日本の伝統や文化を活かしたおもてなしを追求する「星野リゾート」の都市観光ホテルブランド「OMO(おも)」が、2021年11月1日、沖縄・那覇に「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」としてグランドオープン。周辺には、さまざまな商店が集う那覇のメインストリート・国際通り、沖縄の台所・牧志公設市場などが。「バザールって、ちむどんどん♪」をコンセプトに、那覇の街全体をバザール(市場)と捉え、ちむどんどん(沖縄の方言で「ドキドキワクワク」の意味)に楽しみつくすホテルステイを提案してくれます。
ガイドブックでは知り得ないディープな那覇をたっぷり満喫した「OMO5沖縄那覇」での1泊2日の宿泊記をお届けします。
沖縄観光の拠点に! 便利な立地にある「OMO5沖縄那覇」
「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」をコンセプトに、その土地のディープな魅力を堪能する仕掛けやフレンドリーなスタッフたちが、唯一無二の宿泊体験に導いてくれる「OMO」。そのOMOが、北海道・旭川、東京・大塚、京都に続き、沖縄に初上陸しました。
「OMO5沖縄那覇」は沖縄の大動脈である国道58号線に面し、那覇空港から車で約8分、ゆいレール・県庁前駅からは徒歩約6分、美栄橋駅からは徒歩約8分という那覇の中心地にあります。
迎えてくれるのは、「OMO5」のモニュメントと、モダンな花ブロック。沖縄の住まいでは、日光を遮りつつ、風が抜け、室内が見えないということで、穴の空いたコンクリートブロック「花ブロック」が取り入れられてきました。よく見ると、花ブロックの模様も「OMO」になっています。
ちなみに、この「OMO」のロゴデザインは、今夏の東京五輪のエンブレムを手掛けた野老朝雄(ところ あさお)氏によるもの。
中へ入ると、吹き抜けの空間に、丸、三角、四角の幾何学模様をあしらった花格子が目に留まります。カジュアルでありながら、モダンで刺激的な空間が広がります。
まずはフロントにある自動チェックイン機で手続きを。スマートフォンで予約時のQRコードを読み込む、または名前を入力するだけで簡単にチェックインができます。人との接触なしにチェックインできるのも便利です。
1階のエレベーター前にはアメニティが並びます。歯ブラシやシャンプー、コンディショナー、ボディソープなどはお部屋に準備されていますが、そのほかの必要なアメニティはここでピックアップしていく仕組み。必要なものを必要な分だけと、環境に配慮した取り組みです。部屋着もここで借りることができます(200円/1着)。
カフェ、ライブラリーを備えたラウンジ「OMOベース」
ホテルは地上16階建てで、1~2階の「OMOベース」は、旅行者と街をつなぐパブリックスペースになっています。1階にはフロントのほか、朝食からカフェ、バーまで1日中使える「OMOカフェ」、那覇の街情報がわかる「ご近所マップ」が。2階には宿泊者が自由にくつろげる「ゆんたくライブラリー」があります。
スタッフが実際に足を運んで集めた情報が揃う「ご近所マップ」
OMOでは、旅行者が街に溶け込むのをサポートしてくれる「Go-KINJO(ごーきんじょ)」サービスを展開しています。そのサービスのひとつが、1階OMOベースにある「ご近所マップ」。実際にスタッフが足を運び、厳選したおすすめのお店やスポットのリアルな情報が日々更新されています。
近くのおいしい沖縄料理のお店やカフェ、居酒屋、300年の歴史があるやちむんの窯元など、魅力的な情報が満載! 迷ったときはスタッフに相談を。家族や友人に薦めたいお墨付きの場所を提案してくれます。スタッフとの会話を気軽に楽しめるのもOMOベースならでは。
ご近所マップの横には、沖縄のガイドブックや写真集なども揃います。トム・ディクソンのモダンなライトとハンス J. ウェグナーのラウンジチェアがおしゃれな、マップ前のソファースペースで、明日の予定を立てたり、写真集をめくったりするのもよさそうです。
宿泊ゲストだけのくつろぎスペース「ゆんたくライブラリー」
2階は宿泊者限定で利用できる「ゆんたくライブラリー」。「ゆんたく」とはおしゃべりという意味で、ゆったりとしたソファーや花ブロック越しに外を望むテーブルがあり、おしゃべりしたり、観光の計画を練ったり、読書をしたり、思い思いの時間を過ごせます。居心地の良さから、長居していく旅行者も多いそう。全席に電源が備わっているので、ワーケーションにもおすすめです。
また、壁面にはシーサーや琉球ガラス、やちむん、手花織(てぃばなおり)、琉球張り子など沖縄の工芸品も並びます。ジャンルごとに分けられ、沖縄の文化や芸能、歴史、料理など、100冊以上の書籍を自由に読むことができます。
那覇の国際通り近くにあるクラフトビール醸造所「浮島ブルーイング」のビールや、創業70年になる沖縄最古の琉球ガラス工房、奥原硝子製造所の「ペリカンピッチャー」などもディスプレイされていて、新たなモノとの出会いも演出してくれます。
エレベーターホールなどで出会うのが、センスがよくかわいらしい「琉球みやらびこけし」。障がい者支援施設の方々が、琉球松の切り出しから手付けの作業まで一つひとつ丁寧に手作りしているそう。通産大臣賞も受賞した逸品です。
ちなみに、ゆんたくライブラリーの奥には、コインランドリーやウォーターサーバーも設置されています。ワーケーションなど長期滞在には、便利でうれしいですね。
コンパクトだけど機能的! ワクワクする3タイプの客室
客室は、ダブルルーム、ツインルームと、屋根裏部屋のような中2階を設けた「やぐらルーム」の3タイプ。いずれもコンパクトながら機能的で、和紙畳が敷いてあり、靴を脱いでくつろげます。
秘密基地のようなワクワクする客室「やぐらルーム」
19.74平米の「やぐらルーム」は中2階「やぐら屋台」があり、縦の空間を上手に使っています。寝る場所とくつろぐスペースが分かれているので、広々とゆったり過ごすことができ、女子旅や家族旅行などにおすすめ。ソファーをダブルベットとして使うと4人まで宿泊できます。
やぐら寝台下のリビングペースは、居心地がよく、おしゃべりに花が咲きそうです。窓からの景色は客室によって異なりますが、那覇の街が見渡せ、奥に海が見えるお部屋も。
やぐら寝台の内側にはベッドが。秘密基地のような空間にワクワクします。
限られたスペースを角材で仕切り、タオルや歯ブラシ、ドライヤー、洋服掛けが、壁にスッキリと収納されています。
やぐらルームは、独立したバスルームに深めのバスタブを備え、ゆっくりと疲れを癒やせます。シャンプー、コンディショナー、ボディソープは星野リゾートオリジナルのものを用意しています。
2人での宿泊におすすめの「ツインルーム」
2人での宿泊にちょうどいいのが、19平米のツインルーム。ツインベッドと、窓辺には足が伸ばせる広々したソファーを設け、こちらもリラックスできる空間が広がります。
このツインルームとダブルルームは、バスタブはなく、シャワールームのみ。お部屋と洗面スペースをロールカーテンで仕切ることができるので、気を遣うことなく身支度を整えられます。
3名までの宿泊には「ダブルルーム」もおすすめ
19.8平米のダブルルームは、ダブルベッドと窓辺にソファーを備え、3人まで宿泊できます。
壁やソファーなどの色はお部屋ごとに異なり、赤・青・緑・黄色の4タイプあります。4色とも沖縄を象徴するものから採用していて、赤はハイビスカスや首里城、青は海と空、黄色は太陽やマンゴー、緑はなんと海ぶどうとゴーヤ(!!)だそう。ポップでかわいいデザインに、思わずテンションが上がります。
「裏国際通りさんぽ」でディープな那覇を探索!
そして、毎日開催されているのが、OMOブランドの特徴のひとつで、ご近所を知り尽くした「OMOレンジャー」と呼ばれるスタッフが、友人のように街を案内してくれるガイドサービス。今まで知らなかった街の魅力に触れることができます。
参加したのは「裏国際通りさんぽ」。お土産店や飲食店が立ち並ぶ賑やかな国際通りの裏手は、迷路のように入り組んだ路地が広がり、昔ながらの風景が残ります。「裏国際通り」と呼ばれるディープな那覇をOMOレンジャーが案内してくれます。何度も那覇を訪れている人にもきっと新しい発見があるはずです。
OMOレンジャーについて、国際通りから一歩入った商店街を歩いていると、「水上店舗」と書かれた古びた階段が。教えてもらわなければ、素通りするところでした。ここには昔、川が流れていて、その川に蓋をする形で商店街が建てられたそう。
1階部分は地元の人で賑わうお店が立ち並びますが、2階部分に足を踏み入れると、時代から取り残されたような空間が現れます。昭和の雰囲気が色濃く残るこのフロアには、今は若いクリエイターのアトリエや雑貨屋などが入り、新たなおしゃれスポットになりつつあるのだとか。
牧志公設市場横にある創業59年の「松本商店」。お店の前にはかつお節が山積みです。実は、沖縄はかつお節消費量が全国1位。沖縄のかつお節はカビつけをしていない、しっとりと濃い味が特徴だそう。
お客さんは地元の人が9割ですが、料理人たちも足繁く通う、知る人ぞ知る乾物屋です。店長におつまみには「やみつきカツオ」がおすすめと教えてもらい、部屋飲みのおつまみに購入。素敵なお店との出会いもこのツアーの醍醐味!
「新天地市場本通り」を歩いていると、OMOレンジャーを見て、「あら、いらっしゃい」と気さくに声をかけてくれるお店の方が。さすがはご近所のことを知り尽くすOMOレンジャー。地元の方とも仲が良いことがうかがえます。
ここはじーまーみ豆腐の専門店「花商 牧志本店」。「じーまーみ」とは、地豆=落花生のことで、「琉球王国時代の宮廷料理だったのよ」と教えてくれます。
「せっかくだから食べてって」と味見をさせていただきました。とろっと甘くておいしいお豆腐。お土産にもホテルに持って帰って食べるのにもぴったりです。甘いタレがついていますが、オリーブオイルやわさびも合うと教えてくました。
続いて訪れた「太平通り」は、野菜やお魚、お肉、お惣菜などのお店が並び、地元の人がひっきりなしに行き交います。惣菜店には、もずくにグルクン、フーチーバ(よもぎ)など、沖縄ならではの天ぷらが。「沖縄の人はおやつに食べるくらい天ぷらが大好き、衣が厚めでモチモチなんですよ」とOMOレンジャーが教えてくれます。揚げたての天ぷらを見ていると、そろそろお腹も減ってきました。1時間ほどディープな街歩きを楽しみ、ホテルに戻ります。
裏国際通りさんぽ
- 開催日
- 日曜日以外、通年
- 時間
- 16:00~17:00
- 料金
- 無料(宿泊者のみ参加可)
- 予約
- 前日22:00まで受付
- 定員
- 6名(最少催行人数1名)
たっぷり市場を楽しんだら「OMOカフェ」でひと休み
迷路のような裏国際通りを堪能した後は、甘いものでちょっと休憩を。1階にある「OMOカフェ」は、宿泊者以外も利用できるカフェで、ワンコインのデザートも充実しています。
沖縄の器に、マンゴーと島バナナのアイス、シュー生地とローズマリークランブルがのった「トロピカルパフェ」(500円)は、フルーティーでさわやかな味わい。
「スペシャルラテ」(550円)は、通常の3倍量の豆で抽出したもの。コーヒーの苦味をしっかり感じられる贅沢な一品です。
パッションフルーツを使った南国らしいドリンク「パッショネード」(700円)。程よい酸味で喉を潤してくれます。そのほか、地元の人気パティシエのビスコッティやケーキなども販売されていて、瞬く間に売り切れるそう。
パッケージがかわいいOMO5沖縄那覇オリジナルの3種の缶詰、ぐるくんのオイル漬け、豚肉の辛子味噌煮込み、スルメイカのイカ墨煮は、お土産にも最適です。また、OMOカフェはコンセントもあるので、仕事をするのにも便利です。
OMOカフェ
- 朝食
- 7:00~10:00(9:30L.O.)
- カフェ&バー
- 10:00~24:00(23:30L.O.)
夜ごはんは「ご近所マップ」をチェックして街に繰り出そう!
夜ごはんの時間。「ご近所マップ」でお店を探すことに。沖縄そば、ステーキ、沖縄定食、居酒屋……マップを見ながらあれこれ言いながら探すのも楽しい時間です。地元ならではの情報をキャッチして、那覇の街へ繰り出しました。
「OMOカフェ」の朝食はボリュームたっぷり!
2日目の朝、朝食は「OMOカフェ」で。メインのプレートは、クロックムッシュ、ピザトースト、フレンチトースト、パンプレート、サラダプレートの5種類から選べます。
選んだのはフレンチトースト。ごろっとのったマンゴーとマンゴーソースの彩りが元気をチャージしてくれます。パンはブリオッシュを使っていて、ほんのり甘く、外はカリッと、中はふわふわ。温かいブリオッシュに甘さ控えめの生クリームが程よく溶けて絶品です!
サラダ、スープ、ドリンクも付いて、ドリンクはモヒート、アセロラ、マンゴーオレンジ、さんぴん茶を自由にいただけます。ボリュームたっぷりで大満足の内容でした。
地元のスーパーで沖縄の食文化体験
さて、この日はOMOレンジャーが地元のスーパーを案内してくれる「スーパーマーケットレンジャー」に参加。8:45に1階に集合し、みんなで歩いて向かいます。訪れたのは「フレッシュプラザ ユニオン前島店」。地元の人たちで賑わっていて、生活に根付いているのがわかります。
まずはお酒から。沖縄のお酒といえば泡盛。空港やお土産店と比べると、安くて種類が豊富! このユニオン、「ユニオンですから」というフレーズがテレビCMでお馴染みだそうで、プライベートブランド「ユニオンですから」の、こんなビッグサイズの泡盛も当たり前のように棚に並んでいます。
沖縄そばコーナーも麺やだしの種類が多く、迷っていると、OMOレンジャーがおもむろにボードを取り出しました。自分の好みのそばだしがわかる便利なチャート。OMOレンジャーたちが実際に食べ比べて作ったオリジナルだそう。簡単に好みに合うものを選ぶことができました。
沖縄土産の定番、ちんすこうも素朴なものからチョコレートや塩味など種類が多くて、安い! ここでもOMOレンジャー手作りのちんすこう適性診断ボードが登場! お土産選びも悩まずにすみました。
そのほか、珍しいお肉や、驚くほどの数のツナ缶、沖縄料理のジューシー(炊き込みごはん)やタコス、山羊汁のレトルトなども揃います。食材の宝庫・スーパーマーケットは、地元の家庭の食文化がリアルにわかります。食トリビアを聞きながらめぐるのも楽しいもの。
ユニオンでは自宅に宅配便で送ることもできるので、お土産を買いすぎても安心です。
また、このツアーに参加すると、OMOのオリジナルエコバッグももらえます。丈夫でたっぷり入るので買い物にも便利。
さらに、暑い日には、首から下げる扇風機の貸出などうれしい心遣いも満載です。
スーパーマーケットレンジャー
- 開催日
- 通年(天候や店舗の営業状況により中止の場合あり)
- 時間
- 8:45~10:00
- 料金
- 1,000円/人(宿泊者のみ参加可)
- 予約
- 前日22:00まで受付
- 定員
- 4名(最少催行人数1名)
ホテルに荷物を置いて、再び観光へ
ホテルに戻ったら、お土産を整理してチェックアウト。チェックアウト後・チェックイン前でも無料で使えるロッカーが2階にあり、荷物を預けて身軽に出かけられます。
那覇を観光するなら自転車も便利。電動自転車のシェアサイクル(1日2,200円、30分220円)があるので、スタッフの方におすすめの観光コースを相談して出かけるのもいいでしょう。
時間があれば、絶景の海カフェ「星野リゾート バンタカフェ」へ足を伸ばすのもおすすめ。那覇から車で1時間ほど、沖縄本島中部に位置する読谷村(よみたんそん)の海辺にあります。
フォトジェニックなドリンクから、スイーツ、ポークたまごおにぎりやゴーヤがのったピザトーストといった軽食まであるので、サンゴ礁の海を目の前に眺めながら、朝食、ランチ、カフェまで楽しめます。
海に沈む美しい夕日も見られるので、夕暮れまでのんびり滞在するのもおすすめです。
星野リゾート バンタカフェ
- 営業時間
- 10:00~日の入り後1時間(日の入りにてラストオーダー)、土日祝は8:00~
- 住所
- 沖縄県中頭郡読谷村儀間560
- アクセス
- 那覇空港より沖縄自動車道で約60分、一般道・国道58号線で約70分
ホテルを発つ前にのぞきたいのが、フロント横のショップ。ご当地アイテムや星野リゾートのオリジナルグッズが揃います。人気は星野リゾートの各施設で異なる刺繍が入った布マスク。OMO5沖縄那覇はかわいい首里城のイラストが入っています。
アットホームで温かい「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」を去るのは名残惜しいですが、またきっと戻って来ようとホテルを後に。那覇の文化や人柄に触れて、さまざまな沖縄を堪能し、心から充実した旅行となりました。
「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」なら、ただ泊まるだけではなく、ガイドブックでは知り得ないその土地の魅力をまるごと体感できます。初めての人も、何度も那覇を訪れている人も、ディープな那覇の街を発見できるはずです。
OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート
- 住所
- 沖縄県那覇市松山1-3-16
- アクセス
- ゆいレール「県庁前」駅より徒歩約6分、「美栄橋」駅より徒歩約8分
「那覇空港」より車で約8分 - 駐車場
- 1,500円/1泊、立体駐車場44台・先着順(車高1.9mまで)
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
- 宿泊予約
- 楽天トラベル「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」
撮影:福羅広幸 取材・文:三鷹花子