”小京都”とは?
古い町並みがあり、その情緒が京都に似ていることから名付けられた、全国各地の町の愛称。室町時代以降に、地方の大名が京都を真似た町づくりをしたことで生まれた場合が多いようです。小京都と呼ばれる町が集まった「全国京都会議」には全国から45の市町が参加しているそう。風情あふれる景観が保存されているため、フォトジェニック・インスタジェニックな写真を撮ることができること間違いなしです!
埼玉県比企郡嵐山町
1. 嵐山(らんざん)
木曽義仲や畠山重忠など平安末期から鎌倉時代にかけて活躍した坂東武者ゆかりの地。歴史的に京都と結びつきが深いだけでなく、京都の嵐山と渓谷の風景が似ていることから「嵐山(らんざん)」という町名に。縄文時代から戦国時代まで各時代の遺跡が出土しているほか、板東武者らの館跡も残されています。
三重県伊賀市
2. 伊賀上野<伊賀の小京都>
伊賀流忍者発祥の地であるほか、松尾芭蕉生誕の地としても有名な伊賀上野。街のシンボルとして佇む上野城の城下町には、江戸時代に普請の名手と名高い藤堂高虎が基盤目状に整備した石垣が現存しています。風情ある町並みはまさに京都を彷彿させるほか、秋に菅原神社で行われるだんじりの山車も小京都らしさ満点です。
愛知県西尾市
3. 西尾<三河の小京都>
城下町として栄えた西尾。歴史公園内にある西尾城本丸丑寅櫓がシンボルです。町を流れるみどり川には京都風に二条から四条と名づけられた橋が架かり、「三河の小京都」と呼ばれています。歴史ある名所旧跡があるほか、伝統芸能や大名行列を再現する祭りなど、古くからの文化や芸能が受け継がれているのも特徴です。
広島県尾道市
4. 尾道<瀬戸内の小京都>
「坂の街」や「猫の街」とも呼ばれる尾道。この街は戦火を免れたことで大小の寺が今なお多く点在し、「瀬戸内の小京都」とも呼ばれています。尾道出身の大林宣彦監督映画の舞台としても有名で、ロケ地散策をしながら古都の風情を満喫するのもおすすめ。市街地をはじめ尾道水道、向島まで一望できる千光寺も人気スポットです。
島根県鹿足郡津和野町
5. 津和野<山陰の小京都>
「山陰の小京都」と呼ばれる津和野は、鎌倉から江戸時代まで続いた城下町。今でも堀割や白壁が続く町並みなど、当時の雰囲気が色濃く残っています。堀割で優雅に泳ぐ錦鯉の姿は風流そのもの。文豪・森鴎外の出身地でもあり、11歳まで過ごした旧宅が現存するほか、藩校になった養老館跡や家老門を見学できます。
山口県山口市
6. 山口<西の京都>
古くから本州と九州をつなぐ中心地として栄え、室町時代に巨大勢力を持った大内氏が京都をまねた街づくりをしたことから、京文化が色濃く繁栄。「西の京都」とも言われています。現在でも歴史的な建造物が多数点在し、中でも国宝にも指定されている瑠璃光寺五重塔はその美しさから日本三名塔の一つにも数えられています。
青森県弘前市
7. 弘前<陸奥の小京都>
本州最北にあり、「陸奥の小京都」として知られる弘前。当時は弘前藩の城下町として発達しました。弘前公園は日本有数の桜の名所で、天守閣をバックにした桜景色が圧巻。武家屋敷、名刹寺院など江戸期の史跡もありつつ、明治から昭和初期にかけてのルネッサンス調の建築物も数多く残っています。
宮崎県日南市
8. 飫肥(おび)<九州の小京都>
飫肥は江戸時代の五万一千石・伊東家の城下町。当時の町並みがほぼ現存しており、「九州の小京都」と称されています。石垣や蔵、武家屋敷通りなど見どころが満載! 中でも飫肥街道の本町商人通りは、道路の両側に白壁や瓦屋根の家並みが続き、歴史を感じながらゆったりと散策するのに最適です。
兵庫県豊岡市
9. 出石(いずし)<但馬の小京都>
出石は城下町として400年近い歴史を持つ街で、碁盤の目状に整備された町並みが京都に似ていることもあり「但馬の小京都」と呼ばれています。出石のシンボル辰鼓楼は出石城跡大手門の旧内堀の一角にあり、元々は見張り櫓として作られたもの。約300年の歴史を誇る出石そばは、小皿に盛ったスタイルが特徴で約45軒のそば屋を食べ比べてみるのもおすすめです。
大分県杵築市
10. 杵築(きつき)<杵築の小京都>
京都に続く和服で歩きたいまちを目指して「きつき和服応援宣言!」を実施、きものが似合う歴史的町並みとして認定された杵築市。今でも多くの武家屋敷や土壁、石畳の坂道が残されており、江戸時代の風情を味わいながら散策が楽しめます。
岐阜県郡上市
11. 郡上八幡<奥美濃の小京都>
400年以上の歴史を持ち、7月中旬から9月上旬まで踊り続ける日本一ロングラン「郡上おどり」で知られる郡上八幡市。水のまちでもあり、市内には「宗祇水」と呼ばれる日本名水百選の第1号に選ばれた湧き水や用水路が流れる美しい小径がいくつもあります。晩秋から冬にかけては、雲海に浮かぶ「天空の城」として有名な郡上八幡城も外せません。
秋田県仙北市
12. 角館<みちのくの小京都>
江戸時代に城下町として栄え、町の中心に広場、北側に武家屋敷、南側に商人の町を配した町並みを400余年後の今も見ることができます。広い通り沿いに武家屋敷が並び、それぞれの屋敷の樹齢300年のシダレザクラが満開に咲く姿は圧巻。紅葉の時季も風情があり美しく、どちらの季節も多くの観光客が訪れます。
福岡県朝倉市
13. 秋月<筑前の小京都>
福岡県の中央に位置し、周囲を山に囲まれた盆地にある秋月。戦国時代より城下町として栄え、今でも歴史的建造物が町中に残ります。紅葉の名所としても知られ、真っ赤に色づくカエデに覆われる秋月城跡の黒門は人気のスポット。秋月の玄関口にある花崗岩を使用した「眼鏡橋」は珍しく、県の有形文化財に指定されています。