見られます。
※冬期のキリンの展示は11:00〜14:00(予定)です。
次に行くのは、「ぺんぎん館」です。屋外でヨチヨチと歩くかわいらしい姿を観察できます。12月下旬頃から3月中旬頃の積雪期は、雪の上をペンギンが歩く「ペンギンの散歩」が見られます。
写真提供:旭川市旭山動物園
写真提供:旭川市旭山動物園
「あざらし館」は旭山動物園の中でも高い人気を誇ります。屋外は小さな漁船や波消しブロックなどが置かれ、アザラシが暮らすオホーツク海岸を再現。水面に顔を出しながら泳ぐキュートな姿にも注目です。館内に入れば、マリンウェイ(円柱水槽)や大水槽からアザラシの泳ぎ(行動展示)を観察できます。
「ほっきょくぐま館」の屋外では堀を利用して、檻のない放飼場でのホッキョクグマの動きが観察できます。野外には巨大プールが設置されているので、館内から水中へのダイナミックな飛び込みや泳ぎも観察できます。
写真提供:旭川市旭山動物園
ホッキョクグマの目の前にあるのは「シールズアイ」と呼ばれるカプセルです。シールズアイは、「アザラシの目」という意味。アザラシの視点で透明カプセルから迫力満点のホッキョクグマを観察できます!
その後は、反時計回りに進むと、1周3時間ほどで効率よくスムーズに回れます。最後は「くもざる・かぴばら館」へ。水浴びをするカピバラたち。のんびりしたおとぼけ姿に癒されます。動きがスローなので、見ていると時間が止まっているかのような感覚に。
※冬期室内展示。
「くもざる・かぴばら館」を見終えたら、下りながら正門・西門に戻ることができます。 東門へ戻る場合は急坂なので、シャトルバス(無料)を利用するのもおすすめです。「くもざる・かぴばら館」〜「東門」を往復するバスが10分間隔で運行しているので便利ですよ。
季節や天候、曜日にもよりますが、開園直後や閉園前の時間が比較的空いています。また冬期は夏期に比べて空いているので、並ばずにゆっくり見たい方には冬期の平日がおすすめです。
旭山動物園に遊びに行くなら、スケジュールを半日〜1日確保して、できれば朝一番の開園時間に合わせて行きたいところ。「ほっきょくぐま館」「あざらし館」「ぺんぎん館」は特に混み合うので、開園直後の午前中に見学しておくのがベターです。
比較的スムーズに入れる穴場見学スポット
■エゾシカの森
昔の北海道の自然をイメージした施設。高さ6mの自然の岩場も再現され、エゾシカが岩場の上に置かれたエサを取りに軽々と上っていく姿も見ることができます。
■シマフクロウ舎
ユーラシア大陸極東治岸地域と北海道周辺のみに生息し現在、絶滅の危機に瀕しているシマフクロウ。シマフクロウの生息環境を考え、広葉樹や針葉樹に加え、笹や倒木、小川や池を配置し、北海道の森林を再現しています。観察ホールからは池の中が見られるようになっていて、シマフクロウが魚をとらえて食べる姿が見られることも。
園内のいたるところに展示されたかわいいイラストの看板やオブジェも注目です。1972年から約25年間、旭山動物園で飼育員として勤務していた絵本作家・あべ弘士さんのイラストは大人気。行動展示の原点となるスケッチを描いた方で、イラストがあしらわれたお土産も大人気なのだとか。すてきなオブジェをバックに記念撮影もおすすめですよ。
飼育スタッフ作成の手書きパネルでは、近くにスタッフがいなくても動物のことが分かるようになっています。「この時期は、寒い冬に向けてたくさんエサを食べます」など、タイムリーなコメントも。動物たちをより一層身近に感じることができます。
こちらは、旭山動物園の傾斜を利用した、アザラシの仲間を紹介するボード。等身大で個体の色や特徴が分かりやすく、かつリアルに描かれています。こちらもスタッフの方の手作りです。園内中いたるところに、来園者へのメッセージが詰まっていますので、動物観察をしながら、眺めてみてくださいね。
▼あべ弘士さんの作品を展示「ギャラリープルプル」関連記事
かわいい動物たちに会いに行こう
動物たちの食事シーンが見られる「もぐもぐタイム」や動物たちの魅力を最大限に伝えるために考え抜かれた展示方法など、見どころいっぱいの「旭山動物園」。 他の動物園ではなかなか見ることのできない、動物たちの生き生きとした姿を間近で見ることができました。今回ご紹介した動物たちはほんの一部で、旭山動物園には、100種類を超える動物たちが暮らしています。
かわいい癒やし系の動物たちに会える「旭山動物園」は女子旅にもおすすめです。たくさんの動物たちに会い、心がなごむこと間違いなし。動物たちのショットをたくさん撮って、お家でもほっこりと癒されてくださいね!
旭川市 旭山動物園
- 住所
- 北海道旭川市東旭川町倉沼
- 営業時間
- 2020年6月1日~10月15日:9:30~17:15(最終入園16:00)
2020年10月16日~11月3日:9:30~16:30(最終入園16:00)
2020年11月11日~2021年4月7日:10:30~15:30(最終入園15:00)
- 休園日
- 11月4日~11月10日、年末年始
- 入園料
- 【通常料金】大人(高校生以上)1,000円、小人(中学生以下)無料
【市民特別料金】大人(高校生以上)700円、小人(中学生以下)無料
取材・撮影・文/中村真実
※掲載内容は公開時点のものです。ご利用時と異なることがありますのでご利用の際は公式ホームページなどでご確認ください。