徳島県の人口およそ1,000人の村、那賀郡那賀町木頭地区にある「未来コンビニ」が、世界3大デザイン賞の1つであるドイツのデザインアワード「レッド・ドット・デザイン・アワード」2021年のリテールデザイン部門で、最優秀賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」賞を受賞しました。
カフェや交流スペースも!“自然との共生”をテーマにした「未来コンビニ」
木頭地区は、徳島県と高知県の県境に位置する人口約1,000人の村。そのうち65歳以上が人口の過半数を占める「限界集落」です。
「未来コンビニ」が位置するのは、そんな木頭地区でも最西端の北川集落。生活必需品の買い物が非常に不便だったことから、買い物環境の改善を目指すとともに、地元の子どもたちの交流の場として未来への刺激が受けられる場になるようにと、2020年4月にオープンしました。
“世界一美しいコンビニ”をコンセプトにデザインされている未来コンビニ。そのデザインテーマの1つとなっているのが、木頭の「自然との共生」です。柚子の原生林が多数存在している木頭地区は、柚子栽培を全国に広めた地でもあり、特産品「木頭ゆず」の品質の高さは、国内外でも高く評価されています。
そこで未来コンビニのデザインの軸には、柚子畑をイメージしたY字のトラス構造の設計を採用。店内は明るいイエローに塗り分けられています。
また店内の陳列棚は、子どもたちや高齢者の方が商品を手に取りやすいようにと、一般のコンビニよりも低めに設計。解放感のある空間を実現しました。
店内奥には、「木頭ゆず」のオリジナルメニューを体験できるカフェスペースや、子どもたちが絵本や美しい木頭の映像を楽しんだり、交流会ができるエリアも。
道路に面した壁一面はガラス張りで、店内にいながら木頭の美しい自然との一体感を感じられます。
未来コンビニが受賞した「レッド・ドット・デザイン・アワード」とは?
ドイツの「レッド・ドット・デザイン・アワード」は、「iFデザイン賞」(ドイツ)、「インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞(IDEA)」(アメリカ)と並ぶ世界3大デザイン賞の1つ。
集まったデザインに対し、その機能性や審美性をはじめ、独創性・創造性・デザインの質・革新性・情緒性などといった様々な観点から20名以上の専門的な審査員によって選定が行われ、約500点がレッド・ドット賞として選定されます。そのうち各カテゴリで最も優れた革新的なデザインに贈られるのが、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」。
未来コンビニは、ブランド&コミュニケーションカテゴリのリテールデザイン部門において、最優秀賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞しました。
人々が気軽に集まれる交流の場として、地元住民や観光客に愛されてきた未来コンビニ。今回の受賞を気に、木頭のアイコン的な存在としてますます盛り上がりを見せてくれそうです。
未来コンビニ
- 場所
- 徳島県那賀郡那賀町木頭北川いも志屋敷11-1
- 営業時間
- 8:00〜20:00 ※冬季は8:00~19:00
- 定休日
- 木曜日
- 詳細
- 未来コンビニ