世界遺産・姫路城の高度な防衛設計とは? 通常非公開のトの櫓・との一門・搦手周辺を特別公開

「姫路城」全景

兵庫県姫路市の世界遺産・姫路城で、通常見ることができない城郭東側のエリアが2024年9月1〜30日まで特別公開されています。

外見の美しさとともに、敵を寄せ付けない数々の仕掛けを有し、「守りの城」と称された姫路城。特別公開では、戦への備えが徹底された高度な「要塞」としての側面をじっくり見学できます。

 

時代を超えて人々を魅了し続ける“純白の城壁”

「姫路城」外観

姫路城は、白漆喰の城壁とその優麗なフォルムが、白鷺(シラサギ)が羽を広げたようなたたずまいであることから、「白鷺城(はくろじょう/しらさぎじょう)」の愛称で親しまれる国宝です。

また、1993年には奈良の「法隆寺地域の仏教建造物」とともに日本で最初の世界文化遺産に登録されるなど、築城から400年以上が経った今も訪れる多くの人々を魅了しています。

 

「難攻不落の大要塞」その一端が垣間見える特別公開エリア

「姫路城」にの門 ※通常公開エリア

姫路城は、戦にまみえることもなく、歴史上一度も戦火を経験していないという珍しい「不戦の城」です。その一方、複雑な構造の城内には敵襲を惑わすさまざまな仕掛けが設けられるなど、堅固な「守りの城」としての顔も併せ持ちます。

9月1日から実施している今回の特別公開では、城内でもとりわけ戦における防御力の強さがよく分かる東側エリアが、見学コースとして一般開放されます。

姫路城 特別公開

このうち「トの櫓(とのやぐら)」は、東と南に設置された2つの格子窓が射撃口の役割を果たしました。櫓内部では狙撃手が安定して火縄銃を構えられるよう、窓の下に一段高い床板を張って高さを確保するなど、敵の侵攻を想定した戦術的な工夫がうかがえます。

隣接する「との一門」は、姫路城に残る櫓門の中で唯一白漆喰が塗られていない素木(しらき)造りの門。秀吉が自身の権威を示すため、姫路城の北にあった置塩城(おじおじょう)から移築したものであるとの説もあります。

さらに、城の裏口を意味する「搦手(からめて)」の周辺も見学できます。なかでも実に9年ぶりの公開となる「との四門」は、門の内側に設けられた穴蔵が火薬庫の役割を果たしていたことで知られ、そうした当時の遺構を実際に見ることができます。

ほかにも、侵入した敵兵を一網打尽にするため、「との一門」と「との二門」で構成されたトラップ空間「枡形虎口(ますがたこぐち)」や、城がある姫山(ひめやま)の地主神が祀られていた「長壁神社遺址(おさかべじんじゃいし)」も特別に公開されています。

 

かつて秀吉が西国進出の拠点とした鉄壁の大要塞・姫路城。日本を代表する名城の「守りの要」を目にすることができる大注目の催しに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

姫路城 特別公開

期間
2024年9月1〜30日
受付時間
9:00〜16:30(最終入城16:00、閉城17:00)
料金
大人・小中高生ともに200円
※別途入城料(大人1,000円、小中高生300円)が必要

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