長野・蓼科から白樺湖、霧ヶ峰などを通り、美ヶ原高原までを結ぶ「ビーナスライン」。人気のドライブルートには紅葉スポットが点在していますが、周辺には知る人ぞ知る穴場の絶景スポットも。写真家の高橋智裕さんがおすすめする「いずみ湖」の紅葉と、撮影テクニックをご紹介します。
写真家
高橋 智裕(たかはし ともひろ)さん
1973年4月生まれ、福島県いわき市出身。現在、長野県上田市在住。JPU 協同組合日本写真家ユニオン理事/JSPA 日本風景写真家協会会員。内閣官房・内閣府主催 伊勢志摩サミットフォトコンテストで優秀賞を受賞し、首相官邸にて表彰を受ける。「写真」は「写心」の気持ちを忘れることなく、自然との共存、自然からの声をテーマに、情景的な風景を求めて全国をまわり、作品作りに尽力している。防災啓発活動をする「防災ジャーナリスト」としての顔も持つ。
諏訪湖から美しい紅葉が見られるいずみ湖へ
長野県を代表する紅葉スポットとして、多くの人が訪れる霧ヶ峰高原。諏訪湖畔を走る国道20号から霧ヶ峰へ車を走らせると、しばらくして道の両側を覆うカラマツ帯に入ります。カラマツ帯に入り、「蓼(たて)の海」の標識が見えたら、霧ヶ峰やビーナスラインの紅葉を見に行く前に、寄り道をしてみましょう。
標識に従って進み、人口貯水池・蓼の海が見えたら、沿うように延びる道をさらに奥へ。数分すると、木々に覆われひっそりと佇む、こちらも人口池の「いずみ湖」に到着します。ここは、錦秋の風景を静かに楽しみたい人におすすめの穴場スポットです。
池の対岸に広がる美しい紅葉。ここではすぐに撮影したいという衝動をおさえ、自分がひかれたポイント(例えば鮮明な赤色など)を冷静に感じ取ってください。ポイントがはっきりしたら、その部分の美しさがもっとも際立つように切り取ってみましょう。
すべてを漠然と撮ってしまうと、平凡な写真になってしまい、あとで確認した時に「こんなはずじゃなかった」「あの感動がまったくない…」というような、記録的な写真になってしまいます。撮影前にひと呼吸置き、眼前の景色の中にある、自分にとっての美を探してみることを忘れずに。
また、色づいていない緑の木や枯れている木などを意識して入れ込むと、より紅葉が引き立ちます。
カラマツの黄金色を中心に赤やオレンジ、緑などが混じり色鮮やか! 風が止むと水面にその色彩が映し出され、まるで鏡のようです。
近くには、映画『君の名は。』に登場した風景のモデルといわれる立石公園なども。ぜひ、いろいろな場所で信州の秋を楽しんでみてください。
いずみ湖公園
- 住所
- 長野県諏訪郡下諏訪町8777
- アクセス
- 【電車】JR「下諏訪」駅よりタクシーで約15分
【車】中央自動車道「諏訪」IC、または「岡谷」ICより約30分 - 詳細
- いずみ湖公園 - 下諏訪町
撮影・文/高橋 智裕