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伊勢神宮・内宮から徒歩10分ほどの場所にある「猿田彦神社」は、正しい道へと導いてくれる「みちひらきの神様」をお祀りする、伊勢神宮にゆかりの深い社。猿田彦大神のほか、道祖神、庚申様などとして親しまれている神様です。境内には縁結び・芸能の神様である「佐瑠女神社」やさざれ石なども鎮座し、ご利益を求め多くの人が訪れています。
伊勢神宮創建にも関わった猿田彦大神を祀る神社
伊勢神宮・内宮から徒歩10分ほどの場所にある「猿田彦神社」。祭神である猿田彦大神は天照大神の孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を高千穂へと導いたという神話から「みちひらきの大神」として崇められている神様です。
共に祀られている猿田彦大神の裔である大田命は、代々守ってきた五十鈴川の川上の聖地を献上し、現在の伊勢神宮・内宮が創建の礎となりました。この大田命の子孫である「宇治土公(うじのつちぎみ)」が現在も猿田彦神社の宮司を務めています。そのような由縁から宇治土公家は、伊勢神宮において代々特別な職に任ぜられ、式年遷宮では心御柱と御船代を奉納するなど重要な役割を果たしてきました。
境内には、もともと本殿があった場所に「古殿地」があり、そこには方角が刻まれた八角の石柱が。神様が鎮座されていた神聖な場所なので、この石に触れてそのパワーをいただきましょう。ほかにも「さざれ石」「たから石」など縁起のよいとされる石があります。
良縁・芸能の神様として芸能関係者も訪れる「佐瑠女神社」
猿田彦神社の境内にあり、本殿に向かい合うように鎮座しているのが「佐瑠女神社(さるめじんじゃ)」。祭神の天宇受売命(あまのうずめのみこと)は、瓊瓊杵尊が地上へ降りられる際に随行され、天上の神と地上の神との間を取り持つ役目を果たしたのだそう。その功績により「猿女君」という名を受け、様々なご縁を取り持つ神様として祀られるようになりました。
また、天照大御神が籠られてしまった時に天宇受売命が神楽を舞い、これが神様へ奉納する舞の起源となったとも。その神話により芸事の祖神として敬われるようになり、音楽・芸能関係者のほか、さまざまな習い事の上達・成功を願う人々が訪れているそうです。
それぞれの神様のご利益を賜った授与品の数々
境内にある授与所では絵馬やおみくじなどがあるので、ぜひ願いを込めて奉納を。絵馬には「みちひらきの舞」と呼ばれる猿田彦神社オリジナルの神楽の様子が描かれています。
「みちひらき御守」(左)と「佐瑠女神社御守」(右)
お守りも様々あり、物事を良い方向へと導いてくれる「みちひらき御守」のほか、「安産守」や「はじめの一歩守」など、みちひらきの神様ならではの心強いお守りをいただくことができます。「佐瑠女神社御守」は、縁結びの御守り。人と人、人と物など良縁を繋いでくれます。
例祭などの祭事や結婚式なども行われる、祈りの場所
※写真提供/猿田彦神社
すべての道を良い方向へと導いてくれる。そんな神様が祀られていることから、猿田彦神社では結婚式が執り行われていて、ここで神前式を挙げるために全国から訪れています。
また祭典なども斎行され、毎年5月に行われる御田祭は、神社の裏にあるある御神田にて五穀豊穣・豊漁満足を願い田植えの神事が行われます。周囲の景色は変化していますが、何百年も前から変わりなく続けられている神事です。
仕事や結婚、芸事など、何かを成し遂げたい、良い方向へと進みたいという人が訪れ祈りを捧げていく「猿田彦神社」。伊勢神宮の創建にも関わった歴史ある社に立ち寄って、そのパワーに触れてみてはいかがでしょうか。
文:田口真由美