本&雑貨のセレクトが素敵♪ 京都の書店「恵文社一乗寺店」を訪ねて洛北・一乗寺へ

本&雑貨のセレクトが素敵♪ 京都の書店「恵文社一乗寺店」を訪ねて洛北・一乗寺へ

提供:ことりっぷ

 

国内外の文学、アート、建築、ファッション、サブカルチャーといったさまざまなジャンルの本&雑誌からリトルプレスまで。洗練されたセレクトやアンティークの家具と調和した美しい空間が、読書好きはもちろんのこと、ふだん本になじみのない人をも瞬時に魅了する、京都の「恵文社一乗寺店」。中心部から離れた場所にありますが、時間をかけても訪ねて行きたくなる、そんな引力をもっています。

ローカル線に乗って一乗寺へ

ローカル線に乗って一乗寺へ 向かって真ん中が書店、右側が生活館、左側がギャラリーアンフェール

京阪出町柳駅から叡山電車に乗りかえて3つめの一乗寺で下車し、西へ徒歩3分ほど。鮮魚店、和菓子店、ベーカリー、スーパーなどが点在し、暮らしの息づかいが聞こえてくる町のメインストリートにあります。

はじまりは、今から50年ほど前の、書店といえばどこも同じような本が並んでいた時代。芸大のほか当時向かいには映画館もあって、カルチャー色が濃くクリエイティブで自由な雰囲気に惹かれたオーナーが、「ほかとは違う町の本屋さんに」と開業。オーナーは当初から現在に至るまで裏方に徹してお店を見守ってくれているそうです。

 

アンティークと調和した美しい空間

アンティークと調和した美しい空間 やわらかな光が差し込む窓辺

時を経て深みを増したアンティークの棚やテーブルに本が並ぶ光景は、思わず見惚れる美しさ。それもそのはず。2010年には、英紙ガーディアンによる「世界で一番美しい本屋10」として日本で唯一選ばれたこともあるのです。

 

照明が控えめで、落ち着いた雰囲気のなか本を選べる ガラス扉のなかにはヴィンテージの写真集も

本は、作家名のあいうえお順ではなく、ジャンルごとに並べられています。「棚全体をひとつの有機的な生きもののように捉えていて、異なるジャンルでもつながりや流れを考えながらレイアウトしています」とスタッフの岡本さん。

近年は「店長」という役職はあえておかず、雇用形態の異なるスタッフたちが、フラットに意見を出しあい、それぞれの想いを尊重しながらそのときどきのおすすめの本を選んでいるそうです。「近所の方、観光の方、海外から来る方。年代も幅広いお客さまが来られます。町の書店でありたいので、バランス感覚を常に意識しながらどの方にもどこかしら響く本を置きたいね、とスタッフ間で話しています」。

 

着彩前の貴重なファッションプレート(銅版画) Hovace Vernet画 1815年 星月夜工房の「豆本童話」1430円~

 

本と、本にリンクする雑貨が並ぶ「生活館」

本と、本にリンクする雑貨が並ぶ「生活館」 ちょっとした贈り物を選びたいときにも重宝

書店の西隣は、料理、お茶、ワイン、編みものなど衣食住を中心とした生活にまつわる本と、それらとリンクするような雑貨が並ぶ「生活館」です。食や手芸、暮らしや民藝にまつわる書籍やキッチンツール、コーヒー、調味料など、日々を心豊かに過ごせそうなアイテムがそろいます。

 

幸運を呼ぶといわれるフランスの「フェーブ」(写真右上)550円など手ごろな価格のアイテムも多い 日本の鞄ブランド「WONDER BAGGAGE」と恵文社がコラボしたオリジナルの名刺入れ1万2650円。ひろせべにさんによる「メガネネコ」の刻印がワンポイント オリジナルのエコバッグは全3種各550円。コピーとイラストは、京都在住のイラストレーター・ニシワキタダシさんによるもの

 

カルチャーを発信「ギャラリーアンフェール」

カルチャーを発信「ギャラリーアンフェール」 ギャラリーアンフェール。書店とは中庭経由で行き来できる

書店の東隣にある「ギャラリーアンフェール」では、地元の学生や、若手アーティストたちに貸し出すためのレンタルギャラリーのほか、恵文社企画の展覧会を通じてさまざまなカルチャーを紹介しています。また、イラストレーター・漫画家・粘土作家のひろせべにさん、型染め作家の関 美穂子さん、イラストレーターの西淑(ニシシュク)さん、恵文社とお付き合いが長いという3人のアーティストの作品をはじめ、文具類、輸入雑貨、アクセサリーなど、バラエティに富むアイテムが並んでいます。

 

日常づかいできるペーパーアイテムも豊富 ポストカードや、一筆箋、グリーティングカードなども 個性的なディスプレイに心も弾む 中庭には、カフェやワークショップなど1日単位でレンタル可能な「イベントスペース コテージ」も

電子書籍が普及し、パソコンやスマートフォンを使えばいとも簡単に知りたい情報が手に入る。そんな現代における本の魅力について岡本さんに尋ねてみると、「モノとして手元に置いておけるという“存在感”でしょうか。自分と一緒に育っていけるので、紙の本はシワやシミも愛おしくなってきます。本を読むって、一見遠回りで時間がかかると思われたりすることもありますが、そういう過程を経るからこそ自分自身の力になるし、価値が高まるように思います」と話してくれました。

新しい明日への扉を開いてくれる、そんな運命の一冊との出会いが、ここでならきっと叶うのではないでしょうか。

 

 

文:佐藤理菜子 撮影:マツダナオキ

 

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