2021年7月、島根県の北に浮かぶ隠岐諸島、海士町(あまちょう)に、新施設が誕生します。今回オープンを迎えるのは、隠岐ユネスコ世界ジオパークの泊まれる拠点施設「Entô(エントウ)」。ジオパーク拠点機能と、その絶景を享受できる宿泊機能を合わせ持つ、新しい価値観の複合施設です。
ジオパーク×ホテルで出会う、「なにもない」という旅の贅沢
そもそも「ユネスコ世界ジオパーク」は、自然と人間との共生及び持続可能な開発の実現を目的として設立された地域認証制度です。「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」は、日本で6番目の認定地域であり、これまで様々な推進活動をおこなってきました。
そんなユネスコ・グローバル・ジオパークである隠岐と、地域活性化の挑戦事例としても知られる海士町との協働で開業するのが「Entô(エントウ)」です。
Entôは、隠岐特有の「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」というテーマを掲げて、雄大なジオパークの魅力を世界中に発信すると共に、島を訪れる観光客と島民の交流施設としての役割も担っているのが特徴。
ジオパークである隠岐の自然と暮らしの中に溶け込み、探究し、地球を知り、自己を知る…。そんな玄関口となる新しい複合施設です。
これに合わせて、海士町で島で唯一のホテルとして知られる「マリンポートホテル海士」も、同施設として生まれ変わります。
Entôは、付加価値を足していくようないわゆる都市型のラグジュアリーではなく、都市から遠く離れた隠岐の大自然を最高級の価値として、「なにもない」という旅の贅沢、豊かさを提供してくれる場所。
「honest(ありのまま)& seamless(境目のない)」をコンセプトとした館内は、目の前に広がるジオパークの風景そのものを全身で感じられる空間。隣接する港と同じく木の温かみを全面に表現し、島前カルデラが眼前に広がる設計となっています。
「なくてもよい、大事なことはすべてここにある」という2つの意味を込めて掲げられている海士町のキャッチコピー「ないものはない」の価値観を根底に、削ぎ落とした「ない」空間が追究されているのもポイントです。
また、施工においては、SDGsでも推奨される最小限の工程での施工を実現する全面CLT工法(Cross Laminated Timber)を採用。宿泊機能を持つ大型施設の建て替えとしては、国内初の試みとして注目を集めました。
海士町政史上、最大規模の予算となる投資対象として、ホテルの存在意義・島における観光業の意義について対話を続けて実現に至ったというEntô。
従来のリゾート施設とは一線を画す新しい価値観の複合施設で、旅の豊かさを感じてみてはいかがでしょうか?
Entô(エントウ)
- 住所
- 島根県隠岐郡海士町福井1375-1
- 総部屋数
- 36室
- アクセス
- 隠岐汽船「菱浦港」より徒歩約3分