伊豆半島の西に位置し、海と山の魅力を両方楽しめる静岡県の温泉郷「土肥温泉(といおんせん)」。江戸時代、金山の掘削中に温泉が湧出した歴史を持つこと、そして白枇杷(しろびわ)で有名なことから「黄金のいで湯、びわの郷」としても親しまれています。都心から車で約2時間半と行きやすい、土肥温泉の観光スポットをご紹介します。
1. 土肥金山
土肥温泉を代表する有名観光スポットが伊豆市指定史跡の「土肥金山」。金山開発の歴史は1370年代から始まり、1601年より徳川家康が力を注いだ徳川幕府直轄の金鉱山です。現在は総延長およそ100kmにもおよぶ坑道の一部で、江戸時代の金山発掘を再現した展示を見学できます。
観光できる坑道だけでもとても広く、見応えがあります。機械ではなく人の手で掘り進めたことを考えると、江戸時代の人たちの苦労は計り知れません!1日で掘り進められた長さは、1人あたりたったの30cmほどだったそうです。
金山だけあって、金運パワースポットも盛りだくさんです。黄金に輝く鳥居が目印の「山神社」にお参りしたり、ギネス認定された世界一の巨大金塊にさわってみたり。巨大金塊は重量250kgで、ある日の時価総額は約24億2千万円!さわるだけで、なんだか金運が上がりそう!?
土肥金山で外せないアクティビティが「温泉砂金採り」。温泉水の中から砂金を採る体験ができます。採れる砂金は、24金の純金粒!小瓶に入れてお土産として持ち帰り可能で、室内のため天候が悪い日のアクティビティにもおすすめです。
売店には金にまつわるお土産が大充実。1番人気の「金箔カステラ」(1,500円)のほか、おすすめが「埋蔵金のきんつば」(2,500円)。箱を開けるときんつばだけ……が入っているかと思いきや、下に小判チョコが敷き詰められた、遊び心ある商品です。もらった人は、「お主も悪よのう」と言ってくれることでしょう。「金ふろしきセット」(2,980円)も販売しています。
徳川幕府直轄の金鉱山ということで、NHK大河ドラマ『どうする家康』の公式グッズやお菓子も並んでいます。「どうする家康 塩まんじゅう」(760円)は『どうする家康』のロゴがデザインされているおまんじゅう。個包装になっているため、バラマキ土産としてもうってつけです。
喫茶「金の砂」で販売している「純金モリモリソフトクリーム」(1,000円)は金箔がたっぷりあしらわれた土肥金山ならではのスイーツ!食べるだけで、リッチな気分になれるソフトクリームです。金箔自体に味はなく、バニラ・抹茶・ミックスから選べますよ。
土肥金山
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥2726
- 営業時間
- 9:00~17:00
入場受付9:00~16:30 - 砂金受付
- 9:00~16:20
※坑内めぐり・砂金採り体験を希望の場合15:50までにチケットの購入を済ませてください。 - 料金
- 入場料金(観光坑道&黄金館共通チケット) 大人(中学生以上)1,000円 子ども(小学生以上)500円
砂金採り体験料金 大人(中学生以上)750円 子ども(小学生以上)650円 - アクセス
- 東海バス「土肥金山」停下車すぐ、または東海バス「土肥温泉」停下車、徒歩約7分
- 公式サイト
- 土肥金山
2. GELATO&BAKE SANTi(LOQUAT西伊豆内)
今、土肥温泉で最もおしゃれな最新スポットが「LOQUAT(ロクワット)西伊豆」。約100年前に建てられた古民家をリノベーションした複合施設で、母屋ではレストラン・カフェ・ベーカリー・ジェラテリアを楽しめます。ちなみにLOQUATは英語で「枇杷」という意味で、白枇杷は土肥の特産品です。
「GELATO&BAKE SANTi(ジェラート & ベイク サンティ)」は鎌倉の大人気ジェラテリア「SANTi」の2号店。定番人気のジェラートのほか、西伊豆の旬の食材を活かしたここだけでしか食べられない季節限定のジェラートも販売しています。
パンや焼き菓子は天然酵母を使用し、国産小麦を中心に安心して食べられる原料にこだわっています。「井田塩パン」(220円)はパンドミ生地に井田塩とバターを包んだ一品で、カリッ、ジュワッ、モチっと食感。井田塩とは、沼津市井田地区で薪焚の伝統的な製法を守りながら作られている特別な塩です。ミシュランを獲得している有名寿司店にも採用されています。
GELATO&BAKE SANTi(LOQUAT西伊豆内)
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥365
- 営業時間
- 10:00~16:00
- アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車、徒歩約6分
- 公式サイト
- LOQUAT西伊豆
3. 土肥特産市 ありがとう
土肥温泉の地場産品を購入できる直売所。季節の野菜、果物、干し椎茸、干物、わさび漬け、はちみつなど、土肥の海の恵み、山の恵みが陳列されています。特産品の枇杷は5月〜6月が旬。シーズン中はジャムなど加工品も販売されます。
枇杷とともに注目の特産品が「ところてん」。盛田屋「伊豆の心太」(1食用丸カップ、350円)は土肥産の天草100%と天城山麓の湧き水を使用した、粘りとこしのあるところてんです。味付けは三杯酢もしくは黒みつが選べます。
土肥特産市 ありがとう
- 住所
- 伊豆市土肥2657-1
- 営業時間
- 9:00~16:00
- 定休日
- なし 年中無休
- アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車、徒歩約1分
- 関連サイト
- 伊豆市観光情報サイト
4. 黄金の湯
「黄金の湯」は観光の休憩におすすめの足湯スポット。長さ約3.3m、幅約0.8m、深さ約0.4mの足湯が2つ設置されています。泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉水。片方の足湯には源泉が直接入っています。時間が無い時には、手湯で気軽に温泉を楽しむこともできますよ。
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥2657-6
- アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車すぐ
- 関連サイト
- 伊豆市観光情報サイト
5. 伊豆市土肥観光案内所
もしどこに行くか迷ったら、「伊豆市土肥観光案内所」へ。周辺のパンフレットが置いてあるほか、バスの時刻を調べたり、ロッカーに荷物を預けたり、観光の強い味方です。
土肥金山〜伊豆市土肥観光案内所は徒歩で巡れる距離ですが、さらに足を延ばすならレンタサイクルがおすすめです。料金はマウンテンバイクが3時間以内500円、電動アシストが3時間以内1,000円。自転車で約1時間のぼった先にある観光地「恋人岬」で乗り捨てができるので、帰りはバスで土肥温泉に戻ったり、堂ヶ島方面に向かったりすることも可能です。
伊豆市土肥観光案内所
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥2656-1
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 水曜日
- アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車すぐ
- 関連サイト
- 伊豆市土肥観光案内所
6. 恋人岬
「恋人岬」はカップルに人気の観光スポット。遠くの村に住む土肥の漁師・福太郎と小下田のおよねが毎日鐘を鳴らして愛を伝え合った民話にちなんだ岬です。恋人たちが3回鳴らすと愛が成就すると伝わる「愛の鐘」を鳴らし、2人の愛を海に誓いましょう。晴れた日には富士山も拝むことができます。
恋人岬
- 住所
- 静岡県伊豆市小下田3135-7
- アクセス
- 東海バス「恋人岬」停下車すぐ
- 関連サイト
- 西伊豆「土肥温泉・恋人岬」
7.旅人岬
「恋人岬」にあやかって誕生した町の新名所「旅人岬」。土肥温泉街からも近く、駐車場と展望台が隣接しているのでさくっと観光できるのがうれしいポイント。展望台からは180度以上の大パノラマが広がり、天気が良ければ対岸の清水や日本平などを見ることができます。足元にはハート型の石がはめ込まれていて、見つけると幸せになれるとか。
旅人岬
- 住所
- 静岡県伊豆市小土肥309-1
- アクセス
- 東海バス「土肥漁協」停下車、徒歩約10分
- 関連サイト
- 伊豆市観光情報サイト
8. 安楽寺
土肥温泉発祥の「まぶ湯」で有名な「安楽寺」。金山の採掘中に温泉が湧き出でた場所で、「まぶ」は「坑道」を意味します。大変な労力が必要だった金山採掘で、温泉は癒やしの場。病気が治癒したという故事も残されています。現在入浴することはできませんが、見学のみ可能です。
安楽寺
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥709
- 拝観時間
- 8:30~17:00
- 料金
- まぶ湯の拝観料:150円
- アクセス
- 東海バス「馬場」停下車、徒歩約3分
- 関連サイト
- 伊豆市土肥観光案内所
9.土肥桜
例年1月中旬から2月に咲く「土肥桜」。河津桜よりも早く咲き、濃いピンクの紅種と薄いピンクの白種の2種類を楽しめます。土肥地区に約400本が植えられており、土肥金山や恋人岬など各所で見られる初春の風物詩です。見ごろに合わせて開催される「土肥桜まつり」もおすすめ。
土肥桜まつり
- 場所
- 土肥金山駐車場(静岡県伊豆市土肥2726)
- アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車、徒歩約6分
10. 土肥海水浴場
例年7月中旬〜8月下旬まで遊泳できる「土肥海水浴場」。約700mもの砂浜が弓状に湾曲して続き、遠浅のため波が低く、子どもも大人も楽しめます。無料でシャワーや脱衣所が利用できるのもポイント。シーズン中はパラソルやサンシェードが所狭しと並ぶ、大人気の海水浴場です。
土肥海水浴場
- 住所
- 静岡県伊豆市土肥2657-6
- 営業時間
- 遊泳時間 9:00~16:00
駐車場 8:00~17:00(時間外は駐車場閉鎖) - アクセス
- 東海バス「土肥温泉」停下車、徒歩約4分
金山発掘で発見された温泉で癒やされながら、観光やグルメを満喫できる「土肥温泉」。自然が豊かなので、いつ訪れても春夏秋冬それぞれの魅力を楽しめます。定番観光地や最新グルメスポットを巡り、楽しい旅の思い出を作ってくださいね!
土肥温泉の観光MAP
取材・撮影・文/小浜みゆ