提供:ことりっぷ
フレッシュなフルーツをたっぷりのせたババロアやフルーツサンドなど、50年以上愛され続ける味を守るフルーツパーラーを訪ねました。老舗の味を守りながらも、新しいメニューを創作していて、昔から親しんできた味を懐かしむ人々から若い世代まで幅広い人が訪れています。12月からは国産イチゴが出回るようになり、イチゴづくしメニューも楽しめますよ。
歴史あるフルーツパーラーの味を守るために
名古屋市中区大須にある「檸檬屋」は、名古屋で50年以上前に創業した「フルーツパーラーレモン」の味を受け継ぐお店。「フルーツパーラーレモン」はかつて名古屋をはじめ東京や横浜の百貨店に出店し、フルーツを贅沢に使ったデザートを提供し人気を集めていたお店。現在はすべて閉店しまいましたが、かつてのお店で腕を振るっていた片岡さんらが「檸檬屋」と屋号を新たにし、ここ大須にお店を開業しました。
店内には百貨店時代に使われていたサンプルのショーケースもあり、当時を知る人はきっと懐かしいと感じるはず。お店にはフルーツサラダやババロアなど創業当時から変わらないレシピで作りづけているメニューがいくつもあります。
フルーツのおいしさを最大限に感じられるように
「檸檬屋」で一番に食べてほしいのが、「フルーツパーラーレモン」で創業当時から名物だったというババロア。「今ではババロアって何?と聞かれることもあるので、いつのまにか懐かしいメニューになってしまいましたね」という代表の片岡さん。卵や牛乳をゼラチンで固めたデザートで、シンプルですが優しい味でこの味を求めて遠方から訪れる人も多い人気商品です。
目の前で作り上げるデザートの数々
ババロアはお土産として人気ですが、店内にはイートインスペースがあるので、ぜひ出来立てのフルーツメニューも楽しんでみてください。オーダーを受けてから皮をむいたり、カットしたりと、美味しく食べてもらうためのひと手間を惜しまず作られていることがわかります。
12月からは国産イチゴが美味しくなるシーズンということで、メニューを見るとイチゴでいっぱい。お店では美しく粒のそろったイチゴだけを厳選して入荷していて、甘みと酸味のバランスがちょうどよい品種「紅ほっぺ」を使用しています。
「苺ロマンス」(2200円)
そしてこの時期限定で登場するのがイチゴ尽くしの品々を一皿に盛り付けたプレート。大須に出店してから創作したというプレートで、イチゴのシーズン中にどんどんと内容が変わり、さまざまなイチゴとスイーツの組み合わせを楽しめるようにしています。訪れたときは自家製ヨーグルトやパンケーキ、ワッフルなど人気のスイーツと組み合わせた王道の一皿でしたよ。
「プレミアムチョコレートストロベリーパフェ」(2420円)
一番人気なのが紅ほっぺを10個以上使った贅沢なパフェ。自家製のイチゴソースやババロア、チョコレートアイス&クリームなどを重ねたパフェは、国産イチゴが美味しい2月末までの期間限定です。ほかにもソースにもフレッシュなイチゴをたっぷり使ったイチゴのかき氷やイチゴジュースなどさまざまなイチゴメニューが楽しめます。
フルーツパーラーが作る究極のフルーツサンド
「檸檬屋」ではフルーツサンドも人気で、こちらも50年以上前から受け継がれているレシピで作られています。中に入っているのはイチゴのほか、黄桃やリンゴ、メロンなど。小さめにカットし、クリームはフルーツの味わいを引き立てるよう、甘さ控えめ。さまざまなフルーツが入っていることで、どの部分を食べても食感が楽しく飽きさせません。
フルーツサンドはフルーツとクリームを仕込んだり、パンにクリームをはさんでから少し寝かせるため、出来上がるのに約2日かかるのだそう。寝かせることで美しい断面になるのはもちろん、パンがしっとりとクリームとなじみ一体感のある味わいになっています。
「フルーツランチ」(990円)
ランチ替わりに楽しんでもらえたらと作った「フルーツランチ」は、このフルーツサンドに、こちらも昔からの人気商品フルーツサラダとドリンクが付いたセット。フルーツサンドはテイクアウトも可能なので、確実に食べたい人は予約がおすすめですよ。
食べごろのフルーツを一番おいしい状態で
ほかにも夏は白桃、秋はシャインマスカットなど、シーズンのフルーツを使った豪華なパフェやデザートが登場する「檸檬屋」。どのメニューも食べやすいサイズにカットしたり、スプーンですくいやすいように盛り付けていたりと、食べる人のことを考え作り上げていて、フルーツそのもののおいしさを大切にした品ばかり。フルーツパーラーの想いが込められた品々をぜひ楽しんでみてくださいね。
文:田口真由美