京都の奥座敷・八瀬にある猫好きの聖地へ♪「猫猫寺 開運ミュージアム」

京都の奥座敷・八瀬にある猫好きの聖地へ♪「猫猫寺 開運ミュージアム」

提供:ことりっぷ

 

猫好きさんから注目を集めるスポットは全国にありますが、京都には猫が住職を務めるお寺があります。寺院型ミュージアム「猫猫寺(にゃんにゃんじ)」は、ご本尊として大日猫来(だいにちにゃらい)様が祀られ、華麗な猫アートであふれている聖地だとか。それでは、さっそくミュージアムツアーに出かけてみましょう。

 

古民家を改装したミュージアム

古民家を改装したミュージアム 大きな猫絵馬が迎えてくれる。猫の手を借りてハッピーに!

猫猫寺へは、京都駅から大原行のバスで約1時間、神子ヶ渕で下車し、そのままバスの進行方向へ歩くと、左手に築100年を超える民家が見えてきます。

敷地には、しめ縄のかかった御神木があったり、木陰にかわいい猫のオブジェが置かれていたりと、まさに猫の聖地にふさわしい雰囲気。ときには、猫住職さんが日向ぼっこをしていることもあるそうです。

 

猫愛200%のファミリーが創建

猫愛200%のファミリーが創建 玄関横の手作り雑貨のお店。100人を超える作家さんの作品を扱う

猫猫寺の始まりは2016年。仏像や仏画の彩色を手がける絵師である加悦徹さんが、「猫のような自由な生き方をしよう!」をコンセプトにオープンしました。2020年には、長男である加悦雅乃さんの作品を中心にリノベーションされ、現在に至ります。

 

猫作家・加悦雅乃さんのポップな襖絵

猫作家・加悦雅乃さんのポップな襖絵 「天使猫の間」の襖絵

ショップを通り抜けると、寺院のように襖絵のある小部屋に出ます。ほんわかと心が暖まるようなやさしいタッチで描かれた白い猫たち。鱗のカラフルな色合いも素敵です。まるで、翼を付けた猫が、龍のように空を自由に駆けめぐっているようにも見えます。

聞けば、この作品は雅乃さんが結婚された年のものだそう。幸せのおすそ分けにも預かれそうですね。

 

正面の作品は、猫がたわわに実る木を描いた「ネコノキ」

赤い壁に囲まれた部屋は、雅乃さんのギャラリー。子どもの頃から4匹の猫とともに育ち、一方で絵師としての父親の姿を見てきた雅乃さんは、早い段階で猫作家になることを決意。中学卒業後、すぐにアーティストとしての活動に打ち込みます。こちらには、国内外で受賞した作品が展示されています。

 

「日月22匹招き猫の間」の襖絵

次の間には12面の襖に22匹の猫が描かれた超大作が。どの子も手を上げた招き猫のスタイル。一般に右手は金運を、左手は人を招くとされ、なかには両手を上げた欲張りさんも。これだけ大勢の招き猫さんに全力で応援されると、福が訪れてきそうです。

 

本堂に鎮座する大日猫来様

本堂に鎮座する大日猫来様 肉球があしらわれた寺紋も遊び心いっぱい

猫猫寺の最奥の部屋は本堂。本尊の大日猫来は、仏像彫刻の技法で刻まれ彩色された本格的なもの。どこから眺めても目があう22方にらみは、他では見られないほどリアルな視線が感じられます。

また、その横の伝統的な襖絵は桜を徹さんが、猫を雅乃さんが手掛けた父子の豪華競演。日本画の手法で描かれた猫のモフモフ感を、間近から存分に味わいましょう。また、視線を上に移すと、天井には44人のアーティストから奉納された作品が飾られています。

 

2020年のリニューアルの際にSNSで公募された天井画

 

授与される開運グッズの数々

授与される開運グッズの数々 「阿吽招き猫 オリジナル御朱印帖」(各3000円)

開運ミュージアムと名打っているだけあってご利益グッズも充実。御朱印をはじめ、お守り、お札、絵馬などすべて揃います。徹さんの人生経験に基づいたおみくじもありますよ。こんなユニークなミュージアムを創り上げた方の言葉、どんな内容か気になりますね。

 

秘密の地下室での特別拝観

秘密の地下室での特別拝観 アンティーク風のインテリアで統一された地下室「22GBar」

さて、猫好きにとって1年で最も気になる日は、2月22日の「にゃんにゃんの日」。とくに今年2022年2月22日は、2が並ぶということで特別な年でもあります。さらに、猫猫寺では雅乃さんが22歳ということを祝い、「特別拝観 加悦雅乃の個展」が催されます。

公開されるのは秘密の地下室。一歩部屋に足を踏み入れると、そこは純和風の古民家らしからぬ、耽美な雰囲気が漂う洋室でした。ここに、雅乃さんの子どもの頃からの作品が一堂に会します。

猫好き一家の熱い思いが形になった猫猫寺。本格アートあり、くすっと笑いを誘うようなユーモアあり、それに古い民家の風情と八瀬の自然がアクセントを添えます。もちろん、タイミングが合えば住職の猫にも会えますよ。この日は、住職見習いの小夏ちゃんが顔を見せてくれました。少し遠くてもわざわざ訪れてみたくなる、京都の猫スポットです。

 

 

文:戸塚江里子 撮影:保志俊平

 

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